代理母、はじめました の商品レビュー
舞台は近未来日本。作者にしては、珍しい舞台設定である。しかし、そこにはそれなりの意味があるのは、あとになって分かる。富士山噴火により、東京は火山灰に埋もれ、山梨に遷都。富裕層は東京を離れ、東京は貧民層があつまる街へと変貌。上空には、ドローンタクシー。外国人が数多く日本国内に流入し...
舞台は近未来日本。作者にしては、珍しい舞台設定である。しかし、そこにはそれなりの意味があるのは、あとになって分かる。富士山噴火により、東京は火山灰に埋もれ、山梨に遷都。富裕層は東京を離れ、東京は貧民層があつまる街へと変貌。上空には、ドローンタクシー。外国人が数多く日本国内に流入し、相変わらず少子化社会。そこで、本タイトルの「代理母」のストーリーが展開していくことになる。巻末には、格差社会や婚活で有名な家族社会学者の山田昌弘氏による解説。
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少子高齢社会の近未来が見えたように思います。貧困や自然現象により格差社会が進んだ世界、人種や性別などより多くを考えさせられました。 その中でも、前を向いて生きる主人公や周りの人達の逞しさが見えて、活力をもらいました。
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作品の感想というよりは、それを受けての「私のブログ」かも 不妊治療の渦中にいる私には気持ちが揺さぶられすぎるお話だった。 ずっと「男はいいよなぁ、(肉体的にも社会的にも)大きな負担なく子供が持てるもん」と思っていた。で、その気持ちに対して「でも、男は生まれた子供が確実に自分の...
作品の感想というよりは、それを受けての「私のブログ」かも 不妊治療の渦中にいる私には気持ちが揺さぶられすぎるお話だった。 ずっと「男はいいよなぁ、(肉体的にも社会的にも)大きな負担なく子供が持てるもん」と思っていた。で、その気持ちに対して「でも、男は生まれた子供が確実に自分の子供という確証は普通はなく(DNA検査等しないかぎり)、そのなかで子育てしなくちゃならないから…」というところで、なんだか性格悪い感じだけど、自分のなかで折り合いをつけていた。 で、いざ不妊治療となったときに夫の名前が記された容器に入った精子を見て、上記の気持ちが打ち砕かれたというか。もちろん夫のことが嫌いになったとかではないけど、その「夫の名前が記された容器に入った精子」という異物を体内に入れるのに非常に抵抗を感じた。(もちろん言動には出さなかったけど) なんで女しか子供は産めないんだろう、 なんで人間の妊娠・出産というのは肉体的にも社会的にもこんなに大変なんだろう、 と色んな気持ちがまぜこぜになってしまった。 同じような気持ちのはてに、自分自信の妊娠出産は諦めて、里親制度を利用することにしたと言った知人がいたな。なんの皮肉か彼女は産婦人科医だった。 私もその話を聞いて里親についても検討もしたけれど、「自分と血の繋がった」子供がほしいという我儘を諦められない。 ………だから、もし代理母というシステムがあったら私は利用してしまうかもしれない。 とんでもなく利己的な理由で。 さてこの作品、代理母のシステムを提供または利用する、色んな人が出てくるわけですが… 自身のキャリアを優先しつつ、自分と血が繋がった子供を持つことができる状況にたどりつけた美佐を、こんな状況の私は心底うらやましいと思った。 あともし、未婚で子供を持つことが全くタブー視されていない世の中だったら私は結婚していただろうか。……していなかった、ような気がする、たぶん、いや分からんけど。 垣谷美雨の作品は、前半は露悪的な感じでストーリーが進むので読んでいて、イライラしたり心がしんどくなる。ラストがハッピーエンドってわかっているから読める、って感じ。 今回も、まさしくそういう流れです。 さらに言えば、垣谷作品は「少しうまくいきすぎじゃ?、いやでも絶対に無理をは言いきれないか」というような着地をする。 今作もまさにそんな感じ。 ユキちゃんが代理母をする流れになったことの、問題は男尊女卑…もあるだろうけど、もっとも大きな要因は義父からの虐待なのでは。 LGBTQ+、搾取子、格差社会、男女差別(じつは簡単に「男尊女卑」といえる話でもないと思う)、女性のキャリア形成(妊娠出産により閉ざされるとか、医学部受験の女子差別とか)、ヤングケアラー、子を持つとなった場合の男性の存在・立場 めっちゃ色々詰め込んでくるやん! 1つ1つが、それだけで1冊の本になりそうなトピックスでもあるし、もう少し長いお話としてじっくり読みたかった。 飛躍しすぎ、かもしれないけれど……代理母と依頼主との関わりかたに、妊娠出産する女とそれが出来ない男の関係の一部を見たような気もする。
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代理母出産は身近なものではなかったので今までぼんやりとしか分からなかったけど、これを読んで理解した。
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いつもの垣谷さんの作品は、現代の様々な社会問題をユーモアを交えて物語にしてくれますが、本書は課題を題材にすれどもあまりユーモアはなかった。 けれど、自分が知らなかっただけで、このような事は現実に存在するだろうし、今後ますます増えて行くんだろうなと勉強させてもらった。 最初は暗い話...
