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カレー移民の謎 の商品レビュー

4.6

34件のお客様レビュー

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2024/09/17

新書なのに1200円+税でレジに持って行った時ちょっと怯んだけれど、とても面白かったので買ってよかったです 昔日本語学校での同僚からやる気のなさそうなインネパ店がある理由は聞いていたのでざっくりと事情はわかっていたか、より深く理解できた。 バターチキンカレーが食べたくなった。

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2024/09/07

インドカレー屋にはよく行くが、行く店の殆どにネパール国旗が飾ってあるのには疑問を覚えていたところ。 本書を読んでその理由がよくわかった。 「インネパ」とはよく言ったものだ。 まさか、そこに資本主義の潜在的問題が潜んでいたとは。。。 数年前、ブータンの幸福度を取り上げるメディアを見...

インドカレー屋にはよく行くが、行く店の殆どにネパール国旗が飾ってあるのには疑問を覚えていたところ。 本書を読んでその理由がよくわかった。 「インネパ」とはよく言ったものだ。 まさか、そこに資本主義の潜在的問題が潜んでいたとは。。。 数年前、ブータンの幸福度を取り上げるメディアを見て抱いた違和感と不安がまた芽生えてくる。 それでも、「インネパ」のカレー店に足を運ぶ。なぜなら安くて美味しいから。 日本人好みに合わせて甘くしているそうだが、自分はもっと辛いほうが好きで、よく行く店では辛くしてもらっている。

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2024/09/05

労働者として来日した方、その家族、ネパールに残された親戚等、それぞれの立場の問題点が浮き彫りにされていたと思う。具体的に書かれていても、現実にはもっと様々な問題があるんだろうなと。ネパール人と交流することがある方は、読んで、かなり役立つと思いました。

Posted byブクログ

2024/09/04

「何で日本には、メニューや内装がテンプレ化したようなインドカレー店がたくさんあるの?何でインドカレー店なのにネパール人がやってるの?」がわかる本。 店の開店までや経営的なことだけでなく、カレー店の家族のことなど、移民の抱える問題を広く知ることができた。

Posted byブクログ

2024/08/26

故郷に成長した産業がなく、他国に出稼ぎをしないと稼げない国の事情から日本や韓国に出稼ぎにくるネパール人 日本に連れてこられた子どもたちがいて、言葉もわからない、就職先もないなどの事情からとりあえずカレー屋を始める。 出稼ぎの話よりもカレー屋の子どもたちの話が印象深かった。

Posted byブクログ

2024/08/22

実家のあるド田舎の小さな町にはスタバは無いがインドカレー屋はある。今や全国どこに行ってもインドカレー屋があって、チェーン店ではないのに判で押したように同じフォーマット、大きなナン(またはライス)おかわり自由、チキンカレー、キーマカレーとダル(豆)カレーなど何種類か選べる、こういう...

実家のあるド田舎の小さな町にはスタバは無いがインドカレー屋はある。今や全国どこに行ってもインドカレー屋があって、チェーン店ではないのに判で押したように同じフォーマット、大きなナン(またはライス)おかわり自由、チキンカレー、キーマカレーとダル(豆)カレーなど何種類か選べる、こういうお店がある。インドカレーだけど実はインド人じゃなくてネパール人がやってるとか、インドではこういうナンは実は食べないとかの知識はなんとなく耳に入って来る。 エスニック街道の著者、室橋さんによる、丹念な取材、今回は日本にあるお店だけでなく、ネパールの奥地まで足を運んで、こういうお店が増えた背景を解き明かしている。 近所に、わりと長くやってるインネパ店があり、周囲に似たような店ができてはつぶれして、現在はもう1件少し毛色の違う店が安定して営業している。カレーは好きなので、以前は嬉々としてインネパ店に足を運んだが、最近は食傷気味で、初めて訪れる地でランチに入る店を決める時、自然とインネパは除外している。最近は南インド風とか非インネパ店が増えている。しかし、インネパ店も入ってみると微妙に違ってたりして、それはそれで趣きがある。二郎が店によって違うみたいに。 食べていくだけなら自給自足で足りるネパールの田舎暮らし、スマホを持つだとか少し現代風の暮らしをしようとすると現金が要り用になって、海外に出稼ぎせざるを得ない。そうして若者から働き盛りの人がいなくなり、過疎が進行して格差が生まれるという構造的欠陥は、日本も同じだ。 バブル期ならともかく、不況下の日本が出稼ぎ先として選ばれるのはいつまで続くのだろうか。 そんなことを考えながら今日もマトンカレーを激辛にしてナンで食べている。

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2024/08/11

インネパというネパール人がインドカレーを出すのはなぜかというのを書いた本。 だが、むしろ興味深かったのは一緒に来たり、呼び寄せられたりして来日した子供たちの姿だ。 突然連れてこられて、日本語もわからず、誰とも話せずに友達ができずに不登校になりやすい。 また、出稼ぎにくるくらいなの...

