なにごともなく、晴天。 の商品レビュー
古道具屋の雇われ店主、美子の日常と彼女の思いをのせた話。一篇が10ページ毎に刻まれているのだがこのスタイルが読みやすい。最近読書に充てる時間が少なかったのでちょっとずつ楽しんで読めた。 掴みどころのない美子の恋?が始まり、元探偵が絡むのだけどそんなにドラマチックな展開にはならない...
古道具屋の雇われ店主、美子の日常と彼女の思いをのせた話。一篇が10ページ毎に刻まれているのだがこのスタイルが読みやすい。最近読書に充てる時間が少なかったのでちょっとずつ楽しんで読めた。 掴みどころのない美子の恋?が始まり、元探偵が絡むのだけどそんなにドラマチックな展開にはならない。 美子が鉄道係員に抱く、深夜のニアミスの感覚が何となく幼く感じ、自分が中学生くらいの時に想い人にこんな風に妄想していたような気持ちが思い出された。 あと書きにもあったが、今後の高架下商店街の行く末を続編として期待したい。
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なにごともなく、晴天。 タイトルからなんだかグッとくる。 あとがきを読んで なんとも偶然のような必然のような タイミングで書かれたお話なんだと 心がよりあたたまった 私も続きが読みたい
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ゆっくり読み進めた作品でした。 じわじわと主人公やその周りの人達と人となりがはっきりしていく感じです。 あちこちに伏線ははられていて主人公を通して一緒に気づいていきました。 時間をおいてもう一度読んでみたいです。
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男性の作家(しかも60代)で、ここまで精緻に女性たちの心情を表現できる方は見たことがない。 主要キャラはみんな女性で、「〜だわ」「〜のよ」みたいな典型的な女言葉は使わず、あくまで現実的な喋り口調。誰もが等身大。 決して語りすぎないのに、感情の機微が緻密に伝わってくる。 主人公の美...
男性の作家(しかも60代)で、ここまで精緻に女性たちの心情を表現できる方は見たことがない。 主要キャラはみんな女性で、「〜だわ」「〜のよ」みたいな典型的な女言葉は使わず、あくまで現実的な喋り口調。誰もが等身大。 決して語りすぎないのに、感情の機微が緻密に伝わってくる。 主人公の美子は、周りの人物たちの話や「秘密」の聞き手として多く振る舞うが、後半にかけて彼女自身の心の動きが切なく伝わってきて、最後には高架下の住人たちの一人として、彼女の「秘密」を共有した気分になる。 どこまでもあたたかく、やさしく、それでいて現実が喜びだけではないと知っていて、それでも受け入れる。 非常に読後感のきれいな作品でした。
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【あらすじ】 鉄道の高架下商店街で働く美子はある日、銭湯で元探偵と出会う。 これまでなにごともなく過ごしてきたはずの日々の中に、小さな変化が起き始めていることを感じ始める美子だったが———。 【感想】 単行本で発売されたときに読んでいたので、今回はいいかな?と思っていたので...
【あらすじ】 鉄道の高架下商店街で働く美子はある日、銭湯で元探偵と出会う。 これまでなにごともなく過ごしてきたはずの日々の中に、小さな変化が起き始めていることを感じ始める美子だったが———。 【感想】 単行本で発売されたときに読んでいたので、今回はいいかな?と思っていたのですが、新刊コーナーに飾られた文庫版の表紙に描かれた絵がケーキだったことに違和感を覚えて、手に取りました。 次に目についたのは帯に書かれた「絶品!〈荒野のベーコン醤油ライスの作り方〉を新規収録の文字。 さらに。単行本にはなかったエピローグ的な「ケーキを切り分けた日」も収録されている、とのことで購入して読み直しました。 単行本を読んだ時にはタイトル通り「なにも起きない話」と感じたのですが、私が歳を重ねたせいなのか、今回は「いや、小さいことがいろいろ起こってる!」と感じました。 そして。エピローグが書き加えられたことによって、余韻が感じられて、なんだかとても幸せな気持ちになりました。 単行本で読んだときにも幸福感はあったんです。けど、それが多福感になっているという感触。今回、文庫版に出会えて良かったと思います。
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小さなシアワセを感じながら、日々の生活を送る人たちがとても素敵 高架下という非日常的な感じもいい あとがきにもありますが「つむじ風食堂の夜」と共通点が多く、つむじ風が好きなら、この本もきっと好きになるはず 続編を匂わせていてそれも楽しみ
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今まで気になっていた吉田篤弘さん作品に初挑戦。 とても良かった。 普通に大人向けの小説なんだけれど、どこか登場人物達が人離れしていて児童書のような雰囲気もあり。連載小説とのことで短い章なので読みやすい。 「番号のある「あとがき」」が現実と小説世界をふんわりと包んでくれているよ...
今まで気になっていた吉田篤弘さん作品に初挑戦。 とても良かった。 普通に大人向けの小説なんだけれど、どこか登場人物達が人離れしていて児童書のような雰囲気もあり。連載小説とのことで短い章なので読みやすい。 「番号のある「あとがき」」が現実と小説世界をふんわりと包んでくれているようで、一気に吉田篤弘さんファンになりました。これは沼にはまりそう。 登場人物への愛が伝わってくる素敵な作品。
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思っていた内容とは異なりましたが、おもしろかった。 どこにでもいそうな主人公の日常をのほほんと覗いてる感じ。 登場人物のキャラも良いし、とにかく読みやすかった。 作者のあとがきを読んで他の作品も読みたくなりました。
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文庫のショートケーキに惹かれて皆さんのレビューを読んで気になった本作。 読んで見て、もう一度皆さんのレビューを読んで納得。 こーゆー本だったのかと。 面白くないわけでもないし美子の恋の行方も君子さんも気になるけど、うーん。 表紙が好みじゃなかったら買わなかったかな。 残念。なにが...
文庫のショートケーキに惹かれて皆さんのレビューを読んで気になった本作。 読んで見て、もう一度皆さんのレビューを読んで納得。 こーゆー本だったのかと。 面白くないわけでもないし美子の恋の行方も君子さんも気になるけど、うーん。 表紙が好みじゃなかったら買わなかったかな。 残念。なにがどーのじゃないのだけど私にはイマイチだったかな
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高架下で暮らす美子と周りの人たちの日常が、ゆっくりと語られていく心地よい本。 喫茶店で(カフェではない)、美味しい飲み物と、少しの甘いものと、穏やかに読みたいような本だった。 短い1話ずつにつけられたタイトルが、単純な動詞だけれど妙。 1話ずつがちょうど読みやすい長さで、すいす...
高架下で暮らす美子と周りの人たちの日常が、ゆっくりと語られていく心地よい本。 喫茶店で(カフェではない)、美味しい飲み物と、少しの甘いものと、穏やかに読みたいような本だった。 短い1話ずつにつけられたタイトルが、単純な動詞だけれど妙。 1話ずつがちょうど読みやすい長さで、すいすい読み進められるのだけれど、いつか、もっとゆっくり、じっくり味わって再読したい。
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