1,800円以上の注文で送料無料

日本企業はなぜ「強み」を捨てるのか の商品レビュー

3.9

23件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2025/12/31

日本の経営技術は素晴らしいのに、それを抽象化してコンセプト化する能力に優れていなかったために、日本の経営技術をはじめ世界中の経営技術を取り入れて抽象化しコンセプト化してそれを輸出するアメリカの後塵を拝し、実は自分達が発祥である経営技術コンセプトをアメリカ発のものとしてありがたく逆...

日本の経営技術は素晴らしいのに、それを抽象化してコンセプト化する能力に優れていなかったために、日本の経営技術をはじめ世界中の経営技術を取り入れて抽象化しコンセプト化してそれを輸出するアメリカの後塵を拝し、実は自分達が発祥である経営技術コンセプトをアメリカ発のものとしてありがたく逆輸入し、それによって手慣れた経営実践を手放して敢えてアメリカ発の(実は自分達がやってきたことを少し整えただけの)慣れない方法論を取り入れて業績が悪化するという弊害が生じているという。 著者は、日本の経営現場の個々の人は論理的思考力において優秀だが、組織として抽象的な議論を好まない風潮がよくないと指摘する。重要な指摘だろう。確かに、経営の現場での議論はすぐに「で、それは具体的にどうやって解決に繋がるのか」という具体的な成果が求められる傾向にあると思う。 これを抽象的な議論として昇華させ、それによって現場での文脈依存を断ち切った第三者による反証も可能な理論としてブラッシュアップし、科学的な検証を加えて新たなアイデアとの融合や知識の蓄積を付加したうえで再度現場にフィードバックすることで得られる効果は大きいと著者は言う。 著者の試す、「Kaizen」のコンセプト化は、カイゼンをイノベーションの連鎖であるとみて、アイデアと資源が組織内で遍在し潜在している中でそれをどう出会わせて集約して小規模なカイゼンから大規模なイノベーションまでをバランス良く起こすかを解き明かそうとするものであり、極めて興味深い。 最後に著者による経営の定義として、「価値創造の主役は人間であり、価値創造の障害を取り除くのが経営である」という主張は、経営の本質を突いていると感じた。 星4つ!

Posted byブクログ

2025/08/11

日本の弱みと強みを分析し、勝ち筋を提示する希望の書。 文章は平易で読みやすく、近年日本が負け続けてきた理由も、再び勝ちうることもストンと腑に落ちる。 特筆すべきは「言いっぱなし」ではなく、著者自らの実践例が示されていることで、これでこそ研究者だと感動した。 理論と実践を兼ね備えた...

日本の弱みと強みを分析し、勝ち筋を提示する希望の書。 文章は平易で読みやすく、近年日本が負け続けてきた理由も、再び勝ちうることもストンと腑に落ちる。 特筆すべきは「言いっぱなし」ではなく、著者自らの実践例が示されていることで、これでこそ研究者だと感動した。 理論と実践を兼ね備えた岩尾氏の活動を追いかけてみようと思う。

Posted byブクログ

2025/06/14

日本式経営について書いた一冊。 海外企業が日本のカンバン方式を取り入れたことで成長したと書かれているが、カンバン方式の本質は下請けいじめだと認識している自分にとってはあまりピンとこなかった。

Posted byブクログ

2025/04/10

現状分析に関しては共感できるところが多い。 例えば、テーマの骨子であるコンセプト化の弱さについては、他のジャンルにおいても類似の指摘を見ることができる。IT産業においては、各社のプロセスが独自的でシステムの方をそれに合わせることが産業化してしまい、標準化をすることで各社のプロセス...

現状分析に関しては共感できるところが多い。 例えば、テーマの骨子であるコンセプト化の弱さについては、他のジャンルにおいても類似の指摘を見ることができる。IT産業においては、各社のプロセスが独自的でシステムの方をそれに合わせることが産業化してしまい、標準化をすることで各社のプロセスの方を効率化し、システムの方をグローバルに売り込むということができなくなっていることが指摘されていたし、コンテンツ産業においては日本では職人性のある天才がもてはやされる一方で、ハリウッドではそういった人たちを分析し、教育パッケージとして確立することで、ベターなコンテンツ大量に生み出して産業として勝つことができているということが指摘されていることを想起させられた。 本書では、また、日本の経営技術を信じる力で負けていると言う指摘があるが、これについてもNHK 100分de名著ナショナリズムの回で触れられていた、敗戦とバブル以降の停滞を経て、日本人は自分たちに自信を持つと言うことをできなくなってしまっているのではないかという指摘を思い出した。 本書は啓蒙の色が強く、この課題について具体的にどうする?と言う話は、そこまで語られていないが筆者の言うように日本が自信を取り戻し、経営の世界においてもリードできる存在になって行けたらいいと思う。

Posted byブクログ

2025/03/31

・参考図書指定科目:「ゼミナール 除村」 <OPAC> https://opac.jp.net/Opac/NZ07RHV2FVFkRq0-73eaBwfieml/NUB3pS1zf93Mbiw6hV1HGvoEFgm/description.html

Posted byブクログ

2026/03/31

・参考図書指定科目:「ゼミナール 除村」 <OPAC> https://opac.jp.net/Opac/NZ07RHV2FVFkRq0-73eaBwfieml/NUB3pS1zf93Mbiw6hV1HGvoEFgm/description.html

