近代美学入門 の商品レビュー
素晴らしい一冊。興味のあった美学を知りたいと購入。美と崇高とピクチャレスク。分かりやすいし、これからの美術鑑賞にも役立つ内容。 カントも学んでみたくなった。
Posted by
美学についての論考だが、難しかった.美をどのように定義するかに関して、神が登場するのは予測していたが、17世紀辺りまで、その影響は多大だった由.芸術に関しても、詩、音楽、絵画、彫刻、建築の主要ジャンルが18世紀頃に確定して、それぞれ独自の発展が見られるが、当時は一般大衆がそれらを...
美学についての論考だが、難しかった.美をどのように定義するかに関して、神が登場するのは予測していたが、17世紀辺りまで、その影響は多大だった由.芸術に関しても、詩、音楽、絵画、彫刻、建築の主要ジャンルが18世紀頃に確定して、それぞれ独自の発展が見られるが、当時は一般大衆がそれらを味わうことはなく、富裕層の嗜みだったようだ.風景を素晴らしい感じるのも、裕福な人たちがグランドツアーと称する旅行で特異な情景を目にしたのがきっかけで、写真のない時代に現地でスケッチしてものを、後から絵画に表すことでアルプスなどの絶景が紹介されたようだ.「美」をベースに歴史の勉強をさせてもらった感じだ.
Posted by
近代美学について、簡潔にまとめた、ありそうで無かった入門書。 特に崇高とピクチャレスクについて触れられているのが、貴重。 崇高はカントの判断力批判で学んでいたが、このことを含め、全編を通して得難い復習ができた。
Posted by
現代の人が考える「美」や「芸術」「芸術家」への考えが過去より連綿と紡がれてきたものではなく、当時の人々によって再考され、新しく生み出されてきた、比較的新しい概念であることを初めて知った。 美学という初めて触れるジャンルであったが、歴史通じて、時系列で記述されながら、ところどころ...
現代の人が考える「美」や「芸術」「芸術家」への考えが過去より連綿と紡がれてきたものではなく、当時の人々によって再考され、新しく生み出されてきた、比較的新しい概念であることを初めて知った。 美学という初めて触れるジャンルであったが、歴史通じて、時系列で記述されながら、ところどころでその時代ごとの繋がりが強調されていた。 「美」への接し方や考え方を再考するキッカケになり、読んでいてとても面白かった。
Posted by
前から美学って何をするんだろうかとちょっと関心があった。前半、芸術・芸術家について読んでいると、僕が若いころから学んできた科学・科学者の歴史と似た流れで進んでいくように感じた。そして、美がものそれ自体にあるという客観主義から、見る側の感じ方によるという主観主義に至る話はなるほどな...
前から美学って何をするんだろうかとちょっと関心があった。前半、芸術・芸術家について読んでいると、僕が若いころから学んできた科学・科学者の歴史と似た流れで進んでいくように感じた。そして、美がものそれ自体にあるという客観主義から、見る側の感じ方によるという主観主義に至る話はなるほどなと感じながら読んだ。このところ連日Voicyで苫野一徳さんの話を聞いているので、哲学において形而上学的独断論と相対主義の対立を乗り越えていくようなことが、美学にもあるのだろうかと思ったりした。でもやはり、何を美しいと感じるかは、どういう家庭で育ったか、どういう文化の中で過ごしてきたのか、ということでずいぶん異なるのだろう。それに絵画などの場合、誰の作品かという情報のあるなしによって感じ方もずいぶん変わってしまうから、まあいい加減で主観的なものなのかもしれない。それでも、ほとんどの人が美しいと感じるものはきっとあるだろうから、その共通性は見出せるのかもしれない。そして何よりも驚いたのは、この美学入門に山の話が出て来ることだった。京都に住んでいると三方山に囲まれていて、遠景ではあるが見なれた風景になっている。愛宕山のこぶを見ると少し心が和む。美しいと感じるほどではないのだけれど。山そのものではなく、山から眺める景色を美しいと感じたことはある。僕はほとんど登山をしてこなかったが、子どもが小学生のころ、家族で妻の実家近くにある三瓶山に登った。山頂からの眺めはなんとも美しいものであった。まあ、それは時間をかけて体力を使って行ったからこそ目にすることのできる景色だったのだろう。それと、社員旅行で訪れた花巻の滝(たぶん釜淵の滝)も美しいと感じた。賢治の作品が頭の中にあったのも影響しているかもしれない。それと犬山城天守閣からの眺めも良かった。まあそれにいつ見ても日本海の夕陽は美しい。さて、ちょっと考えればわかるようなことだけれど、山登りを楽しむというのは実は近代に入ってからのことだったのだ。そしてまた、その風景を楽しむということ、あるいは風景画というものがやはり近代的なものなのであった。ピクチャレスクとインスタ映えについても興味深く読んだ。あとは音楽とか建築とか意匠とか衣装とか、日本文化の中の美とか、まだまだ学ぶべきことは多いと感じる。
Posted by
「美しい」とは何か、哲学的に考えたくなり読む。「美しい」の考え方が歴史的に変遷する状況を学ばせてもらう。哲学的に一言で「美しい」と語るのは難しいが、美は技術で崇高で主観だ。誤読とも思うが、この言葉をもとに、考え方を深めていきたい。
Posted by
- 1
- 2