カレー移民の謎 の商品レビュー
自宅の近くにアジア人が営むインドカレー屋さんがある。 客はいつ行っても私ぐらいしか居らず、私が通うのをやめたら潰れてしまうのでは?といつも心配している。 「ナンを焼く窯を世界に広めるために店を出してるらしく、窯があれば国から補助金が出るから潰れないらしい」とかいう噂を聞いた。なる...
自宅の近くにアジア人が営むインドカレー屋さんがある。 客はいつ行っても私ぐらいしか居らず、私が通うのをやめたら潰れてしまうのでは?といつも心配している。 「ナンを焼く窯を世界に広めるために店を出してるらしく、窯があれば国から補助金が出るから潰れないらしい」とかいう噂を聞いた。なるほど、だからあの店はいつもガラガラだけど潰れないわけね、と本当か嘘かわからない噂に妙に納得していた。 が、どうやらそういったことではないようだ。自分達の店に客が来ようが来まいが関係ない、ここ日本で楽して金を稼いでいるとばかり思い込んでいたが、それは大きな勘違いで「インネパ」界隈には負の面が多数存在している。「楽して金を稼いでいる」どころか、搾取的とも言える労働環境に身を置きながら、日本での成功を目指さざるを得ない立場にあった。 アメリカンドリームならぬジャパンドリームを夢見てやってきたネパール人。 馬車馬のように働きネパールの家族の元に送金するも、彼らの故郷に還元されるどころか過疎化・高齢化は著しく進む。ネパールでは国内産業が「海外への出稼ぎ」に依存していることからも、この悪循環から脱却することは個人の意志ではどうにもできず、なかなか難しいのかもしれない。 自宅近くのインドカレー屋にはつい先日も訪れたばかりだ。いつ訪れてもガラガラなのに何年も潰れてないあの店...本当のところは私には何もわからないが、あの店の見方が以前とは変わってしまった。
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街角の小さなカレー店に入ると、焼きたてのナンとともに異国の気配が立ちのぼる。その看板の多くは、単なる「インド料理」では語れない背景を持つ。ネパールから来た人々が、日本の都市の隙間に根を張り、「インネパ」と呼ばれる独自の食文化圏を築いた歩みを追う。安さや親しみの裏には、出稼ぎ、家族...
街角の小さなカレー店に入ると、焼きたてのナンとともに異国の気配が立ちのぼる。その看板の多くは、単なる「インド料理」では語れない背景を持つ。ネパールから来た人々が、日本の都市の隙間に根を張り、「インネパ」と呼ばれる独自の食文化圏を築いた歩みを追う。安さや親しみの裏には、出稼ぎ、家族、在留資格、そしてしたたかな適応の物語がある。香辛料の匂いの向こうには、いまの日本社会の受け皿と限界が映し出されている。
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この本の企画のきっかけにもなったというカレー屋2世ネパール人の教育問題が印象的。経済移民の親の、経済移民ゆえの教育意識の低さが根底にあるという説明に納得した。 日本に来ているカレー移民の出身がある特定の地域に偏っているというのは驚いた。 よくここまで取材しているなと感じる。筆者の...
この本の企画のきっかけにもなったというカレー屋2世ネパール人の教育問題が印象的。経済移民の親の、経済移民ゆえの教育意識の低さが根底にあるという説明に納得した。 日本に来ているカレー移民の出身がある特定の地域に偏っているというのは驚いた。 よくここまで取材しているなと感じる。筆者の専門とするアジアに生きる日本人、日本に生きるアジア人は自分も興味がある。
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audibleで聴いて、日本で頑張っている彼らを応援したくなり、早速お気に入りのインドカレー店に行ってきた。 人が人を呼び、コピペしたようなインドカレー屋が増えていった背景を知った今、改めてその店の内装や豊富なメニューを見るとインネパのカレー屋の中では拘り派なことがわかった。 ...
audibleで聴いて、日本で頑張っている彼らを応援したくなり、早速お気に入りのインドカレー店に行ってきた。 人が人を呼び、コピペしたようなインドカレー屋が増えていった背景を知った今、改めてその店の内装や豊富なメニューを見るとインネパのカレー屋の中では拘り派なことがわかった。 ネパール人は、自国には仕事がなく、内戦もあったことから出稼ぎ率がとても多い。 おもしろいのは、日本に行く前にインドで働く、インド経由パターンが多いという。 インド人はカースト制に根差した考え方からの風習として1つの仕事しかやらない特性があるのに対して、ネパール人は柔軟性がありなんでもやるし、宗教上の食材のタブーがなく、給与も安く、インド人と言葉も通じるからインドで重宝されるらしい。 そこからインド人に連れられて日本に行ったり、日本の飲食店からのオファーを受けたりするという。 前半はなるほどと思える内容でとてもおもしろい。 ところが後半はインドカレー屋の闇に迫っていき、家族の抱える問題を知ると切なくなり、まさかのインドカレー屋の本で泣いてしまい自分でもびっくり。 もちろん日本人の飲食店だってみんな必死に経営していると思うけど、外国で逞しく働く彼らに敬意を感じた。
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図書館本。ネパールカレーのことを書いた本は以前にも読んだことがあったけど、こちらのほうが内容断然充実。移民問題のことも身近に感じられた。名古屋住みの身としては発祥の店にも行かねば。
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日本中に溢れていて、都心だと駅に一つ以上はあるインドカレー店。ふっくらしたナンと甘いバターチキン。ところがインドに行って現地のレストランに行けば、そんなメニューには出会えません。しかも働いているのはなぜかネパール人。なぜそんなことになったのか、長年の疑問がこの本を読んで晴れました...
