文庫旅館で待つ本は の商品レビュー
ずっと読みたい本だった。 凧屋旅館のような、旅館があったらいいなぁなんて思いました。 最後は衝撃だったけど、本を通して繋がるお話。 とても面白かったです。
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穏やかな筆致で、心静かに読めた。(並行してとてもハードな韓国映画を見ていたので、箸休め的な) 取り上げられている5冊の名作。タイトルは知っていても読んだことがない。すぐにでも読みたくなった。 最後の大どんでん返し。それまでの穏やかさがぶっ飛ぶような展開だが、やはり穏やかにじんわり...
穏やかな筆致で、心静かに読めた。(並行してとてもハードな韓国映画を見ていたので、箸休め的な) 取り上げられている5冊の名作。タイトルは知っていても読んだことがない。すぐにでも読みたくなった。 最後の大どんでん返し。それまでの穏やかさがぶっ飛ぶような展開だが、やはり穏やかにじんわり終結した。
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「旅館の若女将・円が、宿泊客と同じ"匂い"のする本をオススメする」という設定からして、本好きの興味をそそられる。 旅館を訪れるのは、プロポーズを控えた友人カップルと一緒にやってきた男性、すっかり関係が冷えきってしまった夫婦、目に見えないものが見える息子とその母、塾講師のアルバイトをしている大学生とその教え子(中学生)4人組。 それぞれ各章ごとにエピソードが描かれる。 章ごとに完結するのだが、最後の5章が、それまでの章を巻き込んで展開されるエピソードで、古書に託された運命と業の深さに圧倒された。 円が本を読めない体質なので、客に「これを読んで、内容を私に教えてください」と言ってオススメ本を渡すのだが、渡された客は本を読みながら、表に出せなかった自分の本当の気持ちと向き合うことになる。 本の感想を聞きながら、その時の気持ちを深掘りして質問していく円はまるでカウンセラーのよう。 そして自分の後ろめたい思いに気づいてしまった彼らの罪悪感や戸惑いを、円の言葉が救ってくれる。 本を読むことは、自分の内面と向き合うきっかけになること。物語の中に真実を探すこと。 それこそが物語を読む醍醐味だと、実感することができた。 最後の章は予想外に重い内容だったけれど、読み終わった後は、全てが救われた気持ちになれた。
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タイトルに惹かれて読みました。 文庫旅館ってあったら行ってみたいですね。 5章立てで、各話でお話しがまとまっています。 とても読みやすかったです。 正直最初の方のお話しは本人がなんとかフタをしてきた事をレリゴー的な解決で、いいのかな?と思いました。 ただ、最終盤、文庫旅館にまつ...
タイトルに惹かれて読みました。 文庫旅館ってあったら行ってみたいですね。 5章立てで、各話でお話しがまとまっています。 とても読みやすかったです。 正直最初の方のお話しは本人がなんとかフタをしてきた事をレリゴー的な解決で、いいのかな?と思いました。 ただ、最終盤、文庫旅館にまつわるこれまでの伏線が回収されていく部分はくぎづけで一気に読み切ってしまいました。ここは面白かったです。 重いお話しもありますが、全体的に暗くならず、若女将さんに読者も救われていると思います。 あと、個人的にはかき氷やレモンケーキなど、文庫ででてくるおやつが魅力的でした。
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‣ 人は無意識に、そのときの自分と同じにおいがする本を選びがちなんです ‣ 世の中の価値観や常識なんて、時代と共にどんどん変わるよ。葉介の〝普通じゃない〟は今、みんなにとって案外〝普通〟かもよ ‣ 私には真心がない。自分すら愛していない。自分が死のうが生きようが気にならないほど、心が鈍くなっていました ‣ 家族への愛をせっせと偽装してきた自分に、「もういいよ」と言ってあげたい。もう取り繕わなくていい。まず大事にすべきは、自分への真心だ ‣ 声にした言葉は、自分の内側にも響く。耳を通って胸に落ち、あたたかいさざ波を作る。これが、愛というものかもしれない ‣ 〝他人の目〟を持ちすぎた結果、臆病になったのでしょう。胸にともったときには純粋な親切や同情だったはずの灯が、他人からどう見られるか、偽善と思われるのではないかと気にするあまり、揺らいで、ねじれて、消えてしまう ‣ 蛮勇でも勇気でも、どちらでもいいじゃないですか。沙月さんが頭より先に体を動かしたのは事実だし、それで透馬くんは今、十分にしあわせなんですから ‣ 『藪の中』に犯人なんて最初からいないのかもしれませんね ‣ 人間は赦すことができる。赦しはきっと、善悪を超える ‣ 私達の人生は誰かの懺悔や復習のために存在するのではない。私達の人生は私達のものだ ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 自分と同じにおいがする本は、 なんとなくひっかかる言葉があって、 でもその理由がわからなくて、 しばらくするとまた読みたくなって、 あれ?前と違うかもって思いはじめて、 やっと「そういうことか!」ってわかる本のことかもしれません。 本を通して自分を見つめ直すって、簡単にできることではありませんね。 旅館の若女将のような、誰に本を選んでもらったからと言って、その本の中に答えがあるとも限りません。 本を読んで、どのように感じ、どのように考え、どのように動くのか(または動かないのか)は、その人次第なのでしょう。 とは言え、自分と同じにおいのする本との出会いは大事にしたいですね☺️
