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灰の劇場 の商品レビュー

3.5

36件のお客様レビュー

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2024/04/08

匿名の女性2人の部分の「1」は、興味深く読んだ。表現はシンプルなのに「ゾワッ」とした不安というか怖さがある。作家視点の「0」と「(1)」は、私には難しい。 もっと簡単な構成でも、書きたいことは表現できるのでは?なんて思うのだけど・・・よくわからんw

Posted byブクログ

2024/03/28
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※このレビューにはネタバレを含みます

虚構と現実が小さな数字の区切りがあれどシームレスに進むのが不思議な感覚。 欲しいのは設定だけのくだりで最近の某漫画家さんの事件を思い出したり。 子供の頃に読んだ本、めでたしめでたしばかりではなかったなぁと振り返ったり。 一番覚えているのは薄い絵本で持っていた赤い靴。 でもぐぐってみたら、一応罪を許されて天国に召されていくハッピーエンド?だったのを知ってびっくり。この辺キリスト教圏らしい終わり方。 踊り狂ってどこかへ行ってしまったエンドだと思い込んでました。 あとは人魚姫やナイチンゲールと薔薇あたりはちゃんとデッドエンドかなぁ。 肉体の反応は愛じゃない、というところはロマンチストに同意。 でもそれだけでもダメな気はしますね。理想論かな。 恋愛小説系ラノベ見てると、未だ強引に迫られて仕方なく絆されるのが人気でそれだけで愛?恋??と思わなくも無いですけども。バランスが大事では。 死期を悟ったら猫や象のようにひっそりフェイドアウトは確かに…理想的にも思うし、現代ではまず難しいなとも。 母親が亡くなってるのを見付けるシーンではほろりと来ました。 私も最近母を亡くしたので。 後書き含めてこの作品だなぁと思う。

Posted byブクログ

2024/03/27
  • ネタバレ

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再読。やはり2回目だと面白さが増してきた。フィクションとノンフィクションを織り交ぜる手法も、違和感がなくなってくる。何より自殺した女性二人の死んだ理由が馴染んできた。文庫版のあとがきやその後の2編が恩田陸好きにはたまらない。創作の裏話的なエピソードが興味深い。

Posted byブクログ

2024/03/27

章ごとに視点?舞台が変わるので読み進めながら整理が必要でした。 没入するというよりは俯瞰で見るような物語に感じます。 歳を重ねる虚しさ、もの悲しさ。自分はそれに争い、当たり前を続けていくことができるだろうか。

Posted byブクログ

2024/03/21

いつ話が展開するんだ、と思いながら読み進めだけどいつまで経っても筋が見えない。3分の1の時点で放棄。全く時間の無駄。 最後まで読んで感動した方はいるんでしょうか?

Posted byブクログ

2024/03/20

ある新聞記事を元にしてフィクションとノンフィクションを交互に章を分けて書いてある。静かにかつ少しの心地悪さと共に物語が進む。時間と存在を考え抜いた作品だと感じた。どちらもあっという間に終わる。終わらせることができる。

Posted byブクログ

2024/03/15
  • ネタバレ

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一つの新聞記事から広がる想像力。 ノンフィクション部分は恩田陸さんのエッセイ?手記?という感じもあり、まさにノンフィクションなのだろう。デビューした頭初や、常野物語?(理瀬シリーズ?)のスタートと思われる回想も出てきて、恩田さんファンとしては興味深く、それだけでも読んだ甲斐があります。 フィクション部分は結末に向かいある意味では普通の生活を淡々と描く、それでいてその生活が行き着く先がわかっているからこそ美しくもダークな想像に富んだ、恩田さんらしいストーリー。 なんだか最近、鈍色幻視行といい小説作品の中で恩田さんの思考に触れられる作品が出てきて、エッセイを読むのが苦手な私としてはとても嬉しいです。

Posted byブクログ

2024/06/14

これは「鎮魂」の物語だ。 だがそもそも鎮魂とは誰のためのものなのか?という話でもある。 物語に限らず製作物とは、そこに誕生させた時点で、それ以上のものではなくなる。その意味で、あらゆる可能性を持っていた状態から有限のものに成り下がると言えるのではないか。誕生させた時点で無限にあっ...

これは「鎮魂」の物語だ。 だがそもそも鎮魂とは誰のためのものなのか?という話でもある。 物語に限らず製作物とは、そこに誕生させた時点で、それ以上のものではなくなる。その意味で、あらゆる可能性を持っていた状態から有限のものに成り下がると言えるのではないか。誕生させた時点で無限にあった可能性と未来を放棄したこととなるからだ。 となれば、これは一種の喪失なのではないか。 自らにあった無限の可能性を切り売るのが製作活動…と捉えるならば、この物語は有限である存在としての自分を受け入れるための(無限の私を死なせたことへの)喪の作業、正に「鎮魂」の物語と言えるのではないだろうか…。  「私」にとってはあり得ない、しかしあり得たかもしれない2人の女性の死に様に、有限となった作家である「私」の死に様を夢想し、と同時に意外に近くにいる死神の足音を感じられたのではないか、とも思った。

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2024/03/10

リアルなモノとフィクションのモノとが交差していて、 読み進めていくうえで少しこんがらがってしまった感じがしました。 作者が書こうとしている、実話の三面記事の二人の女性の事件、 どんな経緯で事件は起こったのかが…、作者の想像から作られていく。 作者が語るリアルなモノ 作者が想...

リアルなモノとフィクションのモノとが交差していて、 読み進めていくうえで少しこんがらがってしまった感じがしました。 作者が書こうとしている、実話の三面記事の二人の女性の事件、 どんな経緯で事件は起こったのかが…、作者の想像から作られていく。 作者が語るリアルなモノ 作者が想像したフィクションが 交互に、あるいは重ねて進んでいく。 本来ならば、二人の女性の事件だけで話は進むのだろうけれど、ここに作家さんが、どんな経緯でこの話を書き進めていくのか、 作品がどう動いていったのか 思いもよらない方向に話が進んでいく。(ここについていけなくなった…) 恩田陸さんの多才なる知識と語彙力と想像の奥深さ。 ふと、最初に読んだ「上と外」を思い出した。 2度 3度読み直したら もっと共感できるのかもしれない。

Posted byブクログ

2024/03/09

恩田陸さんの作品はどのジャンルもだいたい好きですが、今作も虚構と現実が入り交じってどこかフワフワした心地で読めるところが好きです。

Posted byブクログ