入門 山頭火 の商品レビュー
町田節が面白くって前半あっというまだったのに後半すごく時間かかってしまったのは種田山頭火があまりにもどうしようもなく……そのどうしようもなさに人間みと愛おしみを覚えられる町田康という人の優しさまで感じてしまうくらいにはどうしようもなく。行乞して酒飲んで言い訳めいた句作して、の無...
町田節が面白くって前半あっというまだったのに後半すごく時間かかってしまったのは種田山頭火があまりにもどうしようもなく……そのどうしようもなさに人間みと愛おしみを覚えられる町田康という人の優しさまで感じてしまうくらいにはどうしようもなく。行乞して酒飲んで言い訳めいた句作して、の無限ループに飽きてしまった。 でも、かといって山頭火をどうしよもないアル中の夢追い男! と簡単に切り捨てられない私も誕生していて、てことはちゃんと町田康を通して種田山頭火を理解できたってことなのかもしれないけど。分け入っても分け入っても青い山。うん、頭に浮かんでくる風景がもうひらぺったくないもんな。
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分け入つても分けいつても青い山 の句と前書きから山頭火を読んでいく。 町田康の文章の矛盾の描き方が滅茶苦茶すきだ。 矛盾が煮詰まって煮詰まって主人公が自分自身というものに疲れ切る。その後の現実世界のやりとりのパキッとした場面。癖になる…。 私へ:政治的な立ち位置などはあまり...
分け入つても分けいつても青い山 の句と前書きから山頭火を読んでいく。 町田康の文章の矛盾の描き方が滅茶苦茶すきだ。 矛盾が煮詰まって煮詰まって主人公が自分自身というものに疲れ切る。その後の現実世界のやりとりのパキッとした場面。癖になる…。 私へ:政治的な立ち位置などはあまり描かれていなかったので釣られて他の本を読むときは注意したほうがいいかもしれない。思った感じと違うと思われる。
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詩人や歌人というのは、文学をやる人たちの中でも、一番不器用で不細工な人が多いような気がする。町田康氏が自身とも重ね合わせながら、時に軽妙に噛み砕いて吐き戻していく様子が、オモロい。
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実は山頭火のことをよく知らない。 なんとなく、凄い詩人、俳人らしい、という知識がある程度。 そこにこの本を読んでしまった。 町田康さんの、べらんめえというか、話し言葉というか、思ったまま書くというか、 すぐどこかに飛んで行ってしまう技法のもとで、山頭火の生涯を知る。 薄い知識で...
実は山頭火のことをよく知らない。 なんとなく、凄い詩人、俳人らしい、という知識がある程度。 そこにこの本を読んでしまった。 町田康さんの、べらんめえというか、話し言葉というか、思ったまま書くというか、 すぐどこかに飛んで行ってしまう技法のもとで、山頭火の生涯を知る。 薄い知識では哲学的な人のようなイメージがあった山頭火。 町田さんの前でもろくもそのイメージは崩れました。 ただの酒飲み、放蕩息子。そもそも親もダメ。財産潰しで息子山頭火も大学中退。 九州に逃げ、家族を持つも、一念発起?家族を置いて東京に戻る。 でもカネに困り、、、そう、このひと常に金には苦労している。 そんななかついに仏門に入り、托鉢みたいなもんで凌ぐようになるが、 それも続かない。 今度は庵を構えようとするが、ここでもカネがいる。支援者を頼り、会費を頼るも 会報を出すカネすらない、、、 ぐだぐだ。 そんな中で彼の詩は生まれる。 人間、そんなもんだ。それでいい。
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町田康が種田山頭火の生涯・人間性を独断と偏見で語る一冊 それはもう本当に『わしはこう思う』で書かれた一冊 でも、町田康自身のパンクロッカーとしての経験だったり、酒に溺れていた過去だったりだとかと重ね合わせて語ってくれるので、なるほど!と思わせる説得力があります ただ(後半は特...
