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安楽死が合法の国で起こっていること の商品レビュー

3.8

45件のお客様レビュー

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2024/04/26

最初の方は各国での法令や運用、裁判になったケースなど、安楽死を検討するにあたって懸念される事項を客観的に公平な立場で紹介していたが、途中トリアージの話の辺りから著者の状況をふまえた強い反対への主張が感じられるように。すべり坂を懸念するのは分かるけど実際に希望する人もいる訳で、まず...

最初の方は各国での法令や運用、裁判になったケースなど、安楽死を検討するにあたって懸念される事項を客観的に公平な立場で紹介していたが、途中トリアージの話の辺りから著者の状況をふまえた強い反対への主張が感じられるように。すべり坂を懸念するのは分かるけど実際に希望する人もいる訳で、まずは厳格な運用から始めてみるのがフェアだと思った。

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2024/04/14

ある意味想像を裏切った内容でした。 自分には関係ないと思っていたが誰もが向き合う瞬間がある。 是非一読してほしい。

Posted byブクログ

2024/04/13

本書を読む前までは、自分の中では安楽死を尊厳死と同じようなものと考えていて、自分が死にたくなった時に好きに死ねる制度の何が悪いのか・・・で、本書にやたら出てくる「すべり坂」という表現に、失礼ながら少々うんざり感もあったんだけど、半分くらい読んだところで、著者が重度の障害を持つ娘の...

本書を読む前までは、自分の中では安楽死を尊厳死と同じようなものと考えていて、自分が死にたくなった時に好きに死ねる制度の何が悪いのか・・・で、本書にやたら出てくる「すべり坂」という表現に、失礼ながら少々うんざり感もあったんだけど、半分くらい読んだところで、著者が重度の障害を持つ娘の母であるということがわかってようやく腑に落ちた。 筆者の言いたいこともわかるが、全肯定もできない、重くて考えさせられる内容であった。

Posted byブクログ

2024/03/24

2023/12/23予約 28 安楽死を望む人ができるように、という考えを持っているため合法の国であればよかったのに、と思う。 それは自分の揺るぎない意志で行われるもので、医療者や家族間の都合で決められるものではない。 でも合法の国で起こっていることは、このような危惧していること...

2023/12/23予約 28 安楽死を望む人ができるように、という考えを持っているため合法の国であればよかったのに、と思う。 それは自分の揺るぎない意志で行われるもので、医療者や家族間の都合で決められるものではない。 でも合法の国で起こっていることは、このような危惧していることだったりする。 危険もはらむ法律だろうが、デメリットだけでもないと思う。 超超高齢化社会の日本でこそ、待ったなしの法整備が求められているのではないだろうか。

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2024/03/20

終末期の患者がこれ以上苦しまないようにと善意で導入された尊厳死が、安易な解決方法として世間の選択肢に変わっていく過程が怖い。無益な治療の「無益」は患者にとってから社会にとってへと無邪気に変容するのも怖い。死を勧める前に福祉を充実させるべきという意識は常に持っておかないと落とし穴に...

終末期の患者がこれ以上苦しまないようにと善意で導入された尊厳死が、安易な解決方法として世間の選択肢に変わっていく過程が怖い。無益な治療の「無益」は患者にとってから社会にとってへと無邪気に変容するのも怖い。死を勧める前に福祉を充実させるべきという意識は常に持っておかないと落とし穴にはまりそう。

Posted byブクログ

2024/03/14

安楽死は「合法化」なのか、「非犯罪化」なのか…。 安楽死と緩和ケアの混同。 囚人でも安楽死を行う国もある。 臓器提供安楽死の問題…。 認知症や障がい者、精神的苦痛のみを理由にした安楽死の判断は難しい。 その判断は誰がやるのか、医者なのか…。 治療してくれてる医師に死にたいって言う...

安楽死は「合法化」なのか、「非犯罪化」なのか…。 安楽死と緩和ケアの混同。 囚人でも安楽死を行う国もある。 臓器提供安楽死の問題…。 認知症や障がい者、精神的苦痛のみを理由にした安楽死の判断は難しい。 その判断は誰がやるのか、医者なのか…。 治療してくれてる医師に死にたいって言うのも、なんか辛いし、言われる方も悲しい。でも… 医療費や介護費のことを言い出したら、倫理的にどうなのかと思うけど、正直なところ、心の中で思うことはある。 消極的安楽死(尊厳死)については、賛成。 末期がん患者の苦痛をとるための緩和ケア的な安楽死も賛成。 しかし、積極的安楽死のルール作りがとても難しいのだとわかりました。 これは非常にデリケートな問題で、著者は慎重派のようだけど、人によっては綺麗事と思うかもしれない。 死にたいと思うことはそんなにダメなのか。 病気の本当の苦しさは本人にしかわからないから、本人が死を望むならその意思を尊重させてもいいのではと思う。 NHKで放送されたスイスに渡って安楽死をしたドキュメンタリーも観ましたが、 死の瞬間までカメラを回していました。衝撃的で今もあの映像が鮮明に焼き付いています。 日本ではまだまだ議論の余地がありそうですが、そのためにも多くの人に興味をもってもらいたいです。

Posted byブクログ

2024/03/10

スイスやオランダで安楽死が認められている程度の知識しかなかったので、カナダのケベックでは死者の約7%がMAIDによる死亡となっている現状には驚きました。 著者の言うように安楽死「賛成派」「反対派」のような単純な話ではなく、一人ひとりの「死にたいほど苦しい」理由や環境を医療機関や行...

