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〈寝た子〉なんているの? の商品レビュー

4.8

13件のお客様レビュー

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2024/10/21

丁寧に丁寧に書いてあるので、読んでてすごく辛かった……わたしはこの日本においてはマジョリティ側だから、自分の生き方、生活の端々まで問い直されているような気持ちになった。 この罪悪感と向き合うのは辛いという気持ちを感じてしまうけれど、この著者の方も、被差別側でもあると同時、差別側で...

丁寧に丁寧に書いてあるので、読んでてすごく辛かった……わたしはこの日本においてはマジョリティ側だから、自分の生き方、生活の端々まで問い直されているような気持ちになった。 この罪悪感と向き合うのは辛いという気持ちを感じてしまうけれど、この著者の方も、被差別側でもあると同時、差別側である自分とも向き合う描写があったことで、わたしもやらなければという気持ちにさせられた。

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2024/09/28

見えづらい差別構造と、マジョリティ側として認識しづらい部落差別について、とても丁寧に書かれていて分かりやすかった。 教育関係者として、フリースクールを選択することとか、君が代を歌うこととか、自分が無自覚に誰かを攻撃していた可能性に気づいてゾッとしたと共に、ここで気づけて良かったな...

見えづらい差別構造と、マジョリティ側として認識しづらい部落差別について、とても丁寧に書かれていて分かりやすかった。 教育関係者として、フリースクールを選択することとか、君が代を歌うこととか、自分が無自覚に誰かを攻撃していた可能性に気づいてゾッとしたと共に、ここで気づけて良かったなぁと思った。 誰しもマジョリティでマイノリティであるのだからきちんと考えていきたいし、まず知って、勉強して、間違った発信を正していきたいと思う。

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2024/09/05

なんとなく知ったつもりでいて何にも知らなかったんだなぁとしみじみ。 知ることの大切さを感じ、知る努力をしないと知ることすらできないことが山ほどあることを感じ… 被差別部落について改めて考えるきっかけとなった1冊。 今なお差別はあるんだな。

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2024/08/31

"差別は「する/しない」、「したい/したくない」という問題ではなく、社会の中に「ある」ものだ。" この文章を読んだ時にはっとした。 後半の後半まで読んでなお、まだ自分は差別をしない側だと思っていたことが恥ずかしいと思った。 自分はどういう点でマジョリティの特権...

"差別は「する/しない」、「したい/したくない」という問題ではなく、社会の中に「ある」ものだ。" この文章を読んだ時にはっとした。 後半の後半まで読んでなお、まだ自分は差別をしない側だと思っていたことが恥ずかしいと思った。 自分はどういう点でマジョリティの特権があるのか、知らず知らずのうちに差別をしていないか、発達障害のある我が子とどうやって障害者差別と向き合っていくのか、考えたいことが山のようにある。 部落差別についての本だけれども、堅苦しくなくて、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」のような読みやすさがある。それに加えて、差別とは何かということが大変分かりやすい。 読んだ後、何かを語りたい気持ちにもなる。夫と1時間くらいこの本について話し合った。ぜひいろんな人に薦めたいと思う本だった。

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2024/08/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上川多実さん『〈寝た子〉なんているの? −見えづらい部落差別と私の日常−』里山社(2024)、読了(

Posted byブクログ

2024/08/15

寝た子…あるものがないものにされる便利なことば。寝て忘れる?発言しなければ承認したと見なされる?…そういうことが、今とても増えていると感じる。 あるものをあると言う、その行為を難しくしているのは何なのだろう?考え続けたい。

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2024/08/10

被差別部落にルーツを持つ著者が、子どもの頃から母親になるまで、自分のルーツとどのように向き合ってきたのかを綴った本。 違和感をそのままにせず、普通を疑ってどんどん進む姿が印象に残る。 部落問題、日本では触れてはいけないものの上位にあるものだと思うけど、当事者である著者は知ってほし...

被差別部落にルーツを持つ著者が、子どもの頃から母親になるまで、自分のルーツとどのように向き合ってきたのかを綴った本。 違和感をそのままにせず、普通を疑ってどんどん進む姿が印象に残る。 部落問題、日本では触れてはいけないものの上位にあるものだと思うけど、当事者である著者は知ってほしいと心から願っていることに驚いた。〈寝た子を起こすな〉論争が差別をなくすことにつながらないこと、なるほどなあと思った。 団地はガラが悪い、などの軽はずみな言葉が、誰かを傷つけていないか、想像力を持って他者と付き合いたい。

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2024/07/31

新聞の書評に惹かれて図書館でリクエスト購入してもらいました。 部落差別については学校の授業や教科書で学んだ程度。戦後まもない頃まで差別があった(かもしれないけれど自分には身近でない遠い話)と思って聞いていました。 それこそ、副題のとおり、わざわざ昔の話を繰り返して寝た子を起こすの...

