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あの夏が教えてくれた の商品レビュー

4.2

19件のお客様レビュー

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2026/03/13

アメリカの作家アレン・エスケンスの長篇ミステリ小説『あの夏が教えてくれた(原題:Nothing More Dangerous)』を読みました。 アレン・エスケンスの作品は2年前に読んだ『たとえ天が墜ちようとも』以来ですね。 -----story------------- 謎と友...

アメリカの作家アレン・エスケンスの長篇ミステリ小説『あの夏が教えてくれた(原題:Nothing More Dangerous)』を読みました。 アレン・エスケンスの作品は2年前に読んだ『たとえ天が墜ちようとも』以来ですね。 -----story------------- 謎と友情、そして哀しみに、僕はこの夏を捧げた。 小さな町を揺るがす女性の失踪事件が、高校生のボーディの運命を変える―― 『償いの雪が降る』の著者の青春ミステリ! ボーディは田舎町で暮らす15歳の少年。 父を亡くし母親と寂しい日々を送っている。 高校に馴染めず、友達は一人もいない。 静かすぎるその町で最近大事件が起きた。 町最大の企業に勤める黒人女性が不審な失踪を遂げたのだ。 捜査中の保安官が、ボーディが慕っている隣人のホークを訪ねてきた。 女性はかつてホークの部下で、ふたりのあいだには噂があったという。 思いがけない事件が、ボーディの日常に不穏な影を落とす――。 現実に悩みながらも、少年は鮮やかに成長する。 『償いの雪が降る』の著者による心震える青春ミステリ! 解説/古山裕樹 ----------------------- 2019年(令和元年)に刊行されたアレン・エスケンスの長篇第6作です。 15歳のボーディ・サンデンは高校に馴染めず、静かすぎる田舎町で孤独な毎日を送っている……そんなある日、黒人女性ライダ・ポーが不審な失踪を遂げ、ボーディが慕う隣人ホーク・ガードナーを保安官が訪ねてくる、、、 ライダは実はホークの知人で、彼らのあいだには噂があったというのだ……ホークは失踪に関係しているのか? 事件をきっかけに少年は鮮やかに成長する……『償いの雪が降る』の著者が贈る感動の青春ミステリ! ミステリの緊張感を備えつつ、読み終えたあとに青春小説としての清々しさが静かに残る作品でした……ミズーリ州の田舎町ジェサップという小さな町に漂う閉塞感や偏見が入り混じった差別意識が物語の背景にありながら、主人公のボーディ・サンデンが、隣人の黒人で片手が不自由、顔面に傷を持つホーク・ガードナーとの付き合いや近所に引っ越してきた黒人少年・トーマス・エルギンとその家族との出会い、ボーディが通うハイスクール・聖イグナチオを仕切っている4年生のジャーヴィス・ハルコムのグループとのトラブル等を経験しながら、成長していていく過程は、とても瑞々しく感じましたね、、、 ボーディが自分の弱さや恐れと向き合いながら、少しずつ世界の複雑さを理解していく過程は、ミステリの枠を超えて、普遍的な成長物語として胸に響きました……事件の真相が少しずつ明らかになる展開も魅力ですが、それ以上に、友情が芽生える瞬間や、自分の弱さと向き合う時間が丁寧に描かれていて、心をそっと揺らされた感じです。 どこか『スタンド・バイ・ミー』を思わせる、<あの夏の匂い>が端々に漂っていて、ページを閉じたあと、自分の中の遠い季節がふっと蘇るような、そんな印象を受けながら読み進めた感じです……ボーディが何を見て、何を感じ、どう変わっていくのか、、、 その軌跡こそが、この作品の魅力なんでしょうね……ミステリとしても青春小説としても愉しめるエヴァーグリーンな一冊です。

Posted byブクログ

2025/08/22

ミズーリ州の静かな田舎に暮らす15歳の少年ボーディ 彼は父を亡くし母親と暮らしている 新しい高校に馴染めず、友だちもいない… ただ、隣家に暮らす年配の男、ホークとの会話からはさまざまなことを学んでいた しかし、ボーディはいつかこの町から出ていくことを夢みていた そんな時、町最大の...

