「働き手不足1100万人」の衝撃 の商品レビュー
株式会社リクルート内にある「人」と「組織」に関する研究機関、リクルートワークス研究所が、日本社会の構造的な人手不足に陥る未来を危惧し、調査を行った。その調査を踏まえ、2023年に発表した報告書(「未来予測2040ー労働供給制約社会がやってくる」)およびそのシミュレーションを基に、...
株式会社リクルート内にある「人」と「組織」に関する研究機関、リクルートワークス研究所が、日本社会の構造的な人手不足に陥る未来を危惧し、調査を行った。その調査を踏まえ、2023年に発表した報告書(「未来予測2040ー労働供給制約社会がやってくる」)およびそのシミュレーションを基に、わかりやすい説明をデータや統計を用いながら行なっている一冊。 筆者は、座して待てば訪れるかもしれない「日本の未来」を"生活することに精いっぱいで、仕事や労働をしている時間もない社会の到来"と表現した。 深刻な人手不足が「生活維持サービス」(介護、運搬、建設など)の機能不全を招き、社会で生きる人の生活を維持するために必要な担い手の確保が困難になるだろうという予測は、日本が直面する"危機"をよく表している。 しかし本書は、そんな危機は日本がさらに豊かな社会となる"チャンス"であるとも述べているのだ。本書ではそのカギとなる4つの打ち手についても後半で紹介しており、表紙にある通り、本書が単に日本の未来の"危機"について述べているのではなく、そこから日本が今より豊かな社会を実現させるために何が必要なのか、その方法にはどんなものがあるのか、その"希望"についても述べていることは忘れないでいただきたい。 少子高齢化社会はこれから世界の多くの国が直面する大きな課題である。その課題にいち早く直面しているのが日本である。日本がいかにこの問題を乗り越え、どう新たに豊かな国として生まれ変われるのか、その具体策やヒントを、現状と共に把握したいという人は、ぜひ本書を読むことをおすすめする。 好きな言葉を一つあげておこう。 ベストなのは、より効果的な対処法をみつけて、 以前より強くなって危機を脱することだ。(p.115)
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タイトルがショッキングです 。しかしもうすでに業種によっては「人が足りていない」という現実を感じることがままあります。 話にも聞くし報道でも目や耳に留まることは増えていると思います。(本書にあるように特に医療・介護現場、建築や運送関連業態など)このまま何も変えていこうとしなければ2040年には生活するだけで精一杯の毎日を送る人だらけになる…。衝撃すぎます。 本書に提示された、この危機を最小限にするための方策というかアイデアは、たしかに有効そうではあります。でも全部実行することは出来ないんだろうなと読んでいて私は悲観的でした。何とかしなければと思ってはいても、実際にすぐに動く企業や自治体はどれだけあるだろうと思います。 確かに一部地方自治体で、公務員でありながら農業や漁業などの一次産業へ働きに出ることを勧めているところなど見かけるようになり、これは本書でいうワーキッシュアクトそのものだと思います。それ自体はいいことなはず、なのですがやはり問題はあるわけで。 例えば来てもらえるところには感謝され、実質そこの仕事は進むわけですが、その地域の全農家や漁師宅へ人が入れるわけではないから不公平感もあるし、入る側も行く人は結局若者に限られることや、行かない人は目に見えないプレッシャーがあったりするけれど職場ではそれは言いにくいという話も聞きます。 不公平感や負担感がないように、「楽しんで」できれば確かに良いのですが、実際にやってみないとわからないこのような問題というのは出てくるでしょう。(だからといってやはり何もしないわけには行かないのも確かですけれど…) 本書p126 女性の非正規労働者のうち「不本意だが非正規労働者である」割合が7.9%しかいなくて非正規労働者でありたくてなってる女性が大半であるという話が出てきますが、私はこのデータだけでは必ずしも「非正規労働者でありたい女性が多い」といえないのではないかと感じました。 「そうありたい」の中には扶養範囲でしか働けないという家庭の事情があり「状況が許さずそうありたい」というしかないという人がかなり多いのではないかと思うからです。少なくとも私はそうです。今の職種で正規で働けるなら本当はもっと働きたい。しかし採用がないのです。 