ロッキード の商品レビュー
戦後日本を象徴する総理の1人である田中角栄が外為取扱違反と5億円に登る収賄罪により有罪判決を受け、日本中に衝撃を与えたロッキード事件の真実に迫る良書。アメリカの虎の尾を踏んだことが真因とも噂される事件であるが、その裏には政界の裏のボスである児玉誉士夫や、佐藤栄作の影も潜んでいる可...
戦後日本を象徴する総理の1人である田中角栄が外為取扱違反と5億円に登る収賄罪により有罪判決を受け、日本中に衝撃を与えたロッキード事件の真実に迫る良書。アメリカの虎の尾を踏んだことが真因とも噂される事件であるが、その裏には政界の裏のボスである児玉誉士夫や、佐藤栄作の影も潜んでいる可能性が高い。贈賄をしたロッキード社には刑事免責が適用されるという異例の事態であり、角栄1人を悪として囃し立てた世論も含めて、戦後の日本の雰囲気をよく表している事件だと言えるだろう。本書を読むことで、戦後の沖縄返還までの道のり、対等でない安保関係、日米繊維交渉からウォーターゲート事件まで、当時の社会の動きを知ることができる。
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ロッキード事件は50年近く前の話でマスコミはじめ世の中が大騒ぎしていたので印象に残っている。 自分が社会に出たての頃のことで、田中角栄総理が全日空の機種選定で丸紅経由でロッキード社から5億円を得たとする収賄事件である。 これは小説家の真山仁が初めて書いたノンフィクション作品であ...
ロッキード事件は50年近く前の話でマスコミはじめ世の中が大騒ぎしていたので印象に残っている。 自分が社会に出たての頃のことで、田中角栄総理が全日空の機種選定で丸紅経由でロッキード社から5億円を得たとする収賄事件である。 これは小説家の真山仁が初めて書いたノンフィクション作品である。彼の経済小説を何冊か読んだことがあり、馴染みやすい今風の話題をテーマにする作家なので軽い気持ちで読み始めた。 作者は時間の経過で関係する存命者が少ないなか、アメリカにも足をのばし丹念に関連当事者から聞き取りまとめたものである。 田中角栄はもとよりその近親者や児玉誉志男・吉永祐亮・若狭得治など主要人物については生い立ちから性格や事件との関わりなど克明に描写されている。当時の膨大な新聞記事を一気に読んでいるような気分になる。記憶も風化していたが、改めて事実経過も確認できて事件の全貌がそれなりに理解できた。しかし長大なボリュームの割に意外で新鮮な事実は殆どなく、斬新な切り口や仮説や主張もあまりなかった。収集した情報や知った知識の並べたてが多く、本質を抉り出す迫力に欠けノンフィクション本来の緊迫感は感じられなかった。通説の底に隠れた真相を覗き見る興奮は味わえず、がっかりである。 それは、従来から彼の小説に感じていた物足りなさに通底する。極論だが、カタカナのテクニカル・タームを多用するビジネス小説から虚構を除くと内容の浅薄さが残り、時流の用語や世代の情報格差に乗じた書き物では自ずと限界があり読者に飽きられる。 初めてノンフィクションを描くことで、ビジネス小説の作家として次の展開への課題が如実に現れている。 結局この作品のロッキード事件疑惑の結論は、当時とあまり変わらず肝心の真相は藪の中であることを確認しただけであった。日米関係の背景とか政治家や関係者の蠢きには新しい事実も多少あったが、相変わらず全貌はもとより部分の事実関係も曖昧なところが多く釈然としない。 「この話は墓場まで持っていく」という言葉がある。 ロッキード事件で主な役割を果たした人たちは皆そうなのだろう。結果、この事件のように真相を明らかにできない歯痒さだけが残る。アメリカは秘密情報でも一定期間後オープンにする仕組みだが日本はまだそうはなっておらず「墓場」に収めたままだ。 歴史的にもアメリカのGHQやCIA・政治家や企業が関わると事案はより複雑で闇も深くなる。 戦後日本にはこのような類型の事件が数知れない。 裏でよく話題になる日本の政治家には悍ましさを感じる。岸信介・佐藤栄作・中曽根康弘・・・。 「お天道さんはすべてお見通し」という箴言もある。
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日航機墜落事故もそうだが、子どもの頃リアルタイムで発生していた事柄にも、色々な見方があるのだと感じた。そもそも子どもの頃はニュースも観ていないし、事件・事故名を知っている程度だが…。 安倍さんの暗殺事件にも、色々な見方があるようだし。報道を見極める力が求められると思う。
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最初らへんはすごく面白かったけど、途中200ページくらい中弛み感やばかった…笑 児玉誉士夫とか知らん人の話が延々と続いてほぼ内容頭に入ってこず… 田中角栄のことが知りたくて読んでるのだから、せめてもう少し短くまとめて欲しかった。 せっかく最初と最後は面白かったのに、長すぎてその印...
