1(ONE) の商品レビュー
「ななつのこ」を最初に読んだのはいつだっただろう?! 「駒子シリーズ」だとは思わずに手に取ったが、正直、記憶は曖昧だし、特にシリーズを読んでいてもいなくても十分理解できる作りになっている。 ペットを飼ったことがない私でも、出てくるわんこたちと飼い主の絆にうるうるしてしまう。 そ...
「ななつのこ」を最初に読んだのはいつだっただろう?! 「駒子シリーズ」だとは思わずに手に取ったが、正直、記憶は曖昧だし、特にシリーズを読んでいてもいなくても十分理解できる作りになっている。 ペットを飼ったことがない私でも、出てくるわんこたちと飼い主の絆にうるうるしてしまう。 それぞれのキャラも良くて、さすが加納朋子さんだなぁという、読後感の良い一冊。
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既に読んだつもりでいたけど、表紙と帯に怯んで(動物が辛い目に遭うのや別れは❌)読まずにいたらしい。 悲しい場面はあったけど、でも読んで良かった。 ななつのこシリーズのようだけれど、すっかりうろ覚えなのでそちらも読み返したい。
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昭和の世界観でのペットとの出会い~別れ~新たな出会いを丁寧に描いていた作品。 出てくる犬達がみんな従順で心根の部分が騎士道精神まっしぐらな忠犬しかいなかったな。特にワン(先輩犬)とゼロ(後輩犬)の師弟関係は読んでいて微笑ましいものだったんです。けれども読了後考えてみるとワンの忠義...
昭和の世界観でのペットとの出会い~別れ~新たな出会いを丁寧に描いていた作品。 出てくる犬達がみんな従順で心根の部分が騎士道精神まっしぐらな忠犬しかいなかったな。特にワン(先輩犬)とゼロ(後輩犬)の師弟関係は読んでいて微笑ましいものだったんです。けれども読了後考えてみるとワンの忠義の尽くし方が半端じゃない事が理解できます。この黒い犬やりますぞ!! 今の世界感的には虐待に当たる描写が結構出てくるのでそこは若干注意が必要。ミステリー色は薄めでペットとの向き合い方が話の根幹部分になってくるので構えずに読み進めらた部分も良かった。 話数毎に家族の目線が変わるのも読みやすかった要因で予想よりもサックリと読了できたのでやっぱり自分は動物モノに対する没入感が凄いんだと改めて理解w
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『駒子シリーズ』が20年ぶりに出たと聞き、嬉しかったです。図書館で見つけ、早速借りて読んでみました。でも、『駒子シリーズ』を読んだのはだいぶ前なので、正直内容をあまり覚えてなくて残念。 『スペース』は何となく覚えてるんだけど。そんな状態で読んでも大丈夫なのかな?と思ったけど、前書...
『駒子シリーズ』が20年ぶりに出たと聞き、嬉しかったです。図書館で見つけ、早速借りて読んでみました。でも、『駒子シリーズ』を読んだのはだいぶ前なので、正直内容をあまり覚えてなくて残念。 『スペース』は何となく覚えてるんだけど。そんな状態で読んでも大丈夫なのかな?と思ったけど、前書きで、初めて読む方でも問題ない、みたいな事が書いてあったのでよかったです。 読み始めて、すぐに物語の世界へ引き込まれた。とにかく優しい話だった。犬達の優しさ、家族の優しさが心に染みる。読み終え、犬達の思いに感動してしまい泣いてしまった。泣く箇所は最後だけではなく、色々と散りばめられてる。忠犬という言葉があるけど、忠犬を超えてると思う。"ワン"の思いは"ゼロ"に受け継がれ、飼い主である家族を見守っていくんだなと思うとまた泣けてくる。 優しいだけでなく、事件が起きてハラハラしたり、人間の酷さが出てきてイライラもする。そういう場面もあるから飽きない。私はいい話ばかりだと飽きてしまうので、丁度いいと思う。 読んでると所々に気になるワードが出てきました。 『1(ONE)前編』を読み終えた時、「あれ?これってもしかして?」と思い、我慢できずに途中でネットで『駒子シリーズ』について調べてしまいました。状況が分かると「やっぱりそうなんだ」と感動してしまいました。こういう仕掛けは加納朋子さんは本当に上手だと思います。20年ぶりに『駒子シリーズ』が刊行されたのはこの為なのかな?と勘繰ってしまいました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
