恐怖の正体 の商品レビュー
著者の個人的な経験や見解。書いてあることは共感する人もいるだろうし面白いと感じる人もいるだろう。 甲殻類や深海魚や寄生虫を含め、生物全般は神秘と奇跡に満ちていると思うが、見た目を嫌悪してそんなに悪く言うなんて…。
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ひぇー! しょっぱなの、電車の下くぐろうとして轢かれ死んだおじいの話からおもろすぎる!だいすき! 著者が引用してくる題材もいちいち全部おもろくて参考になりすぎ! 遠丸立さんの「高所恐怖症=墜落願望という人間の原衝動に対する防衛的恐怖」っていう見解すげーな 「『人間には高所へのぼ...
ひぇー! しょっぱなの、電車の下くぐろうとして轢かれ死んだおじいの話からおもろすぎる!だいすき! 著者が引用してくる題材もいちいち全部おもろくて参考になりすぎ! 遠丸立さんの「高所恐怖症=墜落願望という人間の原衝動に対する防衛的恐怖」っていう見解すげーな 「『人間には高所へのぼって見下したい願望』と『高所から墜落したいという無意識的な願望』が表裏一体の関係で存在している」 「人間の出産行為は、胎児が子宮から外部空間へまで墜落するということを意味するわけで、要するにそれは人間が『墜落したい』という衝動に身をゆだねる最初の行為にほかならない」 いったん恐怖症が出現してしまうと、いつしかそれは当人のアイデンティティー(その人らしさ)として当人が無意識のうちに認識してしまい、そこで恐怖症はなおさら強固なものとなっていく
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いつもは物語ばかり読むがタイトルが気になり読んでみました。 たくさんの恐怖症がこの世にはあります。 私は周りにはきっと理解されない不安を持っています。 例えば重量を考え不安になる。 この部屋は何キロまで耐えられるのか。 劣化していけばどうなるのか。 怖くなり眠れなくなる時も...
いつもは物語ばかり読むがタイトルが気になり読んでみました。 たくさんの恐怖症がこの世にはあります。 私は周りにはきっと理解されない不安を持っています。 例えば重量を考え不安になる。 この部屋は何キロまで耐えられるのか。 劣化していけばどうなるのか。 怖くなり眠れなくなる時もある。 でも、恐怖に思う理由を、考え紐解くと全て同じ理由に結びつく。 無知程怖いものは無い。 そう思わされる本でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
何に恐怖を感じるかは人によって異なるのだから、恐怖を定義づけるのは難しい。「危機感・不条理感・精神的視野狭窄が重なった圧倒的な感情」という著者の定義は、一部違和感を覚えつつも受け入れられる。 特に、著者自身の甲殻類恐怖症の語りは圧巻。共感はできないが、その想像力の豊かさに驚かされた。 また、高所恐怖症の自分が登山をする心理が「墜落したいという無意識の願望」だと言われると戸惑うが、無意識という言葉を前にすると完全には否定できない。 長年ゴキブリが嫌われる理由を理解していなかったが、海外旅行中にビニール袋で捕らえたゴキブリをマジマジと見て、日本で見た茶羽とは異なる姿に、初めて「気持ち悪さ」を実感し、納得した。 死そのものよりも、「選択肢を奪われ、死を強制される」という状況にこそ、恐怖を感じるのではないか。 知りたいから偽りの恐怖が娯楽になる、という認識であっているのだろうか。「甘噛みの恐怖」という表現が腑に落ちた。著者が恐怖を感じる点を5つ上げているが、私は選びたくない選択肢しかない状況に恐怖を覚え、他者の欠片も理解出来ない言動に気味の悪さを感じる。 色々な本が紹介されているが「カメの甲羅はあばら骨ー人体で表す動物図鑑」は見てみたいと思った。 最近は、不老不死でも精神も老い(衰え)なけば、苦しみはないのではないか、と思うようになった。私達には慣れという武器があるのだから。 私が恐れるのは、死そのものではなく、死に至るまでの肉体的な苦痛を想像することだ。眠るように逝けるなら、死は怖くない。
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「わたしはこのような物語が何食わぬ顔で日常にまぎれ込み、子どもや大人の不意を突いて凝然とさせる事態を好ましく思う。ときおり退屈な毎日がささやかなグロテスクや恐怖で脅かされたり変質することによって、わたしたちは生きることの意味を問い直す。そうであってこそ、まっとうな人生を歩めるとい...