Posted byブクログ

2024/12/31

著者の「世界は経営でできている」を先に読んだこともあり学術的な要素が強い本書は新書としてはやや難しく感じた。「価値創造の民主化」という一貫したメッセージは理解ができることと、アカデミックな立場から著者自身がこの問題に取り組むとの姿勢も非常に好感が持てる

Posted byブクログ

2024/10/31

興味深い内容だった。日本企業が強みを捨て負けていった様相が筆者の目線で描かれており頷ける部分も多い。特に「日本は経営技術のコンセプト化に負けてきた」という箇所が印象的だった。日本の経営技術は決して負けているのではなく、むしろ勝っているはずなのに経営とは本質的に違うところをうまくや...

興味深い内容だった。日本企業が強みを捨て負けていった様相が筆者の目線で描かれており頷ける部分も多い。特に「日本は経営技術のコンセプト化に負けてきた」という箇所が印象的だった。日本の経営技術は決して負けているのではなく、むしろ勝っているはずなのに経営とは本質的に違うところをうまくやれずに経営が負けたとされているのが、歯痒くも本質を突いている。

Posted byブクログ

2024/07/21

東大初の経営学博士、慶応で教授を務める経営学者による日本企業への熱い思いがこもった1冊。 最近英語が使えないと死ぬ環境に移行してしまったので、正直あまり読書の時間を取る余裕はないんですが、内容的に読んでおいた方が良い1冊だなと思って読了。新書だし読みやすかったです。 本著の主張...

東大初の経営学博士、慶応で教授を務める経営学者による日本企業への熱い思いがこもった1冊。 最近英語が使えないと死ぬ環境に移行してしまったので、正直あまり読書の時間を取る余裕はないんですが、内容的に読んでおいた方が良い1冊だなと思って読了。新書だし読みやすかったです。 本著の主張である「日本企業は、強み(=自らが元々持っていた経営技術)を捨て、弱み(=日本企業のノウハウを元に欧米で体系化された経営技術)を取り入れているのではないか」というのは、肯けるような感もありました。 個人的に想起したのは、(↑にバシッとハマるかと言うと微妙ですが)最近流行りの人的資本経営です。 ISOはヨーロッパで形作られ、ジョブ型の雇用制度の中で人材により良く能力を発揮してもらうか、というのが根本思想なように思えます。ただコレって、メンバーシップ型の日本的雇用制度が得ていたような連帯感だったりエンゲージメントだったりを、ある程度ジョブ型でも得るためにはどうするか?というのが前提にあるようにも思え…日本企業が鵜呑みにしちゃって大丈夫なのか?と思ってしまいました。 しかし、読んでいて悩ましいなと感じたところも。 本著の論に沿っていくのであれば、文脈依存型の日本企業は「ウチの例は特殊ですから」的な言い訳を止めて、経営技術を抽象化してコンセプト化し、輸出できるようにしようね!というコトだと私は理解したのですが…、そのしんどーい抽象化、日本企業はペイするのか?とも同時に思ってしまいました。 その企業自体は当該経営技術で既にベネフィットを得た後なので、抽象化の時間は純粋な持ち出しになるのでは。もちろん、外部から経営者を招聘したりもする時代ですし、ベテランの技術の継承が課題ともなっている中なので、全く無駄にはならないと思うのですが、経営学者さん側のベネフィットが訴えられているようにも思ってしまいました。 同じ著者の『世界は経営でできている』を読んだ際にも感じたのですが、読了した上で、企業人として何ができるのか?に関しては明確な結論が出ないように感じました。 著者が解き明かした図式自体は良く理解でき、興味深く読ませていただいたものの、経営学の世界内か、あるとしてコンサル会社までが範囲内なように感じてしまったのがちょっと残念でした。

Posted byブクログ

2024/06/13

つまらん。眠くなるのを我慢して最後まで読んでみたが、取り扱う主題がどうでもいい内容で、そう言う話は経営学者の仲間内でやってよ、って感じ。しきりに『産官学の連携で』と言うが、そもそも経営技術のコンセプト化は『学』の責任領域じゃないの。自分たちの怠慢と無能を棚に上げてコンセプト化で日...

つまらん。眠くなるのを我慢して最後まで読んでみたが、取り扱う主題がどうでもいい内容で、そう言う話は経営学者の仲間内でやってよ、って感じ。しきりに『産官学の連携で』と言うが、そもそも経営技術のコンセプト化は『学』の責任領域じゃないの。自分たちの怠慢と無能を棚に上げてコンセプト化で日本が負けたと言うのは聞き捨てならない。『日本が』じゃなくて『日本の経営学者が』でしょ。企業に自社の経営技術を抽象化して世界に発信するインセンティブはないよ。 これを読んでいて何故日本人がノーベル経済学賞を取れないのか、わかった気がする。日本の経済学者の研究のスケールが、物理学などの自然科学者に比べてあまりにも小さいのだ。 そもそもタイトルがいかがわしい。この本に日本企業が強みを捨てた事例は一例も出てこない。勝手に頭の中で妄想を膨らませておいて、なぜもヘッタクレもあるか!

Posted byブクログ