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煌夜祭 の商品レビュー

4.3

31件のお客様レビュー

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2024/05/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

語り部たちが紡いでいく、悲しい運命を背負った魔物と人々の話。 デビュー作とは思えない素晴らしい作品。 語りという手法が上手く使われている。 ただ、性別のぼかしが何人にもあることで、かなり混乱させられた。

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2024/04/08

表紙買いした初ファンタジーだったが、内容も素晴らしかった。 まるで自分が魔物なのではないかと思うくらい夢中になってしまった。 記憶力に自信の無い方は相関図などを書きながら読むのがおすすめ。 あとこれ2006年の作品なんですね…私とほぼ同い年でびっくりです

Posted byブクログ

2024/04/01

『レーエンデ国物語』の多崎礼さんのデビュー作です。 こちらの本は2006年に単行本が、2013年に書き下ろしの短編『遍歴』を収録した文庫本が刊行され、昨年新たに外伝『夜半を過ぎて 煌夜祭前夜』(2007年『C★N25』所収)が追加された決定版として単行本が刊行されました。 文...

『レーエンデ国物語』の多崎礼さんのデビュー作です。 こちらの本は2006年に単行本が、2013年に書き下ろしの短編『遍歴』を収録した文庫本が刊行され、昨年新たに外伝『夜半を過ぎて 煌夜祭前夜』(2007年『C★N25』所収)が追加された決定版として単行本が刊行されました。 文庫本の表紙もすごく好きでしたが、こちらもめちゃめちゃ素敵な装丁ですよね。 冬至の夜に催される煌夜祭…〈語り部〉たちが十八の島々を巡り集め、夜通し語り継がれる物語。それは人を喰らう恐ろしくも美しい魔物と人との誓いの物語だった…。 いやぁ〜もうねぇ、すごく良かったです。良かったしおもしろかったんですが、一度読んだだけではあまりにも複雑すぎて誰が誰なのか理解しきれず、結局メモを取りながら2巡してしまいました。すごいです。2巡目の最後の最後まで、えっ、あの人があの人だったの⁈と驚かされました。 つらくせつないお話なんですが、とても優しく美しく、愛おしい物語でした。 あとがきに「願いかなわず、道半ばで倒れたとしても、絶望だけでは終わらない。その夢は希望となって後世の人々へ受け継がれ、長い長い年月を経て実を結ぶ。無駄なことなど何もない。すべてのことには意味がある。そんな物語を、これからも書き続けていく所存です」とあり、まさに『煌夜祭』も『レーエンデ国物語』も希望が受け継がれていく物語ですよね。ぜひ多崎さんの他のお話も読みたいと思います。 ちなみに本の最後にはQRコードがあり、特設サイトで書き下ろし短編「ぼんくらな島主」を読むことができました。こちらも良かったです。

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2024/03/31

多崎さんのデビュー作品。 恐ろしくも美しい魔物と人との誓いの物語。 こんなファンタジーは初めて! 全体を通してもの悲しい雰囲気が漂っています。 己の無力さに対する苦悩・後悔、人間の暗い部分について描きながらも決して暗くなく、希望と決意を感じてスラスラ読める。 あっという間に世界...

多崎さんのデビュー作品。 恐ろしくも美しい魔物と人との誓いの物語。 こんなファンタジーは初めて! 全体を通してもの悲しい雰囲気が漂っています。 己の無力さに対する苦悩・後悔、人間の暗い部分について描きながらも決して暗くなく、希望と決意を感じてスラスラ読める。 あっという間に世界観に引き込まれ、ページをめくる手が止まりませんでした。 “魔物”がいて、歴史や人の思いを受け継いでいく“語り部”という特別な存在がいる世界。 語り部の「語り」で繋がっていく展開がとても新鮮でした。 語られる1つ1つの物語に新たな世界が広がっていて、読めば読むほど強く引き込まれどっぷりと世界観にハマっていく。 いろいろなことが繋がっていって大きな世界が見えたときは、何とも言えない気持ちになった。 新しい世界を夢見た王子。 魔物の存在理由を解き明かそうと生きた人。 彼らの軌跡を追いながら、とてつもなく長い時代を一緒に駆け抜けたような気分です。 静かで、悲しくて、強さと優しさを感じるストーリー。 今までに読んできたファンタジー作品とは、ひと味違った雰囲気で、クセになるおもしろさでした。

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2024/03/28

十八諸島では、年に一度、冬至の晩に、語り部たちが島々を巡り集めた物語を明かす日が訪れる。 ある島の廃墟では、焚き火を囲み、仮面をつけた語り部が二人。 夜を徹し、物語を紡いでいく。 この諸島では、厄災や波乱がある時期に、島主の血縁に魔物が産まれるという。 冬至の夜に人を食べ、日の...

