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あの光 の商品レビュー

3.6

20件のお客様レビュー

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2024/02/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

風水をベースに掃除をする事により開運を期待するサロンを運営していく物語。 序盤は、自己啓発本の様な感じでストーリーが進む。 この小説では、根拠が無いが掃除すると良い事が訪れる事をネタとして起業する。 でも、少しは根拠となるものがある様な気がしている。 掃除に集中する事でネガティブな思考を抑制し、考え方をポジティブにさせ、小さな良い事に気づける様になる。 掃除→開運はあり得ると思う。 ただ、掃除でなくても、何かに集中できるものがあれば、開運は可能だと思う。 物語はトントン拍子にサロンは拡大していくが、何か事件が起きそうな雰囲気に。 サロンでトラブルが発生し、母譲りの屁理屈上手で相手をコントロールする能力に長けた主人公の紅が謝罪する事になる。 でも謝罪は失敗しサロンも無くなる。 話上手なのに、『私は悪く無い』と言ってしまうところに危機管理の意識の無さを感じた。 それでも日々不安を感じていたのは、紅以外居なかった。 幸村?の様な人が近くに居たら状況は変わっていたはず。 栄枯盛衰。 自分を絶対に裏切らないと思っていた人は離れ、馬鹿正直な対応でサロンを潰す原因となった人が最後には紅の理解者となる大どんでん返し。 振り出しに戻ったが、次へのステップを予感させる。 奥深さを感じる小節でした。

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2024/02/11

できれば嘘なんてつかないで生きていきたいけど、 そんなお行儀良く世の中は出来上がっていないし 相手の為につく嘘だって確かにある。 この小説、まぼろしの様な嘘と夢の様な妄想で溢れていて 後半は膨らみ過ぎた嘘で 読んでいるこちらが窒息してしまいそうになる。 愛が欲しくて嘘をつくのも、...

できれば嘘なんてつかないで生きていきたいけど、 そんなお行儀良く世の中は出来上がっていないし 相手の為につく嘘だって確かにある。 この小説、まぼろしの様な嘘と夢の様な妄想で溢れていて 後半は膨らみ過ぎた嘘で 読んでいるこちらが窒息してしまいそうになる。 愛が欲しくて嘘をつくのも、自分を特別に見せたくてつく嘘もわかる。 しかし、どう考えても嘘八百としか思えない言葉を安々と信じてしまう人たちって何なんだろうと ずっと不思議に思っていた。 そうか、自分の思考を停止して誰かの言葉を丸ごと信じてしまえば自分の荷物は軽くなるのか。 たくさんの嘘をついてしまった主人公の女性の言葉の中にも、 ちゃんと愛があったことが一筋の光のように 心に残りました。

Posted byブクログ

2024/01/31

たまたま、垣谷美雨さんの「あなたの人生片付けます」を先に読んでいたため、内容が被ってしまい途中で断念。。 ただ、紅の話に時折のめり込む自分もいた。 “会話をするときは、“気”も同時に交流する。” これは私も信じている。

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2024/06/09

読みごたえがあった1冊だった。開運とお掃除と聞いたら、私もはまるかもと思った。脚光を浴びてやめられなくなる様子や、自己啓発セミナーに、はまっていく感じが巧みに描かれていた。高岡紅が本当に求めていたものが手に入ったときに、後戻りができなくなっていたのは、なんとも言えない気持ちになっ...

読みごたえがあった1冊だった。開運とお掃除と聞いたら、私もはまるかもと思った。脚光を浴びてやめられなくなる様子や、自己啓発セミナーに、はまっていく感じが巧みに描かれていた。高岡紅が本当に求めていたものが手に入ったときに、後戻りができなくなっていたのは、なんとも言えない気持ちになった。全てを失くしても、母親に求めていたものを歓心なく人に与えられる日がいつかくることを願った。

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2023/12/31

「開運お掃除サービスの栄光と転落」というきな臭さに惹かれて一気読み。ハウスクリーニング業者で地道に働いていた女性が独立を決意。掃除すればもれなく開運すると銘打ちオンラインサロンも開設。徐々に話題になりやがてカリスマ化するものの栄光は長く続かなかった。案の定、という展開だが面白かっ...

「開運お掃除サービスの栄光と転落」というきな臭さに惹かれて一気読み。ハウスクリーニング業者で地道に働いていた女性が独立を決意。掃除すればもれなく開運すると銘打ちオンラインサロンも開設。徐々に話題になりやがてカリスマ化するものの栄光は長く続かなかった。案の定、という展開だが面白かった。詭弁だらけだが掃除すれば心もスッキリするのは一理あるな、と多少は説得力がある所がよかった。最終的にはペテン師まがいの弁舌に苦笑い。それでも主人公は嫌いになれなかった。人に喜んでもらいたい、という思いに嘘は感じられなかったから。

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2023/12/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

