ヨルノヒカリ の商品レビュー
手芸店が舞台のお話しと知って読み始めました。 いとや手芸用品店を営む木綿子さんは、恋愛が何なのかが分からない。手芸店に住み込みで働くことになった光くんは複雑な家庭環境で育ったために家族とは何なのかが分からない。 家族でも恋人でも友達でもない2人が一緒に暮らし始めて、名前のつかな...
手芸店が舞台のお話しと知って読み始めました。 いとや手芸用品店を営む木綿子さんは、恋愛が何なのかが分からない。手芸店に住み込みで働くことになった光くんは複雑な家庭環境で育ったために家族とは何なのかが分からない。 家族でも恋人でも友達でもない2人が一緒に暮らし始めて、名前のつかない特別な関係を築いていくお話し。 他人と自分を比べなければ心穏やかでいられるのかもしれないが、それはなかなか難しい。普通とは何かを考えてしまうし、普通であることに安心感を覚える気持ちは分かる。 白黒はっきりつけずグレーのままでいてもいいよね。
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「52ヘルツのクジラたち」、「流浪の月」を読み終わった時と気持ちが似ているなぁと思いました。人それぞれに幸せの形があって、それはその人が決めるものであって、他の誰かが決めるものでも決めつけるものでもないのですよ。
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話が緩やかに進む。緩やかすぎてお話としてはメリハリがないなと思ってしまった。けれど実際こういう関係の構築の仕方もあるのかもと思える内容。 木綿子さんの恋愛に対する苦手意識に少し共感。年齢も近いし。 多様性の話なのかなとも思った。女性の服が好きな司さん(男性)とか、複雑な生育歴のひかりくんとか、颯太くんとか。 最後らへんでの成瀬くんの告白になるほどと思った。好きなことしか出来ない。好きな人としか話せない。これもわからないでもないなと。普通に見えるけど擬態してるだけの人も多いのかなと考えた。
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手芸洋品店を営む35歳の木綿子と、住み込みで働くことになった幼少期につらい経験をしている28歳の光、2人の目線で語られる話である。 自分は人とは違うと感じ、生づらさを抱えている2人。 私は境遇も違うし共通点もないが、人に理解してもらえないと思っている二人のつらさがじわじわ心に沁み...
手芸洋品店を営む35歳の木綿子と、住み込みで働くことになった幼少期につらい経験をしている28歳の光、2人の目線で語られる話である。 自分は人とは違うと感じ、生づらさを抱えている2人。 私は境遇も違うし共通点もないが、人に理解してもらえないと思っている二人のつらさがじわじわ心に沁みてくる。 畑野智美さんの細やかな心情描写がすごい。 伏線回収やどんでん返しもないけど、目が離せなくて一気読み。 今回の作品は特に沁みすぎて好きだなあ。 9月に発売予定の新作も楽しみだ。 積読の作品も読まないと。
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ふらっと何処かに行ってしまったり、色んな男の人と関係を持つ母親のもとで、食べること生きていくことだけを考えていたひかり。 働いていた飲食店が閉店することになり、住んでいたアパートも立ち退くことになっていた中、台風でアパートの窓が割れたことをきっかけに、いとや手芸店で住み込みで働くことになる。 目を引く美人で、人を好きになる感情が分からない木綿子さん、シングルマザーの母親の仕事が忙しい颯太くん、ひかりのこれまでの暮らしを支えてきた成瀬一家。 ひかりと木綿子をかたちづくってきた人たちとの関わりを知りながら、お互いが大切な人になるまでのお話。 穏やかな夜の雨みたいなお話だった。 ここ最近読んだ本でも、恋人でも夫婦でもない、恋愛感情が絡まない男女の共同生活がテーマのものがあったけど、私は本作の方がしっくりきた。 ふたりが、お互いに触れられたくない部分を暴かずに寄り添っていく関係性を素敵だと思った。 かつての仕事相手の日向くんが、フリーマーケットで売られていた木綿子さんの作品に怒る理由が分からなかった。 確かに暴力を振るうのはよくないけど、木綿子さんの大切なお店に怒鳴り込みにきたんだから、殴られるじゃなくても何かしらお灸を据えられても仕方なくないか?と思ってしまう部分もある。私には彼の正しさが分からなかったし、怖い。 私もハンドメイドを販売していたこともあるけど、自分の作品と発表していないものを「あの人の作品かな?」と思われることは光栄だけど、確信を持って問い詰めに来る人は怖いと感じる。 ひかりに普通だと憧れられていた成瀬が自分の歪んでいると思っている部分を話すシーンに軽い衝撃。そんなにひかりに執着していたとは。 一般的に求められる普通なんて、そうそうないのかも。
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『自分の気持ち』と『他人の目』 自分の気持ちに正直に生きて生きたくても、周りからのあれこれに悩んでしまう。 多かれ少なかれみんなあることだけど、理解してくれる人がそばにいると穏やかにすごせる。 それは本当に幸せな事だなぁって思います。 木綿子さんとヒカリ君が出会えた奇跡が読んで...