いつもの垣谷さんの作品は、現代の様々な社会問題をユーモアを交えて物語にしてくれますが、本書は課題を題材にすれどもあまりユーモアはなかった。 けれど、自分が知らなかっただけで、このような事は現実に存在するだろうし、今後ますます増えて行くんだろうなと勉強させてもらった。 最初は暗い話で読み進めるのが辛かったけど、だんだん好転していき、最後にはみんなが幸せになる。 後半はページをめくる手が抑えられませんでした。
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超面白くて1日で読み切ってしまった!近未来の経済格差が広がった日本で、未成年のユキは義父に代理母にされてしまう。生活に困ったユキは、その経験を活かして、代理母も育ての家族もどちらも幸せになれる代理母エージェントを立ち上げる。代理母を希望するもの、依頼人の方、それぞれがいろんな事情...
超面白くて1日で読み切ってしまった!近未来の経済格差が広がった日本で、未成年のユキは義父に代理母にされてしまう。生活に困ったユキは、その経験を活かして、代理母も育ての家族もどちらも幸せになれる代理母エージェントを立ち上げる。代理母を希望するもの、依頼人の方、それぞれがいろんな事情を持っている。不妊治療の末、売春目的、子どもがいれば一人前という考え方を信じている人、妊娠・出産期間にキャリアを失うのが怖い女性、独身でも子供を持ちたい人、LGBT等。 中絶のやり方に疑問を抱いた女医が相次いで辞められた院長先生の変わりっぷりも面白かった。掻爬手術は本当に体への負担が大きいのに、なぜいまだに行われているのか、著者の怒りがこもっているように思った。 最初に反旗を翻した芽衣子先生、転職先の静子先生のやり方には納得。晩婚化やLGBTQ+法整備の進む日本で、これから代理母が認められていくために大切なことがギュッと凝縮されているような一冊だった。 p.247 代理母たちは苦労して生きてきた分、若くても老成しているのかと思っていたら、そんな女はほとんどいなかった。その一方、依頼人の女たちは学校や会社の中で揉まれてきたからか、社会性があり大人だった。
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タイトルと裏表紙のあらすじで衝動買い。垣谷美雨さんの本はたぶん3冊目だけど、時代?が未来のお話というのが初めての設定だった。 時代以外の代理母のストーリーはあまり違和感なく読めたけど、どんな結末になるか予想ができなくて、最後に話が動いた時には驚いて一気に読んだ。 また違う本も読み...
タイトルと裏表紙のあらすじで衝動買い。垣谷美雨さんの本はたぶん3冊目だけど、時代?が未来のお話というのが初めての設定だった。 時代以外の代理母のストーリーはあまり違和感なく読めたけど、どんな結末になるか予想ができなくて、最後に話が動いた時には驚いて一気に読んだ。 また違う本も読みたいです。
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これまでの垣谷先生の作品に比べると、設定が分かりにくく、没入出来なかった。LGBTQ+問題に注力し過ぎでは。
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垣谷さんの作品が好きなので何冊も読んでいますが、 今回も日本の現代社会が抱えている少子化、貧困、 妊娠・出産にまつわる課題そしてそれを取り巻く社会問題を 取り上げていき、そして代理母のビジネスというタブーに切り込んだ作品ということだけあってフィクションの世界であっても かなり近未...
垣谷さんの作品が好きなので何冊も読んでいますが、 今回も日本の現代社会が抱えている少子化、貧困、 妊娠・出産にまつわる課題そしてそれを取り巻く社会問題を 取り上げていき、そして代理母のビジネスというタブーに切り込んだ作品ということだけあってフィクションの世界であっても かなり近未来に近いような世界の中で描かれていたように感じられとてもリアル感がありました。 代理母がテーマとなっている内容ですが、 少し男性の倫理観が行きすぎた部分も見られましたが、 実際にはこのような経験をした女性も少なからずは実存すると思いながら読むことも出来ました。 これくらい究極な部分で描かないと出産ということは 女性にとって一大事で人生そのものを左右する事柄だと思います。 今や出産や子育ては女性だけの問題だけでなく、 結婚という問題も含み、ジェンダー、LGBTQ、貧困、難民などの 様々な問題も絡みあっているので十人十色の考え方があって良いのだと思いました。 けれど実際に個々のことを解決しようと思っていても、 日本の法律や医療制度がそれに追いついていかず諸外国からも置いてけぼり状態となっているので問題解決はこれから大変なことだと思いました。 代理母の問題にしても代理母のメリットやデメリット、 医療の危険性などと大まかなことは知っているつもりでしたが、 この作品で詳細なことも触れて知ることが出来て良かったです。 代理出産を認めるとかそうゆう問題よりも その前に医療制度、結婚制度などその他にもまだ問題を 解決する部分が往々にあるようにも思えました、 そしてこれらの問題を整えていくと同時に代理母のことも 交えて進めていくのが良いのかなとも思えました。 一長一短には出来ないことだと思いますが、 まずは生身の人間がいるということが前提で進めていき、 悲しい思いをする方が増えないような社会作りになって欲しいと思いました。 垣谷さんの作品にしては珍しくラストが清々しい読了感とまでは いかなかったですが、難しいテーマを題材として取り上げて 主人公だけでなく、読者の皆さんにも問題提起されて いて良い作品だと思いました。 果たして遠い将来の日本はどうなっているのでしょうか?と思ってしまう作品でした。
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政治家に読んで欲しい! 本当にこんな世界が近い将来訪れる気がしてならない。とてもリアルなストーリーだった。 日本の少子化対策、もっと国民や若者、子供が欲しい人たちに寄り添ったものになることを願います。 自分たちの利益ばかりに目が眩む政治家がいなくなることを願います。
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