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別れの季節 の商品レビュー

4.2

14件のお客様レビュー

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2024/09/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「お勝手のあん」シリーズ第9弾。  薬問屋に嫁ぎ、息子が生まれたお小夜が里帰りする。生まれた子供は片足の膝から下がなく、聾者であった。幼いが文字も書けて賢く、お小夜夫婦はかわいがっているが、薬問屋の評判に関わるため、外に出せない。夫は店を親戚に譲り、長崎で新しく商売を始めることに決めた。引っ越しするにあたって、2年ほど、あんに料理人として一緒に来て欲しいと頼まれるが、あんは行かないことに決める。  紅屋では、大旦那さん夫婦の隠居が決まり、別の屋敷を構えることになった。あんは紅屋の料理人として働くことになり、住み込みの奉公人ではなくなった。雇い人として、おしげさんと同じ長屋に一人暮らしをする。  あんももう20歳か。この時代ならじゅうぶん一人前の年齢なんだろう。本作ではお小夜さんのエピソードが衝撃だった。今まで穏やかな作風だったので、つらい展開になったと思った。でも、お小夜さんの負けん気の強さと、夫婦の仲良さがあれば乗り越えるストーリーが読めるのではないかと期待。あんは長屋に一人暮らしするし、新しい人間関係もできて、まだ話は広がっていきそう。

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2024/07/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

お小夜ちゃんとこの清太郎ちゃん、びっくりしました。しかしながら本当に利発ですね。3歳で文字書けるの!?すげぇじゃん!! 今後はなかなか会えなくても、お手紙はやり取りできるもんね。今生の別れじゃない。そう信じたい。 おやすちゃんも料理人としてどんどん成長していきますが、お披露目されるとまたいろんな問題や悩みが増えるんだろうなぁ。 大人になるということは、自分の人生に責任を持つということ。そして自分で決めて切り開くこと。その腹を決める時期が、やすにもお小夜ちゃんにもきたってことですよね。早く大人になりたいというとめ吉と、今のままでいたいと願うやすの気持ちのコントラストも切なく感じました。 おやすちゃんももう20歳かぁー。今後は料理人としてどんな成長をして行くのでしょう。楽しみですが、私が大好きなおいとさんの所に行く機会は少なくなりそうでちょいと寂しいです。

Posted byブクログ

2024/06/29

お勝手のあんシリーズ最新作。 タイトルの「別れ」とは誰との「別れ」を意味するのか、ハラハラしながら読んだ。 やすを拾ってくれた大恩人、大旦那さんが隠居するというから大旦那さんなのか。 お勝手をやすに任せるほど料理人として指導してくれた政一がどこかへ行くのか。 やすを親友として接し...

お勝手のあんシリーズ最新作。 タイトルの「別れ」とは誰との「別れ」を意味するのか、ハラハラしながら読んだ。 やすを拾ってくれた大恩人、大旦那さんが隠居するというから大旦那さんなのか。 お勝手をやすに任せるほど料理人として指導してくれた政一がどこかへ行くのか。 やすを親友として接してくれるお小夜さまからの手紙には思わぬことが書いてあり、そのことがタイトルに繋がるのか。 ここまで長いシリーズになると思わず軽い気持ちで読み始めたが、やすをはじめ様々な登場人物のその後や成長を追えて感慨深い。 可愛い男の子と思っていたとめ吉が心身共に成長して嬉しい一方で、かつて紅屋を出た勘平のその後は史実を思うと心配。 おうめさんとの息が合うようになる一方で、やすは異国の食材や料理に興味を持ち始める。 政一もやすに対し、やすが紅屋に収まらない料理人になるときが来ることを予言している。 そしてお嬢さん育ちのお小夜さまが妻として母として生きている。 やすはかつてプロポーズを断り料理人として生き続ける決心をしたことがあった。だがそのときのやすには自分がどんな料理人になりたいのかというはっきりしたイメージはなかった。 それが今回のことで将来的なイメージが少し湧いてきたようで嬉しい。 その決断には痛みも伴うことではあるけれど。 やすとお小夜さまの友情が良い。お小夜さまの夫の清兵衛も強い人だった。清太郎の成長にも期待したい。 最後の一文はこのあと歴史が大きく動くことを意味している。激動の幕末から明治の世の中で、やすがどのように生き成長するのか見守りたい。

Posted byブクログ

2024/06/22

シリーズ第九弾。お小夜の子供に障害があることを知ったおやす。お小夜は決して悲観していないが、江戸で家族が普通に暮らすのは難しく、長崎で暮らすことに。一緒に長崎へ行って欲しいと頼まれたおやす。さんざん考え、決心する。

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2024/06/11

大切な友に障害のある子供が生まれるも、親にとってはかけがえのない大切な子。 そんな友を励ますやすに、思いもがけない誘いがくる。新しい料理も学びたいが、今の料理も極めたい。 迷いながらも進む道を決める。 時代は幕末、この時をどう生き、どう料理していくのか。 会津にいる勘ちゃんも心配...

