カレー移民の謎 の商品レビュー
Audibleで聴読 日本各地に急増する、ネパール人によるインド料理店の謎に迫る。甘めのバターチキンカレーにこれまた大きな甘いナン、サラダとチャイやラッシーがセットで1,000円といったフォーマットがどうして広まっているのか。この本ではインド料理店を経営するネパール人を「インネ...
Audibleで聴読 日本各地に急増する、ネパール人によるインド料理店の謎に迫る。甘めのバターチキンカレーにこれまた大きな甘いナン、サラダとチャイやラッシーがセットで1,000円といったフォーマットがどうして広まっているのか。この本ではインド料理店を経営するネパール人を「インネパ」と呼び、その実態を追っている。 ・ネパールは国内産業がなく、海外での出稼ぎが主な収入源となっている ・若いうちからインド料理店などで修行し、独立先として地方の居抜き物件を選ぶ ・日本人にとって馴染みやすいカレーや甘めの味付けを保守的に踏襲している ・ネパール人専門の法律相談や物流専門店などが存在している ・日本の入管法の規制緩和や起業に対する縛り、労働ビザ取得の要件などが関係 ・インド人はカーストの縛りでマルチタスクができず、ネパール人はワンオペ可能 ・カレー移民の故郷はネパールのバグルンという田舎で、とくに過疎化が進んでいる 現在では4,000〜5,000店舗もあるインネパだが、その中での生存競争は厳しくなってきている。また日本が円安で稼げなくなってきたということも背景にあり、日本以外の先進国に再移民するネパール人も出てきている。今後はよりネパール料理のオリジナルに回帰した店や、カレー自体のアレンジと日本料理を組み合わせた(カレーうどん等)の亜種も出てくるのかもしれない。
Posted by
池澤春菜さんが某YouTubeで紹介されていたので読んでみました。 普段新書はほとんど読まないので、何度も同じことを言っていることに違和感を覚えつつも、興味深く読めました。 正直、移民については、増えすぎじゃないか……?とさえ思うほどどちらかと言えば否定的だったのですが、読んで...
池澤春菜さんが某YouTubeで紹介されていたので読んでみました。 普段新書はほとんど読まないので、何度も同じことを言っていることに違和感を覚えつつも、興味深く読めました。 正直、移民については、増えすぎじゃないか……?とさえ思うほどどちらかと言えば否定的だったのですが、読んでて少しは前向きに捉えられるようになりました。 それどころか、連れてこられる「カレー屋さんの子どもたち」にスポットをあてた章は、同情してしまい何か支援できることないかな、とまで思ったほどです。著者はこの章に出てくる、あるカレー屋さんの子どもの話を聞いてこの本を書くに至ったそうなので、狙い通りですね(笑) とにかく、読んでる最中も読み終わった後もカレーとナンが食べたくなります。もちろんインネパの。というわけで、週末食べに行ってきます。
Posted by
何だか「おすすめ」としてよく表示されるので(おそらく埼玉クルド人問題の本を買ったからですかね)、そんなに勧めるなら(笑)…と読んでみた次第。 読んでみたら、これが想像以上のルポルタージュの力作。日本のインド料理店の多くは経営もしくは料理人がネパール人とは聞いていましたが、こんな仕...
何だか「おすすめ」としてよく表示されるので(おそらく埼玉クルド人問題の本を買ったからですかね)、そんなに勧めるなら(笑)…と読んでみた次第。 読んでみたら、これが想像以上のルポルタージュの力作。日本のインド料理店の多くは経営もしくは料理人がネパール人とは聞いていましたが、こんな仕組みになっていたのですね…
Posted by
俗に「インネパ」と呼ばれる、近年日本各地で見られる、主にネパール人がコックや経営者として「インドカレー」を出しているレストランについて、その爆発的増加の背景と付随する社会的問題が考察されている。 私自身、なにげなく安くて美味しい気軽に入れるお店として、「インネパ」のレストランに...