このようなアンケートでは私は「非正規を望む」と答えますが(実際そう答えたこともあり)それは「事情」からであり「意思」ではないからです。 今の制度の中で扶養を超えて非正規のまま正規並みに収益を得られるくらい働こうとすると、休みもとれないくらいに「みっしりと」働かないと収益は得られないし(それでも正規には追いつかない)、中途半端に働けば「働き損」になるので結局扶養範囲に抑えるしかなくなるのです。(じゃあ正規の仕事を探せばいいじゃないかという意見はあると思いますがそれはまた別の話になります) 今扶養についても税制が大きく変わろうとしていて、扶養範囲で抑えるという働き方もいずれは出来なくなるだろうと思いますが、本書のこの個所については大変引っかかりました。 自分がその立場だからそう思うだけかもしれないですが、これは非正規について真実を認識できてないままのデータなのではと感じました。 p136 オレンジの線がひかれている箇所ですが「これまで10人で行っていた仕事が8人でできるようになれば支払い賃金を従来水準の1.25倍に増やすことは可能だ」というようなことが書かれています。理論的には、ときちんと断わりもつけてます。期待も確かにできます。できますが実際そうなるかな、というのはかなり疑問に思いました。 人件費として浮いた分をいる人員に配分するという事業主も確かにいるでしょうが現状ではそういうことをする事業所は少ないんじゃないかなと思いました。これからそうなるといいねとは思うけど理想が過ぎる…という気が。 と細かいところに結構突っ込みどころを感じ(最終章も)自分は悲観的でした。 でも一番悲観しているところは、そもそも本書に書かれているような現状に、社会の意識がまだそこまで危機を感じてないのでは、と思えてならないことです。
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配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=10278463
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リクルート研究員の力すごい! 人口動態ベースの未来予測図。超高齢化社会がどうやって浸食してくるのか私でも想像できました。 経済が落ち込んだら生活困窮者が増加して犯罪リスクは上がるし、そこに警官・自衛官などの公安職が不足すれば今以上に深刻な事態となる。そそ、そうだね。「いつになった...
リクルート研究員の力すごい! 人口動態ベースの未来予測図。超高齢化社会がどうやって浸食してくるのか私でも想像できました。 経済が落ち込んだら生活困窮者が増加して犯罪リスクは上がるし、そこに警官・自衛官などの公安職が不足すれば今以上に深刻な事態となる。そそ、そうだね。「いつになったら人手不足は解消するんですか?!いや永久に解消しないよ」という事実はサラリーマンにとってもツラいっす。後輩が永久にできないんだ。 膨大なデータまとめの大変さは体験したことあるけど、敢えてね!ツッコむと(うざw)分析以外の所見が煽りすぎな気もする。「物が届かなくなるだろう。」「経済が成り立たなくなる恐れがある。」とアバウトな悲観。良質なデータがもったいない。後の章では地方経営者の声や労働力不足の解決案も提示しているので、そちらのアイデアを持ち上げたいんだろうけどーと邪推もした。 不足解消のカギは省力化産業!AIプラスアルファで女性・高齢者・外国人の力を引き出す。日本は世界最大のマーケットになる!ピンチはチャンスだ!! ってやっぱりこの人、自分に酔いやすいたちなんだろうなー、なんてどの口が言っとるかと我が身を反省したりもするけど、海外投資を呼び込むアイデアを練るのは純粋に楽しいよね。 あとは頭の悪い想像話。 とはいえ日本人の土着性でいったら女性>高齢者>外国人の活躍が望まれるんだろうけど、しかし現実は真逆でくるんじゃないかしら。日本人は海外へ脱出するし、足腰弱いボケ老人は増えて日雇い外国人に頼るしかない。外国人にはいい人が多いのに、米軍基地のように悪い人だけがクローズアップされる。それを怖がる。 AI登場は真っ先にマスコミに直撃してほしい。日本人の特技のがんばろうぜってムードを壊さないでほしい。
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memo 労働供給制という危機が、日本を全く新しい豊かな社会に変えるための突破口になる その時に対応できる人間になるための準備を今からする より効果的な対処法を見つけて以前より強くなって危機を脱すること