お掃除の達人としてオンラインセミナーを開き、会員の共感と承認欲求を煽る啓発活動を行い徐々に強大化してく組織。 いつしか教祖様的なポジションとなり、運気があがると噂される様々なメソッドという名の屁理屈のジャングルジムを構築。 その先に待っているものは・・・。膨れ上がる組織が暴走したら後はもう滅びる一方で、立て直しも上手く行かず、起死回生の一手は嘘で嘘をどんどん上塗りしていくという愚策の中の愚策。 そしてその嘘も露見された事ですべてが終わってしまった。 その中でも本当に掬われた人もいるのが紅にとって何を思ったのだろう。 現代社会に蔓延る闇について勉強出来る一冊

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2023/12/04

掃除をする事が開運につながるというサロンとセミナーの栄枯盛衰物語。 人が何かを祈り縋る事は、簡単にバカにできることではない。周りから見て胡散臭くとも、救われている本人にとっては大切な居場所だと思う。認められたい、何かと繋がっていたいと誰しもが思う。 しかし、嘘が大きくなり、その...

掃除をする事が開運につながるというサロンとセミナーの栄枯盛衰物語。 人が何かを祈り縋る事は、簡単にバカにできることではない。周りから見て胡散臭くとも、救われている本人にとっては大切な居場所だと思う。認められたい、何かと繋がっていたいと誰しもが思う。 しかし、嘘が大きくなり、その事を詐欺に近い商売にし、人や社会を攻撃する力にまでなると話は全く違う。信じ祈る事に純化した宗教のようなものでも時に陥るこのような状況は、やはり人には欲があるからだと思う。欲はある意味人を人たらしめるもの。だからこそ、救いを標榜するときは、指導するものの人としてのあり方が問われる。 抗えない光に導かれてたどり着いた自分の状況の中で、 「光は私の中にある。それは多分、誰にも奪えないものだ。」 と思えた事が救いだった。

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2023/11/19

ハウスクリーニング業の一人の女性が、いつのまにか自己啓発セミナーの教祖的な立場に上り詰めていく。途中の、説法のようなくだりが長くて少し飽きた。こういうことで心が動かされる人は確かにいるとは思うけど、やっぱ少し覚めた目で読んだ。でもお掃除は頑張ろうと思った。

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2023/10/30

自業自得とも思える転落劇に終始胸がざわついた。 主人公はハウスクリーニング会社を辞め「開運お掃除サービス」を立ち上げた高岡紅。 母親からの愛情欠乏を埋めるかのように居場所を求め、承認欲求はエスカレートしていく。 事業が成功していくに連れ、当初抱いていた「誰かの為に」という志は...

自業自得とも思える転落劇に終始胸がざわついた。 主人公はハウスクリーニング会社を辞め「開運お掃除サービス」を立ち上げた高岡紅。 母親からの愛情欠乏を埋めるかのように居場所を求め、承認欲求はエスカレートしていく。 事業が成功していくに連れ、当初抱いていた「誰かの為に」という志は消え去り、縋って来る会員達を根拠のない言葉で操るさまはニセ宗教の教祖にしか見えない。 脳内で、洗脳・詐欺の言葉が渦巻いて今後訪れる未来に悪い予感しかしなかった。 成功も破滅も経験し、人の痛みに気付けた彼女であれば再び光を感じる事が出来るはずだ。

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2023/10/20

現代人は、日常的に生存そのものを脅かされることがおよそなくなった。一方で、自身の生に意味を与えようと「承認欲求」を日々増殖させている。 本作は、この厄介な「承認欲求」を鍵に、信じる側、信じさせる側双方の思いの相乗効果が作り上げた小さな虚構の王国の盛衰記である。 ハウスクリーニ...

現代人は、日常的に生存そのものを脅かされることがおよそなくなった。一方で、自身の生に意味を与えようと「承認欲求」を日々増殖させている。 本作は、この厄介な「承認欲求」を鍵に、信じる側、信じさせる側双方の思いの相乗効果が作り上げた小さな虚構の王国の盛衰記である。 ハウスクリーニング会社から独立をはたした主人公高岡紅は、ある日、汚部屋のクライアントから悩みの相談を受け、掃除と開運を結び付けたアドバイスをする。 それがたまたま功を奏したことから、彼女は、クライアントたちから奉られ、あれよあれよと新興宗教まがいのオンラインサロンの巫女に祭り上げられる。 しかし、嘘を重ねて固められた砂の城は、一部の信者の暴走であえなく崩壊する。廃墟の中から主人公が見つけた「あの光」とは何だったのか。 心に闇を抱える登場人物たちの移ろいゆく心理や、一度、流れができると教祖すら神輿につかまり続け、偽りを演じ続けざるを得ない集団心理の恐ろしさを巧みな描写し、クライマックスに向けて、息もつかせぬドラマ展開を見せる筆致は、まさに見事の一言に尽きる。 300ページを超える大作だが、ページをめくる手を全く止めさせない。 私たちは、スマホと対峙しながら、主体的に情報を取得しているつもりだが、実はいつの間にか秒刻みで与えられる情報の洪水に翻弄され、考えることを放棄させられている。 本作は、誰かが道を示し、手を引いて、心の空白を満たしてくれることを待ち望みながら立ちすくむだけで、自分で歩く力を失いがちな私たちの鏡に映された本当の姿をまざまざと見せてくれると感じた。

Posted byブクログ