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なぜ東大は男だらけなのか の商品レビュー

3.9

18件のお客様レビュー

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2026/03/10
  • ネタバレ

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読了したのは1年近く前だったろうか。ずっとメモ的な感想でもいいから残したいと思っていたのにバタバタと時間が過ぎてしまった。図書室で借りた本だったのだが、本屋さんで見つけて買おうか買うまいか悩んで、結局もう一度図書室で借りてきた。気になったページはメモで残していたのでざっとした記録として。 (やっぱりそのうち本屋さんで買うような気がしている) まず、東京大学の女子入学率は約2割。2000年代以降変化はない。 著者は副学長で(東大には副学長が4人いる。林香里など)男性視点から書かれているため、冷静な分析と世界的に俯瞰的な問題提議というか課題として取り上げているのが良い。 東大(東京帝国大など過去の名称もすべて東大と表記)に女性の入学が許されたのは戦後。しかもアメリカによる男女共学化を推し進められたから。だから、東大自身が(日本の男性のお偉いさんが)女性にも教育をつけてもらおう!とか東大に女性も来てもらおう!なんて1ミクロンも考えていなかったし、やる気も皆無。むしろ反対。 男性が作り上げた組織の仕組みのなかで男性と同じくらい結果を残せるなら認めてやってもいい、くらいの意味の「平等教育」だったといっていい。 これ、今の日本の企業にも未だにあるなー。無意識に残ってるんだろうけど。 面白かったのは、日本に男女共学化を推し進めたアメリカでは、実は当時女性の大学入学は認められていなかったということ。第2次世界大戦終了後、アメリカでは公民権運動やウーマンリブの運動が積極的に行われたことで、1970年代にやっと女性の入学が認められていったとのこと。 でも、2025年の段階での日本の大学進学率の男女差は、アメリカの方がむしろすごーく伸びている。大学によっては女性の方が多いくらい。そして卒業後もバリバリ働き、昇進もしている。(アメリカ社会全体の女性の地位向上の話はちょっと置いておく) それに対して日本よ。 何が違うのだよ。 アメリカでは、貧困で親が大学に行っていない学生にも進学のアドバイスをするなど、学びたい学生が進学することをイメージしやすいように、また手段を探せるようにフォローしている。まぁ、親が大学に行ってなくても進学する子どもはいるんだけど(私の両親も大学行ってないし)、親の体験や生き方って子どもに影響を与えることは大いにある。 このあたりの日本バージョンの動きについては、「なぜ地方女子は東大を目指さないのか」川崎莉音・江森百花著(光文社)を参考に。一緒に読むと面白い。 あと、東大を卒業していった女性たちがどのような生き方をしていったかについては、「東大女子という生き方」秋山千佳著(文春新書)を参考に。

Posted byブクログ

2025/11/16

本書は東大の男女比の偏りを構造的な問題として扱うが、入試制度自体は男女平等であり、大学にクオータ制を導入すべきという主張には違和感を覚えた。機会の平等こそ重要で、結果を操作することは本質的な改善にならないと感じる。一方で、名門サークルの人脈形成や教授採用の場では、主観的評価により...

本書は東大の男女比の偏りを構造的な問題として扱うが、入試制度自体は男女平等であり、大学にクオータ制を導入すべきという主張には違和感を覚えた。機会の平等こそ重要で、結果を操作することは本質的な改善にならないと感じる。一方で、名門サークルの人脈形成や教授採用の場では、主観的評価により女性が不利になり得る点は理解できた。ただ、読み進めるうちにより大きな問題は「性別」より「都市と地方の格差」だと強く思う。地方の教育・経済・情報格差は生まれながらに子どもの選択肢を狭めており、これを是正しない限り男女比議論だけをしても根本解決には至らない。本書の問題提起は有益だが、数合わせ的な解決策より、スタートラインの平等化こそ必要だと感じた。

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2025/09/27

男社会、男の論理の中で少数派の女性は戦わなければならない。女性管理職登用と言われて、女性だから出世したと言われるが、これまでは、特に昭和、平成は、男性だから出世してきたのだ。あんたはどうなの?と言い返したい。男性の論理の中で戦わされてきたが、そもそも、その論理が偏っていたのでは?...

男社会、男の論理の中で少数派の女性は戦わなければならない。女性管理職登用と言われて、女性だから出世したと言われるが、これまでは、特に昭和、平成は、男性だから出世してきたのだ。あんたはどうなの?と言い返したい。男性の論理の中で戦わされてきたが、そもそも、その論理が偏っていたのでは?と、とても興味深く読んだ。

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2025/05/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

