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黒い絵 の商品レビュー

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106件のお客様レビュー

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2023/11/15

著者の本を初めて読んだ。アートを絡めて生々しい欲望を描いた暗く重たい内容で、中でも、「オフィーリア」は特に印象的だった。ノワール小説ということで覚悟して読み進めたが、短編集なのであっという間に読了しその後はそこまで暗い気持ちが引きずられなかったのが絶妙だった。

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2023/11/10

マハさん初のノワール小説! 最初から、なかなかの性描写が!!! ほっこりマハさん好きな方は、とーっても驚かれると思います。 マハさんの『異邦人』が好きな人はハマるのでは?ちなみにわたしは、マハさんの『異邦人』が纏う妖艶な雰囲気が大好きなので、嫌悪感など抱かずにするすると読めちゃい...

マハさん初のノワール小説! 最初から、なかなかの性描写が!!! ほっこりマハさん好きな方は、とーっても驚かれると思います。 マハさんの『異邦人』が好きな人はハマるのでは?ちなみにわたしは、マハさんの『異邦人』が纏う妖艶な雰囲気が大好きなので、嫌悪感など抱かずにするすると読めちゃいました。 アート関連の『キアーラ』と『オフィーリア』がよかったかな。 やっぱりアート関連の方は、実際の絵とかエピソードとか調べちゃいますね。 おかげで読後は知識が増えて、お得な気持ちになります。

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2023/11/10

原田マハさん初のノワール小説集。 今まで小説とは系統が異なり、かなり生々しかったが、一つの「芸術」「アート」と思えるような作品ではあった。

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2023/11/08

秘密基地のようで、または官能的で、でも実際にありそうな禁断の書。最高でした。読んではいけないような気がしたけれど、思いっきり封印を解いて「黒い絵」のマハさんを堪能しました。6編全てにおいて、マハさんが四方八方にかっ飛ばしたボールを拾いに行くのが大変で、でも楽しくて面白くて夢中でし...

秘密基地のようで、または官能的で、でも実際にありそうな禁断の書。最高でした。読んではいけないような気がしたけれど、思いっきり封印を解いて「黒い絵」のマハさんを堪能しました。6編全てにおいて、マハさんが四方八方にかっ飛ばしたボールを拾いに行くのが大変で、でも楽しくて面白くて夢中でした。楽園の破片とオフィーリアが特に好き。 ・深海魚 ゾッとした。禁断の恋から始まった海の底という名の秘密基地からの、まさかの一変。感情って人をややこしくする。もちろん素敵な気持ちにもなるけれど。 ・楽園の破片 ゴーギャンの作品の題名がこんな風に登場するとは...!!楽園とは決して手に入らないもの。楽園に似たもの、あるいはその破片を生涯大切にして、憧れ続ける運命だと。いいなぁ響子。と思った矢先、これまた最後の一文で、響子の今後がどうなったのかをたくさん考えさせられた。  ・指 仏像を見たら、絶対このお話を思い出すだろうな...間違いなく。仏像の指と、先生の指がこうやっ話の内容として繋がることが凄い。最後のページでまたしても、予想してなかったことが起きて、マハさんにいい意味で振り回された! ・キアーラ これぞアートのマハさん。ここには禁じられた遊びがふたつ出てくる。それを知った時には、もう想定外で....言葉を失いました。フランチェスコとキアーラを早く一緒にしてあげて....。 修復師の使命や心得を知れて勉強になった! ・オフィーリア 私たちが絵画を見る、ではなくて、絵画が私たちを見る。うーん、思わず唸ってしまう。そして私は芥川が昔から好きなので、もう文章ひとつひとつにうっとりしてしまう。地獄変を読もう。アートも小説も、永遠を生きるものであり、私もそんな中に誰かを閉じ込めて永遠の命を吹き込みたい ・向日葵奇譚 舞台で山埜祥哉という天才役者が、ひとりの人間としてのゴッホを演じる話。脚本家の主人公の塚本と、山埜が見たものは何だったのか...これからのふたりの関係が気になってしまう。