十八諸島では、年に一度、冬至の晩に、語り部たちが島々を巡り集めた物語を明かす日が訪れる。 ある島の廃墟では、焚き火を囲み、仮面をつけた語り部が二人。 夜を徹し、物語を紡いでいく。 この諸島では、厄災や波乱がある時期に、島主の血縁に魔物が産まれるという。 冬至の夜に人を食べ、日の光を忌み嫌う存在は、恐れられ、なぜ魔物になるのか?という謎は深まるばかり。 語り部の二人が交互に話をしていくと、少しずつ十八島の小さな話から、壮大な話へと切り替わっていくのが面白い。 この二人は一体誰なのか? 十八島はどうなった? 島が海流によって動く世界観や文化、政治など、この世界の仕組みが少しずつわかってくると、 段々と深みが出てくるようだ。

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2024/03/21

静かで綺麗な物語。悲しく辛い場面もたくさんありますが、何度読んでも読了後は穏やかな優しい気持ちになります。

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2024/03/04

レーエンデ国物語でも思ったけれど、作者の物語の入り方、語りの始め方がすごく好きだ。これから始まる物語の世界にワクワクする。そしてこの作品、語り手の話を聞くスタイルなので、その語り始めがいっぱい出てくる。最高だ。 語り手の語る短い物語の間に、語り手同士の会話があるので、忙しくても...

レーエンデ国物語でも思ったけれど、作者の物語の入り方、語りの始め方がすごく好きだ。これから始まる物語の世界にワクワクする。そしてこの作品、語り手の話を聞くスタイルなので、その語り始めがいっぱい出てくる。最高だ。 語り手の語る短い物語の間に、語り手同士の会話があるので、忙しくてもちょこちょこ読めそう(といいつつ面白くて一気に読んでしまった人)。 短い物語それぞれが魅力的なのはもちろん、あとからあとから伏線回収されて繋がっていくのがたまらない。あぁー、あの時の。へぇー、まさかの!ってしんみりしたり驚かされたり。とにかく面白かった、そして無駄がない! 人それぞれに物語があって、それを受け継いでいく者がいる。大切な人、大好きな人のことを知りたいと思う気持ちに「愛」を感じた。総じて「愛」の物語だった。 だからこそ、この魔物の設定がせつないことせつないこと……。本編に追加された二篇、ここまで読んで完全版という作者の言葉通り、全部読めてよかった。 多崎さんの作品、『本の姫は謳う』の方も読みたくなってきた。4月にレーエンデの新作もあるのに! にわかだけど、すっかりファンです!

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2024/02/20

静かで、ものかなしい雰囲気に没入します。 特別な夜に語られていく短編の物語は、過去の出来事を知らせると同時に、現在の真実をも少しずつ明かしていきます。 一話終わるごとに余韻を感じさせ、思案せずにはいられません。

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2024/02/18

繋がっていく物語、最後まで読むと「魔物の姫俺はあなたを救えただろうか?」と言うキャッチコピーのその答えが分かります。是非、読んでほしいです。 気付いたら物語に惹き込まれていました。 とにかく、切なくも優しい物語。 再読すると違った視点から読み進められる作品だと思います、

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2024/02/17

語り部と呼ばれる人たちが、冬至の日に語る物語。 読み進めていくうちに、一つひとつのパーツがはまって、気がついたら、大きな物語の中に居ました。 多崎先生のデビュー作。Xで毎年冬至の日に行われているイベントも覗いていますが、先生の作風の原点は、ここにあるのだと感じます。 レーエン...

語り部と呼ばれる人たちが、冬至の日に語る物語。 読み進めていくうちに、一つひとつのパーツがはまって、気がついたら、大きな物語の中に居ました。 多崎先生のデビュー作。Xで毎年冬至の日に行われているイベントも覗いていますが、先生の作風の原点は、ここにあるのだと感じます。 レーエンデは、ページ数が多くて、少し敷居が高い。そう感じておられるかたに、是非ともおすすめしたいです。

Posted byブクログ