東大は男性が8割。男性が多いのは、東大入学者に中高一貫の男子校が多いから。その子の家庭は、父が働き、母が専業で家庭をサポートする。そんな家庭から官僚などになり制度が作られる。これではジェンダー格差が解消されないとのことだった。 こんなにも男性ばかりになっているとは知らなかった。そして、その環境を生み出す中高一貫の男子校があるということも。社会的に、男性優位な歴史があるから、それが脈々と受け継がれているのだと思った。このような状況が本で書いていただいたからこそ、少しずつ変わってきていると思った。 筆者の矢口祐人さんは、東大で研究をおこなう教授で、10年以上、東大に男子が多いことに違和感をもたなかった。それが当たり前だと思っていたから。しかし、海外からの学生を受け入れる役割を担い、自身がアメリカに留学していた経験があり、よい環境をつくろうと奔走する。 そんな中で、受け入れた海外留学生女子がサークルに入れない事態が発生する。東大には、東大女性お断りのサークルがある。今では少なくなったが、本を出版前の2012年は大半だった。 「もともと男性しかおらず、今でも圧倒的に男性の多い大学の伝統は男性中心のものにならざるを得ない。「東大の伝統」や「旧制一高の伝統」というのは立派な響きはするかもしれないが、結局は男の伝統」 女性にも同じ事がいえるけれど、伝統は考え直す必要があるケースだと思う。 東大にいる立場で、東大を非難するような本を出すことに何度も迷ったが、日本社会の大きな問題であり、日本の研究者として解決すべき問題として本を出版されている。その勇気に心から敬意を払いたい。東大だけではなく、社会として考えるべき問題だと思った。

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2025/05/05

東大のジェンダーギャップの歴史と、いまだ女子学生の比率が2割にとどまっていることに対する変革の方向性について。 (ちなみに国立台湾大学41%、ソウル国立大学36.5%) 女子学生亡国論のあたりはヒリヒリしながら読んだ。 個人的に興味深かったのはプリンストン大学との比較のあたり。プ...

東大のジェンダーギャップの歴史と、いまだ女子学生の比率が2割にとどまっていることに対する変革の方向性について。 (ちなみに国立台湾大学41%、ソウル国立大学36.5%) 女子学生亡国論のあたりはヒリヒリしながら読んだ。 個人的に興味深かったのはプリンストン大学との比較のあたり。プリンストン大学が共学化したのは1969年と東大よりも23年遅いが2010年に女子学生比率は50%に達している。そして共学化の意思決定は経営判断からであるという。競合するアイビーリーグの各大学が同様の判断で共学化に踏み切るなか、乗り遅れては優秀な学生と教員を獲得できなくなりジリ貧間違いなし。安定した大学経営のために共学化が必要であった。また事前に共学化是非を判断するための利点と欠点、潜在的ニーズ、コスト、寮などの設備、必要なスタッフ、授業への影響、寄付金への影響などの調査報告書が作成されており、エリート白人男性のかたまりの岩盤反対層である同窓会の説得にも使われた。 (東大の共学化はGHQの圧力によるもので、調査や検討の形跡がない。当初女性用トイレも整備されていなかった) こういう判断で方向性を獲得していくことができないならクォータ制やむなしなのかなあ。

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2025/01/24

東大女子が少ない理由について、歴史的に書かれているが、タイトルの問いに対して真正面から書かれているという感じではない。なぜ東大女子が少ないのか知りたければ『なぜ地方女子は東大を目指さないのか』(光文社新書)の方がわかりやすい。

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2025/10/28

国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11574238

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2024/08/17

日本人が向き合うべき男女格差をわかりやすく書いた本。多くの人が差別に気がついてもいないというこの恐ろしい現状を、データを提示し、課題の特定、解決策まで明示している。今後の社会変革も予測される一冊。

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2024/08/08

最近、新聞でたまたま、大学工学部への女性学生のクオータ制入学の賛否両論の記事を読んだ。 取り入れて30年経つ工業大学は、一定の成果があったとしているが、入学者が頭打ちになってもいるとのこと。 さて、本書は東京大学のお話。 年々女子学生の入学者は増えてきたものの、20%で伸びどま...

最近、新聞でたまたま、大学工学部への女性学生のクオータ制入学の賛否両論の記事を読んだ。 取り入れて30年経つ工業大学は、一定の成果があったとしているが、入学者が頭打ちになってもいるとのこと。 さて、本書は東京大学のお話。 年々女子学生の入学者は増えてきたものの、20%で伸びどまっているそうだ。 著者は副学長で、女性学生の獲得を推進する立場の職にある人。 現状を変えるべく、本書は男性を基準にしてできた大学が、長い間そのことを認めずにいたことを論じている。 東大の話なんて、個人的には関係ないのだが。 著者は最後には、日本の大学教育の問題としてこのことを捉え直す。 女性だけを増やすのではなく、多様な学生を増やす。 特に地方で、経済的に恵まれていない生徒が、諦めてしまわない社会を作ることの大切さを主張していた。 そうなると、どういう施策が必要なのか・・・という話になってくるのだけれど、総論賛成である。 結論が見えている本ではある。 だが、さまざまなデータや事例、歴史的経緯を調べてあり、そういう情報がまとまったものとして、手に入りやすい新書で出ているのはありがたい。 日本との比較で、アメリカのアイビーリーグの大学の共学化の経緯も知ることができた。 日本より学生の多様性に関心が深いようなイメージがあるが、歴史的にはそう古いことではなかったとか。 特にプリンストン大学のことを取り上げているが、この件ではむしろ保守的で、変化が遅れた大学であったとのことだ。 受け入れ開始は東大より遅い1969年。 ちょっとびっくり。 その頃、日本の「女子大生亡国論」同様に、女性が入ると大学のレベルが落ちると言われたりしていたようだ。 共学化も「このままでは生き残れない」という経営判断によるものだったということは、意外だった。

Posted byブクログ

2024/06/20

東大に男性が多い、そのものは意外でも不平等さも感じたことはなかったけど、“限られた条件”の男性が多いことには驚いた。“一般社会”の人との感覚の違いはこういうところから来るんだろうなぁ。

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