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エンド・オブ・ライフ の商品レビュー

4.2

26件のお客様レビュー

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2024/11/07

終末期医療をただひたすら見つめ、死ぬとはそして生きるとはどういうことなのかを問うた本。"これほど家に愛着のない私が、最期まで家で過ごしたいと思っている在宅患者のことを取材するなど間違っているという気がしてならない。”とあるように筆者佐々涼子自身も葛藤を抱きながら執筆した...

終末期医療をただひたすら見つめ、死ぬとはそして生きるとはどういうことなのかを問うた本。"これほど家に愛着のない私が、最期まで家で過ごしたいと思っている在宅患者のことを取材するなど間違っているという気がしてならない。”とあるように筆者佐々涼子自身も葛藤を抱きながら執筆したように思われる。そして、それが一層本書のリアリティを増すスパイスとなっているのだろう。死という誰も逃れられないのに誰もそれが何であるのかわからない。この恐怖の正体を少しばかり明らかにし、和らげてくれる一冊。

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2024/11/06

これもいわた書店の一万円選書をきっかけにして知った本。 ノンフィクションだが描写が小説っぽいところも多く、少し読むのに時間がかかった。 舞台は在宅診療所。 ライターの筆者の視点で、そこで出会った患者や医師、看護師達との会話を主体に、それぞれの考え方や最期の過ごし方などが書かれて...

これもいわた書店の一万円選書をきっかけにして知った本。 ノンフィクションだが描写が小説っぽいところも多く、少し読むのに時間がかかった。 舞台は在宅診療所。 ライターの筆者の視点で、そこで出会った患者や医師、看護師達との会話を主体に、それぞれの考え方や最期の過ごし方などが書かれている。 これまで身近に死を感じる機会があまりなく、死とは何かあらためて問われると、自分には分からないことばかり、どころか考えたこともないことばかりだな…と感じた。 死とどう向き合うかは人それぞれだが、そうなってみないと分からないこともたくさんあると思う。 そういったことに気付くきっかけをくれた本。

Posted byブクログ

2024/10/29

死が目の前に迫ってきたら私はどうするだろうか? 著者があきらめちゃいそうと言うと医師は「みんな元気な時にはそうおっしゃいます。でも、いざそうなってみるとみなさん違うようですよ」との返事。 ハッとした。死が迫っている人にしかわからない一人一人が抱える様々な苦悩を想像する。わかった気...

死が目の前に迫ってきたら私はどうするだろうか? 著者があきらめちゃいそうと言うと医師は「みんな元気な時にはそうおっしゃいます。でも、いざそうなってみるとみなさん違うようですよ」との返事。 ハッとした。死が迫っている人にしかわからない一人一人が抱える様々な苦悩を想像する。わかった気になってはいけない。 著者の母親を看護する父親の姿が素晴らしすぎて、理想過ぎて眩しい。

Posted byブクログ

2024/10/17

読みながら、最後は泣いてしまいました。 在宅医療の良さを改めて知れました。 その人が最期をどう生きたいか、医療の枠を超えた、人と人が寄り添う大切さを学びました。

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2024/10/06

『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』以来2作目の佐々 涼子作品。 まずは、凄く共感した文章。『服を買う時は試着する。美容院に行って髪を切ってもらう時は、相性のいい美容師に任せる。それなのに、人は医師がどんな死生観を持っているかを知らずに、自分の運命を委ねる』 生まれてから様...

『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』以来2作目の佐々 涼子作品。 まずは、凄く共感した文章。『服を買う時は試着する。美容院に行って髪を切ってもらう時は、相性のいい美容師に任せる。それなのに、人は医師がどんな死生観を持っているかを知らずに、自分の運命を委ねる』 生まれてから様々な生き方がある一方で、死に方には選択肢が少なく、きちんとした医療知識を身につけた、いい医師に巡り合わなければそれも叶わない❗️そんな中でいかに自分らしく最後を迎えるかということを強く考えさせられました。 大学の中にはヒエラルキーがあり、緩和ケアは低く見られがちで、医者の中には患者の患部を治すことにしか興味がない人が多いというこの世の中で、本書のような患者に寄り添った医療を施してくれる病院が、今現在どれくらいあるのか分からないけれども、最後を迎える時には、拍手を持って見届けられたいなぁーと切望します❗ 特に印象的なエピソードは、『二〇十三年 今から六年前のこと』と『二〇一三年 その2』です。最後に佐々 涼子さんの御冥福をお祈りします。ありがとうございました。

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2024/09/30

死ぬ前に家族と潮干狩りに行きたい… そんな願いを叶えようと奮闘する訪問看護のお話。 特にディズニーランドへ行きたいと願った家族の話が印象的で、手紙の内容に思わず目頭が熱くなった。終末期のあり方を問うノンフィクション作品。

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2024/09/29

私は文章を書くのが得意ではないので、皆んなに読んで欲しい本と出会えた時だけ、感想を書いてます。 佐々涼子さん 『エンド・オブ・ライフ』 心に残しておきたい言葉に付箋をつけていたら、とんでもない量の付箋になってしまいました。 最近身近な人を亡くしてしまったので、こういう病死的な...

