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歩山録 の商品レビュー

3.5

15件のお客様レビュー

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2023/12/14

図書館の新刊コーナーで、手にした一冊。 何の情報も入れないまま読む。 山田という男の山歩きの本だとしか思わずに読みはじめたのだが… 山で出遭うものはある程度想像できるが、あまりにも奇想天外、予想などしていなかった展開。 何⁇何⁇の連続で…。 山田が異常なのか⁈などと思うほど。 奇...

図書館の新刊コーナーで、手にした一冊。 何の情報も入れないまま読む。 山田という男の山歩きの本だとしか思わずに読みはじめたのだが… 山で出遭うものはある程度想像できるが、あまりにも奇想天外、予想などしていなかった展開。 何⁇何⁇の連続で…。 山田が異常なのか⁈などと思うほど。 奇妙奇天烈というのはこういうことか、と。 ラストであぁ、、。

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2023/12/03

元テレビ東京の名物社員な著者の小説デビュー作。登山サバイバル活劇ということで代表作『ハイパーハードボイルドグルメリポート』の系譜かと思いきや、早々にテイストがガラッと変わって読者の足場がグラグラしてくる不条理劇。怪作『空気階段の料理天国』も感じもある。時にグロテスクですらある表現...

元テレビ東京の名物社員な著者の小説デビュー作。登山サバイバル活劇ということで代表作『ハイパーハードボイルドグルメリポート』の系譜かと思いきや、早々にテイストがガラッと変わって読者の足場がグラグラしてくる不条理劇。怪作『空気階段の料理天国』も感じもある。時にグロテスクですらある表現で生命を描写し、それと対比される形で死の香りも強く漂う。山という大自然を舞台にしながら「役割」を通した批評眼も面白い。 ※私は父をまさに山での遭難事故で亡くしているのですが、似た経験をお持ちの方には辛い描写があるかもしれません。

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2023/12/13

1124 貫太の宗教とマルチ商法 馬陸(ヤスデ)の蠢き 1127 少年と笛 ゴリラとピンクの髄液 1211 p.166 なるほど、希望というのは熱と同じで肉体によって生産されるのだなと山田は知った。 1213 p.173 その正しさとは一体誰の、何のための正しさだったのか。...

1124 貫太の宗教とマルチ商法 馬陸(ヤスデ)の蠢き 1127 少年と笛 ゴリラとピンクの髄液 1211 p.166 なるほど、希望というのは熱と同じで肉体によって生産されるのだなと山田は知った。 1213 p.173 その正しさとは一体誰の、何のための正しさだったのか。 p.198 中央線は東に進む。 車内は山田の他に、おばあさんが1人だけ。 長い座席の端に猫背で腰かけ、何を見るともなく視線を正面に向けている。

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2023/11/16

・登山小説としてはかなりリアルな描写で没入して読めた。 ・作者がこの作品を通して何が言いたくて何を表現したいのかが分からない。 ・一つの作品に色々なネタを詰め込み過ぎていてる。 ・200ページくらいの作品なのに最後まで読み切るのに相当疲れた。

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2023/11/14

素晴らしい小説は、そんじょそこらのビジネス書はもちろん、哲学書すら凌駕する「気づき」をくれるもの。 その意味で、この本は(そもそも小説なのか?という気すらするが)とことん素晴らしい。 主人公は、身体と知性と屁理屈をもって、とことん、ホントにとことん考え抜く。一方で、結論は保留す...

素晴らしい小説は、そんじょそこらのビジネス書はもちろん、哲学書すら凌駕する「気づき」をくれるもの。 その意味で、この本は(そもそも小説なのか?という気すらするが)とことん素晴らしい。 主人公は、身体と知性と屁理屈をもって、とことん、ホントにとことん考え抜く。一方で、結論は保留する。正解はコッチだと決めつけることなく、疑問符を抱きかかえたまま、主人公は歩く、歩き続ける。 登山の話のはずなんだけど、気づけば家族との暮らしや、仕事のこと、人生のことに想いを馳せる導線を、勘弁してくれ!っていうぐらい、引かれてしまう。 他にも色々言いたい魅力はあるけど、紙幅が足りない。例えば途中、「道とは何か」を問いかける箇所は社会学やジャーナリズムをゆさぶる力を持っていた。 登山の魅力のひとつは、とにもかくにも、歩き続けることで、身も心も変わっていくこと。その意味で、本書は登山の魅力の暴露本でもある。 きっと、作者は、山田であり、少年であり、博士であり、熊でありゴリラであったのだろうなと思う。 最後の最後、数日前のニュースが小説内に登場することにびっくりさせられる。この小説は、小説というパッケージに閉じていない。原稿を入稿して、刷りだすその直前まで、きっとこの本の物語は現実世界のドキュメンタルと接続されていた。そんなこともあってか、読後感は、今現在の自分に降り掛かってくる。 良い意味で、帯文には騙された。奇々怪々な謎めいた話の詰め物を食らうもんだと構えて読んだが、一度世界に入り込むとそこには、スーパーサイケデリックというよりも、スーパーヒューマニックな景色が広がっとった。 色々言ってしまったけど、とにかく素晴らしかった。 たっぷり生きよう。たっぷり感じよう。そう思いましたのです。

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