結婚の社会学 の商品レビュー
本書では、結婚の歴史やそれに関わる様々な事象、現代社会における課題について丁寧に解説されていた。読み進める中で、社会の変化に伴い結婚に対する価値観も大きく変わってきていることを実感した。一方で、日本においては結婚に関する制度や法整備が、こうした変化に十分に対応できていないのではな...
本書では、結婚の歴史やそれに関わる様々な事象、現代社会における課題について丁寧に解説されていた。読み進める中で、社会の変化に伴い結婚に対する価値観も大きく変わってきていることを実感した。一方で、日本においては結婚に関する制度や法整備が、こうした変化に十分に対応できていないのではないかと感じた。 また、本書を通して「マイノリティ」や「マジョリティ」といった言葉についても考えさせられた。これらの区分は一見わかりやすいが、人々を分断する側面もあり、本質的にはあまり意味のないものではないかと思う。むしろ、多様な人々が当たり前に存在し、それぞれが尊重される社会を実現することが重要である。そのためには、個人の努力だけでなく、社会全体で支え合う仕組みが必要であると感じた。 さらに、多様性を尊重することは重要であるが、単に「何でも認める」という姿勢ではなく、社会全体のバランスを考えた柔軟で流動的な法整備が求められると考える。 本書のテーマは結婚であるが、最終的には結婚という枠組みにとらわれるのではなく、この社会の中で自分らしい「かたち」を見つけて生きていくことの大切さを学ぶことができた。今回の読書を通して、自分自身の価値観についても改めて見つめ直す良い機会となった。
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結婚についてここまで深く考えることはなかったのですごく刺激を受けました。 姓について男女どちらの姓を選んで良いものを日本人の96%は男性の姓にしているなど、日頃受けている無意識のバイアスを感じました。
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非常に面白かった。 現在の婚姻制度になるまでの過程も知る事ができて勉強になった。 今ある常識を疑う姿勢というのはとても大切だと思う。 より多くの人にとって暮らしやすい社会となるよう、選択肢が増えてほしいなと心から思う。
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- ネタバレ
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以下、メモ 共同体的結婚→家柄(見合い)結婚(明治以降)→人の流動性が高まり結婚相談所も発達→自由恋愛(皇太子結婚)→近代家族モデル(高度経済成長期) 今自分がパッと思い浮かべる"昔の結婚、恋愛"とは 親の意思のみで決まるお見合い婚が基本で、夫婦は一生添い遂げる、女性は一生旦那に尽くす。 であったがそれも一般大衆においては敗戦後、もしくは明治以降の武家上級国民のみ話であって、 実際の江戸時代や明治の一般大衆などでは村集落内での若者仲間、娘仲間の間での自由恋愛、夜這いが一般的でお堅い「家柄」を意識した結婚は殆どなかった。今より自由すぎて正直意外。 結婚式も神前婚が伝統的だと思っていたが、それも高度経済成長期にキリスト教婚と共に普及したまでで、人前婚が昔から一般的であったそうだ。 とにかく意外だ。 江戸時代(1603〜1807年 一派虚しく大政奉還) ・妾の慣習 ・若者組合、娘組合による共同体主義的結婚 明治時代(1868〜1912年 逝く日に明治) 1872:戸籍作成 ・一夫一妻制(妾は妻の次位) ・家柄を重視する家族的結婚 ・近代化により居住の流動性が高まり結婚媒介業が繁盛 ・民法草案「夫婦は結婚後互いに苗字を変えない」 1890:教育勅語により夜這いが一転野蛮扱い 1898:明治民法により家制度、一戸籍同一氏これらの目的は不平等条約の改正のため(戸籍を作成し国民を管理し中央集権的にするため) 大正時代(1913〜1926年 特に無意味の大正) 昭和時代(1926〜1989年 行くぞ約束の平成) 1930:東京に公営結婚相談所、日本民族衛生学会 1937:第一次近衛内閣 1938:厚生省(国民を強く、健康に) →国家総動員法 1940:大政翼賛会 1941:結婚報国懇話会 終戦(1945年) 日本国憲法:結婚は両性の合意のもと成立「家」→「個人」 内縁(事実婚)は戦前の家制度(足入れ婚や妾)を反映していたため封建的と批判され、無くなっていった。法律婚こそが民主的、至上とされた 高度経済成長期(1955〜1973年) 1959:皇太子のご成婚により自由恋愛が広まる 神前式婚の普及 1966:兵庫県不幸な子供の生まれない運動 1970:職縁結婚が地縁結婚を越える 1980後半:再び事実婚が脚光を浴びる(職業に差し支えるなどの理由) 産業構造が変化することで「企業と結婚の結びつきが強まった」結果人口が農村→雇用労働者に変化。それにより「夫はサラリーマン、妻は専業主婦、子供は2人」という近代家族モデルが完成 「異性愛規範に基づく近代家族制度のなかで疎外されるだけでなく家族形成の機会も奪われてきたレズビアン、ゲイはそもそもの家族制度の解体を主張するベクトルと、家族形成の権利を要求するベクトルの間を揺れ動くこととなる」 「同性婚が成立したら、既存の性規範がむしろ強化される。特定のセクシャルマイノリティにとって好ましい制度でもその他のセクシャルマイノリティを置き去りにしてしまう。」
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序章で本書の基本的な姿勢が示されていて、「常識を疑うのが社会学」。そして結婚をめぐる当たり前を疑い、常識というステレオタイプを解体し、現在の結婚について考えを深めるための図書とされている。歴史では昔は家と家のつながりということで、見合い結婚が一般だったり、村落共同体での若者仲間に...