ミズーリ州の静かな田舎に暮らす15歳の少年ボーディ 彼は父を亡くし母親と暮らしている 新しい高校に馴染めず、友だちもいない… ただ、隣家に暮らす年配の男、ホークとの会話からはさまざまなことを学んでいた しかし、ボーディはいつかこの町から出ていくことを夢みていた そんな時、町最大の工場に勤める黒人女性が失踪… さらに思いがけない事件がボーディの日常に不穏な影を落とす… おもしろかった! 何より語り手がボーディで、彼が少年時代を回想するかたちで物語が進むため、大変読みやすかった 黒人女性が失踪し、工場から多額のお金が無くなったというミステリーを主軸に 向かいの家に引っ越してきた、黒人の少年トーマスとの青春友情物語… 黒人差別や閉鎖的な社会での偏見などに向き合う成長物語 などが丁寧に描かれ、物語にどんどん引き込まれていく さらにボーディの周辺の人物たちのサイドストーリーが胸に響く ラストは涙なしには読めなかった

Posted byブクログ

2025/07/21

この人の作品は、ずっと面白くて読みやすかったのですが、なぜか序盤から読みにくくて、苦戦。かつ中盤まで事件らしい事件が起こらず、一体どういう話なのか、なかなか見えてこず、肩透かしを喰らいました。高校生が経験したある夏の物語を、黒人差別の問題などを取り上げながらのストーリーというだけ...

この人の作品は、ずっと面白くて読みやすかったのですが、なぜか序盤から読みにくくて、苦戦。かつ中盤まで事件らしい事件が起こらず、一体どういう話なのか、なかなか見えてこず、肩透かしを喰らいました。高校生が経験したある夏の物語を、黒人差別の問題などを取り上げながらのストーリーというだけで、少し残念でしたが、ラストの読後感自体は良かったです。

Posted byブクログ

2025/06/13

アレン・エスケンスの「償いの雪が降る」シリーズが面白かったので、こちらも期待。この人の作品は、映像的でノスタルジック。今回は「償いの雪が降る」にも登場したボーディ・サンデンが主人公。って誰?覚えてなかったです。 15歳のボーディの、ひと夏を描いた小説。1970年代、今よりももっと...

アレン・エスケンスの「償いの雪が降る」シリーズが面白かったので、こちらも期待。この人の作品は、映像的でノスタルジック。今回は「償いの雪が降る」にも登場したボーディ・サンデンが主人公。って誰?覚えてなかったです。 15歳のボーディの、ひと夏を描いた小説。1970年代、今よりももっと深い差別主義がはびこるアメリカの町。そこへ工場長として黒人一家が、ボーディの向かいの家に引っ越してくる。ボーディは、工場長の息子トーマスと知り合いになるが・・・。 ボーディでさえ知らず知らず無意識にしてしまう差別、大声では立ち向かわず、でも決して屈しない黒人たち、町の有力者が集う白人至上主義のグループ。閉鎖的な町は、黒人女性の横領と行方不明事件から端を発し、息が詰まる緊張感に包まれる。 その事件を軸に話が進んでいくのだけれど、夏休みのボーディとトーマスのキャンプ生活、アルバイト、ちょっとした冒険の数々が生き生きと描かれ、友情を育む様子が本当に良かった。頭で分かっていても理解できず、心の底にある差別を拭うには、相手を良く知ることなんだと改めて感じた。 隣に住む、まるで保護者のようなホークが、ボーディを正しく導くよう会話を重ね、でも決して威圧的ではなく、少年2人を守り続けたことが心に沁みた。 最後はちょっと涙なしでは語れない終わり方でした。

Posted byブクログ

2025/02/23

正直前半は青春モノの色が濃いので怠く感じてしまったが中盤からグッと物語が進み出すのと前半に丁寧に描かれた主人公とその周囲の人との関係が変わり、明るみになることで一気に読み進められた。 著者の作品はこれまでも成長物語としての側面が強かったけれど、今作は主人公の年齢が低めなこともあり...

正直前半は青春モノの色が濃いので怠く感じてしまったが中盤からグッと物語が進み出すのと前半に丁寧に描かれた主人公とその周囲の人との関係が変わり、明るみになることで一気に読み進められた。 著者の作品はこれまでも成長物語としての側面が強かったけれど、今作は主人公の年齢が低めなこともありそれが最も濃いし「なるほどあんな立派な人物になるわけだ」と過去作を読んでると納得させられる。

Posted byブクログ

2024/09/19

実は私は、人種問題だの差別問題だのを扱った小説は、読まない。 楽しくないのだもの。 「差別はいけないことだと思いました」 「2度とあってはならないことだと思いました」 そんなギフンにかられないとならない感じ、とりあえずそう言っておけばよい感じが、とにかくイヤなのだ。 こちとら、い...