『自分の気持ち』と『他人の目』 自分の気持ちに正直に生きて生きたくても、周りからのあれこれに悩んでしまう。 多かれ少なかれみんなあることだけど、理解してくれる人がそばにいると穏やかにすごせる。 それは本当に幸せな事だなぁって思います。 木綿子さんとヒカリ君が出会えた奇跡が読んでいるわたしまで嬉しくなって。 ステキな結末。
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何かしらの生きづらさを抱えている人(っていうとほぼ当てはまりそうだけど)に優しく寄り添ってくれるような話。登場人物みんな良い人でみんな優しいけど、それでも人はそれぞれ色んなものをそれぞれが抱えて生きていかないといけないし、だからこそひとりで生きても誰かと生きても孤独感は消えないの...
何かしらの生きづらさを抱えている人(っていうとほぼ当てはまりそうだけど)に優しく寄り添ってくれるような話。登場人物みんな良い人でみんな優しいけど、それでも人はそれぞれ色んなものをそれぞれが抱えて生きていかないといけないし、だからこそひとりで生きても誰かと生きても孤独感は消えないのだと思う。だけど人は孤独同士だから繋がれる。 そういうことを感じさせてくれる物語。 ものすごく好きだった。
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人ってうまくは生きられない! そんなことを気に止むことなく、 胸を張って生きることができる。 それがこの作品と出会ってから 得ることができる変化のような気がします。 上手に生きているように見えるあの人にも 人から愛されているあの人にも 成功者のように見えるあの人にも どこ...
人ってうまくは生きられない! そんなことを気に止むことなく、 胸を張って生きることができる。 それがこの作品と出会ってから 得ることができる変化のような気がします。 上手に生きているように見えるあの人にも 人から愛されているあの人にも 成功者のように見えるあの人にも どこか"みんな"と違う一面があって、 そんな一面が自分はどうも愛せない。 誰もが感じたことのある感覚だと思います。 でもそんな自分を少し好きになれるとしたら、 それは自分の大切な人たちが そんな自分の一面を愛してくれているから。 ヨルに灯る小さくてあたたかなヒカリのように そんな光が1つでもあれば、 私達の人生は幸せなのかもしれません。
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複雑な家庭で揃った男女の物語。 恋人はなんなのか、生活を共にするとはなんなのか。 長文だったけど、読み応えはあったけど、なんだかあっさりしつつ、でも大事なメッセージは入っていて。 一般的な形じゃなくても、恋愛じゃなくても、相手のことを思いやって暮らすのは素敵だなって思った。 恋と...
複雑な家庭で揃った男女の物語。 恋人はなんなのか、生活を共にするとはなんなのか。 長文だったけど、読み応えはあったけど、なんだかあっさりしつつ、でも大事なメッセージは入っていて。 一般的な形じゃなくても、恋愛じゃなくても、相手のことを思いやって暮らすのは素敵だなって思った。 恋とか結婚とかそんなんより、よっぽどこういう生活したいなって思った。
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「消えない月」がとても印象にのこったので、こちらも読んでみた。 こちらは優しい雰囲気の漂う手芸洋品店の話。 ヒカリと木綿子の温かい絆が伝わってきてよかった。 2人とも繊細な悩みはもっているけど、一緒にいれば大丈夫な気がする。
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