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射精責任 の商品レビュー

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2024/09/02

望まない妊娠や中絶の議論をするとき、その中に男性がまったく入っていないのはなぜなのか。議論の出発点を再定義する。 個人的にずっと疑問に思っていたことがある。時々トイレやコインロッカーに生まれてすぐの嬰児が遺棄される事件、大抵は亡くなってしまい、殺人死体遺棄事件になるけれども、そ...

望まない妊娠や中絶の議論をするとき、その中に男性がまったく入っていないのはなぜなのか。議論の出発点を再定義する。 個人的にずっと疑問に思っていたことがある。時々トイレやコインロッカーに生まれてすぐの嬰児が遺棄される事件、大抵は亡くなってしまい、殺人死体遺棄事件になるけれども、その時に罪に問われるのはなぜか女性だけだということだ。だって普通は子どもは一人では作れないから、関係者がもう一人いるってことでしょう?その人はなぜ何のお咎めもなく済むのかしら? 望まない妊娠や中絶問題の延長上にあるこの疑問の答えのようなものが見つかるかな、と思って読みました。 著者がこの本を書いた動機は、中絶の禁止は違憲であるとされた判断、いわゆるロー対ウェイド判決が2023年にアメリカ最高裁で見直しとなったことだそうです。やはり長らく男性が議論の中に全く含まれないことを疑問視しており、その原因については家父長制をあげています。なるほど、つまり、徹頭徹尾、男性に有利な社会制度、法制度で組み立てられてきた社会構造の問題で、妊娠や子育てに関するあらゆることが女性に責任を押し付けられている、ということなのです。そしてロー対ウェイド判決見直しでわかるように、その現状は未だ進行中です。この本はアメリカ国内のことについて言及された本ですが、追随する日本もほとんど変わりないように見えます。 こうした不均衡に対して、望まない妊娠や中絶を避け得る立場にいるのは圧倒的に男性であり、議論は男性の射精段階から始めねばならない、と提言しているのが本書の要点でした。細かい部分は異論もあれど、概ね全くその通りで、こうした議論が無いからこそ、日本でもコインロッカーベイビーは母親の責任になってしまうのでしょうね。射精の責任をすっかり無かったことにしてほっかむりしてる男性諸君には耳が痛いかもしれません。でも、この本は、本当はそうした男性諸君が全員読まねばならない性教育の教科書でもあると思いました。巻末の齋藤圭介さんの解説も、本編の隙間を埋める良い内容でした。 こうした議論の出発点に男性も同席することを強く望みます。そして、男性の無責任な射精のせいでどこにも相談できずに悩みに悩んで追い詰められて、駅のトイレなどで一人で出産せざるを得なくて、挙げ句の果てに犯罪に問われる女性がいなくなりますように。

Posted byブクログ

2024/09/01

なんというジャンルにすればよいんだ? 友人に勧められて。思っていたより、途中でくすくす笑うような感じで、随所でそれな笑となることも。(なんで女性側がコンドームを用意しないといけないんですか?男性の家に生理用品はあるんですか?とか) 基本的にはアグリーというか、しっかりここまで考え...

なんというジャンルにすればよいんだ? 友人に勧められて。思っていたより、途中でくすくす笑うような感じで、随所でそれな笑となることも。(なんで女性側がコンドームを用意しないといけないんですか?男性の家に生理用品はあるんですか?とか) 基本的にはアグリーというか、しっかりここまで考えていない男性諸兄に関しては是非読んでいただきたい、と思いつつ、ここに書かれていることに全て同意ということではなかった。自分がピル飲んでいるからもあってか、ノーストレスで避妊をせずに行為をすることもあるので、それがほんの1ミリでも嫌だったらダメだし、それが1ミリでも言いづらいならこの本の通りになるべきだと思うが、幸い現在のセックスパートナーとのコミュニケーションに苦がないので、ここまで悪悪悪って書かれると、こちら側まで責められているような気持ちになる。オーバーオール面白かったです。

Posted byブクログ

2024/08/21

ちんちんをワッフルメーカーで焼くみたいな文章がでてきてアメリカを感じた いってることは全部マジでそうですよねと思う。

Posted byブクログ

2024/08/01

配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=10279115

Posted byブクログ

2024/07/21

望まない妊娠の原因は100%男性にある。全くその通りで、日本でも起きている不幸な嬰児殺しのニュースを見るたびに、女性だけが裁かれ何故相手の男も共に裁かれることがないのかと腹が立って仕方がない。 最近見た裁判のニュースで『同意の上の性交で避妊を拒んだ男性に賠償命令「自己決定権の侵害...

望まない妊娠の原因は100%男性にある。全くその通りで、日本でも起きている不幸な嬰児殺しのニュースを見るたびに、女性だけが裁かれ何故相手の男も共に裁かれることがないのかと腹が立って仕方がない。 最近見た裁判のニュースで『同意の上の性交で避妊を拒んだ男性に賠償命令「自己決定権の侵害」』というのがあり、まさに射精責任が問われた判決と言える。(避妊しなかった事で望まない妊娠の末、男性は既婚を理由に子の認知拒否という酷さ) この本は男性にこそ読んでもらいたい。性教育の重要性。高校生には読んで欲しいと思う。

Posted byブクログ

2024/06/27

なかなかインパクトのあるタイトル。 読んでみると、フェミニズムの真骨頂の様相。 つまり、女性しかできない妊娠について、男性も責任を負うべきである、という主張。 これだけで脊髄反射で批判する人はいるだろう。 しかし本書の中身は至極真っ当な「批判」と「提言」。 どの提言も簡潔にまと...