私は文章を書くのが得意ではないので、皆んなに読んで欲しい本と出会えた時だけ、感想を書いてます。 佐々涼子さん 『エンド・オブ・ライフ』 心に残しておきたい言葉に付箋をつけていたら、とんでもない量の付箋になってしまいました。 最近身近な人を亡くしてしまったので、こういう病死的な本から遠ざかっていました。でももっと早く読んでたら…と後悔してしまいました。 『在宅医療』について、とても勉強になりました。医療スタッフ側と患者、そして患者家族のお話や想いがノンフィクションなだけにジーンときました。 『死』という誰もが必ず迎えることなのに考えないようにしていた自分がいました。 でも、この本を手に取ったことを、無駄にしたくないと強く思いました。 「気を抜いている場合ではない、貪欲にしたいことをしなければ、大切なひとを大切に扱い、そうやって最後の最期まで誠実に生きていきたい」 出会えよかった一冊です。

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2024/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

記憶ある中で人の死に接した機会が少なく、まだ家族も元気な人が多いのだが、いつか身近に感じることになるであろう終末期の患者とその家族の経験に触れられたように感じた。「亡くなりゆく人は遺される人に大切なものを残していく」というのが一番心に残ったことば。

Posted byブクログ

2024/09/16

選書で送られてきた本の中の1冊。 題名や裏のあらすじを読んだだけでも、命の現場の話なんだろうとは想像していたし、何か引っかかっていて、まさか選書で届くとは想像してなかったので驚いた。 そして、「何か引っかかっていた」のは、多分、夫の父が介護を必要としている状況があったからかもし...

選書で送られてきた本の中の1冊。 題名や裏のあらすじを読んだだけでも、命の現場の話なんだろうとは想像していたし、何か引っかかっていて、まさか選書で届くとは想像してなかったので驚いた。 そして、「何か引っかかっていた」のは、多分、夫の父が介護を必要としている状況があったからかもしれない。 本の中で、「人の不幸を書くことを生業としたことに、どこかで言いようのない違和感を覚えていた。(中略)しかし、矛盾するように、死をテーマとする執筆活動をどこか望んでいる自分もいた。」 そんな心情を吐露している。 そこから一気にこの本としっかり向き合おうという気になった。 とても信頼できるなぁと思えたから。 佐々さんは、大変残念なことに今年の9/1に天国へ旅立ってしまった。そのニュースを見たときに、「死に引っ張られてしまったのだろうか…」と多少なりともショックを受けた。 でも間違ってはいけない。この本は「生」を見つめ直すための本である。 与えられた生をどのように生き貫くかは、その人次第。 佐々さんも、穏やかにすっきりと旅立たれたのだろうな、と思いたい。

Posted byブクログ

2024/09/11

この度亡くなったノンフィクション作家佐々涼子の手による、終末期のあり方を考える作品。 訃報に接し、手に取った。 京都で訪問医療を行う渡辺西賀茂診療所。そこで勤務する訪問看護師で、末期のがんを宣告された森山文則。閉じ込め症候群で寝たきりの著者の母。これらを軸に話は進む。 診療所...

この度亡くなったノンフィクション作家佐々涼子の手による、終末期のあり方を考える作品。 訃報に接し、手に取った。 京都で訪問医療を行う渡辺西賀茂診療所。そこで勤務する訪問看護師で、末期のがんを宣告された森山文則。閉じ込め症候群で寝たきりの著者の母。これらを軸に話は進む。 診療所の対応は至れり尽くせりで、本当にこんな診療所あるの?といった印象。あるとしてもごく稀なのではないか。家で死を迎えたくても介護する家族のことを思うとなかなか踏み切れないのが多くの人の実情ではないか。 理想の形を提示されて、これが叶うならいいな〜と思うものの現実には‥‥と思うと虚しい。 「服を買う時は試着するのに、人は医師がどんな死生観を持っているかを知らずに、自分の運命を委ねる」の言葉はなるほどと思った。でも選んでいられない現実が厳しい。 がんを宣告された森山が、受容の過程でスピリチュアルな方向に進んで行った姿にはついていけなかったけど、その辺も著者は淡々と描いている。 いよいよとなった時のセデーションの選択はある意味理想。これを病院でしてもらえるのか、訪問診療だから可能なのか知りたいな。 著者の死を知って読むあとがきは胸に迫る。 終末期を過ごす人たちから理想の生き方を学んだという著者が、良き最期を迎えられたことを願う。

Posted byブクログ