板上に咲く の商品レビュー
青森に生まれ育った絵の大好きな少年が、ゴッホのひまわりに出会って人生の目標を定め、もがきながらも版画に行き着いて猛進する姿を、妻であるチヤの視点で描かれる。 オーディブル作品とのこと、津軽弁は音声で聴くと生きるだろうなと思いつつ文字で読了。 生まれも育ちも恵まれていたわけではない...
青森に生まれ育った絵の大好きな少年が、ゴッホのひまわりに出会って人生の目標を定め、もがきながらも版画に行き着いて猛進する姿を、妻であるチヤの視点で描かれる。 オーディブル作品とのこと、津軽弁は音声で聴くと生きるだろうなと思いつつ文字で読了。 生まれも育ちも恵まれていたわけではないが、才能とエネルギーで運を呼び込み、わっしわっしと自らの道を歩んだスコさんの人生はとても幸せだったと思う。 チヤさんが看護婦の資格もミシンも活かせなくて、それはとても残念だと、私としては思ってしまった。チヤさんが幸せでないということにはならないけれども。
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憧れのゴッホを超えてその先へ__板画家棟方志功の半生を妻チヤの視点で描いたアート小説。チヤの献身的な姿に何度も胸を打たれました。そして、人生は"もしも"の連続だ。2人が出会わなかったら世界のムナカタは存在しなかっただろう。
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棟方志功という版画の芸術家を妻であるチヤの目線から書いた物語。絵が売れない苦しい時期から東京空襲まで2人が困難をどうやって乗り越えたかが書かれてある。苦しくても家族を犠牲にしても心と体の全てを使って版画を彫っている描写の迫力が伝わってきて、私も夢中で読んだ。
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棟方志功の生きざまを妻のチヤの目線から描き出した作品。志功の芸術一筋で純粋なところがとてもよくわかり、また売れるまでの貧乏な生活などもよく分かった。ゲゲゲの女房の話に通じるような価値観と言うか生き方を感じて、これは才能ある夫を支える賢婦人に共通のものなのか、それとも時代がこういう...
棟方志功の生きざまを妻のチヤの目線から描き出した作品。志功の芸術一筋で純粋なところがとてもよくわかり、また売れるまでの貧乏な生活などもよく分かった。ゲゲゲの女房の話に通じるような価値観と言うか生き方を感じて、これは才能ある夫を支える賢婦人に共通のものなのか、それとも時代がこういう生き方を生み出したのか、と考えた。棟方志功の作品は教科書にも載っているし普通にいろいろなところで目にしているのだが、この本が出版されたころやっていた展覧会には行きそびれたので本物を見る機会を逸して残念。本を読み、生き方を知ったうえで絵を鑑賞するのは、絵を深く理解し心にとどめるために有効だな、と改めて感じた。 あとは、BSテレ東で放送している「あの本、読みました?」が最近のお気に入りなのだが、それの原田マハ特集でこの本を語っているのを見て、読むのをすごく楽しみにしていたので、もう一度録画を見直したい。ちなみに本好きにとって、鈴木保奈美の評価が爆上がりする番組です。 チヨと志功の恋愛が描かれた場面もあったりしたものの、おおむね小学生に問題になるようなシーンはないかと...。でも、価値観など経験がないと難しいから中学生以上というところ。戦争の理不尽さなどの内容も最後に出てきます。
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マハ様〜(*´-`)♡ なんて素敵な物語なんでしょっ!! ゴッホに憧れ ゴッホの「ひまわり」に魅せられ 日本のゴッホになる事を夢みた棟方志功… やがて… “世界のムナカタ”と呼ばれる芸術家になるまでの物語_ 物語の視点も “我(わぁ),日本のゴッホになる!”と言い...
マハ様〜(*´-`)♡ なんて素敵な物語なんでしょっ!! ゴッホに憧れ ゴッホの「ひまわり」に魅せられ 日本のゴッホになる事を夢みた棟方志功… やがて… “世界のムナカタ”と呼ばれる芸術家になるまでの物語_ 物語の視点も “我(わぁ),日本のゴッホになる!”と言い 美の世界に魅入られた棟方を 健気に支え続ける 妻のチヤさんの視点で 語られるのも素敵だったなぁ〜(*´-`) 棟方のそばで 40年以上…墨をすり続け… 世界の棟方になることを信じて 時には背中を押すような 芯の強い一面もあるチヤさん! どこか懐かしい気持ちにさせられ…それでいて 温かくダイナミックで 観るものを圧倒する 棟方志功さんの作品の裏には… 一生支え続けた チヤさんの存在があったからなんですね! 読み終えて… ふたりの絆や愛に 胸があつくなりました!
