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哀れなるものたち の商品レビュー

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21件のお客様レビュー

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2024/03/22

先に映画観て大正解だった、エマ・ストーンさんが演じたベラを思い出しながら読むともう楽しすぎて楽しすぎて。 長いと思った533ページ、読み終えるのが惜しいと思うほど。面白かった……。 アラスターグレイさん自ら描いた挿絵もあったり、註釈、写真、などもあり、なかなか凝ってる本になって...

先に映画観て大正解だった、エマ・ストーンさんが演じたベラを思い出しながら読むともう楽しすぎて楽しすぎて。 長いと思った533ページ、読み終えるのが惜しいと思うほど。面白かった……。 アラスターグレイさん自ら描いた挿絵もあったり、註釈、写真、などもあり、なかなか凝ってる本になってると思いました。3枚目のカバーの絵もアラスターグレイさんが描いたものらしい。 2枚目のあらすじの通り、ある医者が自殺した妊婦(ベラ)に、そのお腹の中にいた赤ちゃんの脳を移植し、蘇生させた。 その女性は体が大人なのに脳が赤ちゃんという状態で第2の人生が始まり…とてもはやいスピードで成長していくベラ。 本当に楽しくて面白かった、それだけではなく、色々考えさせられたこともあり、自分も成長を止めることなく色々吸収したいと思いました。 この本も映画も面白かったのでオススメです。 こんなに楽しい!と思う読書は久しぶりかも。

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2024/03/15

カテゴリが正しいか不明、映画を見た後に読了。 文章や、文字の大きさ、もちろん文脈等、赤子が数年で成人女性となる経過を書ききっていて、思わず感嘆した。 不思議な小説、いや小説とも言えないかも。でも癖になります。翻訳がうまいせいか、とても読みやすいです。 翻訳じゃなく原語で読めたら...

カテゴリが正しいか不明、映画を見た後に読了。 文章や、文字の大きさ、もちろん文脈等、赤子が数年で成人女性となる経過を書ききっていて、思わず感嘆した。 不思議な小説、いや小説とも言えないかも。でも癖になります。翻訳がうまいせいか、とても読みやすいです。 翻訳じゃなく原語で読めたらなぁ・・・と痛感した本でした。

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2024/02/25

映画が衝撃的な面白さだったから原作を読んでみた。 ストーリーは概ね映画と変わりないけれど、"実在の人物が昔自費出版した本とその妻のメモを作者がまとめた"という体裁を取っているのが独特。映画には無かった最後の仕掛けによって、原作でも脳がクラクラする経験ができる...

映画が衝撃的な面白さだったから原作を読んでみた。 ストーリーは概ね映画と変わりないけれど、"実在の人物が昔自費出版した本とその妻のメモを作者がまとめた"という体裁を取っているのが独特。映画には無かった最後の仕掛けによって、原作でも脳がクラクラする経験ができる。 序文や注釈によってフィクションをあたかも実際に起きた事のように思わせる作りなのに、最後にそれがひっくり返される。今までの作者の努力とは真逆の仕掛けのように思えるのだけど、「どっちが真実?」と混乱しているうちに、「どちらかが真実のはず」という思考になっていて、まんまと作者の術中にハマっていることに気付く。 ただ、映画を先に観てしまっていると完全にフィクションとして読んでしまうのがちょっと勿体なかったかな。

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2024/02/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

奇書だ…!というのが第一印象。 実際の手紙のヴィクトリアが夫をバカ呼ばわりしていたり「こんな物書く時間があれば社会貢献のために働けよ」的なこと言ってたのが残念な気持ちになった。資本主義や家父長制の倫理と似たような考え方に陥ってしまうのが。 事実と違うのに自分がフランケンシュタインの怪物にされてたら腹立つのも分からんではないが。 ヴィクトリアは(1914年には)アーチボルドの回顧録の内容を嘘だとして拒絶したが、1920年の「愛の経済」(の序文と書評)を読むとヴィクトリアが(アーチボルドの書いた)ベラと同一化していったようにも感じる。これの本文も読みたかった。

Posted byブクログ

2024/02/10

映画の評判や本の評判でフェミニズム的な側面が強い本だと思われてそうだけど、この本はエゴ、進化学習へのメッセージが強いと思った 可愛らしく素敵な女性ってだけじゃダメだと思ったベラが学んで進化していく過程で他者からのエゴに振り回されたり、バッサリ切り捨てたりするその行動がベラの魅力...

映画の評判や本の評判でフェミニズム的な側面が強い本だと思われてそうだけど、この本はエゴ、進化学習へのメッセージが強いと思った 可愛らしく素敵な女性ってだけじゃダメだと思ったベラが学んで進化していく過程で他者からのエゴに振り回されたり、バッサリ切り捨てたりするその行動がベラの魅力の一つだと思った 私は比喩表現が多いと読み飛ばしちゃう人だから少し本だけではメッセージをちゃんと受け取れなかったかも、映画行ってきます〜!

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2024/02/09

映画がとても素晴らしかったので、小説も読んでみた。 基本的には映画と同じ物語、展開ではあるのだが、登場人物周りは映画のほうがよりベラが主体的だった印象。このあたりは昨今の再びのフェミニズムのブームからの影響か、現代的な改変がされているのかな、と。 そして世界観の構築も結構違って...

