マリエ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルのマリエは主人公の名前でもあり、香水の名前でもある。 千早さんの作品は香りが漂ってくるようで本当に好きだー。今回も香水や料理、人の香りが本を読んでいるのに、自分が嗅いでいるような気持ちになった。 ストーリーは、離婚届を提出するところから始まる。まりえの夫の森崎は恋愛がしたいという理由で離婚を申し出てきて、そこで、ハアッ?と思ってしまってから森崎に対する印象がずっと良くなくて、個人的には離婚して正解!と思いながら読んでた。 香水屋さんの林くん、そのお友達の由井くん。(由井くんはずるい。スッとまりえの生活に入ってきて、気づいたら空気のようにいて欲しい存在になってる。そんなの好きにならざるを得ない!) まりえの周りにいる友達の早希、年上の飲み友達マキさん、先輩の観月台さん、同じ結婚相談所に通う香織さん。みんなそれぞれが個性的、ではあるけど本当に自分の周りにもいるような子ばかりで。 30代からの女性の幸せって何なんだろう?って考えさせられた。 今回もいろいろグサグサくるワードがあった。 「すぐ擬似家族を作ろうとするのよね」 「この人は不幸なんだなと思った。だから、満たされていそうな人たちを見ると腹がたつのだ。」 「誰といても、その人の幸も不幸も決めてはいけない。それぞれで努力するしかない」 「自分の彼女が婚活していたって知っても結婚の意思を示さない。それって男としてのプライドが傷ついたことでいっぱいいっぱいってこと」 私がパートナーに望むのは世界を共有することなのかもしれない。色や匂いを記憶に刻んで季節がめぐっても思い出したい。 決して結婚だけが幸せではないと思う。ただ、結婚が幸せだという人もいるし、それは人それぞれで間違いではないと思う。結局自分が幸せかどうかなんて、自分じゃなきゃわからないんだもんね。
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「恋愛がしたい」という理由で夫から離婚を突きつけられたまりえ。ようやく自分の心の中で折り合いをつけ二人で離婚届を提出した。幸も不幸も自分で決める。誰かのおかげで幸せになるのではなく誰かのせいで不幸になるのでもない。40歳を前にしたまりえが模索しながら手探りだした日常。結婚観恋愛観...
「恋愛がしたい」という理由で夫から離婚を突きつけられたまりえ。ようやく自分の心の中で折り合いをつけ二人で離婚届を提出した。幸も不幸も自分で決める。誰かのおかげで幸せになるのではなく誰かのせいで不幸になるのでもない。40歳を前にしたまりえが模索しながら手探りだした日常。結婚観恋愛観いろいろな考えに、自分はずいぶん旧式な思考だなと考えさせられた。
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この手の小説は女性の言い分が強いと言うか、如何にも好きになれないものが多いがこの作家はやはりとてもフェアだ。 全ての登場人物の人間本来が持っている誠実さ、我儘さ、強さ、弱さ等をとても正直に描いている。 マリエに対しても、好感を持つ人もいれば自業自得だと思い人もいる。 いざ自...
この手の小説は女性の言い分が強いと言うか、如何にも好きになれないものが多いがこの作家はやはりとてもフェアだ。 全ての登場人物の人間本来が持っている誠実さ、我儘さ、強さ、弱さ等をとても正直に描いている。 マリエに対しても、好感を持つ人もいれば自業自得だと思い人もいる。 いざ自分に置き換えてみるとそんな感情が起こっても何ら不思議ではない。 そういう描き方をする作者がとても好きだ。 やはり千早作品は一味違うなと改めて思わされた作品。
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林くんとの新しい香水を選ぶ件で、名前の辻褄が合わない所がありました。装丁と内容がとてもマッチしています。表紙からマリエの香りが漂ってきそう。私にはとても充足感のあるお話でした。
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アラフォー女性の離婚から始まるこの物語。ある程度の地位と収入のあるこの女性のその後の生活を通じて、離婚、結婚、年下の恋人、仕事のこといろいろな立場の人物の価値観が見え隠れして興味深くまた面白く読了しました。香りというのもこの物語のキーワードのようで、香水の描写がなんとなく素敵に思...
アラフォー女性の離婚から始まるこの物語。ある程度の地位と収入のあるこの女性のその後の生活を通じて、離婚、結婚、年下の恋人、仕事のこといろいろな立場の人物の価値観が見え隠れして興味深くまた面白く読了しました。香りというのもこの物語のキーワードのようで、香水の描写がなんとなく素敵に思いました。
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マリエ本人の心情は詳しく書かれ、周りの人物は現実同様表面や一面しか書かれていない。自覚のない不安や孤独、自負が重く、半分まで読んだが放棄。
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まず、表紙から美しい。 ずっと眺めていたくなります。 千早茜さんは初読み作家さんでしたが、紡ぎ出す文章が瑞々しくて、美しくて、虜になりました。 まりえの迷いもいいし、香織さんの迷いのなさも逆にいいし、マキさんの達観している感じもいいし。読み終えたときの余韻も良かったです。
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私の幸も不幸も、私が決める。そう決めた。 40歳目前に離婚した、桐原まりえ。 離婚って失敗なの? 大人の女性の幸せと結婚をめぐる物語。 料理に香り、、この作品も千早さん色満載〜♡ 不安を抱き、揺れながらも、自分が人生に求める幸せって何なのかを模索するまりえ。 まりえに共感す...
私の幸も不幸も、私が決める。そう決めた。 40歳目前に離婚した、桐原まりえ。 離婚って失敗なの? 大人の女性の幸せと結婚をめぐる物語。 料理に香り、、この作品も千早さん色満載〜♡ 不安を抱き、揺れながらも、自分が人生に求める幸せって何なのかを模索するまりえ。 まりえに共感する所も結構あったし、なんだか潔くて憧れるとこもあった。 色んな人がいて、みんなそれぞれの価値観がある。 由井くんがカッコよかったな〜。 誰かの言葉に引っ張られず、自分らしくありたい。 結局、簡単な様で難しいけど自分に正直でいるのが1番幸せなんだろうな。
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久しぶりの千早茜さん、一気読み! 森崎のことを「検索すれば一瞬でわかることを訊いてくる人」って例えたのがツボ。 由井くん、好きだなぁ。 「条件で恋人を選ばない」って言い切るところがステキ。恋人がいて婚活って、器用でマメな人じゃないと難しいと思うなぁ。
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恋愛がしたいと訳の分からない理由で離婚を切り出した夫と役所に届を出した後に、まりえがえらんだ「青空の下に真っ白なシーツをひろげたような」香水。寝室に朝日が差す明るい部屋での一人暮らしは快適そうで、離婚、良いなと思わず言ってしまいそうだった。ひとりになって、欲しいものがくっきりした...
恋愛がしたいと訳の分からない理由で離婚を切り出した夫と役所に届を出した後に、まりえがえらんだ「青空の下に真っ白なシーツをひろげたような」香水。寝室に朝日が差す明るい部屋での一人暮らしは快適そうで、離婚、良いなと思わず言ってしまいそうだった。ひとりになって、欲しいものがくっきりしたというのは分かる気がする。すべてを自分の好みで選べるのは素適だ。そんな気楽な一人暮らしをしていたまりえが、婚活や若い男性との出会いに振り回されていくことは、ちょっと残念に思った。けれどいつも平穏にばかり暮らせない。それが人生かもしれない。
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