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エンド・オブ・ライフ の商品レビュー

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42件のお客様レビュー

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2024/12/22

在宅医療の難しさ 「家に帰りたい」「家で看たい」という両者の思いが重なったとしても、歪みが出来てしまうのが現実 その両方を助けるのが在宅診療だが、実際取材していた京都の診療所のような場所は稀有だろう ただ生かされているだけで、病院のベッドに縛り付けられるのなら、好きなことをして、...

在宅医療の難しさ 「家に帰りたい」「家で看たい」という両者の思いが重なったとしても、歪みが出来てしまうのが現実 その両方を助けるのが在宅診療だが、実際取材していた京都の診療所のような場所は稀有だろう ただ生かされているだけで、病院のベッドに縛り付けられるのなら、好きなことをして、「あぁ、楽しかった」と人生を終えたい 著者の佐々さんがお亡くなりになった。自宅でということだったので、きっと「楽しく、楽しく」日々を過ごされていたことを願ってならない

Posted byブクログ

2024/12/15

職業柄自分と重ねながら読んだけど、本当に森山さんはかっこいい方だなあと。あと筆者の言葉の選び方が素晴らしい。 プロ意識を持って利用者と関わろう。気が引き締まりました。定期的に読み返そうと思う。

Posted byブクログ

2024/12/03

佐々涼子(1968~2024年)氏は、早大法学部卒、専業主婦として2児を育てつつ、日本語教師等を経てライターになった、ノンフィクション作家。2012年、『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』で開高健ノンフィクション賞、2014年、『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本...

佐々涼子(1968~2024年)氏は、早大法学部卒、専業主婦として2児を育てつつ、日本語教師等を経てライターになった、ノンフィクション作家。2012年、『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』で開高健ノンフィクション賞、2014年、『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』でダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR第1位等、2020年、本作『エンド・オブ・ライフ』で本屋大賞ノンフィクション本大賞を受賞。 2024年9月、悪性脳腫瘍のため死去。享年56。 私は、『エンジェルフライト』と『紙つなげ!~』は随分前に読んだが、本年初に、佐々さんが悪性脳腫瘍で闘病していることを知ったときに、直前に出版されたエッセイ+ルポルタージュ集『夜明けを待つ』を読み、本書は必ず読まなくてはと思いながら、今般通読した。 本書は、訪問看護師だった男性(森山文則氏)の現役時代の訪問医療の現場と、当人が膵臓がんに罹った予後の死への向かい方、生き方を描いたルポルタージュである。本書の特徴は、訪問看護師として、死期の迫った人たちの残された時間を如何に充実したものにするかに心を砕いてきた森山氏本人が、今度は立場が変わって、(若くして)自らの死に向き合うことになったという点にあり、森山氏の思いを想像し、また、自分だったら、と考える佐々さんの言葉が随所に登場する。それまでも「死」に関連したテーマで作品を書いてきた佐々さんなので、全く違和感はないのだが、佐々さんが本書執筆からわずか2年で悪性脳腫瘍を発病し、2年の闘病を経て亡くなった後に本書を読むと、やはり複雑な心境にならざるを得ない。端的に言えば、佐々さんにはもしかしたら何らかの予感めいたものがあったのではないかと。。。 私は、現在アラ還だが、暫く前から「死」、「死生観」に関わる本を多数読んでいる。本書にも出てくるキューブラー・ロス『死ぬ瞬間』ほか、山折哲雄、島田裕巳、鎌田東二らの宗教的なもの、最近ベストセラーとなった小林武彦『生物はなぜ死ぬのか』や久坂部羊らの生物学・医学的なもの、田坂広志やエベン・アレグザンダーらの(少々)スピリチュアル的なものほか、様々なジャンルのものを。。。しかし、結論としては、死を経験し(て現世に戻ってき)た人はいない以上、本当の死については何もわからないし、自分の死期を知ったときに、自分がどうなるのか(どうすべきか)にも全く自信は持てない。 本書にはいくつもの気付きがあるが、佐々さんが亡くなってしまった今、最も心に残るのは以下のような記述である。 「私も彼と同じ、いつか死ぬ運命を待つ身でしかない。ただ、私の場合には、まだ死の訪れがいつなのか予測がつかないだけだ。もし、明日事故で死ぬとわかっていたら、彼のように必死になって今を楽しむことができるだろうか。ただ、近づく死を目の前に、その恐怖で何もできなくなるだけではないか。」、「森山さんが亡くなって以来、彼が自分の心に忠実に生きたように、私も、行きたいところに行き、会いたい人に会い、食べたいものを食べ、自分の身体を大切にするように心掛けている。」、「気を抜いている場合ではない。貪欲にしたいことをしなければ。迷いながらでも、自分の足の向く方へと一歩を踏み出さねば。大切な人を大切に扱い、他人の大きな声で自分の内なる声がかき消されそうな時は、立ち止まって耳を澄まさなければ。そうやって最後の瞬間まで、誠実に生きていこうとすること。それが終末期を過ごす人たちが教えてくれた理想の「生き方」だ。少なくとも私は彼らから、「生」について学んだ。」 本書は、自分の死期を予感したときはもちろんだが、そこに至る前に、繰り返し読むことになるだろう。「いかに死ぬか」は即ち「いかに生きるか」なのだから。 改めて、佐々さんのご冥福をお祈りいたします。 (2024年12月了)

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2024/11/27

在宅医療、終末ケアノンフィクション作品。終末ケアを施すプロの実際と、その看護師自身が在宅での終末ケアを受ける立場になり揺れ動く精神状態を記録した作品。知っているかどうかで命、生き方が大きく変わるもの、それが死という現実だ。多くの見送りエピソードが織りなす人間、家族、夫婦、友人の繋...