「わたしはこのような物語が何食わぬ顔で日常にまぎれ込み、子どもや大人の不意を突いて凝然とさせる事態を好ましく思う。ときおり退屈な毎日がささやかなグロテスクや恐怖で脅かされたり変質することによって、わたしたちは生きることの意味を問い直す。そうであってこそ、まっとうな人生を歩めるというものだろう。」 人のというか「私の」恐怖の正体に、文献に映画、精神医学の知見、それに自らの経験と記憶を使って迫っていこうとするエッセイ、と言っていいと思うし『無意味なものと不気味なもの』(最高)とも近い構成、読み心地のような気もする。やっぱり恐怖はとても個人的なものだから、それを語るときにも個人的にならざる得ない、というかそうであって欲しい。絶妙に主観的で感情的な語り口は完全に読ませる。春日先生の話はやっぱりめちゃくちゃ面白い。 他人の、多くは春日先生の恐怖の話に「そうなんですか」と驚けば、次には「そうなんですよ!」と納得したりもして、蘇ってくる過去の恐怖と、これから訪れるかもしれないその瞬間を思って少し震える。「恐怖の正体に肉薄する」ということは、更なる恐怖に遭遇するということなのか。帯で京極夏彦もそんなようなことを書いていた。それに紹介されるエピソードや作品の引用と解釈がそもそも怖い。恐怖を語るということは、恐怖そのものにもなるのかもしれない。 わたしは深夜に何げなく読み始めたこの本に不意を突かれて一瞬凝然とさせられた。鬱屈としたような毎日が恐怖に脅かされて少しだけ変質した。ということは、生きることの意味を問い直せるかもしれない。そうであれば、まっとうな人生を歩める、といいですけどね。それはともかくとしても、この本はわたしの「〈心弱きときの活性の糧〉(春日先生が「心密かに行為を寄せている」ある文庫レーベルのキャッチフレーズ)」になった、ような気がしているのだった。 まあ、身も蓋見ないことを言えば、面白い本読むと元気出るよね、みたいな話だったりもするのだけど、この本がめちゃくちゃ面白かったことは確かなことなのだ。
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久々の図書館本。以前あるポッドキャストで聞いた春日先生の話が面白くて著作を読んでみたいと借りてみた。 まず精神科医として恐怖そのものをダイレクトに訴えてくる患者には滅多に出会わないという話から始まり、対象は様々あれど恐怖感そのものはどんな感情に起因するのかを定義していく。 進ん...
久々の図書館本。以前あるポッドキャストで聞いた春日先生の話が面白くて著作を読んでみたいと借りてみた。 まず精神科医として恐怖そのものをダイレクトに訴えてくる患者には滅多に出会わないという話から始まり、対象は様々あれど恐怖感そのものはどんな感情に起因するのかを定義していく。 進んで恐怖状態になった際、肉体的にはどんな状況に陥っていくのかを医師らしく推察していく。とはいえそこは理屈っぽくなく、アウシュヴィッツや死刑囚、戦時の人間魚雷など、こちらの想像しやすい具体例で語っている。 そして最終的には誰もが一度は恐怖する「死」そのものについて触れ、どう対処するのか、いや対処しようはないし、そんなことに人はいつまでもかまけていられないという人間らしさに帰結していく。逆に言えば恐怖の対象に「拘って」しまう状態が異常なのであって、いわゆる恐怖症という症状なのだと納得させられる。 読む前はあらゆる恐怖症の臨床について触れている本なのかと思っていたが、実際は恐怖そのものを著者なりに追求し解説したエッセイに近いものだった。 春日先生自身も(理由なき)甲殻類恐怖症であることや数年前何もかもが嫌になって山奥?に引きこもり、その際ホラー映画ばかり見まくっていたとか、この本でも触れている母親の死や父親との想い出など、当たり前といえば当たり前だが悩み苦しみも通過し、今現在も嫌なもの嫌なことはある人そのもので、さらに親近感を抱いた。
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恐怖の種類とその例が著者の経験や小説・映画から多数紹介されていて、各種恐怖症持ちではないけどゾワッときた。 中でもGに対する恐怖と嫌悪の気持ちが的確すぎてめちゃくちゃ膝を打った。(嫌すぎるので引用はしない)
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春日武彦「恐怖の正体 : トラウマ・恐怖症からホラーまで(中公新書 ; 2772)」(中央公論新社) 2023.9発行 2025.6.6読了 精神科医による著作ではあるものの、恐怖を精神医学の観点から分析しようとするものではない。小説や映画など様々な題材を紹介していきながら、...