俗に「インネパ」と呼ばれる、近年日本各地で見られる、主にネパール人がコックや経営者として「インドカレー」を出しているレストランについて、その爆発的増加の背景と付随する社会的問題が考察されている。 私自身、なにげなく安くて美味しい気軽に入れるお店として、「インネパ」のレストランに入り、大きなナンとカレー+サラダ(謎のオレンジ色ドレッシングがよくかかっている)+ラッシーのランチセットを頼むことはよくある。 そこに対して深い考えはなかったので、これがインドカレーそのものと思っていて、まして今やそのコックはインド人よりネパール人が多いとは思いもよらなかった。 大元は1980年代以前から、日本でカレーのお店を開いているインド人とみられている。彼らがコックとして、次第に出稼ぎのネパール人を多く雇うようになる。そこで出されているのは、インド人たちが日本人の舌に合うように日々調整していったもの。 そのネパール人が、独立して自分の店を出すようになると、やはり安全策として本来のネパール料理やアレンジを加えたものよりも、インド人たちの日本人に合わせたカレーを模倣して提供するようになる。 次第に、日本人の懐事情にも合うように調味料の質を下げてでも、安価に提供できるランチセットを出すことを志向する店も増えていく。 出稼ぎのネパール人は、母国の未来を案じて日本に来たのであり、家族の生活もかかっている。「模倣」や、ネパール本来の料理とはかけ離れたものを提供することに対するネガティブな考えもあるかもしれません。 私自身も、そのような考えが全くないわけではありません。 しかし、ネパール人が出稼ぎに来ている背景まで想像してみると、彼らの優先順位として、強かに日本で生活していくには止むを得ないことなのだとも思います。
Posted by
2025-10冊目 『#カレー移民の謎 日本を制覇する「#インネパ 」』 (2024年3月発行) /#室橋裕和 著 /#集英社新書 /読了日 20250114 ★★★★★ 【初めて行く国で日本人が、中華料理店コックとして和食をかなぐり捨てて中華料理をくる日もくる日も作り続け...
2025-10冊目 『#カレー移民の謎 日本を制覇する「#インネパ 」』 (2024年3月発行) /#室橋裕和 著 /#集英社新書 /読了日 20250114 ★★★★★ 【初めて行く国で日本人が、中華料理店コックとして和食をかなぐり捨てて中華料理をくる日もくる日も作り続けて、故郷に仕送りするためにその国の最低賃金以下で一生懸命働き、その国の貧困層からは抜け出せない仕組みのような感じ】 ➖目次
Posted by
第1章 ネパール人はなぜ日本でカレー屋を開くのか 第2章 「インネパ」の原型をつくったインド人たち 第3章 インドカレー店が急増したワケ 第4章 日本を制覇するカレー移民 第5章 稼げる店のヒミツ 第6章 カレービジネスのダークサイド 第7章 搾取されるネパール人コック 第8章 ...
第1章 ネパール人はなぜ日本でカレー屋を開くのか 第2章 「インネパ」の原型をつくったインド人たち 第3章 インドカレー店が急増したワケ 第4章 日本を制覇するカレー移民 第5章 稼げる店のヒミツ 第6章 カレービジネスのダークサイド 第7章 搾取されるネパール人コック 第8章 カレー屋の妻と子供たち 第9章 カレー移民の里、バグルンを旅する
Posted by
これはとても面白いノンフィクション…… 日本人にとって馴染み深い、ネパール人経営のインドカレー屋さん(いわゆる「インネパ」)の、背後にある事情が丁寧に解きほぐされている。 知らないことばっかりだなあ。そして、知るということは素晴らしい。
Posted by
バターチキンカレー、ナン、ラッシーと金太郎飴のように同じメニューが並ぶ「インネパ」カレー屋の歴史と闇が良く分かった。 今日の「インネパ」はムガル帝国時代のムグライ料理をベースとした高級料理がルーツだったそう。 外国人が日本で事業を興すためのルール(日本人を2人以上雇用するか500...
バターチキンカレー、ナン、ラッシーと金太郎飴のように同じメニューが並ぶ「インネパ」カレー屋の歴史と闇が良く分かった。 今日の「インネパ」はムガル帝国時代のムグライ料理をベースとした高級料理がルーツだったそう。 外国人が日本で事業を興すためのルール(日本人を2人以上雇用するか500万円出資する)とか知れて勉強にもなった。
Posted by
好きな食べ物を作ってる人たちのことが書いてある 近所なのに全然知らない人たち 読んで食べに行く 余計に美味しく感じると思う
Posted by
増殖するインネパカレー屋さん。その内実に迫った作品。儲かるからと希望を持って来日する者、それを仲介する者、裏切る者…、さまざまな人間模様が取材力から浮かび上がる。日本に生まれたことは奇跡なのだ。
Posted by