奇病庭園 の商品レビュー
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川野さんの作品2冊目。引き続き、幻想文学〜で、話が繋がっていく様子はとても好きだった。ずっと不穏で、それが美しい不穏であることが稀有だなと思う。美しい不穏、というのがあるのだ、という。異形に変じ、それに対して負の感情が出て来る一方で、切なく愛おしいと思うのはなぜだろう。 いつしか昼の星の おぼろな光さえ 消え失せ この世は 七月の雪よりなお はかなく溶ける 自分のことを名付けるとしたら、そしてそれが単語のような名付けではないとしたら、私はなんと名づけるだろう?
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帯には「幻想長編」とあるが、数ページで終わる短い話が並んだ章が三つと、100ページ近い一編の物語の章が一つという構成。夜、眠る前に一編ずつ(または一区切りずつ)味わうように読むのに大変良かった。万人受けはしない一冊だとは思うが、作者の紡ぐ言葉の美しさと、その言葉から導かれる、まる...
帯には「幻想長編」とあるが、数ページで終わる短い話が並んだ章が三つと、100ページ近い一編の物語の章が一つという構成。夜、眠る前に一編ずつ(または一区切りずつ)味わうように読むのに大変良かった。万人受けはしない一冊だとは思うが、作者の紡ぐ言葉の美しさと、その言葉から導かれる、まるで朧気で奔放な夢を見ているような幻想性に浸ることができた。またこの箱庭を覗き込みに訪れたいと思う。
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異国の風まで感じるような肌触りの幻想小説。Ⅰではいろんなお伽噺が集まっている宝石箱のようで、Ⅱでだんだんと作られた形が見えてきて、Ⅲで点と線がつながってストンと落ちる、素敵なお話でした。異世界の今昔物語とか蜻蛉日記とかを読んだような不思議な感覚。
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一回だと難しかった…けれど、やっぱり好きな世界観。 人物相関図が欲しい。 川野さんの本は、脳内で映像を浮かべるか、あくまで文字を楽しむか、迷う。
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幻想的な世界でありながらああこうなりたいという部分もあり不思議な読書経験だった。特に「蹄に就いて」が大好き。
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読書備忘録861号。 ★★。 うん。無理。 読むのが辛かった。 理詰めで筋を読んで楽しむ、登場人物に感情移入して涙する、などの楽しみ方をするシンタローには無理だった。 作者が頭良すぎなんだろうと思う。しかも小説家ではないですね、作者は。 正直にゆっとく。おもろない。 というこ...
読書備忘録861号。 ★★。 うん。無理。 読むのが辛かった。 理詰めで筋を読んで楽しむ、登場人物に感情移入して涙する、などの楽しみ方をするシンタローには無理だった。 作者が頭良すぎなんだろうと思う。しかも小説家ではないですね、作者は。 正直にゆっとく。おもろない。 ということで、ブクログの作品紹介をそのまま載せて終わりにするしぃ。 もう読まないしぃ。 ------------------ 奇病が流行った。ある者は角を失くし、ある者は翼を失くし、ある者は鉤爪を失くし、ある者は尾を失くし、ある者は鱗を失くし、ある者は毛皮を失くし、ある者は魂を失くした。何千年の何千倍の時が経ち、突如として、失ったものを再び備える者たちが現れた。物語はそこから始まる——妊婦に翼が生え、あちらこちらに赤子を産み落としていたその時代。森の木の上に産み落とされた赤子は、鉤爪を持つ者たちに助けられ、長じて〈天使総督〉となる。一方、池に落ちた赤子を助けたのは、「有角老女頭部」を抱えて文書館から逃げだした若い写字生だった。文字を読めぬ「文字無シ魚」として文書館に雇われ、腕の血管に金のペン先を突き刺しながら極秘文書を書き写していた写字生は、「有角老女頭部」に血のインクを飛ばしてしまったことから、老女の言葉を感じ取れるようになったのだ。写字生と老女は拾った赤子に金のペン先をくわえさせて養うが、それが「〈金のペン先〉連続殺人事件」の発端だった……歌集『Lilith』、短篇集『無垢なる花たちのためのユートピア』、掌篇集『月面文字翻刻一例』の新鋭、初の幻想長編小説。
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川野芽生先生は掌編がいいな〜と思っていたのですが、これはもうドンピシャに暫定1位です。 恐ろしくて残酷な、世界の終わりを俯瞰するファンタジー。 いつの日か、人々はおぞましいのにどこか心惹かれる、奇怪で病的な姿に変化していった。 その姿はどれも、人と獣と虫と植物と何もかもが混沌と...
川野芽生先生は掌編がいいな〜と思っていたのですが、これはもうドンピシャに暫定1位です。 恐ろしくて残酷な、世界の終わりを俯瞰するファンタジー。 いつの日か、人々はおぞましいのにどこか心惹かれる、奇怪で病的な姿に変化していった。 その姿はどれも、人と獣と虫と植物と何もかもが混沌としたものだった。信じられないし、信じたくない物語。だけど、誰しもがいつかは、そんなかたちに帰って行くのかもしれない。 悪夢のような世界の、最果ての記録。
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※このレビューにはネタバレを含みます
たくさんの掌編が、少しずつ繋がっていく構成は好きだけど、ひとつひとつが短くて、どれがどれだっけ…となる。 文体はとても好き。 世界観は幻想的だけれど、現実を仮託しているようでときどき辛い。少年と少女のすれ違いが特に… 最後にたどりついた場所は、いつか帰るところだったんだろうか。
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表紙の絵から連想するような、何とも奇妙な世界が本の中に広がっている。 物語は絵画に例えると、まるでダリやヒエロニムス・ボスの絵のようだ。 それぞれの語は奇病という共通点でゆるく繋がっている。 あるものは鉤爪が生え、あるものは角が、あるものは翼が生える。 そのものたちがたどった人生...
表紙の絵から連想するような、何とも奇妙な世界が本の中に広がっている。 物語は絵画に例えると、まるでダリやヒエロニムス・ボスの絵のようだ。 それぞれの語は奇病という共通点でゆるく繋がっている。 あるものは鉤爪が生え、あるものは角が、あるものは翼が生える。 そのものたちがたどった人生。 隠れたもの、旅するもの、自由を得たもの。 物語ははっきりと終わりもしないし、始まりもしない。幽玄、奇想、なんという言葉がぴったりだろう? 著者の言葉の選び方はわかりやすさとは正反対のところにある。 それがまた、この独特で奇妙な世界を作り上げている。 正解を、わかりやすい結末を求める読者には何を言っているかわからないから、つまらないだろう。 世の中には理解できはしないけれど、感情を呼び覚ますようなものもある。 短い章で区切られた奇病の庭園は、もしかしたら自分自身の心の中なのかもしれない。 私を私たらしめている私と言う人格ですら、完全には理解できない、もっと深いところの。
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少しずつ登場人物や世界がリンクしていくのは素晴らしかった。真夜中にひっそりじっくり読みたい本。 (ただし、きちんと集中して読まないと置いていかれる)
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