日本中に溢れていて、都心だと駅に一つ以上はあるインドカレー店。ふっくらしたナンと甘いバターチキン。ところがインドに行って現地のレストランに行けば、そんなメニューには出会えません。しかも働いているのはなぜかネパール人。なぜそんなことになったのか、長年の疑問がこの本を読んで晴れました。 初期ににインド料理屋を始めたインド人が豪華な宮廷料理であるムグライ料理とタンドールを導入。それを後進の人が完全コピーを続けた。GDPの30%が出稼ぎというネパール人がインドのレストランで働いていて、そこから日本行きを誘われていった。ネパール人の中からビザ取得などのブローカー業を始める人が出てきて、地元から人を呼び寄せた。 簡単に言うとそういうことのようですが、それが多くのコックや経営者へのインタビューから生々しく伝わってきます。終盤、著者がネパールを訪れ、街で多くの日本語をしゃべる人々に遭遇する章では不思議な感動がありました。歴史の経緯でなぜかネパールの山奥の村と日本がつながってしまう。 ネパール人コックとその家族、特に連れてこられた子供達の苦境を聞くにつれ、普段行っているインネパレストランに対する見え方が変わってしまいました。
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とてもおもしろかったです。 近所の3軒のインドカレー屋も、うち1軒はガパオライスやカオマンガイなどの東南アジア料理も出すようになった。別の1軒はもつ鍋を提供するようになった。残りのもう1軒もナンのおかわりが焼きたてじゃなくなった。ちょっと前まではハーフサイズナンをお願いすると半...
とてもおもしろかったです。 近所の3軒のインドカレー屋も、うち1軒はガパオライスやカオマンガイなどの東南アジア料理も出すようになった。別の1軒はもつ鍋を提供するようになった。残りのもう1軒もナンのおかわりが焼きたてじゃなくなった。ちょっと前まではハーフサイズナンをお願いすると半量の生地をいちから焼いてくれたのに、今は半分に切られたナンが提供される。 食文化に対するこだわりより、お客の需要が優先なのだ。(P152 あらゆるコストが高くなってる時代に無理なのかもしれないけど、おざなりなインネパでなく、純粋においしいインネパのインドカレーが食べたいと思うのは欲張りなことなのかな?と考えます。
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カレーを食べ歩いているが、大きく分けると ・老舗系(独自の味を構築した店、ボンディとかデリーとか) ・インネパ系(ナン+カレー) ・日本人がつくるスパイスカレー にわかれる。 で、インネパ系は胃がもたれるし、ナシゴレンやフォーまであったりして、個性がなく、意味不明に思えて、ほぼ...
カレーを食べ歩いているが、大きく分けると ・老舗系(独自の味を構築した店、ボンディとかデリーとか) ・インネパ系(ナン+カレー) ・日本人がつくるスパイスカレー にわかれる。 で、インネパ系は胃がもたれるし、ナシゴレンやフォーまであったりして、個性がなく、意味不明に思えて、ほぼ行かなくなった。なんでこんなふうになってしまったのだろう?と疑問を持っていたが、この本が答えをくれました! 。。。 まとめる 初期。インド人が日本で飲食店を出すにあたって、ムガール帝国の王朝料理を選んだ。だからリッチな材料で普段食べないものが多い。 カーストの縛りのないネパール人が働き手として都合が良く、インド料理の店で修行し、インド料理の店を続々と開店させた。ネパール人は料理どうこうより、出稼ぎとして考えているので、同じ料理を踏襲(まね)した。 この背景にはもともとゴルカ兵という傭兵制度がネパールにあり、海外で働く文化がベースにあった。 日本はビザの関係でいきなり帰国させられることもあるから、最近はオーストラリア、カナダ、アメリカに移る人も増えている。 呼び寄せた家族が日本に馴染めない、グレる、せっかく馴染んだのにビザのために帰国になる等々、家族の問題、教育問題も根深い。
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とても面白かった。近年急増しているナンカレー屋の秘密について解説されている。似たメニューが並ぶ理由やその背景にあるネパール人の問題等、本書を読んだ上でナンを食べに行くとまた違った印象を感じる
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似たようなメニューやシステムの店が多い理由は、失敗を恐れて安易に前の店の真似をしているから。コンサルは存在しない。 インド料理店で働くためのブローカーは存在する。現在は入管が厳しくなったので新規出店は頭打ち。 同じ頃から増えてた台湾料理の店についての本あるかな。探してみよう。 ...
似たようなメニューやシステムの店が多い理由は、失敗を恐れて安易に前の店の真似をしているから。コンサルは存在しない。 インド料理店で働くためのブローカーは存在する。現在は入管が厳しくなったので新規出店は頭打ち。 同じ頃から増えてた台湾料理の店についての本あるかな。探してみよう。
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