正義の行方 の商品レビュー
ノンフィクションだからこそ、ひとつひとつの言葉に重みがあって生々しさを感じる。 1992年2月福岡県飯塚市で少女二人が誘拐され、殺害された飯塚事件である。 30年以上前に起きた殺人事件が、2022年にNHKで放送され、2024年映画にもなり、こうして書籍化しているということは...
ノンフィクションだからこそ、ひとつひとつの言葉に重みがあって生々しさを感じる。 1992年2月福岡県飯塚市で少女二人が誘拐され、殺害された飯塚事件である。 30年以上前に起きた殺人事件が、2022年にNHKで放送され、2024年映画にもなり、こうして書籍化しているということは、この飯塚事件は死刑判決が確定し、判決から二年後という異例に早い段階で執行されているということ、しかも久間は最初から絞首台に上る直前まで否認を貫き通していたことだ。 当時は、詳細を知らずにいた。 歳月が経っても、自分の中の正義を信じているというそれぞれの思いを知った。 真実はそれぞれにあって、それぞれが主張している。 だが真相は… 今も弁護団は闘っているという。 〜文中より抜粋〜 事件の捜査を担った警察官たち、被告人の妻と弁護士たち、事件報道に携わった新聞記者たち。 三者それぞれに信じる「真実」があり、それぞれが拠って立つ「正義」があった。
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うーん、こういう作品は重たいけど共感すると一気にのめり込んでしまう。実話に基づく為、読後色々調べてしまった。これだから読書はやめられない。
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なぜか刑事モノの小説だと思い込んで読み始めたから途中でノンフィクションと気付いて驚いた。 様々な立場から事件は語られ、でも結局のところ真実はいまだ分からぬまま。 それぞれの正義によって語られていることだけは伝わってきて、だからあれは違うだろう、これが本当だろうという気持ちも一切起...
なぜか刑事モノの小説だと思い込んで読み始めたから途中でノンフィクションと気付いて驚いた。 様々な立場から事件は語られ、でも結局のところ真実はいまだ分からぬまま。 それぞれの正義によって語られていることだけは伝わってきて、だからあれは違うだろう、これが本当だろうという気持ちも一切起きずただただ耳を傾けることしかできない。 打ちのめされる、そんな感じに。
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当事者たちの口から飯塚事件について語られ、事件の「真相」が明らかにされるほど、その取り返しのつかなさにクラクラしてしまう。もう後戻りはできないからこそ、この顛末を未来に繋げるしかなくて。しっかりしてくれ、裁判所。前例とかプライドとか全部かなぐり捨てて。
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前情報なしだったのでフィクションだと思ってたら、まさかの真実だった! もし本当に冤罪で死刑にされていたら、、 こんなに恐ろしいことはない 疑わしきは罰せず じゃないの? 今のようにDNA検査とか監視カメラとかが発達していなかったのももちろんあるけど、警察側の人間性って部分で...
前情報なしだったのでフィクションだと思ってたら、まさかの真実だった! もし本当に冤罪で死刑にされていたら、、 こんなに恐ろしいことはない 疑わしきは罰せず じゃないの? 今のようにDNA検査とか監視カメラとかが発達していなかったのももちろんあるけど、警察側の人間性って部分で不信感を抱いた。。
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和歌山毒物カレー事件を映画化した「マミー」が上映中だ。 死刑が確定しているが、無罪だったのではないか、という映画。 この映画を青木理さんが取り上げ、あわせて話題にしたのが「飯塚事件」。 これも証拠が十分といえない状況で、当時開発されたDNA鑑定を決め手として、 犯人逮捕、死刑判決...
和歌山毒物カレー事件を映画化した「マミー」が上映中だ。 死刑が確定しているが、無罪だったのではないか、という映画。 この映画を青木理さんが取り上げ、あわせて話題にしたのが「飯塚事件」。 これも証拠が十分といえない状況で、当時開発されたDNA鑑定を決め手として、 犯人逮捕、死刑判決に至った事件。 同時期に起こったのが、まもなく冤罪で無罪を獲得しそうな狭山事件。 当時のDNA鑑定技術はまだ不十分だった、、、 前置きが長くなったが、この「正義の行方」は、飯塚事件を真正面から 取り上げている。西日本新聞というメディアの動向もあわせて。 他社に抜かれないよう、報道を焦り、これが世間をあおり、逮捕、判決に影響 した可能性はないか。 西日本新聞自身が後日再検証。 DNA写真が都合の悪い部分が切り取られていたり、、、 検察に踊らされたメディア。 すべては決めつけ、思い込み。 和歌山事件は「家族自身がヒ素を呑み生命保険詐欺」という事実があったからこそ 疑いが濃くなった。 飯塚事件も、一つ前に同様の事件があり、疑いがあった、、、 一度決めつけると、「優秀な」警察は、正解にもっていこうとする。 その結果冤罪が生まれる。 本人否認のまま死刑執行。 それはない。早すぎる。これこそ証拠隠滅だったのでは。 日本の死刑制度は見直すべき時なのだと思う。
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オーディブルで聴きました。 日本の警察、司法はAIでなく、 感情のある人間が行っているものであるから、そこには、いろんな駆け引き (説得、プライド、メンツ、そして脅し?まで。。)が存在するのだろう。 いろいろな立場の人たちのフィクションでない生の証言 を聞いたわけだが、冤罪決定...
