襷がけの二人 の商品レビュー
作品紹介文にある、「全編にわたるユーモア」はよくわからなかった。 夫の茂一郎の寡黙で思いやりがなくて冷たい感じはイラっとした。 子を成さない女性は肩身が狭かったり、妾がいたり、この時代は苦労が多そう。 そんな中、千代と初衣が共同生活をして淡々と日々を過ごす様子や、互いに信頼してい...
作品紹介文にある、「全編にわたるユーモア」はよくわからなかった。 夫の茂一郎の寡黙で思いやりがなくて冷たい感じはイラっとした。 子を成さない女性は肩身が狭かったり、妾がいたり、この時代は苦労が多そう。 そんな中、千代と初衣が共同生活をして淡々と日々を過ごす様子や、互いに信頼している様子に好感がもてる。 女性の体の話はびっくりするような展開で面食らった それ以外は『カフェーの帰り道』同様、派手な展開はなく、2人の過ごした時間と絆がちょっぴり心に沁みる感じ。
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HKさんのおすすめ。 千代は、三味線のお師匠さんである初衣の家で働く女中。 初衣は東京大空襲で目が見えなくなっていたため黙っていたが、 千代は東京大空襲の夜まで初衣と一緒に暮らしていた。 千代が主人で初衣が女中として。 いや、千代の義父の妾として。 「カフェーの帰り道」と同じ作者だったが、 それよりももうちょっとしっとりした感じだった。 製罐工場の社長の妻として不自由のない暮らしをしていた千代が、 夫とは心の通わぬまま別居になり、 義父も亡くなり、もう一人の女中と三人で暮らしている様子は幸せそうだった。 さらに、大空襲をきっかけに、 独身寮の住み込み女中として自立できて、 そこで悲しい恋もし、初衣と再会できて良かった。 狸のような、でも小心者の飼い猫、トラオがかわいらしかった。
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中盤までそんなに起伏が激しくなく、主人公のチヨの性格も平坦で怒ることもなく、何かに執着することもなく同調できなかった。 途中からチヨのお宝が話題になって話が面白くなった。 最後にチヨもお初さんもいろいろあったけど幸せそうなので良かった。 よくある戦前から戦後にかけての男尊女卑や苦...
中盤までそんなに起伏が激しくなく、主人公のチヨの性格も平坦で怒ることもなく、何かに執着することもなく同調できなかった。 途中からチヨのお宝が話題になって話が面白くなった。 最後にチヨもお初さんもいろいろあったけど幸せそうなので良かった。 よくある戦前から戦後にかけての男尊女卑や苦しい生活の話だけど、なぜかな心に残る物語。
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戦前から戦後へのあの時代を生きた庶民の物語。 シスターフッドものとして傑作と思うけれど、こんな時代に戻りたくはない。
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大正から昭和にかけての時代を生きた女性2人の物語。 父の友人が経営する製缶会社の跡取り息子に嫁いだ千代は、無口な夫とは心も体も通じず、女中頭の初衣や歳若い女中のお芳ちゃんと家事をする毎日だった。 千代と夫の関係がどうにもならなくなったり、初衣が元芸者で義父と関係があったことな...
大正から昭和にかけての時代を生きた女性2人の物語。 父の友人が経営する製缶会社の跡取り息子に嫁いだ千代は、無口な夫とは心も体も通じず、女中頭の初衣や歳若い女中のお芳ちゃんと家事をする毎日だった。 千代と夫の関係がどうにもならなくなったり、初衣が元芸者で義父と関係があったことなどやさまざまなことがあるなかで、戦禍のなか逃げているうちにはぐれた千代と初衣。 ひとりで健気に生きようとする千代が、やっと親しくなれた男性にも裏切られ、次に出向いたのは住み込みで盲人の三味線のお師匠さん宅だった。 空襲に巻き込まれて喉を潰した千代と目が見えなくなった初衣との再会は、2人の立場が逆転したとはいえ、そんなことなど関係ないほどに絆は深かったのだと感じられた。 男運に恵まれたとはいえないし、子どもにも縁はなかったが、相性のいい2人にはずっと一緒にいてほしいと思った。 年齢差もあり、性格も違うけれど気になる2人。
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「カフェの帰り道」で最近直木賞を受賞された嶋津輝さんの作品。女同士の友情が爽やかで読後感がいい。 千代は目の見えない三味線のお師匠さん初衣のところに住み込み女中としてお世話になることになった。初衣は空襲で目が焼けて見えなくなった。千代も空襲で喉が焼けてしまって今はダミ声である。...
