ナッシング・マン の商品レビュー
平凡な人生を送る警備員・ジムを動揺させた一冊の犯罪実録本。 そこに記されていたのは、連続殺人鬼“ナッシング・マン”が起こした五つの事件。 実はその正体こそ彼であった。 もうこの設定を聞いただけで期待値が上がる。 じわじわと追い詰められるような感覚に気分が高揚する。 どんな結末を迎...
平凡な人生を送る警備員・ジムを動揺させた一冊の犯罪実録本。 そこに記されていたのは、連続殺人鬼“ナッシング・マン”が起こした五つの事件。 実はその正体こそ彼であった。 もうこの設定を聞いただけで期待値が上がる。 じわじわと追い詰められるような感覚に気分が高揚する。 どんな結末を迎えるのか楽しみでしょうがなかった。
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過去に世間を震撼させた連続殺人事件。 犯人は捕まっておらずマスコミは犯人をナッシングマンと名付けた。 20年後その犯人ジムは警備員として働いていた。 仕事中目に入ったのがナッシングマンと書かれた一冊の本。 著者は事件の唯一の生き残りの少女だったイヴ。 物語は殺人者ジムの目線で描かれ、ナッシングマンという本を読み進めながら進んでいく作中作。 性犯罪と殺人という酷い犯行なのでそれは読んでてめっちゃキツかった
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被害者家族で本を執筆した女性の視点と本を手に取った犯罪者の視点が交互に語られる。心に傷を負った者と負わせた者、その関係が攻守逆転していく後半の展開、特に本のサイン会のシーンが素晴らしい。また、性犯罪者の家族に妻と娘という女性がいることもこの作品に深みを与えている。
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面白かった。ツイッターで評判を見かけて面白そうだなと思って読んでみた。結構読みやすかった。作中作の『ナッシング・マン』になると、書体が変わるのも良い。 犯人視点なので、著者であり被害者であるイヴがどこまで知っているのか、犯人は何に疑問を持っているのか考えながら読んだ。 結局、犯人は誘き出されて銃殺、というのがあっけない。娘のケイティが可哀想。 何の変哲もない、まあ問題はある男が犯人、というのは良かった。ぼんやり『ハサミ男』を思い出す。普通の隣人の中に異常者はいて欲しくないという心理。 イヴが父親を犯人だと思って突き落としたのは犯人とイヴだけの秘密なのかな。イヴとしても、犯人が生きて捕まったら自分が父親を突き落としたのがバレるので死んでほしかったんだと思う。 映像化したら結構面白くなりそう。陳腐にもなりそう。どうだろう。 実話風に読めたのが面白かった。作者の他の作品も読んでみたい。
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語り手であるジムが手に取った本は自分が犯した犯罪の実録『ナッシング・マン 生き残った者による真実を求める調査』だった。書いたのは当時12歳で被害者家族で生き残ったイヴ。現在のジムとイヴの書いた『ナッシング・マン』の内容とで展開されていく。自分の犯罪が暴かれようとしている危機感を覚...