オーディブルで聴きました。 日本の警察、司法はAIでなく、 感情のある人間が行っているものであるから、そこには、いろんな駆け引き (説得、プライド、メンツ、そして脅し?まで。。)が存在するのだろう。 いろいろな立場の人たちのフィクションでない生の証言 を聞いたわけだが、冤罪決定!とは言えないにしても、やはり2年で執行は絶対におかしい。何かの意図があったとしか思えない。AS政権下だったというのも怖い。 疑わしきは罰せずではないのか。 人の命ですよ? なぜテレビドラマで多くの冤罪事件が扱われるのか、そんなに日本の警察はでっち上げているのか疑問に思っていたけれど、 めっちゃでっち上げてますね。 そして司法の世界も同じ。司法なのに。。我々は何を信じればいいのか。。(涙) 欧米の司法の女神は見た目で判断してはいけないことから、目隠しをしているけれど、日本のそれは、あっち向いてホイ!みたいにキョロキョロするというのも真実なのでしょう。怖い。悲しい。 2024年に新たに再審開始の判決があるとのことたが、どうか認められますように。 でないと、おかしいよ、日本国の正義は。 こんなにのめり込むストーリー、 なかなかな い。絶対読んで欲しい1冊です。
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「飯塚事件」。 三〇年ほど以前の事件で、犯人とされた人物はすでに死刑執行されている。 それが是であったのか。 冤罪疑惑があり、再審請求が行われていたのは知らなかった。 ただ、この本は、そうした事実の検証本ではない。事件、裁判の細かい事実はこの本では追えない。 各人いろいろ...
「飯塚事件」。 三〇年ほど以前の事件で、犯人とされた人物はすでに死刑執行されている。 それが是であったのか。 冤罪疑惑があり、再審請求が行われていたのは知らなかった。 ただ、この本は、そうした事実の検証本ではない。事件、裁判の細かい事実はこの本では追えない。 各人いろいろな立場で正義はある。正義とは何か。 それも弱い。いわば中途半端な本。NHKの番組と、映画をたどった感じらしい。 故に、本としてはとても弱い。 分かりきった問題提起にしかなってないのが辛い。もちろん、事件の具体的要素は違うにしても。 ただもう、警察検察のヤバさはこの本からも感じられる。 どーすんだろうね。
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私は割合と、新聞、テレビなどの中の人は信用できない、と思っている。 組織として走り出したら、そのお先棒を担ぐ以外の機能を持たない人が多い、と思っているからだ。 良心や、独自の価値観などを持ち合わせている人に務まるような、あるいは志望されるような会社ではないと思うからだ。 この本...
私は割合と、新聞、テレビなどの中の人は信用できない、と思っている。 組織として走り出したら、そのお先棒を担ぐ以外の機能を持たない人が多い、と思っているからだ。 良心や、独自の価値観などを持ち合わせている人に務まるような、あるいは志望されるような会社ではないと思うからだ。 この本の終わりに、自らの出した記事、見出しについて、「今ならあんなことはやらなかったと思う」という記者さんが登場する。 メディアにも、そういう人がいるんだなと。捨てたもんじゃないな、と思った。
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いま世界では死刑廃止が多数である ただ、どうしても被害者サイドとして考えると目には目を。という感情が未だに消せない事に居心地の悪さを感じてもいる とはいいつつも冤罪かもしれない事件をこうやって知ると取り返しがつかない事なのはよくわかる 一つの事件でも"それぞれの正義...
いま世界では死刑廃止が多数である ただ、どうしても被害者サイドとして考えると目には目を。という感情が未だに消せない事に居心地の悪さを感じてもいる とはいいつつも冤罪かもしれない事件をこうやって知ると取り返しがつかない事なのはよくわかる 一つの事件でも"それぞれの正義"という視点で見せられると果たしてどう自分の中の落とし前をつけたら納得できるのだろうと逡巡してしまう
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