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あらゆることは今起こる の商品レビュー

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19件のお客様レビュー

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2024/07/15

ADHDとASDと診断された著者の体験が書かれた作品。自分も少しADHDやアスペルガー気味なのかと感じることがあり読んでみた。読んでみて分かったのだが、ADHDだから◯◯、ASDだから◯◯といった風に簡単に境界線を引けるものではないということ。それゆえ、僕も診断をしてみたいと思っ...

ADHDとASDと診断された著者の体験が書かれた作品。自分も少しADHDやアスペルガー気味なのかと感じることがあり読んでみた。読んでみて分かったのだが、ADHDだから◯◯、ASDだから◯◯といった風に簡単に境界線を引けるものではないということ。それゆえ、僕も診断をしてみたいと思った。自分自身に対する理解を深めたい、得意不得意をもっと自覚して得意分野になるだけ時間を割きたいと考えるからだ。 著者の柴崎さんは、自分のことをこれだけ分析できていて本当にすごいなと感じた。 ADHDがひとえに特徴づけることが難しいということは、もはやそれらの各特徴は個性なのではと個人的には思う。そんな個性を包括できる社会的枠組みを考えていくうえで社会学や医学というのは必要なんだろうな。 ニューロダイバーシティという言葉も自分の興味を引いた。昔、Joiさんこと伊藤穰一さんのPodcastで聞いたことがある。こういう知識を得ることは、自分が無意識に人を傷つけるリスクを減らせると思う。 誰ともでも仲良くしていきたいとは思わないが、社会では1人で生きていけないし、誰かと支え合って生きていくもの。そういったパートナーへの配慮はしたいし、そういった居心地のいい空間を僕は身の回りに築きたい。 診断を受けたい理由のひとつとして『言い訳』として使えそうと思ってしまう自分もいるが、悪いことでもないよな。一定の努力も必要だとは思うが、まずは向いていること、やりたいことを起点に人生設計をしていきたい。 そんな自分にとって、柴崎さんの体験談は、自他共に対して許容範囲を広げくれる内容だった。

Posted byブクログ

2024/07/14

小説家の柴崎友香さんによる、自身がADHDであることを踏まえた上でのADHDに関するエッセイ。 自分も確定診断を受けADHDと確定したものなのだけど、よく言われているようにADHDといってもさまざまなタイプがあり、柴崎さんと似ていると思うところもあれば、ここは違うなぁと思うこと...

小説家の柴崎友香さんによる、自身がADHDであることを踏まえた上でのADHDに関するエッセイ。 自分も確定診断を受けADHDと確定したものなのだけど、よく言われているようにADHDといってもさまざまなタイプがあり、柴崎さんと似ていると思うところもあれば、ここは違うなぁと思うこともある。ただ頭の中がごちゃごちゃしすぎていて行動できなくなるところとか、それ故に疲れてしまって年中眠いところは似ているなぁと思ったり、コンサータを飲んだときのいわれているほどのシャープさはないが、頭の中のモヤモヤが雨水で起きていいられる感覚は似ているなぁなどと思ったり。ただ自分はもう薬に慣れてきてしまっているのか眠いが復活しているのだけど。 という事で、ADHDの人が身近にいて、そのひとついて理解したいという奇特な人やADHDの当事者は読んで見るのが良いのではないでしょうか。

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2024/07/12

著者の作品は、数冊読んだことがある。 ADHDと小説との関係も触れているが、小説はフィクションだし全く違和感はない。 いろいろな症状がある中で、私も当てはまることがいくつかあるぞ・・・と思う。 けれど、他人の状態は分からないから、どんな状態がベストなのか判断がつかない、他の人に...

著者の作品は、数冊読んだことがある。 ADHDと小説との関係も触れているが、小説はフィクションだし全く違和感はない。 いろいろな症状がある中で、私も当てはまることがいくつかあるぞ・・・と思う。 けれど、他人の状態は分からないから、どんな状態がベストなのか判断がつかない、他の人になってみたい気持ちは同感する。 ADHDが薬でコントロール出来るとは初耳だった。 大阪弁で表現することで深刻さが和らぎ、寄り添うように読めた。

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2024/07/08

「私は「この私」を通じてしか世界を経験できない。(中略)「この私」としてしか世界を経験できないからこそ、この私ではない誰かの経験した世界を知りたいと思うこと。小説にしてもこの本にしても、根本にあるのはその感覚だ」 この感覚、すごくすごく共感する! 柴崎友香さんを知ったのは、20...

