素敵な圧迫 の商品レビュー
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短~中編6篇。特に何縛りとかはない。業が深くて濃ゆい話が多い。 <面白かった編> ・「素敵な圧迫」 表題作。 隙間なくピッタリくる圧迫、の快感は分かる気がする。 でもまさかそっちが本命になるとか思わなかったよ~。 冷静で賢い広美はきっと存分に圧迫を楽しめると思う。そんでいつか来る終わりの日にも、止められない楽しみが終わってしまうことに歯嚙みはしても、自分の選択を後悔することはないんじゃないかなー。 ・「論リー・チャップリン」 「賢さはタダだから!」の一文に膝を打つと同時に、「それは『賢さ』じゃねぇ!!」と反論したくなる。まぁそれが本物かどうかなんて関係なくて、老若男女手に入れやすくて周りが一目置いてくれるかが重要ってことよね多分。(論破カフェ実在するのか検索してしまった面白いけど負けた方からいつか刺されそう) 最後の開き直ったプラン(論破に影響されとる)もよかったし、ハッピーエンドだ。 ・「パノラマ・マシン」 「取り返しのつかなさが欲しい」。強姦も殺人も楽しめる気がしないけど、その気持ちはちょっと分かる気がする。延々と相談を受けて、あれこれ提案して、そんで「どうなった?」って聞いたら「なしになった!」ってニッコリ笑われた時の徒労感というか、「オイラの純情を返して!」的な(違うか)? パノラママシンになんて出会わない方がいいし、良くも悪くも平行世界のない現実の有難みをかみしめないといけないってことですかね。 <物足りなかった編> ・「ミリオンダラー・レイン」 悪くはないんだけど、他の編がぶっ飛びまくってるので常識人が浮く。箸休め的な話なのかもしれないけど、もうちょい他のに合わせてインパクトあってもよかったかも。 <総評> 面白かったです。書かなかったけど「ダニエル・<ハングマン>の処刑について」も翻訳ものっぽくて、最後まで読んで読み返すと「あ、確かに節々でそんなこと言ってる~」ってのがあって二度おいしい。 初見は「何じゃこれ??」だった表紙絵も、読んだ後で開いたパンドラの箱みたいに見える所が好き。
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短編集。 『素敵な圧迫』 人の嗜好をどうこう言うつもりはないけど、なんかもう怖い。最終的にその圧迫がいいんだね。 『ミリオンダラー・レイン』 一攫千金をきっかけに今の生活から抜け出したいという気持ちは分かるんだけどね…。想像がつかないほどの大きなものに支配されている感じ。掌の...
短編集。 『素敵な圧迫』 人の嗜好をどうこう言うつもりはないけど、なんかもう怖い。最終的にその圧迫がいいんだね。 『ミリオンダラー・レイン』 一攫千金をきっかけに今の生活から抜け出したいという気持ちは分かるんだけどね…。想像がつかないほどの大きなものに支配されている感じ。掌の上で踊らされてるね。これは。 『論リー・チャップリン』 父と息子のバトル。息子に勝つために"論破"する方法を学び、いざ勝負へ。微笑ましい。 『パノラマ・マシン』 路地裏で見つけた不思議な物のせいで狂っていく。もともと持っていた狂気が、不思議な物のせいで表面に出てきただけなのかな?なんか嫌な感じの話。 『ダニエル・《ハングマン》・ジャービスの処刑について』 ボクシングはよく分からないので、偏見があったらごめんなさい。ボクシングの世界ではあり得そうな話だと思った。 『Vに捧げる行進』 コロナ禍初期の頃を思い出す。心を保つために何かに縋りたくなっちゃうんだろうな。それが良いことでも悪いことでも。 短編だったので、あまり好きでないイヤミス系も心が重くなる前に話が終わるから良かったです。
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「素敵な圧迫」はフェチに突き進み逆らう事が出来ない人間の本能的な情熱に突き動かされる思いが描かれていた
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ちょっと不思議な短編集。 一見、こんなこと現実ではありえないかなって思ってしまうけど、でもコロナ禍でそれまで無意識に信じていたことや普通だと思っていたことがあっけなく覆ってしまって、そんな経験をした今、何が起こってもおかしくないという気がしていて、だからこそすんなりと受け容れられ...
