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この世をば(下) の商品レビュー

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2024/02/25

トップクラスの貴族は、天皇家へ自分の娘を輿入れさせて男の子を生ませ、次期天皇にするために画策するというお決まりのコースがあった平安時代。誰もがどっちが得になる?と右往左往な態度。天皇でさえ奥方の背後にいる親族へ気を使うわざるえない社会 気遣いができる道長が持つ(作者曰く)平衡感...

トップクラスの貴族は、天皇家へ自分の娘を輿入れさせて男の子を生ませ、次期天皇にするために画策するというお決まりのコースがあった平安時代。誰もがどっちが得になる?と右往左往な態度。天皇でさえ奥方の背後にいる親族へ気を使うわざるえない社会 気遣いができる道長が持つ(作者曰く)平衡感覚とそれを良しとする姉と妻と定期的に流行る疫病のおかげで道長の時代は長く続いた感 名前が覚えにくくて複雑に絡む関係性を理解するのが大変でした。武家との考え方の違いに驚きました。天皇家も貴族たちも異母兄弟だらけ。今京都奈良に住む人たち皆、天皇家の血を受け継いでるのでは??(笑) 面白い本でした。紫式部が顔を出すのはちょこっとです

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2024/02/18

下巻は望月の宴で終わる。 この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば 娘彰子を一条天皇に、二女研子を三条天皇に、四女威子を後一条天皇と結び、その威子立后宣下の宴の時の歌。しかしこの寛仁2年(1018)年10月16日ののち10年して道長は62才の生涯を終え...

下巻は望月の宴で終わる。 この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば 娘彰子を一条天皇に、二女研子を三条天皇に、四女威子を後一条天皇と結び、その威子立后宣下の宴の時の歌。しかしこの寛仁2年(1018)年10月16日ののち10年して道長は62才の生涯を終える。 道長は一条天皇とはうまくいっていたが、三条天皇とはあまりうまく意思疎通できなかった。この理由を永井氏は、一条天皇はその母で道長の姉の詮子がいて、さらに蔵人頭の行成が有能だったが、三条天皇とはその母后はすでに亡く、蔵人頭が無能だったから、としている。母后と能吏がこの時代の影の主役だという。 紫式部はほんの少しでてくる。道長が倫子と明子のほかにも女人がいて、式部の御簾の所に行ったと倫子が女官からその噂を聞いた、という形。またあの清少納言の仕えた定子の、香炉峯の雪の下りも出てくるが定子の親で道長の兄の道隆もそこらへんのやりとりのわかる文化人として描かれる。その後、定子は出家したあとで一条天皇の子供を二人も身籠り、と、へえそうだったのか、と事実なんではあるが知らなかったことが分かった。 1984.3.25発行(単行本) 図書館

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2023/12/18

この小説では、強運に恵まれながらも、苦悩する道長が描かれます。 当時の貴族達の苦悩が分かります。 決してきらびやかなだけではなかったようです。 来年の大河ドラマ「光る君へ」の予習にはもってこいの小説でした。

Posted byブクログ

2023/11/22

藤原道長という人は、沈着冷静で、尊大で、周りの人を見下していた、と思っていた。しかし、この作品の藤原道長は、すぐ弱音を吐いて、女房に尻を叩かれて、やっと世渡りしている、何とも情けない男である。やっぱり、古代から、「女性は太陽」なのだ。

Posted byブクログ