十の輪をくぐる の商品レビュー
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図書館で借りて読了。 泰介の家族をめぐる物語。 万津子の過去があまりにも辛く、読むのが苦しかった。昔は結婚相手が暴力を振るっても、離婚できない。しかも息子の泰介は、結婚相手の魂が乗り移ったように癇癪を起こし、手がかかる。夫が不慮の事故で亡くなり、やっとの思いで実家に帰ってきたのに、今度は泰介が家族から疎まれる毎日…挙げ句の果てに、一緒に遊んでくれていた友達が川で亡くなってしまい、直前に泰介と喧嘩していたと言われ、完全に居場所がなくなる。無理心中を考えてもおかしくないくらい、過酷な状況である。 そんな泰介を、万津子は愛で受け止め、バレーボールを通して支えてきた。泰介は選手にはなれなかったが、バレーを通してすてきな奥さんに出会い、バレーの才能に溢れた素直で明るい娘を授かる。これだけで万津子は救われたに違いない。 萌子が泰介にADHDについて説明するシーンは、相手への配慮に富んでいて見習いたいと思った。そしてそれを受け止め、病院に行き、考え方を変えようと意識する泰介もよかった。これからこの夫婦は末長く幸せに暮らせるに違いないも思える、ハッピーエンドだった。
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息子・泰介と母・万津子の視点から交互に語られる物語。 認知症を患った万津子の「私は東洋の魔女」という言葉には、どんな意味があるのか。 万津子の母親としての覚悟と深い愛情に、胸が締め付けられそうでした。 辻堂さん、初読みでしたが他の作品も読んでみたい!
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あらすじからは想像できないストーリーだったので、途中まで主人公にイライラさせられっぱなしでした。話の筋がわかってくると今度は主人公の母親の気持ちを思うと辛くて辛くて、、でも読後感がよい、との評判を信じて読み進めて良かったです。
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皆さん高評価の中、星3つは低いと思うのですが。 作者さまの年代で、戦後の時代をこれだけ濃密に描かれていることに驚きました。 時代とはいえ、女性への扱いの酷さ、男性なら何をしても許されること、母でさえ、頼ってきた娘を庇いもせず突き放す。 読んでいて、苛立ち、胸が痛みました。 親...
皆さん高評価の中、星3つは低いと思うのですが。 作者さまの年代で、戦後の時代をこれだけ濃密に描かれていることに驚きました。 時代とはいえ、女性への扱いの酷さ、男性なら何をしても許されること、母でさえ、頼ってきた娘を庇いもせず突き放す。 読んでいて、苛立ち、胸が痛みました。 親子三代のバレーボール、オリンピックを絡めてのストーリー展開。 過去と今を行き来しながらの構成。 時代が時代だったからもありますし、発達障害について知られていないということは理解しているのですが…… 私には身近に発達障害を持った家族がいます。 そのせいか、なんだか引っかかる感じがあって、みなさんと同じように感動!とはならずに読み終わりました。 上手く言えないのですが、複雑。
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読み始めから泰介が酷い発言ばかりするので嫌な気持ちで読み進めた。東洋の魔女の時代、ADHDという言葉も認知もされていない中、田舎で親族からも見放されどんなに大変なことだっただろう。読者でこちらからみていても泰介にイライラ、とてもじゃないけど育てる自信がない。 子ども2人を連れ上京し育てる事で故郷にいるよりはいい人生を歩めたのだろう。 万津子が泰介にバレーボールを教えたのは選手にしたいためではなく落ち着かせるためだった。母親の深い愛情を感じる。そして泰介の妻の由佳子、こちらも愛情あふれる人で、素敵すぎる。泰介はふたりの愛情に支えられてきたのだ。もちろん本人にしかない魅力もあるだろう。 万津子と本当のところは語り合えなかったのも、現実はそうだろうな、と。 弟の徹平目線のパートがあってもよかったな。 素晴らしく読み応えがあり、いい本に会えてよかった。
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皆様の評価がとても良くて、読みたいなぁと思っていたところ、GWに購入することが出来ました (๑˃̵ᴗ˂̵)و 1964年と、2020年(実際はコロナで違うけど )のオリンピックの時代を生き抜く家族の物語。 二つの時間軸で物語は交互に紡がれます。 片方は泰介の母、万津子の時代...