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労働供給の不足は2030年に341万人、2040年に1100万人。高齢者が増えるため、労働需要は減らない。 しまね女性活躍推進プランで、島根の女性の有業率が全国一位。 介護、建設、物流で人手不足。 車検制度が維持できない。 バスの減便でもしかたがない。 配達員はすでに70代80代、新聞の配達ができない。 人手不足対策の三種の神器=シニア、女性、外国人。 女性の就業率は70%、OECDではすでに世界で13番目に高い。 シニア65歳以上は、25%、ダントツに高い。アメリカは18%、ドイツ7.4%、など。 労働供給制約が生活を破綻させる。解決策はワーキッシュアクト=普段の行動が働くことに繋がる。 パトラン=パトロールランニング。
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人口動態をはじめとした統計などから将来の労働需給予測の結果、2040年に日本では、1100万人の働き手が足りなくなるとして、その対策を論じた一冊。 このような人口問題を扱った書籍は、『未来の年表』シリーズが知られますが、それよりもデータを精緻に分析している印象ですが、ただ人口減少...
人口動態をはじめとした統計などから将来の労働需給予測の結果、2040年に日本では、1100万人の働き手が足りなくなるとして、その対策を論じた一冊。 このような人口問題を扱った書籍は、『未来の年表』シリーズが知られますが、それよりもデータを精緻に分析している印象ですが、ただ人口減少するということだけではこれまで語られていたとおりなので、それ以外の部分を中心に読み進めました。 すでに日本の労働力率は先進国でトップクラスとのことであり、単純なシニアや女性の活用といった考えだけでは対応できません。 そんな中、対応策として紹介されていた「ワーキッシュアクト」というものが興味深い内容でした。いくつか事例も紹介されているのですが、例えば、お話好きの人が、仕事と好きと趣味の間くらいの関係で、介護施設で話をしたり聞いたりすれば、介護福祉士の負担を軽減できるかもしれない、というような話です。 これをどのように実施していくのかは難しい面もあるかもしれませんが、このような活動が広がることで、労働供給制約の社会にも何らかの光明が見えるかもしれませんし、こういった活動を通して豊かな人生につながるような社会ができれば、決して悲観するばかりではないと感じます。今後ともこういった分野に関心を持っていきたいと思っています。 ▼2040年に日本では、1100万人の働き手が足りなくなる ▼これから訪れる人手不足は、デジタル人材の不足といった産業・企業視点から語られてきたが、これから訪れる人手不足は「生活を維持するために必要な労働力を日本社会は供給できなくなるのではないか」という、生活者の問題としてわれわれの前に現れるのだ。 ▼労働供給制約 社会を維持するために必要な働き手の数を供給dけいなくなる、構造的な人手不足のこと ▼”労働供給が世界的にもパツパツな状態”が日本のスタート地点である ▼労働供給制約社会に向けた打開策 ①機械化・自動化 ②ワーキッシュアクト ③シニアの小さな活動 ④仕事におけるムダ改革 ▼「機械化・自動化」は人の「仕事」「労働」の可能性を単関する可能性 ①長時間労働から人を解放することにつながる ②仕事・労働の身体的な負荷が下がる ③タスクが機械へとシフトしていくことで、人はその仕事が本来必要とする業務に集中することができる ・必要な発想は、「人間がいないから機械に」とか「機械か社員か」という二者択一というより、「人が機械の力でもっと活躍できないか」という”拡張性”の思考なのだ ▼ワーキッシュアクト コミュニティ活動や趣味、娯楽といった本業の仕事以外の活動のうち、「誰かの何かを助けているかもしれない活動」 ▼ワーキッシュアクトが持続的なかたちで広がっているポイント ①”結果的に”誰かの何かを助けていること ②何らかの”報酬”があること ③片手間でできること ▼企業が労働供給制約社会でできることの一つの具体的な手は、働き手を職場で独占しないこと ▼労働供給制約社会は人間の本質的な社会性、つまり生きていると、なんとはなしに誰かのためになっている性質を強調するのではないか ▼労働供給制約を乗り越えるために、今後の日本に不可欠な発想は、高齢期の小さな仕事、小さな活動である。