在宅医療、終末ケアノンフィクション作品。終末ケアを施すプロの実際と、その看護師自身が在宅での終末ケアを受ける立場になり揺れ動く精神状態を記録した作品。知っているかどうかで命、生き方が大きく変わるもの、それが死という現実だ。多くの見送りエピソードが織りなす人間、家族、夫婦、友人の繋がりを美しく描いている。是非お勧めです。

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2024/11/26

人生の終わりがみえたときに自分ならどう生きるか、まわりの家族がそうなったらどうするのがいちばんいいのか。 現代ではどういう最後をむかえてるひとが多いのか。 ノンフィクションなのでこれが現実なのだなと突きつけられ、限られた時間を大切に生きようとも思いました。

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2024/11/18

これまで私の身近にはなかった在宅医療、在宅介護について。 末期癌で残りの時間を家族と過ごすために在宅医療に切り替えた人や、難病をかかえ長年もの間在宅介護を受けている人、様々な状況でのエピソードが描かれているが、介護する側、介護される側、どのエピソードのどちらの立場に自分を置き換え...

これまで私の身近にはなかった在宅医療、在宅介護について。 末期癌で残りの時間を家族と過ごすために在宅医療に切り替えた人や、難病をかかえ長年もの間在宅介護を受けている人、様々な状況でのエピソードが描かれているが、介護する側、介護される側、どのエピソードのどちらの立場に自分を置き換えても、自分だったらどうするか、どうしたいのか、読めば読むほどわからなかった。佐々さんのご両親のお話は特に、印象的だった。 一つわかったことは、佐々さんが取材されてきた人たちは、素晴らしい医療従事者の方々に恵まれ、彼らの協力あって思い思いの最期を過ごすことができたということ。在宅医療の可能性について 健康でいられること、一人で何不自由なく生きられていることがいかに素晴らしいことかを、病気と闘っている人はいつも教えてくれる。その教えは、その大切な人が亡くなることで、残された人たちの心に刻まれてその後を強く生きる糧にもなりえる。 素敵な本をこの世に残してくれてありがとうございました。

Posted byブクログ

2024/11/07

終末期医療をただひたすら見つめ、死ぬとはそして生きるとはどういうことなのかを問うた本。"これほど家に愛着のない私が、最期まで家で過ごしたいと思っている在宅患者のことを取材するなど間違っているという気がしてならない。”とあるように筆者佐々涼子自身も葛藤を抱きながら執筆した...

終末期医療をただひたすら見つめ、死ぬとはそして生きるとはどういうことなのかを問うた本。"これほど家に愛着のない私が、最期まで家で過ごしたいと思っている在宅患者のことを取材するなど間違っているという気がしてならない。”とあるように筆者佐々涼子自身も葛藤を抱きながら執筆したように思われる。そして、それが一層本書のリアリティを増すスパイスとなっているのだろう。死という誰も逃れられないのに誰もそれが何であるのかわからない。この恐怖の正体を少しばかり明らかにし、和らげてくれる一冊。

Posted byブクログ

2024/11/06

これもいわた書店の一万円選書をきっかけにして知った本。 ノンフィクションだが描写が小説っぽいところも多く、少し読むのに時間がかかった。 舞台は在宅診療所。 ライターの筆者の視点で、そこで出会った患者や医師、看護師達との会話を主体に、それぞれの考え方や最期の過ごし方などが書かれて...

これもいわた書店の一万円選書をきっかけにして知った本。 ノンフィクションだが描写が小説っぽいところも多く、少し読むのに時間がかかった。 舞台は在宅診療所。 ライターの筆者の視点で、そこで出会った患者や医師、看護師達との会話を主体に、それぞれの考え方や最期の過ごし方などが書かれている。 これまで身近に死を感じる機会があまりなく、死とは何かあらためて問われると、自分には分からないことばかり、どころか考えたこともないことばかりだな…と感じた。 死とどう向き合うかは人それぞれだが、そうなってみないと分からないこともたくさんあると思う。 そういったことに気付くきっかけをくれた本。

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2024/10/29

死が目の前に迫ってきたら私はどうするだろうか? 著者があきらめちゃいそうと言うと医師は「みんな元気な時にはそうおっしゃいます。でも、いざそうなってみるとみなさん違うようですよ」との返事。 ハッとした。死が迫っている人にしかわからない一人一人が抱える様々な苦悩を想像する。わかった気...

死が目の前に迫ってきたら私はどうするだろうか? 著者があきらめちゃいそうと言うと医師は「みんな元気な時にはそうおっしゃいます。でも、いざそうなってみるとみなさん違うようですよ」との返事。 ハッとした。死が迫っている人にしかわからない一人一人が抱える様々な苦悩を想像する。わかった気になってはいけない。 著者の母親を看護する父親の姿が素晴らしすぎて、理想過ぎて眩しい。

Posted byブクログ

2024/10/17

読みながら、最後は泣いてしまいました。 在宅医療の良さを改めて知れました。 その人が最期をどう生きたいか、医療の枠を超えた、人と人が寄り添う大切さを学びました。

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