映画がとても素晴らしかったので、小説も読んでみた。 基本的には映画と同じ物語、展開ではあるのだが、登場人物周りは映画のほうがよりベラが主体的だった印象。このあたりは昨今の再びのフェミニズムのブームからの影響か、現代的な改変がされているのかな、と。 そして世界観の構築も結構違っていた。 映画はヴィクトリア朝時代のような世界観にスチームパンクと、ファンタジーを混ぜたような世界が作られているる。 小説のほうもケレン味を効かせた部分はあるのだが、映画ほど荒唐無稽な世界ではない。メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』なんかの世界観構成と近いかもしれない。SFやファンタジーに振り切ってるわけではないという感じ。 それもあって映画から小説に入ると結構世界観の違いに驚く部分もある。 一番驚いたのは『哀れなるものたち』が結末を迎えた後に、もう一つ物語があって、その部分。 これはベラ本人による手記なのだが、これは映画にも描かれていないので、結構驚くというか、煙に巻かれたような気持ちになった。 今まで見ていたものは何だったのか……。そんな気持ちになる。 でも、それも含めて面白かった。 ただ一つ残念だったのは、これを自分は文庫本で読んだのだが、圧倒的にハードカバー向きの本だったってこと。 それと、国書刊行会は『ラナーク 四巻からなる伝記』を再販してくれ!

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2024/01/31

映画もとても良くできていて原作の要素がところどころに散りばめられていて傑作でしたが原作は最後に全てが覆されて映画とはまた違った面白さがあってすごく良かった。映画観た人は読んでほしい。情景描写とか難しかったけど最後まで諦めずに読んで良かった!

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2024/01/27

映画を見る前に原作を。小説ならではの構成の面白さがあったのでどう映像化するのか楽しみ。ピグマリオンやらジキルとハイド思い出すなぁと思ってたら、ヴィクトリアの手紙でも指摘されていた。 巻末の註釈を読みつつ該当ページに戻りたくてももうどこか分からないのでページ数書いてほしかった。こう...

映画を見る前に原作を。小説ならではの構成の面白さがあったのでどう映像化するのか楽しみ。ピグマリオンやらジキルとハイド思い出すなぁと思ってたら、ヴィクトリアの手紙でも指摘されていた。 巻末の註釈を読みつつ該当ページに戻りたくてももうどこか分からないのでページ数書いてほしかった。こういう時電子なら検索できるからいいよな〜

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2024/01/22

監督:ヨルゴス・ランティモス、主演:エマ・ストーンで映画化され、日本劇場公開が迫った話題作(2024.1.21現在)。映画は、発表されてから注目していたが、原作があることは最近になって知り、せっかくなので先に原作にあたってみることに。 19世紀末、スコットランドのグラスゴー。医...

監督:ヨルゴス・ランティモス、主演:エマ・ストーンで映画化され、日本劇場公開が迫った話題作(2024.1.21現在)。映画は、発表されてから注目していたが、原作があることは最近になって知り、せっかくなので先に原作にあたってみることに。 19世紀末、スコットランドのグラスゴー。医師/科学者であるゴドウィン・バクスターは、溺死した妊婦の胎児の脳をその妊婦本人に移植して蘇らせることに成功、ベラと名付けて養育した。大人の身体に無垢な精神を宿したベラは、その不思議な魅力で出会った男性たちを虜にしていき、彼女自身、様々な知識や経験を取り込み成長していく―――。 ・・・といった内容が記載された一冊の書物(=『スコットランドの一公衆衛生官の若き日を彩るいくつかの挿話』)を手に入れたアラスター・グレイ(著者)が、本編に、その書かれた内容が真実の話なのかの歴史的考察と、本編に対するヴィクトリア・マッキャンドルス(=ベラ)の書簡を添えて編集して、一つの作品に仕上げたという体のメタフィクション。(ややこしい!) メインとなるのはやはり「ベラの奇妙な冒険」なのだが、作品をとおしてみるとその物語自体が主という感じではなく、男性/女性としての本能や価値観に囚われ、羨望・嫉妬・憤怒・絶望に見舞われ苦しむ、全ての"哀れなるものたち"のための話なのだと感じられた。 先に書いたような特殊な作品構成には目を見張るものがあるが、作品としての面白さは、(決して面白くなかった訳では無いのだが、)ちょっと期待し過ぎていたかもしれない。どのように映画化されたのか、非常に気になる。

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2024/01/18

本の構成や語り口が凝りに凝ってる。 手記、註釈文、挿絵、資料、それらの膨大な情報からやがて本書の全容が見えてくるが、結局のところは何が正しいのか確かな事は分からず、結局なんだったんだ?という感想にしかならなかった。 当時のその国の時代背景についてあまり詳しくないので、社会問題や風...

本の構成や語り口が凝りに凝ってる。 手記、註釈文、挿絵、資料、それらの膨大な情報からやがて本書の全容が見えてくるが、結局のところは何が正しいのか確かな事は分からず、結局なんだったんだ?という感想にしかならなかった。 当時のその国の時代背景についてあまり詳しくないので、社会問題や風刺についての理解が追いつかず、作者の言わんとしてる事を完全に理解するのは難しかったというのが正直な所だった。 映画の公開前に予習として読んだが、これをどう実写化されたのかはとても興味深い所である。

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