歩山録 の商品レビュー
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先が全く読めず驚いたまま、3日程で読了。主人公の山田は初め皮肉屋で嫌なやつなのに読み進めるうちに、その考え方の理屈には違和感なく、納得出来ることばかりだし、他人にイラつきながらもゴミを持ち帰るなど人の良さや、理論武装したにもかかわらず、破綻していくのでいつの間にか山田を応援してしまう。 ギリギリの状態の中で現実なのか何なのか分からない、と思っていると合間に山小屋の主人と話すことでどこまでが現実か更に分からなくなる。 最後まで謎のままだけど、分からないままにも山田の友人との苦悩や今に至るまでの理由に、知らずに自分も考えさせられて思考が止まらない、すごい文章を書く人なんだ、あのTVを作る人は。と思った。何だか放心。
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この奥秩父主脈縦走路を歩いたことがあったので、読み始めはこれは作品に入りやすいかもと思ったけど、少年の話しあたりから何を伝えたいのか分からず内容が全然入ってこなかった。
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ハイパーハードボイルドグルメリポート!上出さんのインタビューとか色々聴いてたので、彼自身の人生を描いた作品なのだと思った。最後の展開は鳥肌ものや!山登りこえー
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断片的に著者の"人生観"のようなものを感じ取ることはできたと思うのですが、私の読解力の乏しさ故に上出さんのこの本については読了後に一番最初にこの作品全体に対して率直に抱いた感想は「...?」でした。 もう一度読むとなった際、読むスピードを遅くして理解を深めなが...
断片的に著者の"人生観"のようなものを感じ取ることはできたと思うのですが、私の読解力の乏しさ故に上出さんのこの本については読了後に一番最初にこの作品全体に対して率直に抱いた感想は「...?」でした。 もう一度読むとなった際、読むスピードを遅くして理解を深めながら読み進めたら違った感想を抱くかもしれません。
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山登りが好きだから、登山の話ということで 点数は甘め。 ハイパーハードボイルドグルメリポート、 ありえない仕事術を読んでから 本書を読んだ順番。 体裁としては、登山小説に近いけど ありえない事象、人物が出てきて 不思議な読感。 日常の描写からスタートして、 少しずつ少しずつ...
山登りが好きだから、登山の話ということで 点数は甘め。 ハイパーハードボイルドグルメリポート、 ありえない仕事術を読んでから 本書を読んだ順番。 体裁としては、登山小説に近いけど ありえない事象、人物が出てきて 不思議な読感。 日常の描写からスタートして、 少しずつ少しずつ非日常的な人物が出てきて 不思議な世界に入り込んでいく感じは 村上春樹的なそれ。 印象的だったのは、前半と後半の山小屋で食べる 食事の描写が秀逸で、めちゃくちゃ食べたくなる。 ここらへんは「食う」にこだわってきた 上出氏らしいところかなと思った。 あとは、ありえない仕事術を読んだ後だから感じるのかもしれないけど、 命と心をすごく大事にしていると感じた。 最初はなんだこれはという感じかもしれない。 毛色の変わったイロモノ系の小説だとおもうかもしれない。 でも、1回読み終わった後、再読すると 本の中に散りばめられた作者からのメッセージが スッと入ってくるような気がする。
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ブクログのフォロワーさんが読んでおられたので挑戦してみた。 山を歩く話、まさしく歩山録なのかと思って読み進めたら、だんだん話が迷走しだして…。 少年を探す…ことになってた? どこを目指すんだったっけ? 怪我したんだよね? と思いながらなんとか読み切った。 幻想的な話でした。
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前情報なしで読み進めたため、途中から村上春樹作品かのような世界観になるとは想像もしていなかったので、いい意味で裏切られた。
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前半、主人公である山田の理屈っぽい部分や、他人を少し見下している感じが好きになれなくて、あまり入り込めずにいたけど、「少年」との出会いや貫太とのエピソードには山田の人間的な魅力が溢れていて、後半を読み進めているときにはもうとにかく山田と少年が無事に下山できることを願いながら読んでいた。
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何だこれは。 読み始めは知識先行型の初心者が縦走にチャレンジする話かと思いきや、途中からはもはや幻想小説。怪しげな登場人物が出てたり熊が出てきたりと、幻なのか現実なのかが不明確。 最終的にはホラー小説のオチ。 もっと山の話だと思っていたので予想外ではあったが楽しく読めた。
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図書館の新刊コーナーにあり、何の情報もなく読み始める。 製薬会社の営業で入社6年目の山田は6月半ば1週間の休暇を取って、東京、山梨、埼玉、長野県境の山を踏破する計画を立てる。記されている山々を地図を見ながら読み進めるのが楽しかった。がしかし途中、白衣の男が出てきたあたりから幻想...
図書館の新刊コーナーにあり、何の情報もなく読み始める。 製薬会社の営業で入社6年目の山田は6月半ば1週間の休暇を取って、東京、山梨、埼玉、長野県境の山を踏破する計画を立てる。記されている山々を地図を見ながら読み進めるのが楽しかった。がしかし途中、白衣の男が出てきたあたりから幻想的な感じもしてきて、しかし文章は硬くいい味わいで日ごろ目にしない漢字も多用されていて、どういう着地? あるいは? と思いながら、最後はけっこう普通な終了。 地図をみると途中の埼玉山梨県境の雁坂峠はバス旅行で抜けたことがあり、山は深く高く広かった。山田はこの稜線を歩いているんだよなあ。 奥多摩駅から歩き始め、東京、埼玉、山梨の3県境にして東京都最高峰の雲取山(2017m)を越え、埼玉と山梨の県境を成す稜線を歩いて、埼玉、山梨、長野の3県境の甲武信ケ岳(2475m)へ、さらに長野、山梨県境の金峰山(2599m)を踏み、山梨県北杜市で下山しようというのだ。 表紙が中身を物語っています。透明なグミはくまの形。 山田は山で道を見失い、また道に戻り、ああ、安心したと進む。そこでの思考「街とはこの道の集積のこと」・・なるほど。 「群像」2022.11月号~2023.6月号連載 2023.11.7第1刷 図書館
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