ちょっと不思議な短編集。 一見、こんなこと現実ではありえないかなって思ってしまうけど、でもコロナ禍でそれまで無意識に信じていたことや普通だと思っていたことがあっけなく覆ってしまって、そんな経験をした今、何が起こってもおかしくないという気がしていて、だからこそすんなりと受け容れられた。
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呉さん作品 8冊目は 表題作「素敵な圧迫」を含む6編の短編集 【素敵な圧迫】 「いい隙間を見つけると、胸がおどった」 押し入れの隅っこ、布団の隙間。電源を落とした一人暮らし用の冷蔵庫。抱擁に似た、素敵な圧迫。 体をピッタリと包み込む圧迫に取り憑かれた広美。 大人になった広美は自...
呉さん作品 8冊目は 表題作「素敵な圧迫」を含む6編の短編集 【素敵な圧迫】 「いい隙間を見つけると、胸がおどった」 押し入れの隅っこ、布団の隙間。電源を落とした一人暮らし用の冷蔵庫。抱擁に似た、素敵な圧迫。 体をピッタリと包み込む圧迫に取り憑かれた広美。 大人になった広美は自分の体に肌にピタッと合う男 遼と出会う。いつまでも抱きしめていてもらいたかったが、婚約者が出来た遼は別れ話を匂わせてきた_。 わかるぅ。押し入れ好きだった。中学の修学旅行で友達と「ドラえもんごっこ」とか言って朝まで押し入れで寝たら キツくて次の日体がミシミシ痛かった思い出 笑 こんなピターっとくる男性、そうそう手放したくないよねと思って読んでいたら 広美の性癖が想像の斜め上をいっていて怖かった。広美くらいになると精神的な圧迫に快楽を求めるのね。 【ミリオンダラー・レイン】 社会的地位の低い工場見習い従業員の青年二人が、搾取される側から する側へまわろうと 現金輸送車を襲う計画を立てる。世の中を震撼させた「三億円事件」。_虚しさしか残らないラストに青年と共に呆然。若さと社会への反発心で熱に浮かされていたのか。事件を起こさないでよかったのか、起こして欲しかったのか迷う。 【論リー・チャップリン】 「遊ぶ金が欲しいから10万円よこせ」と父親をゆする中学生の勝。「そんな大金あげられるわけないだろ」と勝の父の与太郎。勝VS与太郎の10万円を巡る口論の勝者はどっちだ?! 息子にも元妻にも論破されっぱなしの情けない与太郎。わたし与太郎好きだー笑 こんな平和な頭のパパ、議論する気も失せない?え、元妻はそんなところが嫌だったのかな笑 とにかく会話のセンスがツボ(*´`) 『決戦の金曜日』最後はホッコリ〜。愛情に論破はいらないだろ。 【パノラマ・マシン】 見た事もない不思議な箱を拾った男の話。 妖しさムンムン 狂気ムンムンな話だった。 箱から伸びたイヤホンのようなものを耳に差し込めば、現実世界と同じ景色の『あちらの世界』へ行けるというもの。あちらの世界では『何をしても』現実世界に影響は出ない。これを使う人間の欲望が…異常な男たちでゾワゾワ。 【ダニエル・《ハングマン》・ジャービスの処刑について】 ボクシングの話 興味無いー ダニーがどんだけ強かろうと、弟までもが天才的な強さだろうと 興味無いー と思っていたけどまさかの終着点でビックリ!! ダニーの武勇伝を語る人物の迎えた結末に…ゾーっ! 【Vに捧げる行進】 これは他の本で読んでた。 うむ。やっぱり呉作品は長編の方が好きかもしれん。次は何 読もうかな(‘v’*) 腰痛からの左足の痺れで病院行ったのに、骨に異常なしで痛み止めだけもらってきた。えー、座ってるのも立ってるのも辛いのに。
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7 books to go!読友さんの感想を受けて、初の呉勝浩作品。どれも尖ったパーソナリティを持つ登場人物、さらに熱量を感じる作品ばかり。表題作、『素敵な圧迫』は「紫のスカートの女」を彷彿とさせる、やばい女性の性癖。密閉・圧迫が大好き。押入れの隙間に収まりたい願望。大学での1人暮らしで冷蔵庫の中でジッと圧迫を感じることが好き。不倫相手から抱かれる密閉感が大好き。その不倫相手から別れを言われ。。。彼女があれこれ別れまいと工作する。しかし相手から殺されそうになる!ゾゾゾーーー。ボクサーのお話しも最後に!!④
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表題作の『素敵な圧迫』と『ダニエル・《ハングマン》・ジャービスの処刑について』が面白かった。 『素敵な圧迫』は狭い場所や圧迫感に幸福を感じる性癖を持つ女性が主人公。取引先の男性と肉体関係を持つようになりその男性の身体の重みや肌質などの圧迫感に虜になるが、彼には資産家令嬢の婚約者...