インネパというネパール人がインドカレーを出すのはなぜかというのを書いた本。 だが、むしろ興味深かったのは一緒に来たり、呼び寄せられたりして来日した子供たちの姿だ。 突然連れてこられて、日本語もわからず、誰とも話せずに友達ができずに不登校になりやすい。 また、出稼ぎにくるくらいなので両親がお金を稼ぐのに必死で子供の教育にかける時間がない。 果てにはネパールから出たくないと故郷から空港までずっと泣いている子もいた。 日本での教育に関しては夜間中学が受け皿になっているそうだが、国としてもそうした移民に対応できる語学力を持った人材を育てていく必要があるんじゃないかと思った。 あと、最後の方に載っていたネパールの写真が美しかったのでいつかネパールに行ってみたい。

Posted byブクログ

2024/08/05

「北関東の異界 エスニック国道354号線 絶品メシとリアル日本」に続いての室橋裕和の本です。引き続きレストラン一軒一軒に丁寧に寄り添う取材からいつの間にか大きなテーマに触ってしまっている、という室橋節(?)が冴え渡っています。彼が開く異界の扉は、今回はカレー屋さん。この10年ほど...

「北関東の異界 エスニック国道354号線 絶品メシとリアル日本」に続いての室橋裕和の本です。引き続きレストラン一軒一軒に丁寧に寄り添う取材からいつの間にか大きなテーマに触ってしまっている、という室橋節(?)が冴え渡っています。彼が開く異界の扉は、今回はカレー屋さん。この10年ほどでネパール人が経営するインド料理のお店が急増したことの秘密を探索します。前著の異界は国道354線という結界で都心からは見えていなかった世界ですが、今回の異界はすぐ身近にあり、気づかず利用していたことに軽く動揺を覚えました。そもそもネパール人がインドカレーのお店を開くことに何も違和感がなかった、という自分の内向きな感覚にちょっと恥ずかしさを感じました。実は自宅の駅の近くに10年前にポツンと出来たカレー屋があり、開店時に割引のチラシをもらった時とコロナの際に空いている店を探して入った時の2回しか利用したことが無かったのですが、読了後すぐに行ってみました。確かに壁にはエベレストなのかダウラギリなのか山の写真とネパールの国旗が飾られていたので「インネパ」のお店でした。思い切ってお店の女性と話をしたら彼女は本書にも出てくるポカラの出身でした。バターチキンを食べながら、この味、彼らの故郷の味じゃないんだよな、と思ったらなぜかお腹いっぱいになってナン、お代わりできませんでした。ちなみにランチタイムなのに自分以外はテイクアウトのお客だけでした。また行かなくちゃ。本書がこじ開けた異界の扉は、カレー移民というネパール経済の問題ではなく、それを受け止める日本の移民政策の問題に繋がるのだと思います。戦前、沖縄などからアメリカに渡った日本移民が苦難の道を歩みながら、アメリカ社会でのポジションを獲得していったように、バグルン出身のカレー移民の「セカンド・ジェナレーション」たちが日本社会での居場所を見つけることができるかどうかは、人口減少社会の日本の自分ごとのテーマなのだと思います。近所のお店のバターチキンは辛口にしてもまだ甘かったですが、カレー移民問題は、きっともっと辛くて、そして苦い味なのだと思います。

Posted byブクログ

2024/07/30

ネパールが出稼ぎ国家で、インドとか日本でインドカレー店で働いてどんどん増殖していく「インネパ」のカレー店。インド人の気質、ネパール人の気質の違い。商売の保守性で画一的なお店が増殖していったことを丹念に追う本。

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2024/07/28

インド料理屋に入ると、店員さんは皆ネパール人。インネパ 何故広まったか、何故メニューは変わらないのか、優しい表情の裏の悲哀、そしてネパール現地。 そういや、杉並区の荻窪に住んでた時、まだ首の座らない長女を、ソファで快く寝かせてくれながらご飯を食べさせてくれたのは、串鳥(閉店)と、...

インド料理屋に入ると、店員さんは皆ネパール人。インネパ 何故広まったか、何故メニューは変わらないのか、優しい表情の裏の悲哀、そしてネパール現地。 そういや、杉並区の荻窪に住んでた時、まだ首の座らない長女を、ソファで快く寝かせてくれながらご飯を食べさせてくれたのは、串鳥(閉店)と、杉並公会堂そばのクマルでした。 ファミレスよりも、ファミリーに優しい。 全面に筆者脚で稼いだ生々しさがあり、しゃっちょこばって善悪とかの結論は堕さない。良書。

Posted byブクログ