ナッシング・マン の商品レビュー
偶然にも、自分の事が書かれている本を主人公が読んで、人生が変わっていく小説を続けて読んだ。こちらは、実際の本と小説に出てくる本の題名が同じなので、現実と本の世界の境界が曖昧になる感覚を味わった。
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犯行現場に遺留品を残さない連続殺人犯「ナッシング・マン」に両親と妹を殺された少女が、成人してから自分の体験をノンフィクション『ナッシング・マン』として出版し、それをナッシング・マンが読む…というサスペンス。 作中作『ナッシング・マン』の本文と、ナッシング・マンが家族に隠れてこっそ...
犯行現場に遺留品を残さない連続殺人犯「ナッシング・マン」に両親と妹を殺された少女が、成人してから自分の体験をノンフィクション『ナッシング・マン』として出版し、それをナッシング・マンが読む…というサスペンス。 作中作『ナッシング・マン』の本文と、ナッシング・マンが家族に隠れてこっそり読み進めるパートとが交互に語られる。 地の文ではナッシング・マンが主人公なので、「今までは逃げ延びてこられたが、この本がきっかけで捜査が再開して警察の手が伸びてくるかも」と感情移入してハラハラした。 結末は予想通りだったが、かなり楽しめた。
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シリアルキラー、殺人者、犯人の名前は覚えていても、被害者全員の名前は覚えていない。 どんな人だったのか、わからない。 写真が何度もうつる、名前が書かれているのだけれど、そこに目がいく人、覚えている人はどれだけいるのだろう…。 何も自分の証拠を残さなかった男ナッシング・マン。 蓋を開けてみれば、彼の本当の姿は退屈で普通、目立たない人間。何もない、ナッシング・マンだった。 ジムはどう追い詰められて、逮捕されるのかと思ったけれど、やはりそこは外国の小説だなぁと思った。最後は射殺されて終わる。 彼の性格、語られる事件内容、心情は、ジムの場面で書かれているけれど。 本の中に彼の名前を書いてあると、ジムに伝える。ジムは最後まで読んだが見つけられない。 「ナッシング・マン」というタイトルだけが、唯一の名前の記述。
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"ナッシング・マン" 所謂、失うもののない無敵の人。警官を引退しショッピング・モールの警備員をする60代男性ジム・ドイルが自分の犯した過去の事件を綴るノンフィクション本を偶然手に取り……というお話。 シリアルキラーと同じ目線で作中作を読むという体験が異質で、こ...
"ナッシング・マン" 所謂、失うもののない無敵の人。警官を引退しショッピング・モールの警備員をする60代男性ジム・ドイルが自分の犯した過去の事件を綴るノンフィクション本を偶然手に取り……というお話。 シリアルキラーと同じ目線で作中作を読むという体験が異質で、こちらもハラハラ。終盤の展開も盛り上がり、一気読み。 本の持つ力を描く作品でもあるので、作者自身のお気に入りであるというのも頷ける。
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この作者さんは3冊目だが、どれも設定がおもしろくハイレベルで好み。 未訳の作品もぜひ読んでみたい。 ナッシング・マンの切り札が破られる場面は、真実に胸を突かれる思いがした。
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CL 2024.6.2-2024.6.4 犯行が卑劣で凄惨すぎて読むのが辛い部分もあった。自分のベッドで寝ていながらこんな被害にあったら生涯安全だと感じることは難しいだろうな。 犯人のナッシング•マンも怖しいが奥さんはもっと怖しい。
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作中作の設定、被害者が書いて犯人がそれを読むという展開が目新しいです。正直家族の成り立ちとか犯罪の詳細説明が冗長で、読むのが辛かったのは確か。しかし、ラストの展開はなかなか面白かったです。物事を先導してるつもりがそうじゃなくって、言葉は悪いけどざまぁ、って思えましたね。奥さんがな...
作中作の設定、被害者が書いて犯人がそれを読むという展開が目新しいです。正直家族の成り立ちとか犯罪の詳細説明が冗長で、読むのが辛かったのは確か。しかし、ラストの展開はなかなか面白かったです。物事を先導してるつもりがそうじゃなくって、言葉は悪いけどざまぁ、って思えましたね。奥さんがなかなかのもので、そっちの方が恐ろしかったかも。
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面白かった! 被害者家族で一人生き残った女性が、実録本を出版して犯人を炙り出そうとする!作中作品が読みやすいし、わくわくして一気読み。 ただ、星5つ!とは言えないんだなあ。 結論に向けて真っ直ぐに進みすぎて、え、ほんとにそれ?って少し物足りなかった感じで。贅沢を言えばキリないけど、残された犯人家族の女性たちをもう少し掘り下げてもらえたら、なんて思ってしまった。 あとは細かいんだけど、なんとなく細部の辻褄が。例えばブラック家であれば、そこまで事前調査してるのになんで、子供の数が合わないことに気づかないの?とか。基本は婦女暴行目的にしても最初に妹が被害ってのはなんで?とか…最大のハテナは、ブラック家での父親ね。え、ショックで全消しだけの理由?うそ、なんかもっとないの? 作者は色々な作品を書いているみたいで、この前に翻訳された作品も評価高いらしい。ぜひ他も読んでみようと思う。作者買いしたくなる出会いに感謝!
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5件の暴行、強姦、殺人を犯しながら、その手がかりすら与えず姿を消した犯人を、警察は“ナッシング・マン”と名付けた。最後の犯行の生き残りであるイヴ・ブラックは、18年後『ナッシング・マン 生き残った者による真実を求める調査』と題した本を出版する。 物語はナッシング・マン目線で進む。...
5件の暴行、強姦、殺人を犯しながら、その手がかりすら与えず姿を消した犯人を、警察は“ナッシング・マン”と名付けた。最後の犯行の生き残りであるイヴ・ブラックは、18年後『ナッシング・マン 生き残った者による真実を求める調査』と題した本を出版する。 物語はナッシング・マン目線で進む。彼はこの本を購入し、読者も作中作として共に読み進める。犯罪者が他者の書いた自らの犯行を読みながら回想し、満足感に浸る図は実にグロテスクだ。 そして段々と彼我の距離が近づいていき、ナッシング・マンが再び現れる。最後に明かされた真実に驚嘆した。
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初めの頃は、ちょっと読みづらい文章に感じてしまったが、半ばから後半にかけて、まるで自分がジムになったように引き込まれて読んだ。 初めて読む設定で面白かった。 それにしても、子供のためなのかどうか分からないが、真実を知っててもなお一緒に住み続けるノリーンが恐怖。
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