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古書が多く所蔵されている旅館で、本から感じる「匂い」で本を読めない若女将が、同じ匂いのするお客様と本を出会わせてくれる連作短編。 読了感が求めていたすっきりした感じではなかったというのが第一印象。 5編に分かれていて、それぞれ勧められる作品がベタなものではないのは好感が持てる。 段々色んなことが繋がって、最後の話に繋がる展開も面白いのだけど、最後に明かされた事実が気分の良いものではなかったので、なんだかなあ…と。 そこに至るまでの卒塾旅行の話もあまり気分がいいものではなく、しかもこちらは最終章で関わってきた印象がないので余計に腑に落ちない。
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1冊目から5冊目まで。 私は全く読んだことがない。明治、大正、昭和初期の文章に抵抗があるからだ。ただやはりそれらは、その時代に生きた人にとっての魂のこもったものなのだろうと思う。一度は読まねば!と思い至った。
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創業90年を超えた凧屋旅館。そこには文庫コーナーがあり、昭和初期くらいまでの古書が揃っている。1冊目から4冊目までは、凧屋旅館を訪れた客に、若女将の円が同じ匂いのする本をその人が今必要としている本を勧めていきます。最後の5冊目では、海老沢文庫がなぜこの旅館にくることになったのかの...
創業90年を超えた凧屋旅館。そこには文庫コーナーがあり、昭和初期くらいまでの古書が揃っている。1冊目から4冊目までは、凧屋旅館を訪れた客に、若女将の円が同じ匂いのする本をその人が今必要としている本を勧めていきます。最後の5冊目では、海老沢文庫がなぜこの旅館にくることになったのかの答え話です。 現実でも、本が読める宿がありますよね。前から1度行きたいなーと思ってましたが、この本を読んでますます行きたくなりました。
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「取り残された寂しさといふよりも、行手を塞がれた悲しみを感じる」(むすめごころ 川端康成) 名作の印象的なフレーズが取り上げられていて、いや、大変よかった。 一気読みするのがもったいなく。 是非シリーズにしてもらって、2作目以降も読んでみたい。 この方、金曜日の本屋さんシリー...
「取り残された寂しさといふよりも、行手を塞がれた悲しみを感じる」(むすめごころ 川端康成) 名作の印象的なフレーズが取り上げられていて、いや、大変よかった。 一気読みするのがもったいなく。 是非シリーズにしてもらって、2作目以降も読んでみたい。 この方、金曜日の本屋さんシリーズの春夏秋冬のタイトル(米澤穂信の小市民シリーズ?)とか、本作も女将が本が読めない体質で、お客さんに朗読してもらうシーン(完全にビ◯リア古書堂!)とか、気になるところがあるものの、作品自体は面白いのでまあ良いか。 その他、印象に残ったフレーズ。 「…もう直ぐ、二人の間の扉は閉められるのだ。」 「…しかし、彼女も俺も、もうどちらもお互いに與へるものは與へて了つた。今は残つているものは何物もない。」 (春は馬車に乗って 横光利一)
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夏目漱石、志賀直哉、芥川龍之介等々の年代物の日本文庫がたくさんおいてある凧屋旅館。 そこに訪れる人々に同じニオイのする文庫を薦める若女将の円 円は本から漂うニオイがダメで本を読む事ができない。 代わりに、お客様にお勧めした本の感想を聞き、お客様は感想を話しながら、悩みが解決してい...
夏目漱石、志賀直哉、芥川龍之介等々の年代物の日本文庫がたくさんおいてある凧屋旅館。 そこに訪れる人々に同じニオイのする文庫を薦める若女将の円 円は本から漂うニオイがダメで本を読む事ができない。 代わりに、お客様にお勧めした本の感想を聞き、お客様は感想を話しながら、悩みが解決していきます。 最終章5冊目で、キレイに伏線回収されました。5冊目の為の4冊な印象ですが。
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