あいにくあんたのためじゃない の商品レビュー

柚木麻子(著者)

2024/05/05

想像もできない展開が毎度ありワクワクしたが、あまりだいどんでん返しのない感じで、読み応えは浅かった。
ただ短編でまとめられるストーリーや人物の心情は読み取りやすかった。

2024/05/05

パンチのあるタイトルだから、もっと自己中な人ばかり出てくるかと思いきや、それほどではなかった。

「えっ、こんな展開になるはずないよ」と思いつつそこはフィクション、柚木さんらしい展開かなと。

緊急事態宣言がずいぶん前のことのような気がして「そうそう、こんな感じだった」と思ってみたり、迷惑系YouTuberが話題になったこともあったなぁと思ったり、つい数年前のことが懐かしくなった。

2024/04/30

柚木さんって食べ物、好きですよね絶対…笑
文字に起こしている間に味を思い出したり味を想像したり、食そのものを楽しみながら執筆されている気がする。
日常にいるムカつく人間がボコボコにされる、スカッとする展開を期待してたけど、そこまでスッキリする勧善懲悪な短編集ではなかった。ラーメン屋さんの話の展開は、さすがにそれはないぜ！と思う。

2024/04/29

グルメ評論家に翻弄されるラーメン屋の女主人が復讐をくわだてる「めんや　評論家おことわり」。ケーキ屋を開店するという夢にすがる若者にオーブンを贈る「BAKESHOP MIREY'S」。集合住宅のパティオで子どもを遊ばせるためにクレームを入れた101号室の仕事を奪うことを試みる「パティオ８」。Youtuberに動画をさらされた“MCワンオペ“とその人気にあやかろうとする元アイドルの「スター誕生」。それぞれ設定は興味を引くけれど、主人公の魅力にちょっと欠ける、という気もしました。決してエンタメではなく登場人物の揺れる心情を描こうとするのが作者のやりたいことな感じもするけれど、タイトルの付け方、帯などにみられる売り方がちぐはぐな感じも。「強炭酸エナドリ短編集」という感じはまったくしなかった。

2024/04/25

　タイトルが魅力的で手に取った。短編集は作品の一つがタイトルになっている事が多いが、本作はそうでは無く、個々の短編で描かれる生きる事に必死な人々の心の叫びである。
　SNSやYouTubeでの晒し、リモートワーク中の騒音、中絶の同意などの最近の問題が取り上げられており、それぞれ改めて考えさせられた。
　重い読後感の話が多かったが、"商店街マダムショップは何故潰れないのか"は、愉快でシリーズ化を期待してしまった。
　とにかく、タイトルが良い。登場人物達全てが、"あんたのためじゃな"く、強く生きて行けますように。

2024/04/25

コロナ禍で鬱屈した現代の意趣返し系短編8作。

私の好みとしては
1位 パティオ8
2位 トリアージ2020
3位 商店街マダムショップは何故潰れないのか?

2024/04/22

あまり期待しないで読み始めたら、なんだかエッジの効いた短編集で面白かった。
コロナ禍やYouTuberなど、今の時代の小話といった感じ。

2024/06/16

【収録作品】めんや　評論家おことわり／BAKESHOP MIREY'S／トリアージ2020／パティオ8／商店街マダムショップは何故潰れないのか？／スター誕生

社会諷刺。あるある、と既視感のある情景が小気味よくひっくり返される様は爽快なのだが、読後感はビター。嫌な終わり方ではないのに、なんだか心に引っかかる。

朝日新聞書評　https://digital.asahi.com/articles/DA3S15959002.html?ref=pcviewer

2024/04/19

SNSやコロナ過の生きずらい世の中がテーマなのでしょうか。結構内容はブラックな内容ですよね。人は感じることもとらえ方も違うので言い方次第ではどのようにも受け止められますが、事の始まりから悪意を持って対応するとそこには人の身勝手さと強要が生まれてくるのだな。チョット自分が求めてた”心の痛快さ”がなかったかな。

2024/04/16

短編集だが、どの話も惹きつけられる。
どの話も最後はスッキリ痛快。

特に最後のストーリーが好き。

小説だから脚色されているけれど、少なからず自分達にも当てはまる話なのかもしれない。