「カフェの帰り道」で最近直木賞を受賞された嶋津輝さんの作品。女同士の友情が爽やかで読後感がいい。 千代は目の見えない三味線のお師匠さん初衣のところに住み込み女中としてお世話になることになった。初衣は空襲で目が焼けて見えなくなった。千代も空襲で喉が焼けてしまって今はダミ声である。それで初衣は千代がわからなかったのだ。初衣と千代はもともと知り合いだった。 大正15年、千代は山田家に嫁ぐ。初衣はそこのお手伝いさんだった。家事全般何をさせても手際が良く、素晴らしい。特に料理がうまく、千代は初衣に教えてもらったようなものだ。初衣は元芸者で、夫の父に落籍されて山田家に来ていた。 夫が高崎の方に仕事に行くようになり、東京への帰りは1-3月に一回になった。高崎では若い子に手をつけているようで、妊娠の機会さえ訪れない。千代は次第に離婚を考えるようになるが、夫が頑なに離婚を拒んだ。 戦争が始まった。隣組が結成された。東京大空襲で千代と初衣は別れてしまった。その後30人の従業員がいる寮母さんになり、5升の米を研いで炊く生活になる。量も多いから、朝4時に起きて働き出す。
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忘れ得ないもの、ってあると思いますか?そんな問いかけが聞こえてくるようだった。懐かしい気持ちにさせられる、不思議な文体であった。
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戦前から戦後にかけての家父長制の時代。そんな中で、女性が「自分の生きたいように」生きることは、どれほど困難だっただろう。 さまざまな出来事に翻弄されながらも、「家」や「普通」という枠からはみ出すことを恐れずそれぞれの道を選び取っていく千代と初枝さんの姿はとても力強く凛としていて、...
戦前から戦後にかけての家父長制の時代。そんな中で、女性が「自分の生きたいように」生きることは、どれほど困難だっただろう。 さまざまな出来事に翻弄されながらも、「家」や「普通」という枠からはみ出すことを恐れずそれぞれの道を選び取っていく千代と初枝さんの姿はとても力強く凛としていて、心から素敵だと思った。 主人と女中という立場の違う二人が、次第に心を通わせ、やがてタッグを組む。そのときに生まれる絆の強さには思わず惚れ惚れする。身分や常識を越えて結ばれる信頼関係の尊さが、心に残る作品。
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少し前に話題になった『カフェーの帰り道』を図書館に予約してたら同じ作者でこちらの本が先に来た。 初めて読む作家さん。 20歳の歳の差のある2人の女性。身分違えどまるでソウルメイトのよう。離れてまた出会えて、2人の絆の深さにじんわり感動するかと思いきや お初さんの 小気味の良い台...
少し前に話題になった『カフェーの帰り道』を図書館に予約してたら同じ作者でこちらの本が先に来た。 初めて読む作家さん。 20歳の歳の差のある2人の女性。身分違えどまるでソウルメイトのよう。離れてまた出会えて、2人の絆の深さにじんわり感動するかと思いきや お初さんの 小気味の良い台詞に笑ってしまった。なんて魅力的な人。 「私がしゃんとすると世界が明るくなる」本当、心持ちで世界が変わる。忘れずにいたいもの。
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千代は容姿が平板で後味を残さない。 それがいいのか、悪いのか。 昭和24年、千代が訪れたのは 盲人で三味線の師匠をしている女性・初衣の家。 師匠の身の周りの世話をする仕事を得た千代。 そこから2人がどのように生きてきたのか 世の中の動きと共に明かされていく。 大正15年、千代...
千代は容姿が平板で後味を残さない。 それがいいのか、悪いのか。 昭和24年、千代が訪れたのは 盲人で三味線の師匠をしている女性・初衣の家。 師匠の身の周りの世話をする仕事を得た千代。 そこから2人がどのように生きてきたのか 世の中の動きと共に明かされていく。 大正15年、千代が嫁いだ先に女中頭の初衣がいた。 時代と共に日常生活から戦局が深刻化していく様子が伝わってくる。 初衣と千代、その時代を生きた全ての女性たちの力強さが 読むものの胸にしっかり響いてくる。 木内昇さんが好きで読み続けているけれど 似ているようでまた違った面白さがある。 初読み作家さんだったが、この先も追っていきたい。 ひとつ、初衣の言葉で印象に残った箇所を。 p166 〈世の中にはさまざまな役割の人がいて、 そういう人たちが、こちらの人生に、なにか、 印になるような、置き土産みたいなもんを残していくもんです。 そういうのを拾ったり踏んづけたり、 場合によっちゃつまづいたりするのも、 生きていくってことのひとつだと思っています〉
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