イデアの再臨 の商品レビュー
主人公たちが小説の登場人物であることを自覚している、メタなミステリー。アイデア勝負で書き上げてしまったような小説。ちゃんとミステリーにはなってるんだけど、登場人物が作中で言ってる通り、消された言葉を当てるクイズみたいな感じでもある。まあ、映像化は不可能だろう。
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序盤から面白いです!今まで読んだことがない内容で私の中でツボでした。気になってる方読んで欲しい! この作家さんの本もっと読みたい
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物語が物語であることを自覚していることでしか描けない物語。 改めて、そんなことを強く意識してしまう物語でした。高校二年生の〈僕〉はある時、世界の異変に気付く、世界からあらゆる物質が消えてしまっているのだ――。 消えてしまったものは、「 」と空白で表記されて、以降、その言葉が...
物語が物語であることを自覚していることでしか描けない物語。 改めて、そんなことを強く意識してしまう物語でした。高校二年生の〈僕〉はある時、世界の異変に気付く、世界からあらゆる物質が消えてしまっているのだ――。 消えてしまったものは、「 」と空白で表記されて、以降、その言葉がその世界で使われることはなく、登場人物たちはおかしいとも思わず過ごしている。メタであることを認知できる能力者以外は。〈僕〉もその能力者であるため、地の文で消された言葉をその言葉自身を用いず、表現しなければいけない、ということで、書いているほう(作者さん)も大変だよなぁ、なんて思ってしまいました。 物語を読む時、物語であることを忘れたいひとには不向きかもしれませんが、去年話題になった、杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』や筒井康隆の作品群など、物語の構造を楽しみたいひとや創作それ自体に興味あるひと、言葉で遊んだりするのが好きなひとには、特におすすめしたい作品です。
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