個々人の体力や気力などとも相談しながら、無理のない範囲でできる仕事や活動をはじめ、続ける人が増えていくことが重要になっていく。それが結果として、誰かの何かを助け、自分のためにもなる。シニアが小さな仕事、小さな活動をすることを促すような仕組みづくりが、求められているのだ。 ▼豊かな人生が、持続可能な社会をつくり、そして、さらに豊かな人生につながる。そんな好循環を起こすことが最終目的地となるだろう。 ▼未来予測 ①消費者と労働者の境目が曖昧になる ②働き手が神様です ③労働が楽しくなる <目次> はじめに 第1章 働き手不足1100万人の衝撃 第2章 都道府県別&職種別 2040年の労働需給予測 第3章 生活維持サービスの低下と消滅 第4章 働き手不足の最前線・地方企業の窮状 第5章 働き手不足を解消する4つの打ち手 第6章 解決策① 徹底的な機械化・自動化 第7章 解決策② ワーキッシュアクトという選択肢 第8章 解決策③ シニアの小さな活動 第9章 解決策④ 企業のムダ改革とサポート 第10章 2040年の〝新しい〞働き方 おわりにー発明の時代ー
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あまりに暗い未来予測本です。 しかし、それは確実に日本に訪れる現象である説得力のあるものでした。 これから今からでも人材が不足する前に機械化、自動化などの省力化できるものを国が上げて投資していかなければならないでしょう。 郊外から日々のインフラが維持できなくなる世界がそこま...
あまりに暗い未来予測本です。 しかし、それは確実に日本に訪れる現象である説得力のあるものでした。 これから今からでも人材が不足する前に機械化、自動化などの省力化できるものを国が上げて投資していかなければならないでしょう。 郊外から日々のインフラが維持できなくなる世界がそこまできています。 とても読み進めるのが辛い本ですが現実を直視してできることからやっていくしか道はなさそうです。 これからは省力化産業がキーワードとなってくるそうです。 私も現場で直面している課題をどのように自動化できるか、ここがこれから大事になってきそうです。
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労働供給は2040年には1100万人不足する。 先端分野への供給が後回しになり、イノベーション余力がなくなる。 徹底的機械化・自動化、ワーキッシュアクトを広げ打開する。 労働需給の著しいギャップ「労働供給制約社会」 「お客様は神様」から「働き手が神様」の時代へ。
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公的データを活用した精緻なシュミレーションにより、2040年の日本の未来に、ほぼ確実に来るであろう「労働供給制約社会」にクローズアップした大作です。 確かに、最近のニュース報道でも、ひしひしと人手不足であることを感じます。 それが、何の対策もしなければ、あと16年後にはとんでも...
公的データを活用した精緻なシュミレーションにより、2040年の日本の未来に、ほぼ確実に来るであろう「労働供給制約社会」にクローズアップした大作です。 確かに、最近のニュース報道でも、ひしひしと人手不足であることを感じます。 それが、何の対策もしなければ、あと16年後にはとんでもない事態になっているというのですから、驚きしかないです。 本書においては、「労働供給制約社会」における独自の解決策が4つ、提示されているのですが、その解決策の一つである「ワーキッシュアクトという選択肢」は、非常に興味深かったです。 この「ワーキッシュアクト」という言葉も初めて耳にしましたし、紹介されている事例自体が新鮮でした。なお、紹介されている事例は、今現在も進行中の事例です。 「ワーキッシュアクト」と、もう一つの解決策である「シニアの小さな活動」とを組み合わせれば、日本に全く新しい事業が創造できるのではないか・・・ そんなことをうっすらと思いました。 と同時に、日本の未来に希望も持てるような気がしてきました。 ちなみに私は、本書を読んで、日本の個別株長期投資に関し、一つのアイデアを得ました。これから、それを実践していきたいと思っています。
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