ホットプレートと震度四 の商品レビュー
台所まわりのアイテムにまつわる話を集めた短編集。 物語としてはややそっけないくらいの長さが、読みやすくてちょうどいい。 台所用品はどうしても「家庭」の形を連想させる。 最後の薪ストーブの話が特に好き。
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月刊誌の連載から加筆されたもの。味をつくる道具と人というテーマ。そのままタイトルよりポットプレートと震度四の方がいい。 9つ短編、最後の焚いているんだよ、薪ストーブがよかった。ただ登場人物が少し嫌な感じで…。読むのが億劫になった。文章が軽く文字も少ない本なので読み出せばすぐ読めて...
月刊誌の連載から加筆されたもの。味をつくる道具と人というテーマ。そのままタイトルよりポットプレートと震度四の方がいい。 9つ短編、最後の焚いているんだよ、薪ストーブがよかった。ただ登場人物が少し嫌な感じで…。読むのが億劫になった。文章が軽く文字も少ない本なので読み出せばすぐ読めてしまうけど、行間を味わえない。 嫌と感じるのは自分の嫌なところを表現されてる裏返し、明日はきっと良い食卓の帯は、まだ登場人物たちはきっとにかけるところということ。 「きっと」はこの国の今の寂寥感なのかもな。いやなんだ、それは
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*“食にまつわる道具”を通して揺れ動く老若男女を描いた短編集。「今年 のゼリーモールド」「ピザカッターは笑う」「コーヒーサーバーの冒険」「あのときの鉄鍋」「水餃子の机」「錆び釘探し」「ホッ トプレートと震度四」「さよなら、アクリルたわし」「焚いてるんだよ、薪ストーブ」の9篇を収録* もっと続きが読みたい!と思わせる素敵な物語たち。 どのお話もどこかしら可愛らしさを含んだ短編集で、ふわりと心が温かくなる読後感が素晴らしい。 ひとつひとつの題名も秀逸です。 中でも特に良かったのは、 かつて青春を過ごした`俺`が息子の青春を目の当たりにする甘酸っぱさ満載の「ピザカッターは笑う」と、 チルちゃんの小さな冒険が最高に可愛い「コーヒーサーバーの冒険」。 出てくる人物が全員悶絶レベルでキュート過ぎて、何度読み返しても勝手に笑顔になってしまう破壊力があります。 井上荒野さんは、老若男女問わず、人の心の機微をすくいとるのが本当にお上手。 よって、本当はじっくり味わって読みたいのに、早く結末が知りたくてついつい早読みしてしまう… 既に何度も読み返したけど、忘れた頃に絶対また再読しよう。
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微妙な、はっきりしているわけじゃないできごとの違和感や困った感や距離感を描くのがうまいなぁと思う。 男女のあれこれはあまり興味が持てないため、なんかめんどくさそう…としか思えないのだけど、、 でも老年期の人間を描いている作品も数あって、これからの私には助かる。 井上荒野さんは、...
微妙な、はっきりしているわけじゃないできごとの違和感や困った感や距離感を描くのがうまいなぁと思う。 男女のあれこれはあまり興味が持てないため、なんかめんどくさそう…としか思えないのだけど、、 でも老年期の人間を描いている作品も数あって、これからの私には助かる。 井上荒野さんは、読む時にちょっと力が要るというか、覚悟がいるというか…、「井上荒野を読むぞ!」と思わないと読めない。 うかつに手にとってやっぱりうかつだった、となることが多いので、気をつけて慎重に読む作家だ。 新しく追いかける作家を見つけられて嬉しい。これからも少しずつ読んでいきたい。
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夫婦や親子、友人などの人間関係を絶妙な機微で描いた作品。 主人公の心情を分析しきらない、というか白黒つけずに読み手に解釈の余地を残す、その匙加減がやみつきに。 こういうのは女性しか書けないかもなと思いつつも、昨今ジェンダーレスの流れから、声高には言いづらい。
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余裕の短編集という感じ。 どれも最後にほこっとするけどアクリルたわしのだけが不穏な感じ。短編だから感情移入もそれほどではなく淡々と読み進んだ。 いろんな男女のいろんな日常。 リアルでそこかしこに散らばっていそうな日常。
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ショートがたくさん。 しみじみ面白い。 不倫の話は嫌だけど(潔癖のところがある) 最後の薪ストーブの話が最後だけに一番よかった。 薪ストーブのシチューはうまそうだ。
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「食にまつわる道具」をめぐる短編集。 鉄鍋、ピザカッター、ホットプレート…料理道具にスポットが当たっているのが面白い。 どのお話も最後は胸がぽっと暖かくなった。 どれも好きだけど、お気に入りは「あのときの鉄鍋」と「水餃子の机」、「焚いてるんだよ、薪ストーブ」! 井上荒野さんの本...
「食にまつわる道具」をめぐる短編集。 鉄鍋、ピザカッター、ホットプレート…料理道具にスポットが当たっているのが面白い。 どのお話も最後は胸がぽっと暖かくなった。 どれも好きだけど、お気に入りは「あのときの鉄鍋」と「水餃子の机」、「焚いてるんだよ、薪ストーブ」! 井上荒野さんの本を読むと、やっぱり台所に立ちたくなる。料理はちっとも得意じゃないけれど!
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台所用品のまつわるちょっと良い話の短編集。大きな事件はなくとも、ゆるやかな悲喜こもごもが読み心地が良かった。お気に入りは『ピザカッターは笑う』→男性の下心をほのめかす描写が秀逸。『焚いてるんだよ、薪ストーブ』→近しい人を失った喪失と再生がよく伝わってきた。
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気になっていた本ですが、図書館の返却本コーナーにあったのをご縁に感じて借りてきました。てっきりエッセイ集かと思っていたのですが、短編小説でした。でもなんだかしみじみよかった。人生いろいろ、と使い古された言葉が胸に浮かびました。
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