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この世をば(下) の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2024/08/29

道長と倫子の心模様の描写が面白い。それにしても内裏やお屋敷の火事が多すぎ! このころの支配層を支える資金源が中級貴族が受領として地方で溜め込んだ資産で、その任免権が権力の源というところが目から鱗。

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2024/08/05

折からの疫病により、上座にいた公卿が姿を消し、永遠のライバルであった伊周が失脚。 貴族社会の頂点に立った、道長。 娘・彰子、姸子、威子がそれぞれ、太皇太后、皇太后、中宮と、三后を独占し、父や兄が味わったことのない幸運を掴んだ絶頂の日に、 『この世をばわが世とぞ思う望月の虧けたる...

折からの疫病により、上座にいた公卿が姿を消し、永遠のライバルであった伊周が失脚。 貴族社会の頂点に立った、道長。 娘・彰子、姸子、威子がそれぞれ、太皇太后、皇太后、中宮と、三后を独占し、父や兄が味わったことのない幸運を掴んだ絶頂の日に、 『この世をばわが世とぞ思う望月の虧けたることもなしと思えば』と誦んだ道長。 その夜は十六夜。月はかけ始めていた。 まもなく、道長の前途も月と同じように欠け始めていく。

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2024/06/18

三男だった道長が大出世をした史実と やや傲慢にも思えるあの歌の存在で 栄華を極めた、計算高い男という印象だったが この物語の道長は、平凡児。 口癖は「ああ、何たること、何たること」だ。 それでも、野心は少なからずあり、成長しながら 確実に幸運をつかみ、それに甘んじることなく 場...

三男だった道長が大出世をした史実と やや傲慢にも思えるあの歌の存在で 栄華を極めた、計算高い男という印象だったが この物語の道長は、平凡児。 口癖は「ああ、何たること、何たること」だ。 それでも、野心は少なからずあり、成長しながら 確実に幸運をつかみ、それに甘んじることなく 場を見極め、理由をつけ政治家として生きた青年として描かれている。 大河ドラマの影響か、この時代を背景にした本をたくさん目にしたため購入したが、さすが永井路子さん。 歴史が好きなため、どんな人にも歴史に触れてほしいと分かりやすく書きたいという記事をどこかで読んだ通り、読みやすかった。 この本を読んだあとに、道長のあの歌を読むと また違った印象になりにんまりしてしまった 「この世をばわが世とぞ思ふ望月のかけたることもなしと思へば」

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2024/05/23

このころの政治って、権力を持つこと、権力を自分の子どもに受け継がせることに必死なのね。あれっ、今も同じ?

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2024/05/09
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古典を習い大鏡に面白さを見出す才女が描く王朝小説 タイトルになっている「この世をば 我が世とぞ思ふ  望月の 欠けたることも なしと思へば」でラストを 飾る構成、本書は上下巻の下巻・・・上巻は後日w 歌は、長女彰子(一条天皇)二女研子(三条天皇)四 女威子(後一条天皇)五女嬉子(春宮嬪=御朱雀天皇)と四女までの喜び(威子立后宣下)を宴で詠んだ歌 章毎に視線が変わるので若干の違和感があるものの、 史実を複眼的に別方向からとらまえていて面白い 永井路子先生の政治状況・人間関係から推測して描く 物語は、最近読み漁っている学者さんの論と差は無く 本当に史料に親しみ研究されていると頭が下がる

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2024/05/06

道長に華がないから読むのがモタモタした。 期待していた紫式部は倫子さまと侍女との間の噂話にしか出て来なくて…ちょっとガッカリ。

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2024/04/26

この時代は学校の歴史教科書からの道長、伊周ぐらいの知識だったので、そのまわりの登場人物や天皇との関係が理解できたのがよかったです。 摂関期のトップにのぼりつめた藤原道長ですが、この時代結局は多産で長命な家系の女性と結婚できたのがライバルに差をつけた最大のポイントかなあとおもいまし...

この時代は学校の歴史教科書からの道長、伊周ぐらいの知識だったので、そのまわりの登場人物や天皇との関係が理解できたのがよかったです。 摂関期のトップにのぼりつめた藤原道長ですが、この時代結局は多産で長命な家系の女性と結婚できたのがライバルに差をつけた最大のポイントかなあとおもいました。 京都の内裏周辺の限られた地域で登場人物もだいたい血縁、さぞかし心理的な軋轢や鬱屈も多かろうなあ、日記に毒吐きたくなるだろうなあ、という世界でした。

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2024/02/26

「この世をばわが世とぞ思ふ望月の〜」と有名な歌を残し栄華を極めた藤原道長の物語。平凡で気分の浮き沈みが顕著で容姿もパッとしないという人間味ある道長が描かれていた。姉の詮子をはじめ、妻の倫子、娘の彰子と女性も政治に与える力が大きかったのですね。女房や乳母も。この世のすべてを手に入れ...

「この世をばわが世とぞ思ふ望月の〜」と有名な歌を残し栄華を極めた藤原道長の物語。平凡で気分の浮き沈みが顕著で容姿もパッとしないという人間味ある道長が描かれていた。姉の詮子をはじめ、妻の倫子、娘の彰子と女性も政治に与える力が大きかったのですね。女房や乳母も。この世のすべてを手に入れたような道長ですが、どこか満たされずこの世に未練を残し生涯を閉じたようにも思えた。「井の中の蛙」の人なのかなとも。私の中の道長のイメージが変わりました。

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2024/02/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

平安時代は政争の時代と思っていたが、その通りの展開。武器を持って戦う描写はなくとも、めくるページめくるページに戦いの跡がある。その中でも栄華を勝ちとったのが、自らを平凡と称する本作の主人公なのも歴史小説の面白いところ。光る君へを見るにあたって読んでおくと、更に感情移入しやすくなるかも。

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2024/02/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大河ドラマの関連として読んだ 平安時代の本ははじめて読んだかとても面白かった 今も昔も人間は変わらないと思ったのと、道長は教科書上で学んだ人物像と違って、思いやりがあってどちらかというとのんびり屋で、プレイボーイでもないことがわかった また、もちろん男の子の孫ができたのが一族の繁栄に大きかったと思うがそれ以前に病気や伝染病にも罹らなかったのが、一番大きいのではなかったかと思う そういう意味で、健康、長生きが大事で、一つ前の大河ドラマの家康や、現代人にも共通して言えると思う

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