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素晴らしかった。 棟方志功の作品には呼吸があって、生きているかのように感じる。美しくて、壮大なのに、紛れもなく現実で生きている感覚がする。 棟方志功の映像や写真も何点か見たことがあるが、その見た記憶のままの棟方志功がこの本の中に生きていた。 棟方志功の描く天女は奥さんに似ているよ...
素晴らしかった。 棟方志功の作品には呼吸があって、生きているかのように感じる。美しくて、壮大なのに、紛れもなく現実で生きている感覚がする。 棟方志功の映像や写真も何点か見たことがあるが、その見た記憶のままの棟方志功がこの本の中に生きていた。 棟方志功の描く天女は奥さんに似ているよね、と母が言っていたことを思い出した。チヤは棟方にとって天女で、女神で、聖母で、ひまわりだったのだと思う。
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チュウボウの頃、初めて買った画集がダリとゴッホ。ゴッホの「カラスのいる麦畑」と「荒れもようの空と畑」を一晩中見入っていた事を思い出す。 自信満々で制作した「東北経鬼門版画屏風」が柳宗悦が大不満。読んだ時はわからなかったが柳の本を読んで「意識の超過、自我の跳梁、工夫作為の弊」を見た...
チュウボウの頃、初めて買った画集がダリとゴッホ。ゴッホの「カラスのいる麦畑」と「荒れもようの空と畑」を一晩中見入っていた事を思い出す。 自信満々で制作した「東北経鬼門版画屏風」が柳宗悦が大不満。読んだ時はわからなかったが柳の本を読んで「意識の超過、自我の跳梁、工夫作為の弊」を見たからと知った。
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棟方志功、名前だけは聞いたことがあるぐらい、なのが恥ずかしいが、青森出身なのには親近感…ちゃんと作品見に行きたいと思う。 棟方もチヤも、ひたすらずっと真っ直ぐなのが、一言で片付けられるはずもないけどひたすら尊かった。ひたむきに信じて続けられること、信じられることは本当にすごい。人...
棟方志功、名前だけは聞いたことがあるぐらい、なのが恥ずかしいが、青森出身なのには親近感…ちゃんと作品見に行きたいと思う。 棟方もチヤも、ひたすらずっと真っ直ぐなのが、一言で片付けられるはずもないけどひたすら尊かった。ひたむきに信じて続けられること、信じられることは本当にすごい。人に何を言われようとも、絶対無理だろと思ってしまっても、流されないように生きていきたい……。 それと1番幸せだなと思ったのは、ゴッホを美術館に行けば見られる世界線で、今生きていられていること。不足感、ハングリーさはないかもしれないけど、それは本当に幸せなことだと思う。
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木版画家・棟方志功の生涯を 妻のチヤさんの目線から描いた物語。 油絵がどういうものかも知らなかった青年は、 ゴッホの「ひまわり」を見て心奪われ ゴッホに憧れを抱く。 どんなに売れなくても、 油絵のほうが高値がつくことが分かっていても 木版画をやめなかった...
木版画家・棟方志功の生涯を 妻のチヤさんの目線から描いた物語。 油絵がどういうものかも知らなかった青年は、 ゴッホの「ひまわり」を見て心奪われ ゴッホに憧れを抱く。 どんなに売れなくても、 油絵のほうが高値がつくことが分かっていても 木版画をやめなかった。 日本で生まれた純粋な日本の芸術、 木版画で革命を起こしたい。 棟方のそんな熱い想いが物語全編通して伝わってきた。 そして棟方のそばに寄り添い続けたチヤさん。 40年以上、墨を磨り続けて仕事を支え、 時には棟方の背中を押し、世界一の画家になると信じ続けた。 チヤさんの芯の強さや覚悟、行動力がすばらしかったな。 「ムナカタにならねば!世界のムナカタに! ・・・ゴッホを超えて!」と 棟方に対して叫び、飛び出していくシーンは 胸がぎゅっとなった。 大変な日々が綴られる中、 結婚前のチヤさんが恋に落ちるところや 公開ラブレターはなんとも微笑ましく、 このシーンはとても好きだったな。 壮絶なの二人の人生。 「辛かった、でも、幸せでした」 この言葉を最後にもう一度読むと、 物語が頭の中で思い出され、 これは二人の愛と絆の物語だっだなぁ…と しみじみ思うのです。
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棟方志功の絵はなんとなく見たことがあるという程度だった。仏教や能にヒントを得ているのに驚いたし、墨を使う点が先日読んだ水墨画の話とも共通していて嬉しかった。東北弁が楽しいし、仲良し夫婦も良い
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