町田康が種田山頭火の生涯・人間性を独断と偏見で語る一冊 それはもう本当に『わしはこう思う』で書かれた一冊 でも、町田康自身のパンクロッカーとしての経験だったり、酒に溺れていた過去だったりだとかと重ね合わせて語ってくれるので、なるほど!と思わせる説得力があります ただ(後半は特に)さすがにこれは好意的に捉えすぎ、山頭火を擁護しすぎでは……ってな部分も見え隠れするので、もうちょい厳しい視点での意見も読んでみたかったかな 山頭火の生涯を語ってはいるのだけど、没年まで追っているわけではないです ので、巻末に掲載された山頭火の略年譜を見ると「ほえー、このあとこんなことしてたんかー」とか「んでこのあと○○年ののちにお亡くなりになるわけですねー」とか、色々と感慨深いものがあります 年表の数行を読んだだけでその時の人生に思いを馳せる事が出来るという、ちょっと不思議な体験も面白かったです
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山頭火のどうしようもない人生と町田康の文体の相性がいい。タイトルに「入門」とある通り、気楽に読める。続編が出る?
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大好きなさ自由律俳句の俳人二人のうちの一人。尾崎放哉については、吉村さんが「海も暮れきる」という名作残しているが…。大分、赴きは異なるが、これも伝記?つまらないギャグ、ダジャレは辟易だけど、俳句に関心のない若い人には逆に取り付きやすいかも。面白い試み。酒好きの二人だから通じるもの...
大好きなさ自由律俳句の俳人二人のうちの一人。尾崎放哉については、吉村さんが「海も暮れきる」という名作残しているが…。大分、赴きは異なるが、これも伝記?つまらないギャグ、ダジャレは辟易だけど、俳句に関心のない若い人には逆に取り付きやすいかも。面白い試み。酒好きの二人だから通じるものがあるのだろうな。「分け入つても分け入つても青い山」「まつすぐな道でさみしい」「解くすべもない惑ひを背負うて」「どうしようもないわたしが歩いてゐる」「現代人でもひとりで山登りをすると魂が身体から滲み出ていくような感覚に見舞われることがあるが…」「人にバカにしられて腹が立つのは自分の中に人を見くだす心があるから」心しないと。
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少し前に「口訳 古事記」を読んだ。ややこしくて読み切れなかった。 山頭火は予備知識もあるし、興味もあるし。 出生から、生い立ち、亡くなるまで述べてある、が、そうであろうとか、こう思うとか、作者の推測によるものが多い。 また随所に出てくる、関西弁の感想や、話がめちゃくちゃな妄想劇?...
少し前に「口訳 古事記」を読んだ。ややこしくて読み切れなかった。 山頭火は予備知識もあるし、興味もあるし。 出生から、生い立ち、亡くなるまで述べてある、が、そうであろうとか、こう思うとか、作者の推測によるものが多い。 また随所に出てくる、関西弁の感想や、話がめちゃくちゃな妄想劇?が少しうざったい(すみません)関西に馴染みのない人が読んだら意味不明な言葉多々あり。 思うに、芭蕉や西行など俳人や歌人は往々にして旅に出ます。山頭火も然り。 でも先のお二方とは何かが違う・・・ 旅と放浪? 目的? 人生観? 作品への思い? とてもモヤモヤしています。 最後に私の好きな山頭火の句。 〈生死の中の雪ふりしきる〉 〈ここにおちつき草しげる〉
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とても素晴らしく面白い本。「私が携わっていた頃のパンクロックというものは、下手であればあるほど価値がある、」というフレーズを読んで、上手くなることを避けるパンクスピリッツを捨てられないと思っていたけど、いまのパンクは違うのかも、と考え直す。
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町田康氏とたどる山頭火の生涯。 『ギケイキ』や『口訳古事記』みたいな町田節が炸裂…! それらとちょっと違うのは地の文に完全に町田氏が入り込んでいる分、よりパンクロッカーとか実際の経験をたくさん盛り込んでいるところ。 山頭火の生い立ちは恵まれていたのに、親の手腕が及ばず崩れていっ...
町田康氏とたどる山頭火の生涯。 『ギケイキ』や『口訳古事記』みたいな町田節が炸裂…! それらとちょっと違うのは地の文に完全に町田氏が入り込んでいる分、よりパンクロッカーとか実際の経験をたくさん盛り込んでいるところ。 山頭火の生い立ちは恵まれていたのに、親の手腕が及ばず崩れていっており、それらも生きることに対するやるせなさに影響していて、一方で自分でも押さえきれない真面目さに振り回されている…。そんな生きるのに不器用な人だなぁと思いました。 そこにお酒が入ってきて、何もかもがめちゃくちゃに…。 山頭火の人生がつらつら描かれていても入り込めなかったと思うのですが、町田氏が自分と山頭火を重ねながら話を進めているので面白く読めました。
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