大切な友に障害のある子供が生まれるも、親にとってはかけがえのない大切な子。 そんな友を励ますやすに、思いもがけない誘いがくる。新しい料理も学びたいが、今の料理も極めたい。 迷いながらも進む道を決める。 時代は幕末、この時をどう生き、どう料理していくのか。 会津にいる勘ちゃんも心配。 この先が楽しみ。

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2024/05/30

シリーズ第9弾。 おやすも19歳となり、立場も環境も変わり、様々な決断を迫られる。 次回作が楽しみ。

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2024/05/29

安政六年となり、おやすは十九歳。この時代では立派な大人。 おやすが働く旅籠・紅屋(くれないや)のある品川では、すでに女料理人として知らない者はないくらい。 今では紅屋のお勝手をおやすが仕切っていることを自然に思えるようになった。 いつの間にか立派になって・・・ いや、いつの間にか...

安政六年となり、おやすは十九歳。この時代では立派な大人。 おやすが働く旅籠・紅屋(くれないや)のある品川では、すでに女料理人として知らない者はないくらい。 今では紅屋のお勝手をおやすが仕切っていることを自然に思えるようになった。 いつの間にか立派になって・・・ いや、いつの間にかではない。今までおやすがさまざまな困難を乗り越えながら、「料理を生涯の生業としたい」と言う気持ちを高めてきたことを、読んできたはず。 おやすは今回も、人生の転機として大きな決断を迫られる。 おやすだけではない。十草屋に嫁いで後継を産んだお小夜も、困難に直面していた。 子供っぽくてわがままで、ちょっと鬱陶しいと思っていたお小夜だが、本当にちゃんとした母親になった。 そして、親の勧める縁談というものが気に入らなくてゴネていたのにあっさり今の夫・清兵衛に決めた時にも、何なの?(笑)と思ったものだが、これは最高の決断だったと、今になって思った。 おやすもお小夜も、少女の昔には戻れないけれど、一歩ずつ足元を固めて生きていってほしいと思う。 そして、大変な時代。 おやすは知らないうちに、いろいろな重要人物と出会っている。 安政七年の三月三日、雪の朝で終わる、いや、続く。 一 おゆきちゃん 二 睦月と小鍋立て 三 お小夜様の苦悩 四 幸安先生の言葉 五 桔梗さんの消息 六 鰹の味 七 異国の甘さ 八 夜食の味 九 月待ち弁当 十 吹き寄せの味 十一 隠居屋敷 十二 お別れ

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2024/05/19

激動の時代を懸命に生きるあん。「別れの季節」は旅立つお小夜との別れの意。こんな時代に生まれたことも前向きに捉え、謙虚に周囲を気遣うあん、迷いながらも前を向き懸命に料理の道に精進する彼女が健気だ。

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2024/04/08
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※このレビューにはネタバレを含みます

お勝手のあんの第九巻。 別れの季節、とあって誰と別れるのだろうと、 心配しながら読み始めた。 政さんがとうとう江戸に行ってしまうのか、 弟分のとめ吉になにかあるのか、と。 別れたのは親友ともいえるお小夜だった。 一時、心と身体を休めるために品川に帰って来ていたが、 子どものために夫とともに長崎に行くことになる。 長崎に一緒にきてくれ、と頼まれるが、 ひとりの料理人として生きていくために話を断る。 せつない。 お勝手女中から料理人へと雇い直しになるおやす。 宿の中でなく、長屋に住むようになるし、どうなることやら。 夜食におにぎりと梅干し入り昆布茶を食して、 その味の良さに気が付いたお客は今度の展開に関係するのかも楽しみ。

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2024/04/04

【収録作品】おゆきちゃん/睦月と小鍋立て/お小夜さまの苦悩/幸安先生の言葉/桔梗さんの消息/鰹の味/異国の甘さ/夜食の味/月待ち弁当/吹き寄せの味/隠居屋敷/お別れ 幕末の不穏さを漂わせつつ、地に足をつけて精いっぱい生きるおやすたちの姿が描かれている。庶民は日々を地道に生きるし...

【収録作品】おゆきちゃん/睦月と小鍋立て/お小夜さまの苦悩/幸安先生の言葉/桔梗さんの消息/鰹の味/異国の甘さ/夜食の味/月待ち弁当/吹き寄せの味/隠居屋敷/お別れ 幕末の不穏さを漂わせつつ、地に足をつけて精いっぱい生きるおやすたちの姿が描かれている。庶民は日々を地道に生きるしかない。岐路に立つおやすの決断も見事。

Posted byブクログ