春日武彦「恐怖の正体 : トラウマ・恐怖症からホラーまで(中公新書 ; 2772)」(中央公論新社) 2023.9発行 2025.6.6読了 精神科医による著作ではあるものの、恐怖を精神医学の観点から分析しようとするものではない。小説や映画など様々な題材を紹介していきながら、著者が感想を述べるというスタンスで構成されており、恐怖の正体を暴くというようなものではなかった。タイトルはミスリードである。 とはいえ、古今東西の様々な恐怖が紹介されており、著者の博覧強記ぶりには脱帽させられてしまった。 https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I033042566
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本書のタイトルに心惹かれた方は多いのではないだろうか。恐怖は現実として避けたいと思う反面、「怖いもの見たさ」、むしろ「楽しい」という理由で遊園地のお化け屋敷や絶叫マシンなどの列に並ぶということも珍しくないだろう。 結論から言えば、本書はそういった類いのことに科学的な答えを与え...
本書のタイトルに心惹かれた方は多いのではないだろうか。恐怖は現実として避けたいと思う反面、「怖いもの見たさ」、むしろ「楽しい」という理由で遊園地のお化け屋敷や絶叫マシンなどの列に並ぶということも珍しくないだろう。 結論から言えば、本書はそういった類いのことに科学的な答えを与えてくれるものではない。恐怖症など、当人でなければ分からないと思われるう恐怖感情のプロセスをうまく言語化し、読者に伝えてくれる。恐怖の言い表しにくい両面性に、著者の感性を忌憚なく切り込んでくれる部分が心地よい。 本書について言えば、読者の視点や内心に寄り添ってくれる立ち位置であると思える。 海外国内問わず、作品の引用も豊富であり、多様な言い知れない恐怖を味わえる点も踏まえ、おすすめしたい一冊だ。
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人にはそれぞれ恐怖を感じる対象がある。怖がりという言葉が何に対してどの様な恐怖心を抱いているか、時には他人には理解できないこともある。大半の人は幽霊などの現実世界には無い様なものを恐れるだろうし、極端なスピードで高速や一般道までをも走る車、包丁を持って近づいてくる人がいれば、有無...
人にはそれぞれ恐怖を感じる対象がある。怖がりという言葉が何に対してどの様な恐怖心を抱いているか、時には他人には理解できないこともある。大半の人は幽霊などの現実世界には無い様なものを恐れるだろうし、極端なスピードで高速や一般道までをも走る車、包丁を持って近づいてくる人がいれば、有無を言わさず恐怖するだろう。私は幼い頃に高い木から落ちた経験からか、高いところが苦手、所謂、高所恐怖症だ。今世の中を見れば恐怖で溢れ返っている。街中や通勤電車内で刃物を振り回したり、ビルから包丁や人が(歩行者を狙ったのか)落ちてるくる、強風で飛ばされた農業用テントやら看板が電車にぶつかって人が亡くなるなど、自分に降りかかった時のことを想像すれば、容易に恐怖に至るだろう。珍しいところでは(結構いるかもしれないが)、狭いところ、ぶつぶつした模様、すれ違う愛玩犬、食べ物などにも恐怖を感じる人も多いだろう。 この様な恐怖心を抱く原因や、その対象物となり得る例を多く挙げ、それを精神医学の見地から分析しているのが本書の内容である。筆者は甲殻類の恐怖症であるから、自身の経験・体験などからもその原因や、恐怖を抱くための要件、条件を示している。特にエンターテインメントとしての映画や文学作品などの例示は豊富で、その一つ一つに丁寧な原因分析が行われている。勿論そうした作品の多くは、製作者や筆者の感じる恐怖心が背景にあるだろうから、見事に本作の筆者や読者である私も、その恐怖の罠に見事にはまってしまっているに違いない。 以前何かの本で、人はそこにあるはずのものが無かった時より、無いはずのものがあった時に恐怖を感じると読んだことがある。そうした意外性や身の危険に対する抵抗心などが恐怖に結びつきやすいだろう。何より生存本能として、痛みや死に至る危険性や可能性への恐怖は避け難い。その様な恐怖の出どころを理解したとて、その恐怖を克服したり避けられるわけでは無いだろうが、知識として知っておく事で、何かそうした機会に偶然行き当たった場合にも、少し冷静に考えられるのではないかと思う。ただ、恐怖は軽減できても、それはあくまで身体や精神の危険に対する警告的なものであるから、あくまであることの方が正しいのではあるが。
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