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近代美学入門 の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2024/11/26

「ピクチャレスク」の概念について論じた第5章は、現代の「映え」ブームを考える上で、とても面白い読み物になっている。また、「崇高」という概念が含む様々な意味合いに興味をそそられた。読者の立場に配慮した懇切丁寧な構成もありがたい。良書である。

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2024/11/22

以前『美学への招待』を途中まで読み挫折してしまったが、こちらは読みやすかった。巻末の読書案内も興味ごとに紹介されており、次の段階への足掛かりも用意されている親切設計。 ただ、冒頭で筆者がことわっているように西洋に重きを置いているため、より広く知るには他にも読む必要は出てくる内容。

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2024/11/04

「芸術」という概念が古代からどういう変遷で現代に至るかを分かりやすく解説している本。 どの章も面白かったが、個人的には4章の「崇高」と5章の「ピクチャレスク」が特に興味深く感じた。分かりやすく読みやすい文章でスルスルと読めて読み終わるのが寂しくなるような一冊でした。

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2024/08/20

初めて美学に関する本を読んだ。研究者らしい簡潔な文章で書かれていて読みやすい。崇高やピクチャレスクなど抽象的な概念について、具体的な絵画を引用し、わかりやすく説明している。他の美学の本も読んでみたい。

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2024/07/11

 この本を読んで、美しいものに対峙した時の語彙が増えたと思う。 美、崇高、ピクチャレスク。これらの概念を整理し、さらに現代の美が近代ヨーロッパの基準に沿って作られていることも明らかになって、そこを強く意識できるようになった。  美はそれだけで賞賛すべきか?  「人種的な美しさ」と...

 この本を読んで、美しいものに対峙した時の語彙が増えたと思う。 美、崇高、ピクチャレスク。これらの概念を整理し、さらに現代の美が近代ヨーロッパの基準に沿って作られていることも明らかになって、そこを強く意識できるようになった。  美はそれだけで賞賛すべきか?  「人種的な美しさ」という回答に沿って我々は美容をしていないか?  また、自分の美に対する考え方が、客観的美の立場であること、さらに言えば、「幾何学の神」であることがわかった。ならば、積極的に主観的美の立場を取り込んでいきたい。  この本を読んで覚えていることは、美、崇高、ピクチャレスクを意識すること。そして、芸術という単語は近世のものであること。最後に、芸術は300年前ほどから、常に「天才」という概念によって支えられていること。神にも等しい創造主になれることに熱い情熱を燃やした人間が、近世以降に見られた特徴で、逆に言えばそれまでは重視されていなかったことが、驚きのようである。  

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2024/05/06

「美しい」とは何かを歴史的に解説した本。絵画に興味が出てきて読んでみた。 価値観の変遷を辿るのは面白いが、学問にすると途端につまらなくなるな。

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2024/04/23

最初の数ページにカラーの絵画などが掲載されているのが視覚的に面白かった。本の内容と関係している絵である。崇高などの美学に関する言葉の細かい説明が書いてある。主に現代の芸術に対する問題提起があってよかった。

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2024/02/25

巷で話題の図書。美術や芸術という言葉にアレルギーがある私でしたが、「美学」は哲学的な学問だと冒頭での説明に急に親近感。 近代西洋における美学の概論という内容で、各テーマごとに起源、成り立ち、現代における捉え方と丁寧に解説してくれており、初学者としてとてもとっつきやすい構成となっ...

巷で話題の図書。美術や芸術という言葉にアレルギーがある私でしたが、「美学」は哲学的な学問だと冒頭での説明に急に親近感。 近代西洋における美学の概論という内容で、各テーマごとに起源、成り立ち、現代における捉え方と丁寧に解説してくれており、初学者としてとてもとっつきやすい構成となっている。 前半は古代、中世、近代と芸術や芸術家、美の意味することが異なっており、一部にはそれらの概念が17-18世紀ごろの近代までなかったという驚き。現代の私たちが当たり前と思っている感覚の成り立ちにおける趨勢を体感できる。 特に感じ入った点。カントの「判断力批判」を引き合いに出し、個人的に疑問に感じていた美的感覚は個人的な感覚なのに、他人と共通で美しいと感じる作品やもの、風景があるのはどいうゆうことかな?という問いに一応の答えが与えられたことがよかったかな。(美は主観的であるにもかかわらず、普遍妥当性を要求するもの。)でもなんで味覚との対比で美が普遍性を要求するという位置付けなんだろう?美味しいものも他人と共有したい気持ちはありそう。。という疑問は払拭できず。 後半では、「崇高」と「ピクチャレスク」といった自分には初めての概念を学ぶことができ、この学問への興味が掻き立てられた。読書案内も充実しており、活用してさらにこの学問への興味を深めていきたい。良い出会いでした。

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2024/02/17

主として西洋史を元に芸術と美について解説する格好の入門書。芸術や美という概念が比較的新しいものであるとわかる。ただあくまでも「近代」美学入門なので、興味を持った人はさらにその先に進んで欲しい。現代美学も哲学問題として非常におもしろいと思う。

Posted byブクログ

2024/01/07

芸術というものの捉え方を、言葉から追っていくのが面白くて良かった。 あと「稲妻の一撃」どうやらディスタンクシオンともちょっと繋がりがありそう。何に美を感じるかは教養によるというところへ行く場合。

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