なかなかインパクトのあるタイトル。 読んでみると、フェミニズムの真骨頂の様相。 つまり、女性しかできない妊娠について、男性も責任を負うべきである、という主張。 これだけで脊髄反射で批判する人はいるだろう。 しかし本書の中身は至極真っ当な「批判」と「提言」。 どの提言も簡潔にまとまっており、わかりやすい。 アメリカと日本の違いはあれど、背景は残念ながらほぼ同じだ。 なぜ女性だけが避妊と中絶について大きな責任を負うのか。 そのことに男性は納得できる答えを女性に示したことはない。 普段から女性は痛くて苦しい思いをすることが多い。 月経も妊娠も病気じゃない(だから「いつも通り働け、気合いで何とかなる」って?そんな考えの諸氏には学び直しをお薦めしたい)から、対症療法しかできない。 女は〇〇だからという決めつけや暴言を吐く人々の背景にはビビりがあるのではないか? 知らないもの、わからないものに対する恐怖、地位を脅かされることによる不安など。 性教育とは、雄しべと雌しべが…だけではない。 知っているだろうか? 女性の排卵時期は予測できないし、コンドームを使っても使わなくても快感に大した違いはないこと。 衝撃だったのはアメリカの交通事故死亡者数より、殉職警察官より、妊娠による死亡者数の方が多いということ。 なぜ目を背ける?なぜ見ないようにする? 目の前にいる女性は征服すべき対象でもないし、性技を試すための人形でもない。 現実にいる人間なのだ。 私たちは息子に教えないといけない。 あなたは男として生まれた。 だからこそ、パートナーを慈しみ、共に責任ある生き方をすべきと。 それができる男性だってたくさんいるのだ。 女性も忘れてはならない。 男だからできないんじゃない。 男性もまた敵ではなく、共に助け合って生きることのできる人なのだと。

Posted byブクログ

2024/06/19

題名も刺激的だし、中身もかなり過激と感じる方もいるかもしれない。しかし、極めて正論だと感じた。 アメリカで中絶手術は合法か否かが長いこと政治的な争点とされてきた。日本でも、あまり話題にはなってないが、経口中絶薬を認めるとか認めないとか、署名運動も起こっていたのも記憶している。中絶...

題名も刺激的だし、中身もかなり過激と感じる方もいるかもしれない。しかし、極めて正論だと感じた。 アメリカで中絶手術は合法か否かが長いこと政治的な争点とされてきた。日本でも、あまり話題にはなってないが、経口中絶薬を認めるとか認めないとか、署名運動も起こっていたのも記憶している。中絶の前に、妊娠があり、その原因となる行為がある。 引用すると、「セックスをするから望まない妊娠をするのではありません。望まない妊娠は、男性が無責任に射精をした場合にのみ起きるのです」まぁ、この無責任というのがどういう場合か、多くの人は想像できるだろうと思うけど、まさに、目から鱗。中絶の是非の論争を、まずは妊娠のスタート地点、射精から始めようというのが、本書の中心点だ。 詳しくはぜひ読んでもらいたいが、男性優位の家父長的社会の思考を変えれば、解決の糸口の見つかる問題がこの社会にはたくさんあると、読みながらツラツラ考えた。 セクハラ、レイプ、慰安婦問題、少子化、、、 据え膳食わぬは男の恥、なんて諺あることから恥ずかしい。肌の露出した洋服着てたら触られてもしかたない?女が誘った?食欲や物欲をコントロールできない人が、非難されるように、性欲をコントロールできない人間は、社会的にも信用を失って然るべきと思ったり。婚姻を妊娠可能な異性間でしか認めようとしない制度についても、かなりナンセンスだと思えた。結婚の中心点は、もはや、出産にはないのではないだろうか?とも思った。 「男性はおもちゃではなく、実際に危険な武器を持ち歩いているようなものです。彼らが精子をどのように扱うのかで、命が左右されるのです。」 これを極端な意見と思いますか?思った方、ぜひ本書を手に取ってもらいたい。 妊娠、中絶、子育ての実態をまるで理解していない鈍感なおじさん化した政治家たちにも、読んでもらいたい。

Posted byブクログ

2024/06/07

確かに望まない妊娠をして辛い思いをするのは当事者の女性だが、お互い合意の上での行為であっても、男性が射精の責任をというのは違うのかなと思った。

Posted byブクログ

2024/06/02

タイトルのインパクト、最早それのみで思わず手に取ってしまったけど(原題は「Ejaculate Responsibly」、直訳すると「責任をもって射精せよ」という意味だそうで)、決してそれだけでは終わらせてはいけない内容で、各提言を読む度に男性として身につまされた。

Posted byブクログ

2024/05/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

望まない妊娠は全て男性のせい。 これをなぜか女性にも責任を負わせる社会が存在している。 そこに斬り込んでいく本。 読みやすいというか、読者が強い意識を持っていなくても読めるような作りになっていて、イヤイヤ読む男性も読者像として想定しているのかな。 コンドームは女性用避妊具、避妊薬に比べて手に入れるのも使うのも簡単だし、全く知らなかったけど、精管結紮術、いわゆるパイプカットは高い確率で元にも戻せるそうだし、男性側で出来ることの方が簡単。 なのにそこらへんも含めて女性に責任を持たせるのはいけないよね。と頭ではわかっていても、いざ、という時に我慢できないのが男。だから、そのいざ、より前に色々準備しておかないといけないのだ。

Posted byブクログ