「私は「この私」を通じてしか世界を経験できない。(中略)「この私」としてしか世界を経験できないからこそ、この私ではない誰かの経験した世界を知りたいと思うこと。小説にしてもこの本にしても、根本にあるのはその感覚だ」 この感覚、すごくすごく共感する! 柴崎友香さんを知ったのは、2015年のブックフェアの時。西加奈子さんとのトークイベントでは、おふたりの話の内容がおもしろかったこともだけれど、今でも柴崎さんの本を読む時にはその声で脳内再生されるほど“落ち着いた”トーンや話し方がとても印象に残っている。本書は目の前で直接友だちの話を聞いているような、自分の話を聞いてもらってるような、そんな気持ちで驚いたり笑ったり(少し泣いたり)しながら一気に読了。

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2024/06/27

ぼく自身も実は発達障害者なのだけれど、実に「なるほど、こうした向き合い方もあるのか」と背筋が伸びるような好エッセイと思った。「わかりやすく」「口当たりよく」発達障害を粗暴に戯画化するやり方を採らず、あくまでさまざまな症状の出方やそれにどう対峙してきたかを身の丈に合った筆致で綴り、...

ぼく自身も実は発達障害者なのだけれど、実に「なるほど、こうした向き合い方もあるのか」と背筋が伸びるような好エッセイと思った。「わかりやすく」「口当たりよく」発達障害を粗暴に戯画化するやり方を採らず、あくまでさまざまな症状の出方やそれにどう対峙してきたかを身の丈に合った筆致で綴り、そこからADHD脳の特性として生まれてくる思考の脱線も受け容れて、しかし読者にどう自分の思いが伝わりうるかていねいに自分の思考を紡いでいく。甘いか渋いかで言えば渋めの、だが滋養を感じさせるたしかな「真摯さ」が成分として含まれている

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2024/06/24

ADHDの診断を受けて柴崎さんが考えたこと、日常で感じることをわりと思うがままに書いている。 かなり自分にもあてはまる、共感できる部分があり、自分もADHDとかASDの兆候があるのかもしれないと考えるきっかけになった。 ただ柴崎さんも書かれているとおり、これにあてはまるから発達障...

ADHDの診断を受けて柴崎さんが考えたこと、日常で感じることをわりと思うがままに書いている。 かなり自分にもあてはまる、共感できる部分があり、自分もADHDとかASDの兆候があるのかもしれないと考えるきっかけになった。 ただ柴崎さんも書かれているとおり、これにあてはまるから発達障害でカウンセリングを受ける必要があるということでもなく、日常でどうしても困ることがなければ問題はないのかもしれない。

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2024/05/29

感想 複数の時間が束になって。現在の自分の中に渦を巻いている。ふとした瞬間に沸き起こる違和感。だけど不快ではない。結局は自分の経験だから。

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2024/07/18

https://honz.jp/articles/-/55015 週刊ポスト 2024年7月19・26日号 著者インタビュー 週プレ 2024年7月19日号 著者インタビュー 週刊文春 2024年7月25日号 著者インタビュー

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2024/05/17

まず、表紙の写真とタイトルの、そのそれぞれ、それからその組み合わせとがよすぎる。柴崎友香の小説は、そんなにたくさん読んだことがあるわけじゃないけれども、日常を日常のままに主観的に描いたときに浮かびあがってくる違和感とか不穏さみたいなものが心地よいなと思っており、帯にも書かれた複数...

まず、表紙の写真とタイトルの、そのそれぞれ、それからその組み合わせとがよすぎる。柴崎友香の小説は、そんなにたくさん読んだことがあるわけじゃないけれども、日常を日常のままに主観的に描いたときに浮かびあがってくる違和感とか不穏さみたいなものが心地よいなと思っており、帯にも書かれた複数世界が身体にながれている感覚というのは、なんとなくそういった作風を支えるものであるような気がして、そのあたりが語られつつ、もちろんADHDについてのあれこれが作家の言葉で語られることを期待して、手にとった。で、その期待はとても満たされた、あと大阪弁ってずるいなと(そんなこと言われたって慣れた言葉で書いているだけなのだから困るだろうけれど)思った。

Posted byブクログ