実は私は、人種問題だの差別問題だのを扱った小説は、読まない。 楽しくないのだもの。 「差別はいけないことだと思いました」 「2度とあってはならないことだと思いました」 そんなギフンにかられないとならない感じ、とりあえずそう言っておけばよい感じが、とにかくイヤなのだ。 こちとら、いい加減、学校で読まされたのだ。 とうにいっぱいいっぱいだ。 もう読みたくない。 なのだけれども、これは面白かった。 面白いのかつまらないのかわからないが、なぜか、つい読み進んでしまう話というのがある。 『あの夏が教えてくれた』は、まさにそんな感じで話がはじまる。 主人公は ボーディ・サンデン、ミズーリ州の田舎町で暮らす15歳の少年だ。 時は1975年・・・・・・といってもピンとこないだろうが、カセットテープが普及しはじめる頃である。 カセットテープが最新のトレンドで、かっこいい、とがった、まだ恵まれた人しか持てないような代物であった時代だ。 ボーディ・サンデンってどこかで聞いたような名前・・・・・・ アレン・エスケンスの本をいくつか読んだ、勘と記憶力の良い方ならお気づきだろう。 えー、あの?! あの作品、この作品に出てきた、あのボーディ・サンデンが主人公なのである! ・・・・・・ ・・・・・・ 申し訳ない。 実は私はすっかり忘れていた。 そういえば、そんな人がいたような? という、見事なうろ覚え状態で読み進めたのだ。 えーと、えーと、ボーディって、たしかあんな人だったようにうっすら記憶しているけれど、ふーむ、人には歴史があるのねーと、描きようにうなずきも感心もしたのである。 さすがアレン・エスケンス、うまく描くなあと感心したのだが、それもそのはず、作者が20年の歳月をかけて書いた話なのだ。 『わたしは本書、『あの夏が教えてくれた』を、(・・・・・・)一九九一年に書きはじめました。(・・・・・・)この小説を棚上げにしたのは、二十年、取り組んだ後のことです。(・・・・・・)ついにこの小説を書けて、本当によかった。』 (冒頭) 「では、他の作品を読んでいないと、面白くないのではないの?」 当然の疑問だが、心配ない。 初めて読む作品がこれでもいっこうに障りなく、面白い。 たしかに、他作品を知っていればさらなる楽しみがあるだろう。 「へー、あの人にこんな過去がねえ」 「え、あの人もこの話に!」 「こんな場面、あの話でもあったような・・・・・・」 そんなこんなは、後で他作品を読んだ時におぼえればいい楽しみだ。 現に、見事なうろ覚えの私が、非常に面白く感じた1冊なのである。 初めてアレン・エスケンスを読むにもよい1冊だ。 さらに私は、私にしては非常に珍しい表現も加えて、この本を薦めようと思う。 『高校生の読書感想文におすすめ』

Posted byブクログ

2024/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

CL 2024.9.1-2024.9.3 1970年代、いまだ人種差別が色濃く残るアメリカの田舎町が舞台。作者の他の作品にも登場するボーディが少年の頃のひと夏の成長譚。 終盤、一気に多くの人が死んでしまうのが重すぎる。

Posted byブクログ

2024/08/15

田舎町に暮らす少年ボーディ。その街で一人の女性が失踪する事件が起きる。そして近所に黒人一家が越してきて、その家には同い年の少年トーマスが。 あらすじが難しい。失踪事件があり、トーマスとの友情譚があり、隣人ホークの過去話がいろいろと絡み合って・・・なかなかに興味深い。いや面白いんで...

田舎町に暮らす少年ボーディ。その街で一人の女性が失踪する事件が起きる。そして近所に黒人一家が越してきて、その家には同い年の少年トーマスが。 あらすじが難しい。失踪事件があり、トーマスとの友情譚があり、隣人ホークの過去話がいろいろと絡み合って・・・なかなかに興味深い。いや面白いんですけどね。黒人差別的なものがそこかしこにでてくる。白人至上主義の過激団体とか。そして差別的な人物はことごとく悲惨な末路をたどるわけで。なんだろうな、説教臭さみたいなものを感じてしまった。この手の差別問題とか、あと環境問題とかを物語に持ち出すとものすごくわかりやすく単純に善悪がはっきりするのであんまり好きじゃない。「面白い」お話じゃなくて「正しい」お話をしないといけないみたいな窮屈さを感じる。特に最近の海外文学では。 いやまあそれを抜きにしても面白い話ではあったんですけどね。なんでもこの作品の主人公ボーディくんは別の作品では成長した姿でまた主人公を務めているんだそうで。機会があったら是非読んでみたいと思います。

Posted byブクログ

2024/07/28

地方の保安官が自分の管轄区内で起きている集団による人種差別を放置し、みずからも助長するような言動で差別に反対する人々を苦しめている。C.J.ボックスのジョー・ピケットシリーズの初めに出て来る悪徳保安官もそうだったけど選挙でえらばれる公務員っていったん悪いほうに行くと歯止めが利かな...