表題作の『素敵な圧迫』と『ダニエル・《ハングマン》・ジャービスの処刑について』が面白かった。 『素敵な圧迫』は狭い場所や圧迫感に幸福を感じる性癖を持つ女性が主人公。取引先の男性と肉体関係を持つようになりその男性の身体の重みや肌質などの圧迫感に虜になるが、彼には資産家令嬢の婚約者がいて───という話。設定も突飛なのだが、その後予想もしないような展開になるのが面白かった。なるほど、そっちか! 『ダニエル・《ハングマン》・ジャービスの処刑について』は、ある一人の天才ボクサーの半生を描く自伝小説の形態を取る。普通に面白く読んでいると最後にミステリ的な仕掛けがあり、なるほどと唸った。こういう仕掛けがあるミステリ大好き。
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呉勝浩3冊目、短編集は初めてだが、さすがに上手い。 タイトルを見て「ちょっとヤラレ系のM系小説だったら苦手かもな」と警戒したんだが、そういう風味はありつつもちっとも苦手じゃない話で良かった。ミステリー的なオチもしっかりついてたし。 他全部で6編の短編を収録しているが、どれも面白い。クセというかちょっとだけ捻りが加わっているのが、癖になるんやねぇ。ストレートすぎると飽きるし、捻りすぎると選り好みが分かれやすい。その合間を絶妙に縫っている感じ。 でも、やっぱり、呉勝浩は長編。長編を読みたい。早く爆弾回ってこんかなぁ
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呉さんの文章が好きだ。情景や心理や、とにかく様々なものをまざまざと思い描くことが出来る、描写の巧みさが好きだ。 短編集でありながら、読みごたえがある。 特にボクシングを題材にした「ダニエル・《ハングマン》・ジャービスの処刑について」では、ボクサーの身のこなしがみごとに再現されて...
呉さんの文章が好きだ。情景や心理や、とにかく様々なものをまざまざと思い描くことが出来る、描写の巧みさが好きだ。 短編集でありながら、読みごたえがある。 特にボクシングを題材にした「ダニエル・《ハングマン》・ジャービスの処刑について」では、ボクサーの身のこなしがみごとに再現されて実際の試合を見ているよう。 うわ、嫌だなと思うような人間の描写もしかり。読み終えてドンヨリとしてしまうのは、とにかく引き込まれてしまうからなんだろうな。 短編でありながら重ための話がほとんどだが、「論リー・チャップリン」は楽しんで読んだ。 「ミリオンダラー・レイン」「Vに捧げる行進」の主人公にも好感が持てた。どちらもピリッとした風刺が心に刺さる。 こうして思い出しながら書いててジワジワ来る感じ。 やっぱり呉さんは面白い。
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「スワン」に心をつかまれたので「おれたちの歌をうたえ」「爆弾」と読んで、これが四冊目になる。 悪くはなかったが、この人は長編のほうが読ませるのではないかと思った。
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