始まりの木 の商品レビュー
藤崎 旅の準備をしたまえ、このフレーズ好きだわ。ラストの所で出て来るのも粋だね、出だしから奇人扱いだけどちゃんと理由があるし余計な事を言わずに誤解されたまま。最初から最後まで読みたい欲求がある、なんでだろう波長かな、出だしの季節を表現する3〜4行がうま過ぎて、もちろん情景が浮かぶ...
藤崎 旅の準備をしたまえ、このフレーズ好きだわ。ラストの所で出て来るのも粋だね、出だしから奇人扱いだけどちゃんと理由があるし余計な事を言わずに誤解されたまま。最初から最後まで読みたい欲求がある、なんでだろう波長かな、出だしの季節を表現する3〜4行がうま過ぎて、もちろん情景が浮かぶ。十一月の京都は黄と紅の町であるとか。柳田國男の名前は知っていたが語れる程読んでもいない。民俗学から農村の貧しさ和菓子知った所が始まりで使命感になる、神様も信じるじゃなくて感じる!それが民俗学!滅びる!はグッとくる。民俗学は知らないが思わぬ夏川草介さんで学べたこと嬉しく思います
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民族学の教授と学生の物語。 民俗学と言えば、柳田国男の遠野物語という漠然としたイメージは私の中に昔からあった。 古き良き日本を学ぶ…そんな感じだろうかと思っていたのだけれど、読んでいてもっと深い何かがあると感じた。 民俗学とは何だろう、神とは何だろう… 現代日本人が失ったものとは...
民族学の教授と学生の物語。 民俗学と言えば、柳田国男の遠野物語という漠然としたイメージは私の中に昔からあった。 古き良き日本を学ぶ…そんな感じだろうかと思っていたのだけれど、読んでいてもっと深い何かがあると感じた。 民俗学とは何だろう、神とは何だろう… 現代日本人が失ったものとは何だろう… 「この国の人々にとって、神は心を照らす灯台だった」という言葉がとても印象的だった。
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お医者さんが書いてるとはびっくりしました。 自然を表現する文章が綺麗で、一緒に旅をしたようでした。 また文化学部で学生時代は哲学や宗教を学んでおりましたので興味をそそられる箇所がいくつかあり楽しかったです。 私自身は神や仏など超自然的なものは一切信じておりませんが、心の拠り所と...
お医者さんが書いてるとはびっくりしました。 自然を表現する文章が綺麗で、一緒に旅をしたようでした。 また文化学部で学生時代は哲学や宗教を学んでおりましたので興味をそそられる箇所がいくつかあり楽しかったです。 私自身は神や仏など超自然的なものは一切信じておりませんが、心の拠り所としてなかなか必要であるとは思います。
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やはり、夏川草介さんの紡ぐ文章はどこか温かい。情景も自分がその場にいるかの如く想像しやすい。 また、作品名となっている「始まりの木」は古屋先生にとっては第三話であると思うが、二人にとっては第五話だと思う。
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民俗学というほとんど接したことのない馴染みのない学問だっただけに読み進めるのに少し時間がかかってしまったが、夏川さんの秀悦な文章で心地よい空気と時間が流れるようでもあった。
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神は信じる前に感じるものだと言うこと。日本古来の八百万の神の感覚は、現代社会では失われつつありますが、人の心が豊かであったのだなと思いました。
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夏川さんの言葉のチョイスと思い浮かぶ情景の美しさがやっぱり好き。夏川さんの本に出てくる人物はなぜこれほどまでに心が綺麗なのだろう。心が澄む、綺麗な情景という言葉の意味をスッと馴染ませてくれる。私はこういう感性を持って生きていたい、まっすぐと自分の進む道を見据えて、そこに至るために...
夏川さんの言葉のチョイスと思い浮かぶ情景の美しさがやっぱり好き。夏川さんの本に出てくる人物はなぜこれほどまでに心が綺麗なのだろう。心が澄む、綺麗な情景という言葉の意味をスッと馴染ませてくれる。私はこういう感性を持って生きていたい、まっすぐと自分の進む道を見据えて、そこに至るために近道でも回り道でもなく王道を胸を張って進んでいきたい。結末にその先を知りたいものも残るけれど、残っているからこそこの作品だと思う。
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著者の作品は本当に文章や表現がきれい。 民俗学というこれまで全くかすっても来なかった分野だが、なるほどと思わせる展開はさすがだった。 日本と西洋との神に対する考え方については、とても理解しやすく納得のいくものだった。 参考文献の多さに驚愕。 それにしても解説は難しすぎて途中...
著者の作品は本当に文章や表現がきれい。 民俗学というこれまで全くかすっても来なかった分野だが、なるほどと思わせる展開はさすがだった。 日本と西洋との神に対する考え方については、とても理解しやすく納得のいくものだった。 参考文献の多さに驚愕。 それにしても解説は難しすぎて途中で挫折。
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民俗学の准教授古屋神寺郎と大学院生藤崎千佳の物語。民俗学とは何ぞや、と問いかけながら、日本人としての矜持を問いかける。 二人の五つの旅が五つの短編となる。 偏屈ものの古屋と、彼を尊敬しながら偏屈さに耐える千佳の会話が絶妙で面白い。 「観音様とは特別な仏ではない。心の中にある自然を...
民俗学の准教授古屋神寺郎と大学院生藤崎千佳の物語。民俗学とは何ぞや、と問いかけながら、日本人としての矜持を問いかける。 二人の五つの旅が五つの短編となる。 偏屈ものの古屋と、彼を尊敬しながら偏屈さに耐える千佳の会話が絶妙で面白い。 「観音様とは特別な仏ではない。心の中にある自然を慈しんだり、他人を尊敬する心の在り方を例えている言葉である」 仏も神も日本人としてのあり様であるという古屋の教えは、とても気持ちよく心に染み込んでくる。 自然を敬い、自然を畏れ、他者を大切にする。それが古来の日本人であり、その事を改めて学ぶのが民俗学である。 ネットで調べたり映像で見るのではなく、自分の足を運んで見たり感じたりすること。心がけなくてはいけない大切な事だと思う。
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ここ最近で一番の本だった。 民俗学について研究する女学生と大学の先生の話で、何よりこの2人のやり取りがおもしろい。 民俗学って何なのか、まずそれが分からないと思うが、本を読んで思ったのは倫理に近いものだと感じた(正確には違う)。理屈ではない、神に対する信仰心とかそういった類のこと...
ここ最近で一番の本だった。 民俗学について研究する女学生と大学の先生の話で、何よりこの2人のやり取りがおもしろい。 民俗学って何なのか、まずそれが分からないと思うが、本を読んで思ったのは倫理に近いものだと感じた(正確には違う)。理屈ではない、神に対する信仰心とかそういった類のことである。 正直私は、神とかまったく信じていない。この本に出てくる例えば、樹齢何百年の木とかも新しく道路を作るために伐木するのに何も思わないし、どんどんしろとも思うタイプである。それが経済のためになるし。 ただそれに対してこの本では、そういう自らの幸福を求めている人だけの国は亡びていくとしている。目に映ることだけが全てだと考えるようになれば、すごいシンプルな世の中であるが、そういう世の中になっていくということは、自分より力の弱い者を倒すことは倫理に反するどころか、とても理にかなった生き方になると。 また、「どんな物事でも、金銭に置き換えることでしか判断できないような、品のない人たちばかり幅を利かせている世の中」など心にぐさっとくるセリフが多い。 ぜひみなさん一読してほしい。
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