スイスやオランダで安楽死が認められている程度の知識しかなかったので、カナダのケベックでは死者の約7%がMAIDによる死亡となっている現状には驚きました。 著者の言うように安楽死「賛成派」「反対派」のような単純な話ではなく、一人ひとりの「死にたいほど苦しい」理由や環境を医療機関や行政が理解して手を差し伸べるのが理想だとは思いますが、今後、高齢化社会がさらに進めば医療のリソースが益々減っていくのは確実で、終末期に限らずQOLの観点から「死ぬ権利」を議論するのは避けられないように思いました。 コロナ禍で救う命の順位づけが検討されたように、人間の生命は平等で、価値で軽重づけされるものではない原則も見直しが求められるようになるのではないかと思います。 その中で、どこかで線を引いてもその線は易きに動いていくものだということを認識して十分なセーフティネットを考えていくのが求められるのでは。

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2024/03/04

前半の安楽死が既に導入されている国の事例は大変勉強になった。どこで線を引くのかの難しさや、導入されることで安楽死の要件がどんどん緩くなってしまう問題、社会保障で救われるべき案件にお金がかかるからと安楽死をさせられる問題など本当に難しい問題だと思い考えることが多かった。 ただ後半は...

前半の安楽死が既に導入されている国の事例は大変勉強になった。どこで線を引くのかの難しさや、導入されることで安楽死の要件がどんどん緩くなってしまう問題、社会保障で救われるべき案件にお金がかかるからと安楽死をさせられる問題など本当に難しい問題だと思い考えることが多かった。 ただ後半は、医療や介護制度に対する恨み辛みがベースになっているように感じられ進まなかった。 総じて「命の選別をするな!もっと社会保障と介護を!」というメッセージを受け取ったが、少子高齢化がどんどん進み、持続可能な医療のため、縮小の議論が避けられない中では、どうにも素直に頷けない内容だった。

Posted byブクログ

2024/03/03

私自身「安楽死」についてちょっと雑に考えていた部分があったように思う。本書を読んで反省した。最低限「尊厳死」「医師幇助自殺」「積極的安楽死」の区別はついてないとあかんね。それだけでこの本を読んだ意味があったようなもの。 本書では世界各地の終末期医療とそれに伴う安楽死、いや医師幇助...

私自身「安楽死」についてちょっと雑に考えていた部分があったように思う。本書を読んで反省した。最低限「尊厳死」「医師幇助自殺」「積極的安楽死」の区別はついてないとあかんね。それだけでこの本を読んだ意味があったようなもの。 本書では世界各地の終末期医療とそれに伴う安楽死、いや医師幇助自殺と言ったほうがいいのかもしれないけど、第三者からすると耳を疑うような判断が「無益な治療」の名のもとに下されている実態が暴かれている。 少なくとも平時においては、自身の意思があるかどうか疑わしいにもかかわらず、他人によって死という判断を下すのは倫理的に問題があると思う。その一方で、自身のアイデンティティが喪失しつつある際は、死に方について自身で決める権利を持ってもいいという考えも理解できる。結局、そのバランスをどう取るかという問題なのだが、その議論の前提となる知識を得るにはもってこいの一冊だと思った。 星を一つ下げたのは、コロナ禍でのトリアージの問題について対案が示されていなかったから。これを書けなかった理由はよく分かるけど、せっかく一つの章を設けたのだから、そこはもう一歩踏み込んで見解を出して欲しかった。

Posted byブクログ

2024/03/02

安楽死が合法となっている国で起きている問題を説明しながら、安楽死という制度の現状、問題点を挙げ、もしも日本で安楽死が導入された場合どういった問題が起きる可能性があるのかを考察した評論。 現代日本において生きづらさを抱えている人は多く、死にたい、安楽死制度があればいいのに、と考える...

安楽死が合法となっている国で起きている問題を説明しながら、安楽死という制度の現状、問題点を挙げ、もしも日本で安楽死が導入された場合どういった問題が起きる可能性があるのかを考察した評論。 現代日本において生きづらさを抱えている人は多く、死にたい、安楽死制度があればいいのに、と考える人も少なくないだろう。かくいう私もその一人で、安楽死制度があったら楽に死ねるのにな、と思っている。また、たとえば急性放射線障害になった人が死までの二週間前後の時間を地獄の苦しみに耐えなければいけないくらいなら、安楽死制度があった方がいいんじゃないか、と思っている。 しかし、本書を読んだことにより、実際に安楽死を制度として導入することによって発生する問題はとても難しく、「楽に死にたい」程度で導入を決めていい話ではないな、とも思わされた。 自己決定が原則の安楽死で、意識がない人や、意思表明ができない人などについても安楽死が適用されかねないのが恐ろしい。 安楽死が根付いていく先にあるのが「死ぬ権利」ではなく、「選民」になっていく可能性も高い。障がい者は安楽死した方がいい、ホームレスも安楽死した方がいい、家族に迷惑をかけるくらいならさっさと死んだ方がいい、と、どんどん「生きるのが難しい人」達が自らの意思という体裁で安楽死を選んでいく可能性は高く、その問題を解決するのはとても難しいと感じた。 そうやって社会的に弱い人達が淘汰されていくことは、どんどん自分達の首が絞まっていくことに繋がるのではないだろうか。 安楽死後臓器提供についても問題の難しさを加速させている。家族を助けたいから安楽死して臓器提供します、みたいな世界がやってくるのかもしれない、と思った。 「社会に不要な人には安楽死してもらおう」という思想が日本で発生しそうな感じがすごく、安楽死制度は難題だな……と感じた。 他人に死ねと押し付けることなく、真の意味で死を自己決定できるような人間達だけの世界になる気がしない。人間はとても愚かだ。

Posted byブクログ