それは令和のことでした、 の商品レビュー
最後に一捻りある短編集。理不尽さに胸が痛くなる作品やイヤミス的な作品ばかりでもなく温かみの感じる作品もあった。そういうこと?って思う結末なので面白かった。
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令和の時代(かな?平成からあることかもしれないけど)の生きづらさを描いた8つの短編集。 ○ジェンダーを意識した名前を付けられたばかりに苦労する太郎の話。「彼の名は」 ○昭和の感覚でよその子に接したら、強制わいせつを疑われてしまった話。「有情無情」 ○引きこもりの姉がいる弟が、両親が亡くなった後、何とかしようとするがならなかった話「わたしが告発する!」 ○いなかから自由を求めて都会に出たのはいいものの楽を求めていくうちに廃人になり、あげくに殺人の罪をきせられる話。1番主人公がダメなヤツと思った割には、つけてもらった弁護士が優秀で、意外に最後ホロッとさせられてよかった。「君は認知障害で」 ○親の呪縛から逃れられずにずっと縛られて生きてきた主人公が自分を振り返って母にしたいと思ったこと「死にゆく母にできること」 ○炊き出しで知り合った人の話。そんな生活をするのには理由がある「無実が二人を分かつまで」 ○隠れケアラーがどんどん増えている令和をまさに反映してると思った「彼女の煙が晴れるとき」 ○ショートショート。短いながらこの本で1番明るい話かも。「花火大会」 こう振り返ったら、前半のよく人が死ぬし暗い。というイメージから、今の令和の生きづらさをうまく伝えてるなと思った。読みながらあるあると読んでいき、時にはラストの人間関係になるほどと感心した。
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歌野晶の短編集。タイトル通り、未来から見れば「令和っぽいねぇ」と言われそうな社会背景に描かれるミステリー。どれもこれも社会提議を問いかけるような背景をもつ。 のだが、どれもこれも結末が想像を超えてくる。え、そこに着地させるの?という意外性は「葉桜の季節…」の歌野節である。ひっかけられる快感・醍醐味を存分に味わえて楽しい。 そういう特徴なのでネタバレ回避のため、細かくは書けない。でも騙されたと思って…いや、騙されることが好きな人にこそ是非読んでもらいたい。エエ方向にしか騙されないので。
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ぼんやり読んでいると取り残されてひっくり返される。 年齢や性別など、古典的な叙述トリックばかりだけど、さすが大御所。安定している。だけどベタでイヤミスなのかお涙頂戴ものなのか判然としない。どんな反応取ればいいのか戸惑うとこも含めて、その薄さが令和のことなのかもしれない。
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ラストの鮮やかなどんでん返しが続く短編集ですが、この著者の傑作「葉桜の季節に君を想うということ」を越えるものではありません。
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短編なのに最後にしっかりやられました すごく良かったです 「彼女の煙が晴れるとき」が1番騙された タイトルありきの作品か 後付けのタイトルなのか どちらにしてもとにかくセンスいいな〜と思った 昭和生まれだけど 令和の時代についていけるよう頑張ります!
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*一行を読み逃せば、謎の迷宮から出られない。奇想の歌野ワールド、珠玉の作品集。新しい価値観のゆらぎが生み出す7つの悲劇* 確かに、この作品は令和ならではのストーリーです。 巧い!と唸りながらもやるせなく、背中がぞわぞわする展開も相まって、参りました感でいっぱいです。 いつからこ...
*一行を読み逃せば、謎の迷宮から出られない。奇想の歌野ワールド、珠玉の作品集。新しい価値観のゆらぎが生み出す7つの悲劇* 確かに、この作品は令和ならではのストーリーです。 巧い!と唸りながらもやるせなく、背中がぞわぞわする展開も相まって、参りました感でいっぱいです。 いつからこういう時代になってしまったのか… やや誇張されていると思いますが、今まさにどこかで起きているようなお話ばかり。 イヤミスよりもっとおぞましい読後感、さすがです。
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久しぶりの歌野晶午作品。新聞でいちおしミステリーとして紹介されていたので読了。 タイトル通り、令和の世の中で話題になっているような、今っぽいことをテーマにしたミステリ短編集。8編全て雰囲気が違い、8つの方法で見事にひっくり返された。笑 感想を書こうとするとネタバレになりそうで...
久しぶりの歌野晶午作品。新聞でいちおしミステリーとして紹介されていたので読了。 タイトル通り、令和の世の中で話題になっているような、今っぽいことをテーマにしたミステリ短編集。8編全て雰囲気が違い、8つの方法で見事にひっくり返された。笑 感想を書こうとするとネタバレになりそうで難しいのだが、個人的には『君は認知障害で』が好き。息子がいる身としては他人事ではない。
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主人公が巻き込まれる厄介事が、自分に起こったらとドキドキしながら読んだ。展開や結末が、良い意味で裏切られるので、読む手が止まらなかった。
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いいイヤミス短編集だったなー どれも最後のドンデン返しがかなりきいてました。 「わたしが告発する!」と「君は認知障害で」「彼女の煙が晴れるとき」が良かった。
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