ブラック・ショーマンと覚醒する女たち の商品レビュー
東野圭吾の新作なので、読んでみた。 前作シリーズも読んだが、登場人物をよく覚えていなかったので、別の主人公かなと思って読んだが、後で確認したら主人公のブラック・ショーマンは同一人物だった。 今回は主人公が経営するバーが舞台で、そこのお客さんを取り巻く事件や事故に関する話で、一見...
東野圭吾の新作なので、読んでみた。 前作シリーズも読んだが、登場人物をよく覚えていなかったので、別の主人公かなと思って読んだが、後で確認したら主人公のブラック・ショーマンは同一人物だった。 今回は主人公が経営するバーが舞台で、そこのお客さんを取り巻く事件や事故に関する話で、一見不可思議な行動や考え方の裏に、複雑な人間関係や家族関係があった、という内容の短編集。 ちょっと解決への持っていき方が強引だなと感じるところはあった。 特に資産家の女性が、亡くなった後に確執のある父と兄に遺産を相続させるのが嫌だ、ということで起こした行動については、生きている間に寄付でもして資産を使い切ればいいだけのことではないかと思った。 そうは言っても、サクサク読めるので、またシリーズが出たら読むだろうとは思う。
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とにかくすごい✨プロットもなしにこの小説を書くなんて、天才、いや神。特にリノベの女、続リノベの女、査定の女が好き。東野さんの優しさを感じる
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前作の長編殺人事件から、今回は殺人事件は起きないミステリー短編集。それなりに楽しめたのはさすが東野圭吾さん。覚醒する女は何人か出てくるけど、覚醒らしい覚醒は「査定する女」かなって感じました。なんとなくほっこりしたのは「リノベの女」とその続編。 前作では、元マジシャンの主人公の行...
前作の長編殺人事件から、今回は殺人事件は起きないミステリー短編集。それなりに楽しめたのはさすが東野圭吾さん。覚醒する女は何人か出てくるけど、覚醒らしい覚醒は「査定する女」かなって感じました。なんとなくほっこりしたのは「リノベの女」とその続編。 前作では、元マジシャンの主人公の行動ひとつひとつに驚きと新鮮さを感じたけど、それが薄くなる宿命の2冊目。もし読まれるなら「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」を先に読まれる方がいいかも。この作品はあくまでも、サイドストーリー的位置付けて楽しむのがいいかな。
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このシリーズ最高。武史のトリックに引っかかって騙された人たちはみんな幸せになる。 ●トラップハンド ☆☆☆☆ 武史の店トラップハンドに来た婚活アプリで知り合ったカップル。男は金持ちを装い、女の気を引いた上で眠らせて悪戯しようと企んでいた。それに武史が気付いて救う。女はこの後頻繁に出てくる美菜。男は幻ラビのオンラインゲームを開発しているIT企業で働いているという。「名もなき町の殺人」のときのエリート杉下の会社の従業員なのだろう。 ●リノベの女 ☆☆☆☆ 余命がないが自分の莫大な遺産を身内に相続させたくない女が、自分とそっくりな女と出会ったら?しかもその人が家族とののしがらみを絶ちたい、別人として生きたい、この世から消えてしまい、と思っていたら?うまく入れ替われるのか?武史はその企みを暴きつつ、その状態を乱そうとする邪魔者を巧みに騙して追い払う。 ●マボロシの女 ☆☆☆☆ 恋人が突然死んでその呪縛から抜け出せず、前に進めない親友をなんとかしたい。女は武史の協力を得て色々な人を巻き込んでトリックを仕掛け、親友を次のステップに向かわせたいと思う。この強い気持ちが普通なら引き込めない人まで巻き込む。友情物語。 ●相続人を宿す女 ☆☆☆☆☆ 離婚が成立している夫婦。妻は離婚する前に新しい恋人ができる。子どもを身ごもる。夫は離婚する前に事故で死ぬ。どちらの子どもかわからない。夫の遺産は血のつながりに関わらずお腹の中の子どものものになる。妻は堕ろさずに産むという。税理士の姉が代理人になる。遺産目的なのか?武史は両親からできる限り妻に遺産を渡さなくていい方向で話を持っていきたいと依頼される。武史は成功報酬も期待する。夫の妹は妻の親友。心臓に病気を持つ子供がいる。兄の離婚が決まってからは妻とは疎遠だという。遺産で揉めていることも知らなかったという。妻の本当の目的は何なのか?武史に暴かれていく。感動の話。 ●続・リノベの女 ☆☆☆☆☆ 「リノベの女」の消えてしまいたい女(消えてしまった女)の母が老人ホームで暮らしている。消える前に多くの財産を残したが娘の死を受け入れられない母親は相続していないという。このままだと財産が底をつき施設を追い出されてしまう。認知症も始まっており、正式に診断される前に財産を渡さなければ手遅れになる。武史が一肌脱ぎ、財産を移すことに成功する。武史の計らいで最後の親孝行も。 ●査定する女 ☆☆☆☆☆ アメリカで舞台俳優を目指していた美菜。夢破れて日本に戻る。その後は玉の輿に乗ることばかり考える。出会った男の査定を、見る目のある武史に頼んでいた。アメリカで最後に受けたオーディションのときのプロデューサーが女のことを気にかけていた。偶然武史の店で彼女を見つける。彼女はまだ夢を追う気持ちがあるのか?もう玉の輿に乗ることしか興味がなくなってしまったのか?武史はたくさんの人たちを巻き込んだトリックを仕掛け、彼女の本心を確かめる。女が査定していたのは、相手の男たちではなくて、実は自分の正直な気持ちだった?