地方の保安官が自分の管轄区内で起きている集団による人種差別を放置し、みずからも助長するような言動で差別に反対する人々を苦しめている。C.J.ボックスのジョー・ピケットシリーズの初めに出て来る悪徳保安官もそうだったけど選挙でえらばれる公務員っていったん悪いほうに行くと歯止めが利かなくなるのかな? ミステリではなく追想の青春小説だった。

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2024/06/04

★5 アメリカの田舎町、知恵と勇気を振り絞りながら生き抜く学生の成長と経験 #あの夏が教えてくれた ■あらすじ 1976年頃のアメリカ田舎町、主人公のボーディは高校一年生。彼は高校生活に馴染めず、いつも同級生から迫害を受けてしまっていた。そんなある日、街で黒人女性が失踪してしま...

★5 アメリカの田舎町、知恵と勇気を振り絞りながら生き抜く学生の成長と経験 #あの夏が教えてくれた ■あらすじ 1976年頃のアメリカ田舎町、主人公のボーディは高校一年生。彼は高校生活に馴染めず、いつも同級生から迫害を受けてしまっていた。そんなある日、街で黒人女性が失踪してしまう事件が発生してしまう。保安官は頼りにしている隣人ホークを怪しんでいる様子。不安になったボーディは失踪事件を調べ始めるのだが… ■きっと読みたくなるレビュー ★5 いい話やったわ… 本作はどこにでもいそうな高校生の成長を切り取った物語です。 彼は街の権力者の子どもたちに目をつけられてしまっており、うまく学園生活に馴染めていない。しかも田舎特有の差別意識が高く、よそ者や黒人たちへの迫害も酷い時代や地域。それにも関わらず、彼は黒人の少女を手助けしてしまったことから、より圧力がかけられてしまうことになるのです。 彼なりに知恵と勇気を振り絞りながら、日々生き抜いてゆく。しかしまだ世の中のことを理解できていないのに、街の事件や問題に巻き込まれてしまうのです。誰しも一度は感じたことがある人生の壁。そして気づき。彼は成長することができるのでしょうか。 本作はストーリーテリングが素晴らしい。序盤から最後まで、じっくりと、でも抑揚をつけながら物語が進行していく。背景にある差別意識の表現も、芯を突いてくる書き方で痛烈。薄っぺらな正義感なんか、簡単に吹き飛んでしまいます。 特に同級生たちとやり合うシーンは、アメリカで本当にありそうなダークな学園風景を切り取られている。日本での学園ヒエラルキーやイジメとも似た陰湿な空気が感じられてたまらなく辛い。 それでも隣人ホークや、引っ越してきた友人トーマス、家族との関係性に救われる。ホント誰と一緒にいるかというのは、人生において大切なんですよね。 そして物語の中盤、パーティで女性と関わるシーンがあるのですが、もう胸が張り裂けそうですよ。このシーンだけでも、この本を読む価値があるってくらい脳天が割かれました。今までだったら決してできなかった行動を彼は起こすのですが、はー…私も自分の高校時代を思い出してしまいました。 終盤には少女失踪、そして主人公パーティにとって重要な秘密が明かされる。怒涛の展開にはなるのですが、真相自体は決して派手ではない。読み終わると、涙がでてしまっていましたことに気づきました… ■ぜっさん推しポイント 人が犯罪を犯してしまう根本的な原因は3つしかなく、幼年期の愛情不足、青年期の成長不足、成人期以降は貧困であると言われています。 主人公パーティがこの街に住み続け、愛のある人からの助けもなく、そして邪な仲間たちとも懐柔していたら、果たしてどんな人生を送ることになったのだろうか。犯罪に手を染めることになってしまうのは、想像に難くない。彼にとって「あの夏が教えてくれた」ものは、どんな宝石よりも価値のあるのでしょう。 私の息子たちも、いま青年期をむかえています。知恵や知識は学校で教えてくれますが、生きることについてはまだまだ経験不足。私に何ができるか分かりませんが、いつも近くにいて、話を聞いてあげることが重要なんだと思いました。

Posted byブクログ