皆様の評価がとても良くて、読みたいなぁと思っていたところ、GWに購入することが出来ました (๑˃̵ᴗ˂̵)و 1964年と、2020年(実際はコロナで違うけど )のオリンピックの時代を生き抜く家族の物語。 二つの時間軸で物語は交互に紡がれます。 片方は泰介の母、万津子の時代。 片方は万津子の長男、泰介の時代。 物語前半戦。 まぁ、兎に角泰介が嫌い過ぎる。 最悪な亭主。最悪な従業員。 私の一番嫌いなタイプだったのです(-。-; 専業主婦の奥様に超絶上から目線。 会社でも、仕事出来ない癖に不満たらたら。 何だコイツ!? 人間のクズじゃん?? って思っていたのですが、娘ちゃんのおかげで泰介はどんどん変わっていくことが出来たのです。 あー、素晴らしい娘だ!! そして、素直に娘の意見を聞いた泰介も偉い!! 最初が底辺からのスタートだった為、後半はかなり救われます。 なのですが、すみませんm(_ _)m 何と無く後半が読めてしまい、こうなのだろうな?というところに、想像通りに落ち着いてしまいましたm(_ _)m 皆さんが大絶賛される作品を上手に読めなくてごめんなさいでしたm(_ _)m 時々やっちゃいます。 本当ごめんなさいm(_ _)m
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思ってもみない方向で感動させられた。 子供の頃から癇癪もちで社会人になってからも周囲の人とうまくやっていけない泰介。 あぁ、これは発達障害だな、昔は誰にも理解されないから大変な苦労だったろうな、、、。 と思って読んでいたら、その発達障害もこの小説のテーマの一つだった。 てっきり認知症の母の秘め事と、萌子のバレーボールの話だと思っていたので、泰介自身が発達障害と向き合っていく流れになったのには驚いた。 しかもそれを萌子が父親を傷つけないように、悩み抜いた末に、何度も頭の中でリハーサルした言葉を伝える場面はもう号泣だった。 当たり前がうまくできずに苦しんでいる人にとっても励まされる、刺さる内容だったと思う。 そして萌子の春高決勝戦は、ありがちな展開で予想通りだけど、緊迫感がありドキドキして、やはり感動して泣いた。 母は東洋の魔女ではなかったけど、苦しかった人生の中で救いになった息子をバレーボールの選手にするという願いが、孫の活躍へと続いてよかった。 何か自分が必死になって追い求めたものが、形にならなかったとしても、自分以外の誰かの血と肉になり、自分の預かり知らぬところでもしかしたら後世に身を結ぶこともあるのかもしれないなと知って、とても素敵なことを教わった気持ち。 泰介が伝えた感謝と、萌子の活躍と、ヨシタカ君を押して殺したわけではないことは、母に伝わっていて欲しい。 母の反応がよくわからず、リアリティはあるけど、個人的には理解して歓喜する描写を読みたかった。 前半は若干単調ではあるけど、読みやすく、後半一気に涙腺を壊しにくる一冊。
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現代パート(2020東京オリンピック頃)を息子視点、過去パート(1964東京オリンピック頃)を母視点で語る構成。二回の五輪で十の輪と言うタイトルなんですね。 前半は息子パートが不快でイライラさせられ、キラキラ青春の過去パートの方が読みやすかったのに途中から母パートが辛くなり、息子...
現代パート(2020東京オリンピック頃)を息子視点、過去パート(1964東京オリンピック頃)を母視点で語る構成。二回の五輪で十の輪と言うタイトルなんですね。 前半は息子パートが不快でイライラさせられ、キラキラ青春の過去パートの方が読みやすかったのに途中から母パートが辛くなり、息子パートの方が明るく希望のもてる展開に。 救いのある温かいラストには感動しました。
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実家にも頼れず、結婚にも恵まれず、大変な思いをしつつ、それでも大きな愛で子供達を立派に育てた。 亡くなった自分の母に重ねながら読みました。 辛い部分もありますが、温かくなる読後感でした。 間違いなく傑作です。
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母の愛を強く感じれた! 序盤の若き頃の未来にワクワクしている感じから徐々に現実に突き落とされるなか最後まで子供を信じ強く生きた母の愛情に感動した。 本当に読めて良かった。おススメです。
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