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ヨルノヒカリ
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ヨルノヒカリ

畑野智美(著者)

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ヨルノヒカリ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2023/09/07
JAN 9784120056901

ヨルノヒカリ

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商品レビュー

4.1

144件のお客様レビュー

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2024/11/13
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※このレビューにはネタバレを含みます

2人の語りが交互に織りなす、とても美しく、とても身近に感じる、お話でした。 夜野光。28歳。 年齢としてはゆうに大人なのだけれど、少しあどけなさが残る、まだ男の子のイメージがある。 シングルマザーの環境に生き、同級生の成瀬の家族に多く育てられる。 中卒時に母親が去り、生きるために料理店を転々としながら働き始める。 そして22歳の時に母親の死を知る。 いとや木綿子さん。35歳。 自分を完全に重ね合わせてしまう、年齢とスタイルと。 祖父母の経営していた手芸屋さんを受け継ぎ、好きな裁縫を続けている。自分より少し年上のパートさんを数名雇用している。 以前は、フリーランスとして作ったものをネット販売したりもしていた。 畑野さんの作品は、前回も35歳の独身女性が出てきました。 その時に近くに感じるようになった男性は、逆に年齢の少し離れた年上の方。塾の先生でした。でも二人は、恋愛をする人たちであった。 今回のお話は、 一般世間の言う、恋愛と、そうでない、それでも愛かもしれない関係について物語が紡がれます。 二人の結婚観や家族観が、これまで育ってきた環境からできていることを、それぞれが確認するような過程。 木綿: __どうにかして、自分の人生に「恋愛」という出来事を残しておきたかった。 まだ出会っていないだけで、いつかは「好き」と思える人が現れるかもしれないと願い続けた。 __好きな人と結婚して、子供を産み、両親やおばあちゃんがしてくれたように、自分の作った服を子どもたちに着せてあげたかった。 __十代の終わりぐらいから、友達と深く付き合うことを避け、男の人とは必要以上に話さないようにして、生きてきた。恋愛の話になることを恐れ、逃げ続けた。そうするうちに、自分で意識していた以上に、自分の中に閉じこもるようになってしまった。 光: __母子家庭の歪さのようなものを感じた。子供は、母親の言葉や態度をすべて吸収してしまう。…誰かの家の事情に、自分の家の事情を重ねてはいけないと考えても、止まらなくなる。 __子供のころに自分が見てきたものの印象が強すぎて、恋愛という特別な感情を他人と交わしたら、不幸になるという考えを克服できない。 そして、二人の間の関係が何なのか、それぞれが自分を探り探り進んでいきます。 木綿: __この気持ちが、「恋」なのか、「愛」なのかは、よくわからない。でも、彼が「ただいま」といって返ってこられる場所でありたいと思うのは、確かだ。 光: __一緒に暮らした半年くらいの間、木綿子さんはいつも僕を機にかけて、優しくしくれた。自分のことを、とても大事に思ってくれる人が常にそばにいる。そう実感しながら、穏やかな気持ちで、暮らすことかできた。 でもその気持ちが「恋」だとは、感じられなかった。 ふたりの間にあるものは「恋」とは違う何かであり、家族に近い気がしていた。 普段思っているけれどなかなかうまく言語化できない思いや考えが言語化されていてとても共感しました。 もし現実にも、こんな人がいるのであれば、もっと話したいな―と思いました。 アセクシュアル、って訳でもない、というかそういう分類にも違和感を感じる。 世界は分類をしたがるけれども、そうじゃない気がする。 __多様性ということが言われるようになって、何年もたつけれど、誰もが理解できているわけではない。当事者であるわたしだって、よくわからない。恋愛感情が全くないと自覚している人から見たら、わたしのことは「違う」とされるのではないかと思う。はっきり割り切れることではなくて、人によって、少しずつ違う。理解し合うことは、とても難しい。 できれば、暖かい関係が持てればいいと思う。 そのほうがいいと思う。 でもそこに、世間的な恋愛が必要なのか、その段階を必ず経ないといけないのであれば、難しいなーと思う。 でもこの本を読んで、 もしかしたら、 いろいろな形で進む関係も可能かもしれない、とも思える。 この二人のように、ぴったりと合うような人が出会うことはまれなのかもしれないけれど。 だから、無理に他者に合わせず、自分の価値観を大事に生きたいと思う。 そして、あきらめるのではなく、主張するのでもなく、人との関係におっくうにならずに引っ込みすぎずに生きることかなーと思う。 せっかくの人生だし。

Posted by ブクログ

2024/10/30

恋愛感情が分からない木綿子と、家族という存在がよく分からない光。 不器用な2人が見つけた幸せの形とは、、。 ⁡ うわ〜この作品めちゃくちゃ好きだった(*´ω`*) かもし出す空気感がたまらなく好きで、いつまでも読んでいたい気分。 "多様性"がテーマのお話は、も...

恋愛感情が分からない木綿子と、家族という存在がよく分からない光。 不器用な2人が見つけた幸せの形とは、、。 ⁡ うわ〜この作品めちゃくちゃ好きだった(*´ω`*) かもし出す空気感がたまらなく好きで、いつまでも読んでいたい気分。 "多様性"がテーマのお話は、もうお腹いっぱいで飽きつつあったんだけど、押し付けがましくない穏やかで優しい雰囲気のせいか抵抗なくスーッと入ってきた。 なんとなく瀬尾さんの作品を読んだ時の感覚と似てる気がしたかも。 ⁡ 自分らしくあればいいんだよ、と言われても、一般的な"普通"からズレてしまうと、実際のところ他人もそして自分自身もなかなかそれを認めなかったりする。 悩みながらも、自分の素直な気持ちに向き合っていこうとする2人のことをそっと見守ってる気分だった。 ⁡ 幸せの形は人それぞれ。 誰にどう思われ様とも、じっちゃんの言うとおり、自分の事を大切に思ってくれる人たちの事だけを考えて生きていけばいいんだと思う。 もうちょっと2人のこの先を見ていたかったな〜。 とても優しい素敵なお話でした♡♡ ⁡ ⁡ ✎︎____________ 成瀬夫婦の温かさが沁みる〜ඉ_ඉ 司さんの生き方もカッコいい! ご飯も描写もたまらん〜(´﹃`) ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡

Posted by ブクログ

2024/10/29

よく、男女で友情は成り立つか、と話の種になるけど友達でもない恋人でもない家族でもない、当てはまる名前のない関係があってもいいと思う。恋愛感情がわからない木綿子と家族の存在がわからない光がいとや手芸洋品店で色々模索しながらも共同生活を送る姿がぎこちないのに心地よくゆったりとしていて...

よく、男女で友情は成り立つか、と話の種になるけど友達でもない恋人でもない家族でもない、当てはまる名前のない関係があってもいいと思う。恋愛感情がわからない木綿子と家族の存在がわからない光がいとや手芸洋品店で色々模索しながらも共同生活を送る姿がぎこちないのに心地よくゆったりとしていてとてもよかった。光の周りにいる美咲含め成瀬の家族やじいちゃんたちの存在がずっと光を支えてきた経緯が優しくあったかくて泣ける。司さん家族もとてもすてき。読みながら、家族とは、と考えたり過去を思い出したり。柔らかい読後感に包まれた。

Posted by ブクログ

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