序章で本書の基本的な姿勢が示されていて、「常識を疑うのが社会学」。そして結婚をめぐる当たり前を疑い、常識というステレオタイプを解体し、現在の結婚について考えを深めるための図書とされている。歴史では昔は家と家のつながりということで、見合い結婚が一般だったり、村落共同体での若者仲間による生々しい仲介など、時代に応じて結婚観がコロコロ変わる様子がわかる。 データとしても面白いものがあり、女性の就労が高いと出生率が低いという誤解があるが実際は、就労が普及した国は出生率が相対的に高く、原因はむしろ家族主義の強い国が子育てや介護を国の仕事と考えず、家族に押し付けているという共通点が指摘されている。 友人と家族になれないのはおかしいよね、というのも自分のステレオタイプが崩された。恋愛や性的関係がないと家族になれないのかというとそんなことはなくて、いろんな家族の形があり、あとは制度をみんなで考えていくことが重要と知った。制度も優遇というよりは遺言とか病気とかそういう重要なことだった。 いろんな形があっていいよね。
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性的関係がある男女のみが結婚でき権利と義務のある共同生活をおくれて、その環境下で子どもを育てることが推奨されるって、やっぱり無理あるな、と改めて。明治戦後高度成長期にできた既存の結婚という制度だけでは回してけないよね。
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さらっと読めた。 モノガミーや不倫について考えたくて読んだのだが、残念ながらそれに関する記述はあまりなかった(結婚の歴史のところで、昔は「妾」がたくさんいてそれが承認されていたことは書かれていたが)。 でも、結婚の近現代史は「へー」だらけで面白く、夫婦別姓の議論も論旨が明快で全て...
さらっと読めた。 モノガミーや不倫について考えたくて読んだのだが、残念ながらそれに関する記述はあまりなかった(結婚の歴史のところで、昔は「妾」がたくさんいてそれが承認されていたことは書かれていたが)。 でも、結婚の近現代史は「へー」だらけで面白く、夫婦別姓の議論も論旨が明快で全ての自民党議員に読んでほしい。 読んでいると、「たしかに、みんなそれほど恋愛体質な人ばかりでもないだろうに、なぜ一生でこれと決めた人といっしょになり排他的にセックスをしなければならないのだろう…?人間と人間の関係のベースにセックスがあるの不思議だな…?」という気もした。 色々と気づきを与えてくれる本で、参考書的に家に一冊あると良い。
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結婚に関して、他国との比較やその歴史を遡りながら、現代の議論ともなる「LGBTQ」「同姓の使用」についての考えがまとめられている。 特に気に入った考え方は LGBTQは自分が何者であるかというアイデンティティに関わる問題であるからmajority、Minorityではなく全ての...
結婚に関して、他国との比較やその歴史を遡りながら、現代の議論ともなる「LGBTQ」「同姓の使用」についての考えがまとめられている。 特に気に入った考え方は LGBTQは自分が何者であるかというアイデンティティに関わる問題であるからmajority、Minorityではなく全ての人の問題である 結婚でしか担えなかった機能を引き継げる受け皿を用意してはどうか 家族として生活するためには「結婚」という選択肢しかないのだろうか?
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結婚制度の解体(再構築)まで議論が及んでいて面白い‼️ 最小結婚、PACSについて知りたい 「未婚者を結婚に組み込むことだけを目的とするのではなく、これまで結婚を通じてしか担えなかったさまざまな機能を引き受けるための新たな受け皿を用意していくべきではないか」p.253
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ちょっと前に読了していましたが3月7日に名古屋高裁で「同性婚を認めないのは違憲」という判決が出たのをニュースで知って、本書を思い出し今、記入しています。この新書の帯にも『「ふつうの結婚」なんてない。』との惹句が書かれていますが、結婚という制度を起点に「ふつう」って何だろう?という...
ちょっと前に読了していましたが3月7日に名古屋高裁で「同性婚を認めないのは違憲」という判決が出たのをニュースで知って、本書を思い出し今、記入しています。この新書の帯にも『「ふつうの結婚」なんてない。』との惹句が書かれていますが、結婚という制度を起点に「ふつう」って何だろう?という揺さぶりを与えてくれる本です。たとえば本書のあとがきではパネルディスカッションをした時のことが書かれています。『航空会社にお勤めの方から頂戴したコメントが印象に残りました。自分たちの会社では、顧客が貯めたマイルのサービス適用範囲が「家族」に限定されて いる。しかし、よくよく考えてみると、なぜ家族に限定しているのか、「その根拠は?」 と問われれば実はよくわからない気もする。 企業の立場からすれば、顧客が譲りたいと思っている相手であれば誰に譲ったとしても、会社の不利益になるわけではない。実際、海外の多の航空会社ではそうなっている。けれども、なんとなく家族に限定しておかないと不安で、危ないような気がしてしまうのもまた事実。私たちはこういう思い込みに縛られているのかもしれない。』この航空会社の人が感じている不安で、危ないような気持ちに向き合う、そんな新書です。結構、自分が問われる読書でした。
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