入門 山頭火 の商品レビュー
山頭火も町田康からすれば、紛れもなくパンクロッカーだ。 「…自分の身の上に今この瞬間起きている抜き差しならない事態、を当事者としてでなく、劇として眺める、そしてそれを水のように純粋な言葉に置き換えることによって、それを見ている自分、肉身を離れた自分を創りだし、肉体の痛苦、精神...
山頭火も町田康からすれば、紛れもなくパンクロッカーだ。 「…自分の身の上に今この瞬間起きている抜き差しならない事態、を当事者としてでなく、劇として眺める、そしてそれを水のように純粋な言葉に置き換えることによって、それを見ている自分、肉身を離れた自分を創りだし、肉体の痛苦、精神の痛苦から免れようとする。現実から離脱して「一切を放下し尽くす」みたいな境地に一瞬、至る。或いは、至った気になる。これが山頭火の俳句ではなかったか。」 のあたりに大きく共鳴しているのは、『くっすん大黒』や『きれぎれ』などからもよくわかる。 「入門」とあるが、山頭火やその俳句の解説本ではなく、それに町田康の心がどう動いたかを味わう本。
Posted by
山頭火が詠うブルースを町田康のパンク的フィルターを通して綴った評伝。著者独特の文体ながら、するりと頭に入ってくるポップな快作でした。
Posted by
確かYouTubeで山頭火の解説してたし詳しいんだろうと思ったら、「よく知らない」という出オチでズッコケた。(さっき調べたら本書の元になった連載に絡んだ企画だった) 「ようわからんけど、こんな感じなんちゃう?」って調子のダラダラした書きっぷりが町田先生らしい。パンク歌手がパンク歌...
確かYouTubeで山頭火の解説してたし詳しいんだろうと思ったら、「よく知らない」という出オチでズッコケた。(さっき調べたら本書の元になった連載に絡んだ企画だった) 「ようわからんけど、こんな感じなんちゃう?」って調子のダラダラした書きっぷりが町田先生らしい。パンク歌手がパンク歌人を語るとあって町蔵時代のパンチラインまで引っ張り出してくるのもミソ。 私はこれを読んだところで俳句のことは相変わらずよくわからないんだけど、このまま町田先生の小説のキャラクターとして登場しても違和感なさそうだし、令和に転生したらバンド組んでX(Twitter)やらせたら面白いことになりそうな人だという理解をした。
Posted by
山頭火は素晴らしい句をたくさん世に送り出した天才だと思うが、実生活はあまり褒められたものではなかったようだ。町田康の筆致にかかればそんな山頭火の生き様も愛おしく思えてくるから不思議だ。 改めて山頭火の句集を読んでみたいと思った。
Posted by
- 1
- 2