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本棚情報によると、前作の「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」を読んだのは、昨年の12月。ほどなく次作となる本作品が刊行されたので、あまり間をあけずに読むことができた。軽快な連作短編集。 少々、強引と感じる展開もあるが、ついつい先へ先へと止まらなくなるのは、前作に同じ。読み始...
本棚情報によると、前作の「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」を読んだのは、昨年の12月。ほどなく次作となる本作品が刊行されたので、あまり間をあけずに読むことができた。軽快な連作短編集。 少々、強引と感じる展開もあるが、ついつい先へ先へと止まらなくなるのは、前作に同じ。読み始めを週末の夜にしたのは正解だった。 重めの題材に深く入り込み過ぎてはいないので、謎解きメインで読みすすめるとさらっと流れていくのだが、後からじわっとする。本作で「覚醒した」女たちのその後を、いつか読んでみたい。
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作者の伏線回収は、相変わらず流石としか言いようがないです。 毎回読み終えて、悶々とした気持ちにならないから、新作が楽しみで仕方ありません。 トラップハンドで呑みたいな。
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バー「トラップハンド」のマスター神尾武史は元マジシャン。彼こそ真相を突き止めるためなら手段を選ばないブラック・ショーマンだ。彼は鋭い観察眼と推理力を駆使して謎を解決していく。 この作品は前作とは違って6つの短編(しかも全て女性がメイン)で構成されているが全て繋がっている。 特に、...
バー「トラップハンド」のマスター神尾武史は元マジシャン。彼こそ真相を突き止めるためなら手段を選ばないブラック・ショーマンだ。彼は鋭い観察眼と推理力を駆使して謎を解決していく。 この作品は前作とは違って6つの短編(しかも全て女性がメイン)で構成されているが全て繋がっている。 特に、「相続人を宿す女」の無脳症と心臓移植の話には、そんなことがあるのかと驚かされた。登場した女性たちがブラック・ショーマンのマジックでまだ見ぬ自分を発見していく。さすが東野圭吾氏。 神尾武史が何故マジシャンをやめたのか説明されていないので続編があるのかなと期待してしまう。
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※このレビューにはネタバレを含みます
最近、加賀にしてもガリレオにしてもややマンネリ化してきてピリッとした作品が無くなってきた気がしていたが、ここでブラックショーマン神尾の登場、トラップハンドがまるでベーカー街のようであり、東野圭吾は自身のシャーロック・ホームズを見つけた様である、前作のような長編ではないが6篇の短編が心地良いし、物語の関係性も意表を突いている、さてこのシリーズどこの放送局が手に入れるか、又はどの役者が射止めるかに興味が湧いてくる。
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亡き夫から莫大な遺産を相続した女性の前に、絶縁した兄が現れ「あんたは偽者だ」といいだす。それを聞いていた元マジシャンのバーのマスターは驚くべき謎解きを披露し…。マスターと、彼の魔術で変貌を遂げる女性たちの物語。 シリーズ2作目は連作短編集。どの篇もヒネリがあって東野圭吾の作品ら...
亡き夫から莫大な遺産を相続した女性の前に、絶縁した兄が現れ「あんたは偽者だ」といいだす。それを聞いていた元マジシャンのバーのマスターは驚くべき謎解きを披露し…。マスターと、彼の魔術で変貌を遂げる女性たちの物語。 シリーズ2作目は連作短編集。どの篇もヒネリがあって東野圭吾の作品らしい仕上がりで楽しめる。ただ最終話はちょっとやり過ぎかも…と。 (B)
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東野圭吾作品は事件やトリック満載のエンターテインメント作品ではあるけど根本には人間愛が溢れていて、読んでいてあたたかい気持ちになれる。 短編6作ともそんな作品で、一番良かったのは「相続人を宿す女」。泣きそう。
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