新聞の書評に惹かれて図書館でリクエスト購入してもらいました。 部落差別については学校の授業や教科書で学んだ程度。戦後まもない頃まで差別があった(かもしれないけれど自分には身近でない遠い話)と思って聞いていました。 それこそ、副題のとおり、わざわざ昔の話を繰り返して寝た子を起こすのはどうなんだろう…でも昔の話でも差別の悪かったことを継承するのは大切、ぐらいの感覚です。 しかしとんでもない! と気付かされたのがこの一冊。 著者の目指す通り、ブラクって何?と思う人にもわかりやすく、等身大の生身で普通の生活をしている普通の人が、今なお歴史的な差別を受けてる問題です、と語りかけてくる。 本来、徳川政権の頃の自身のルーツを遡れる人の方が現代では少数派であり、また部落以外の出身者の我が身であっても、(今とは人権思想も法も違うとはいえ)先祖の中には酷いことをした人(殺人、窃盗、放火、性暴力など)が山程いたはず。でも、自分は遠いご先祖様のルーツで今の自分がマイナスの判断をされずに済んでいる。 部落差別をされる属性ではないから、という理由で。 大人はもちろん、中高生、何より我が子にオススメしたい本。 付箋やラインをつけたい箇所がいくつもあったので、図書館の本ではなく、自分で改めて購入しました! 少数派のあからさまな悪意のある差別ではなく、無関心な善良な人々によって差別は継続する、といった旨のことばをキング牧師が述べていたのを知っていても、やはり自分が多数派で差別に無自覚であれば、それは差別する側にたっている(差別を肯定している)と同じであることを改めて自覚させられます。 著者も自身の部落以外の属性(LGBTなど)については異性愛者の多数派であり、差別構造に無自覚であった部分をふまえています。 また著者と同世代の親として、悩みや願いをこめつつ、我が子にどう生きて欲しいか、どんな未来(社会)を手渡していきたいのかについては共感しかありません。 差別されることに俯かずに強くなる(強くなければ生き延びられない)時代ではない、子どもを変えるのではなく、社会を変えたいという、子ども(より良い未来)への愛と祈りを感じました。

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2024/07/16

引き込まれて読んだ。誰しも多かれ少なかれ、マジョリティ性とマイノリティ性をあわせ持っていて、そのことに自覚的であることで、もっと生きやすい世の中になるのではないかと気づかされました。 また、子どもと丁寧に対話する様子は、我が家でも実践したいと思いました。 自分の価値観を(それもマ...

引き込まれて読んだ。誰しも多かれ少なかれ、マジョリティ性とマイノリティ性をあわせ持っていて、そのことに自覚的であることで、もっと生きやすい世の中になるのではないかと気づかされました。 また、子どもと丁寧に対話する様子は、我が家でも実践したいと思いました。 自分の価値観を(それもマジョリティ的価値観、学校は行って当たり前、とか)押し付け、子どもが逸脱しようものなら感情的になりがちな自分を反省。子どもの考えをもっときちんと聞こう 。

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2024/07/04

読み物としてまず素晴らしく面白かった。 子どもにはいろいろあるのだ。子どもの頃に感じた、理不尽納得のいかない思い、わたしも昔この思いを抱えていた、大人がすることにこんなふうにやりきれなく怒りで震えた。いい本というのは過去のこと幼い時のことを細やかに正確に描写できている本だと思う。...

読み物としてまず素晴らしく面白かった。 子どもにはいろいろあるのだ。子どもの頃に感じた、理不尽納得のいかない思い、わたしも昔この思いを抱えていた、大人がすることにこんなふうにやりきれなく怒りで震えた。いい本というのは過去のこと幼い時のことを細やかに正確に描写できている本だと思う。 〜うまく反論できた自分を想像して、「こうすれば良かったたのに、どうしてできなかったんだ…」と自分を責めた。〜 だが今大人になり、そちら側の言い分もわかる、こう言うしかないのだ、というようなこともわかる。大人も子どもも一続きの人間なのだ。とにかく思い出に説得力があり本当に面白かった。 その人にはその人なりの正義と気遣いがあり、それが必ずしも相手のためにはなっていなくも苦しめたていてもどこ吹く風、自分は思いやりのある人間だなどと独りごちているものだろうな。 さて、この「面白い」も差別を覆い隠す感想なのではとびくつく。「政治性の脱色」と言うのもドキッとする指摘だった。自分にわからないこと、態度を決めかねること、に出くわした時そこには目を瞑り、面白いと言うことで覆い隠していたのではないか。 ただ、本当に面白く出てきた人たち皆魅力的だ。嫌な動きをする人たちも自分の中にあるものを突きつけられるような身近な感じすらするキャラクター。 そして差別や世の悲しい出来事に対してずっと抱えていたモヤモヤをこれだけ読みやすく伝えてくれたことに感謝。自分の無意識にスポットライトが当たることで世界の輪郭、自分の輪郭がはっきりする。色んなことに自覚的になれることは生きやすくなることとも言える。自分が差別に加担しない生き方ができるというのは本当に幸せなことだし、部落問題に限らずあらゆることにも通じる、この無自覚や知らないことで起こしてしまう苦い出来事はというのは明るみにすることで防ぐこともできるし、納得できたらそうはしない人や物事はたくさんありそうだ。そして改めることも。知った!と止まってしまうこともまた危ないだとも思うので、これをやり続けるしかないのだろうね。 これからは気をつけることができる 無自覚 親として 子は親の所有物ではない 正しさの押し付け 教育 関係のない人はいない 等々、普遍的な問題をたくさん提示してくれるいい本。

Posted byブクログ