語り手であるジムが手に取った本は自分が犯した犯罪の実録『ナッシング・マン 生き残った者による真実を求める調査』だった。書いたのは当時12歳で被害者家族で生き残ったイヴ。現在のジムとイヴの書いた『ナッシング・マン』の内容とで展開されていく。自分の犯罪が暴かれようとしている危機感を覚えるジムと、本を書くことで犯人を見つけたいイヴ。この両者の間にある緊迫感が進むほどに高まっていく。ジムの心情と作中作に込められたイヴの想いにどんどん引き込まれていく。著者の作品は3作目だけれど、どの作品も思いがけない展開があって面白い。
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2024年の1冊目。キャサリン・ライアン・ハワードの本を初めて読みました。彼女の本が、話題となるのも頷けます。面白い構成だと思います。 主人公は、ジム・ドイルという警備員です。彼は、20年前に起きた連続暴行殺人事件の犯人だったという顔を持ち、ナッシング・マンと呼ばれていました。(ジム・ドイルの正体はオープニングで明かされています。)物語は、彼の視点で進みます。 そこに、両親と妹を殺され、家族でただ1人生き残ったイヴ・ブラックが事件について書いた本「ナッシング・マン」が作中に挿入されて行きます。犯人ジム・ドイルは、どこまで真相に近づいているのかが気になり、本を購入します。そして徐々に追い詰められている事を知る事になります。 読者の思う方向に進みますので、サスペンスに不可欠なドキドキするような緊張感は、少し足りないかもしれません。(個人的には、2箇所、ビックリした箇所が有りました。) 作中でも述べられていますが、本書のテーマは、事件の被害者に光をあてる事に有るのだと思いました。挿入されている本「ナッシング・マン」は、殺された妹に捧げられています。また、末尾で自分の娘に妹と同じ名前を付けた事を知り、グッと来てしまいました。加点ポイントになりました。 ☆4.3
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超★5 犯罪実録とそれを読む犯人の心理… 静かな力強さと切れ味が鋭いサスペンス #ナッシング・マン ■あらすじ 幼い頃に連続殺人鬼に家族ごと襲われ、唯一生き残った主人公イヴ。大人になった彼女は、この事件をノンフィクション小説「ナッシング・マン」として、刊行することになった。 一...
超★5 犯罪実録とそれを読む犯人の心理… 静かな力強さと切れ味が鋭いサスペンス #ナッシング・マン ■あらすじ 幼い頃に連続殺人鬼に家族ごと襲われ、唯一生き残った主人公イヴ。大人になった彼女は、この事件をノンフィクション小説「ナッシング・マン」として、刊行することになった。 一方、元警察官の警備員ジムは、この本の存在を知り、内容を読み進めることになる。なぜなら、そこには自らの犯罪を書かれていたからなのだが… ■きっと読みたくなるレビュー これは面白い!そして好き! 物語は作中作、犯罪実録本「ナッシング・マン」を中心に進行していくんですが、これが凝ってって面白い。ど真ん中のサスペンスミステリーではあるのですが、犯罪者に追われるサスペンスではなく、犯罪者が追い詰められるサスペンスなんですよね。ちょっと変わった倒叙ミステリーのようで、構成がなんともニクイんです。 まずこの犯罪実録本「ナッシング・マン」に書かれている内容がめっちゃ熱いんです。本当にあった事件のようなリアルさ綴られてるし、しかも犯罪に巻き込まれた人間の弱さと悔しさがめっちゃ伝わってきて、泣けるの…。正直これだけでも十分面白くって、もう夢中になって読んじゃう。 ジム目線での「ナッシング・マン」に対する心情や行動も深くっていいんですよ。楽しみを奪ってしまうので詳しくは語りませんが、まさに本書の終盤で明かになってくる「犯罪者のソレ」なんですよね。これは色んな意味で怖い。 中盤からの展開が最高なのよ! 表面上では語られない二人の距離感が超怖い!ひり付くとはこのこと。終盤になってからは、もう読む手が止まらない、続きが気になる気になる。そしてなにより不思議なのは、全般通して辛いし怖いサスペンスなんですが、読み終わってみると…なんと爽やかなんです。 これほどまでに力強くて説得力も驚きもある、そして切れ味も鋭いサスペンスはなかなかない。ミステリー好きには2024年必読の一冊だと思いました。 ■ぜっさん推しポイント 現実にも世の中には多くの事件が発生しています。そして犯人が捕まると、動機や背景が報道され、人々の記憶に刻まれていく。未来の事件を減らすためにも、それは自体は悪いことではない。ただ、人々はそれを面白おかしく想像し、勝手にイメージを組み立てる。あたかもダークヒーローのように。 物語の後半にある法心理学の講義内容がとても印象深く、自らの戒めにもなったのでした。
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