Posted byブクログ

2023/11/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「リボルバー」から約2年半、マハさんの最新作の小説です♪ (私個人としては30作品(31冊)目の読了) ってか、マ・ハ・さん... キャ━━━(艸///Д///il!)━━━ァァ!!! 6編からなる短編集ですが、のっけから...(/// ^///) 29作品目となる「キネマの神様」を読み終えたのが昨夜、ギリセーフではありましたが、危うく泣かされるところでした。 その前には「暗幕のゲルニカ」「楽園のカンヴァス」これぞ原田マハ!!って作品を立て続けに読み終えたが故にギャップが凄すぎる^^; 「アートの暗部を炙り出す、禁断の小説集」 「ついに封印が解かれた、著者初の「ノワール」小説集」 まさにマハさんの「禁断の書」。 う~ん...これから手にするマハさんファンの為に、あまり内容にはふれない方がいいのかも。 でも、でも...( ´ノω`)コッソリ...〇〇や〇〇で、ちょっとエロくてダークなんです。 これ以上は( *・×・*)クチチャック!! ついに封印を解かれたのは、著者初の「ノワール小説集」。嗜虐と背徳によって黒く塗りこめられた、全6作品を収録する衝撃作! 深海魚 Secret Sanctuary 高校生の真央は友だちも彼氏もいないうえ、クラスメイトからいじめられていた。そんな真央が安息を得られるのは押入れの中だけだった。真っ暗にすると「海の底」のようで……。 楽園の破片 A Piece of Paradise ニューヨーク発の急行列車は遅れていた。ボストン美術館での講演会でスピーチをする予定の響子は焦る。もうひとりの話者のレイとは7年間の不倫関係を清算したばかりだった。 指 Touch 私は私大の日本美術史博士課程の2年生。家庭を持つ彼の研究室で助手をしている。ある週末に奈良の室生寺を訪れ、ずっと手をつないでいる私たちは、どう見ても不倫カップルだ。 キアーラ Chiara アッシジには10年ぶりの再訪だった。亜季は文化財の修復科のある芸術大学を休学して20歳で渡伊し、長年フレスコ画修復の修業をしていたところ、中部の大地震に見舞われ……。 オフィーリア Ophelia わたくしは絵の中の囚われ人。水に浸ってあとひと息で命が絶えるその瞬間を、生き続けています。ロンドンから日本へ連れて来られたわたくしが目撃した、残虐な復讐とは…。 向日葵(ひまわり)奇譚 Strange Sunflower 超売れっ子の役者・山埜祥哉の舞台の脚本を書きたくて、脚本家の私は、ゴッホが主人公の脚本を完成させる。が、脚本が仕上がった直後に、ゴッホらしき人物の奇妙な写真を入手して……。 著者について 原田 マハ 1962 年東京都生まれ。関西学院大学文学部日本文学科、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。伊藤忠商事株式会社、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館勤務を経て、2002年フリーのキュレーター、カルチャーライターとなる。’05年『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し、’06年作家デビュー。’12年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞を受賞。’17年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞を受賞。ほかの著作に『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『たゆたえども沈まず』など多数。’19年、世界遺産・清水寺で開催された展覧会「CONTACT」の総合ディレクターを務めるなど、日本・世界各地のアートと美術館の支援を続けている。

Posted byブクログ

2023/10/15

6篇収録の短篇集。それぞれが独立した作品で連作ではない。ないのだが……。マハさんの著作が好きで20冊以上読んでいるが、これは初めて出会うタイプの作品群だ。著者初の「ノワール小説集」とある。 マハさんといえば「アート」が欠かせない要素だ。本書に収録されている短篇もアートが絡んでいる...

6篇収録の短篇集。それぞれが独立した作品で連作ではない。ないのだが……。マハさんの著作が好きで20冊以上読んでいるが、これは初めて出会うタイプの作品群だ。著者初の「ノワール小説集」とある。 マハさんといえば「アート」が欠かせない要素だ。本書に収録されている短篇もアートが絡んでいるが、主題はアートではない。どろどろの欲と野望が、淫靡に、グロテスクに、おぞましく描かれている。これまでのファンがどう反応するか興味深い。 ぼく自身は微に入り細を穿つ性描写に辟易としながらも、おっさんの強みで淡々と読み進めた。どれもおもしろかったが、一番好きなのは向日葵(ひまわり)奇譚だ。ベタだが(笑)。 NetGalleyにて読了。

Posted byブクログ