駒子シリーズ4作目。 長い時間が過ぎているが、人物像のブレがなく、とても面白かった。イラストも素晴らしく、可愛い。 こういう犬が飼いたい、という理想像が描かれていると思う。 まずはワンの独白から始まる。 そして玲奈とゼロの語り、ゼロの先輩として登場するワン。 玲奈の辛い過去の話、母は美術部だった、というくだりから母が誰であるか、を読者は推察することが出来る。 ワンはゼロを自分の後継者として育てる。 そしてお兄さんのはやての独白の章。これも辛い描写から始まる。犬が飼いたいはやてだが、家庭の事情で飼えず(父の仕事の都合で引っ越しが多い)。隣家の犬が良い飼われ方をしていないことに気づく。その隣家の犬の飼い主であるケンちゃんと共に飼い犬のシロの世話をする。ケンちゃんとも打ち解けてくるのだが、シロはなかなかケンちゃんを飼い主である、と認めていないようである。ケンちゃんとはやてとシロは真っ黒な犬に山の中で逢う。 章の最後にはやてはシロの子ども、ワンを飼うことになる。 ワンの中編、後編は駒子の章である。 今までは子ども視点であったが、大人視点での考察になる。そうは言っても、駒子だから、ちょっと唐変木な方向もある。犬の話だからか「スイカジュースの涙」の愛ちゃんの飼い犬を思い出すシーンも出てくる。そして瀬尾さんの職業が明らかに。建築士と言っても、ただの建築士ではなく「天文台」を建てる建築士であった。 「そうして我が家では、末っ子の妹を大切に見守るお兄ちゃん二人(一人と一匹)、というこの上なくキュートで温かい関係が築かれていくのだった」もう、理想の家族だ。 ハイドロプレーニング、フェード現象への言及も健在である。 近くの別荘の住人が犬を山に捨てている、町の有力者のため、分かっていながら、誰もその行為を止められない、と駒子が知ったときに、いろいろな報復方法を考える。「ドクガ爆弾」を考案した駒子に「君が自爆する未来しか見えないからやめときな」は笑ってしまった。 「自爆はせずに、法に触れない範囲で何か…」「不穏なセリフが聞こえたよ?」 駒子と瀬尾の関係、変わらない。 そして犬捨て犯の芸術家(別荘の人)へ犬捨て行為をやめさせる方法として駒子が取った行動が笑える。スズメバチを呼び込むためにスズメバチのドリンクバーを作ることにしたのだ。未必の故意、蓋然性の問題である。 「君の特製ドリンクが入ってた弁当箱は回収してきたけど、あれはもう捨てていいんだよね?」「もちろん。曲げわっぱのお弁当箱だから、燃えるゴミよ。いずれ土に還る素材だからあれを選んだの」「あ、そこは証拠隠滅じゃなくて地球環境に配慮したんだね」このやりとりも好きだ。 「実はわたし、人の心が読めるんだ」と小学校低学年とおぼしき女の子が友人に話した言葉を当の話し相手の女の子が「へえ」の一言で済ましているのに、たまたまそれを聞いた大人の駒子が驚愕し、「ぜひとも後を追いかけて詳しく話を聞きたいと思ったけれど、泣く泣く自重した。下校中の女児に怪しい女が付きまとっていた、などと不審者情報が出かねないから。」のくだりは大笑いした。 瀬尾さんのプロポーズの言葉が素敵だ。「僕を君の一番にしてください。君はとっくに僕の唯一無二だから」 その続く文脈から「はやて」はいるのにどうして「玲奈」なのか、なぜ「あやめ」さんではないのか、が分かる。 エピローグは玲奈の視点。ワンの最期が語られる。 ワン、一番、という重要な数字、そしてゼロが1と並び立つ重要な数字、この言葉に回帰していく。
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当たり前の日常は時として儚くもろい。他に選択肢などないように押しつけがましくやってくる常識も、実はすぐに揺らぐ。 そんな寄る辺ない暮らしの中、何かを大切に思う気持ち、また大切に思われることが救いになったりする。それが哀しみの種になる事さえあるが、思い自体は大事にできる。 時を経て...