最初らへんはすごく面白かったけど、途中200ページくらい中弛み感やばかった…笑 児玉誉士夫とか知らん人の話が延々と続いてほぼ内容頭に入ってこず… 田中角栄のことが知りたくて読んでるのだから、せめてもう少し短くまとめて欲しかった。 せっかく最初と最後は面白かったのに、長すぎてその印象しかない…でも面白かったことは間違いない、、
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田中角栄は無罪かも? そうかもしれないが、『金』が集まったのは確か。昨今の裏金キックバックは、せこ過ぎて話にならない!
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経済、金融小説を得意とする著者がロッキード事件の謎に挑む。 収賄で起訴され、最高裁での係争中に死去した田中角栄元首相は、俗説の通りキッシンジャーにはめられたのか。 資料と関係者を丹念に当たった著者は、ニクソン大統領再選のための政治資金還流を疑う。 その過程では、逃げおおせた大...
経済、金融小説を得意とする著者がロッキード事件の謎に挑む。 収賄で起訴され、最高裁での係争中に死去した田中角栄元首相は、俗説の通りキッシンジャーにはめられたのか。 資料と関係者を丹念に当たった著者は、ニクソン大統領再選のための政治資金還流を疑う。 その過程では、逃げおおせた大物政治家たちも。 田中元首相の容疑は薄弱で、世論、マスコミ、検察(のプライド)の合作。 げに恐ろしいのはこいつらか。 唯我独走の米国は何も変わらない。
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NHKスペシャルの「帝銀事件」を見て、帝銀事件の際の主任検事がロッキードのときの検事総長だったことを知った。そういえばこの事件についても、当時からずっと「アメリカの影」が囁かれていたのだった。 本書は経済小説の大家である著者がいつか挑んでみたいと考えていたテーマに、ノンフィク...
NHKスペシャルの「帝銀事件」を見て、帝銀事件の際の主任検事がロッキードのときの検事総長だったことを知った。そういえばこの事件についても、当時からずっと「アメリカの影」が囁かれていたのだった。 本書は経済小説の大家である著者がいつか挑んでみたいと考えていたテーマに、ノンフィクションというかたちで迫ったもの。著者は、この事件の奇妙さは、誰かがシナリオを書いたというものではない、とする(だから田中角栄は米国によって足元をすくわれた、という見方を強く否定する)。 著者は、事件の本筋はロッキードと軍用機(海上自衛隊のP3C)であり、児玉誉士夫とGHQ(G2)の福田太郎との結びつきこそが、米国が隠し通したかったことであり、全日空の民間機問題はそのルートを守るために差し出された供犠だった、と主張する。よって、田中角栄は関与はしていたが、「職務権限」という点ではその前の佐藤栄作が問題になり、また、利害関係者としては中曽根康弘の方がより重要になる。ウォーターゲート事件から始まった米国の追及の流れと、「金権政治」の不公平感に鬱屈していた日本社会の「世論」とが結びついたことでこの事件が生まれた、というコンテクストへの目配りも重要。
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「田中角栄」 なんとなくは知っている リアルタイムで知らない 何故そこまで カリスマ性があったのか 急な転落があったのか ...冤罪⁉︎ そしてもっと深い疑惑... ドラマじゃなくて現実に あったことなんだよなぁ... 今の政治家サンは お金の集め方だけ 学んだのかしら? 主人...
「田中角栄」 なんとなくは知っている リアルタイムで知らない 何故そこまで カリスマ性があったのか 急な転落があったのか ...冤罪⁉︎ そしてもっと深い疑惑... ドラマじゃなくて現実に あったことなんだよなぁ... 今の政治家サンは お金の集め方だけ 学んだのかしら? 主人の本棚から拝借
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読了。フィクション作家が挑むノンフィクション。その考察に作家ならではの視点を入れつつ、また読みやすくついついページを繰りたくなる技量に脱帽。面白かった。
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