当たり前の日常は時として儚くもろい。他に選択肢などないように押しつけがましくやってくる常識も、実はすぐに揺らぐ。 そんな寄る辺ない暮らしの中、何かを大切に思う気持ち、また大切に思われることが救いになったりする。それが哀しみの種になる事さえあるが、思い自体は大事にできる。 時を経ても変わらないものがあれば変化する物事とも折り合いをつけて何とかやっていけるかも、と思わせてくれた作品だった。
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犬の特徴やしぐさを細かに捉え、人との触れ合いを豊かに活写。玲奈の家族もワンとゼロも家族想い。命を懸けて家族を守るワンとゼロに胸が熱くなった。挿絵も愛らしく胸キュンだ。
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Amazonの紹介より 謎に彩られた日々の中で、 あなたは私の一番になった 『ななつのこ』から始まる〈駒子〉シリーズ、 20年ぶりの最新作! 大学生の玲奈は、全てを忘れて打ち込めるようなことも、抜きんでて得意なことも、友達さえも持っていないことを寂しく思っていた。そんな折、仔犬を...
Amazonの紹介より 謎に彩られた日々の中で、 あなたは私の一番になった 『ななつのこ』から始まる〈駒子〉シリーズ、 20年ぶりの最新作! 大学生の玲奈は、全てを忘れて打ち込めるようなことも、抜きんでて得意なことも、友達さえも持っていないことを寂しく思っていた。そんな折、仔犬を飼い始めたことで憂鬱な日常が一変する。ゼロと名付けた仔犬を溺愛するあまり、ゼロを主人公にした短編を小説投稿サイトにアップしたところ、読者から感想コメントが届く。玲奈はその読者とDMでやり取りするようになるが、同じ頃、玲奈の周りに不審人物が現れるようになり……。短大生の駒子が童話集『ななつのこ』と出会い、その作家との手紙のやり取りから始まった、謎に彩られた日々。作家と読者の繋がりから生まれた物語は、愛らしくも頼もしい犬が加わることで新たなステージを迎える。 シリーズ初参加でしたが、普通に楽しめました。 ちなみに第1作は「ななつのこ」で、第3回鮎川哲也賞を受賞した作品だそうです。 表紙や挿絵に使われるイラストが可愛く、児童書を読んでいる感覚でもありました。文章からも、犬の優しさや勇敢さがにじみ出ていて、ペットとして飼いたいなと思わされました。 その一方で、飼うことによる責任の重大さや喪うことによる切なさも背負わなければいけないという大切さも学びました。 前半では、飼い犬を擬人化した視点と飼い主の玲奈の視点の交互で展開します。ストーカーに悩みながらも、飼い主を守ろうと奔走します。先輩である犬・ワン(幽霊ですが)の助言をもらいながら、飼い犬・ゼロの活躍が描かれています。とにかく可愛いイラストなので、読んでいる自分も飼ってみたいなと思わずにはいられませんでした。 中盤からは、ワンの過去に遡ります。どのような人生ならぬ犬生を送ってきたのか。深堀りしていくと、飼い主の身勝手な育て方が垣間見れて、胸が痛かったです。育てるからには、責任もって育てなければいけないことを痛感させられました。 また、身勝手な飼い主に憤る両親の存在も大きかったです。ここまでするの⁉と思うくらい、色々行動していましたが、勇敢だなと思ってしまいました。 ストーカーや殺人といったミステリアスな要素はありつつも、そんなにどんよりとした雰囲気はなく、かわいい挿絵の力も相まって、気軽に楽しめた印象でした。
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ななつの子の続編ぽい作品。ゼロと名付けられた子犬と飼い主の玲奈との物語。そこに先輩犬のワンと、事件や家族の歳月が柔らかで温かい描き方で綴られている。猫派だが犬も可愛いと思えた。
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