射精責任 の商品レビュー
女性の妊娠から出産に至るまでのリスクについて。性行為について「危機回避する」には男性の方が低リスクで高リターンなのに、社会的にも女性側にそのリスクがより高く背負わされていたり、ケアが蔑ろにされている現状を鋭く批判する。 堕胎の話では、女性に責任があるような論調が繰り広げられがちで...
女性の妊娠から出産に至るまでのリスクについて。性行為について「危機回避する」には男性の方が低リスクで高リターンなのに、社会的にも女性側にそのリスクがより高く背負わされていたり、ケアが蔑ろにされている現状を鋭く批判する。 堕胎の話では、女性に責任があるような論調が繰り広げられがちで男性は不在になりがちである。 前述の通り、より避妊が低コストで容易な男性側の責任について「射精責任」という言葉で迫る。 一個一個はうっすらと理解しているつもりでも、このように対比され整理されると、性行為のリスクについての負荷、リスクヘッジのアンバランスさについて考えさせられる。 書籍にのつくりについては、キャッチーさ、インパクトさが強く出てしまっていて、もう少し「射精責任」という言葉の示すところが発散していってしまう気がするのが少し勿体無いか。
Posted by
正直、「はじめに」さえ読んでしまえば十分である。あとはもう、同じような事がくどくど続くだけ。途中で読むのをやめた。 私はセックスのときに当たり前のようにコンドームを使う人間なので、得るものはほとんどなかった。 まあ、こんなことをセンセーショナルに本にしなければならないくらい問題が...
正直、「はじめに」さえ読んでしまえば十分である。あとはもう、同じような事がくどくど続くだけ。途中で読むのをやめた。 私はセックスのときに当たり前のようにコンドームを使う人間なので、得るものはほとんどなかった。 まあ、こんなことをセンセーショナルに本にしなければならないくらい問題が根深いということなのだろう。 というか、本来この問題を真剣に考えるべきである層がこんな本読むか?(もっと言うと、そもそも「読書」するか?)と思った。
Posted by
『射精責任』 赤の表紙にデカデカと書かれたゴシック体に、男性はビビリ、女性は我が意を得たり、と、大きく頷くのではないだろうか。 私は、このまるで古来からあるような説得力ある四文字熟語をはじめて見たとき、いろいろ腑に落ちた。 もちろん、この言葉は古来からあるわけではない。 今ま...
『射精責任』 赤の表紙にデカデカと書かれたゴシック体に、男性はビビリ、女性は我が意を得たり、と、大きく頷くのではないだろうか。 私は、このまるで古来からあるような説得力ある四文字熟語をはじめて見たとき、いろいろ腑に落ちた。 もちろん、この言葉は古来からあるわけではない。 今までは、望まない妊娠の責任は妊娠させられた女性のほうが負ってきた。今までは。 アメリカでは妊娠中絶に反対するプロライフ派と、女性の妊娠中絶に賛成するプロチョイス派が激しい舌戦を繰り広げている。 そこに、そもそも論を持ってきたのがこの本の著者ガブリエル・ブレアである。 ‘’そもそも、妊娠の始まりって男性の膣内射精ではないか‘’ だったら、コンドームを正しく着ければ、望まぬ妊娠の先の中絶も大幅に減らせるのではないか。 エビデンスを元に、コンドームをなかなか着けたがらない(家父長制も関係あるそう)男性に『射精責任』を自覚させていく。 彼女いわく「望まない妊娠の責任は100%男性にある」 ガブリエル・ブレアは6人の子を持つ敬虔なモルモン教徒でプロチョイス派なのだそうだ。 説得力のある言葉を男性に向けて口を酸っぱくして繰り返している。 読んでる内に、本書は‘“女性による男性のしつけ本”に思えてきた。 私がもし、本書を読んだ、最近彼女ができたばかりのジェームス・フランクリン君(仮名・14歳)だったらこう言うだろう。←どっから出てきたジェームス “オッケー、ガビー、ぼくは絶対セックスするときはコンドームつけるよ” 内容もだけれど、本のレイアウトもインパクト大。 翻訳は村井理子さん。 解説は社会学者の齋藤圭介さん。
Posted by
哲学的、倫理的、政治的に女性のみに焦点が置かれ続けてきた。そもそも男性の射精がなければこの議論は発端しないのに。当たり前だが、全く当たり前で無い状況がずっと続いている。 そして、妊娠は痛いし、辛いし、危ないし、一生ものだし、人生をかける必要があるし、金もかかる。それが男性は逃げや...
哲学的、倫理的、政治的に女性のみに焦点が置かれ続けてきた。そもそも男性の射精がなければこの議論は発端しないのに。当たり前だが、全く当たり前で無い状況がずっと続いている。 そして、妊娠は痛いし、辛いし、危ないし、一生ものだし、人生をかける必要があるし、金もかかる。それが男性は逃げやすく、女性はどのような選択をするにせよ一生ついて回る。不平等の極み。
Posted by
この痛烈なタイトル。 本の内容はこの一言で語りつくされると言ってもよかろう。 しかしこの本は、繰り返し繰り返し、 このテーマを深堀している。 我々男性にとっては耳の痛い話、気づいていない話ばかりだ。 と書きつつ、私は比較的気づいていたほうだと思う。 それは、妻が気が強い、はっき...
この痛烈なタイトル。 本の内容はこの一言で語りつくされると言ってもよかろう。 しかしこの本は、繰り返し繰り返し、 このテーマを深堀している。 我々男性にとっては耳の痛い話、気づいていない話ばかりだ。 と書きつつ、私は比較的気づいていたほうだと思う。 それは、妻が気が強い、はっきりものを言える女性だったからかと。 女性がどういうものか、否応なしに気づかされた。 この本に書かれている何割かは、身をもって理解できていた。 しかし、初めて気づかされたこともある。 それは、「セックスが男性のオーガズムで終わる」 という不公平さだ。 そういうものだ、と思い込んでいた。 たしかに、女性が先にオーガズムに達してはいおしまい、 でも文句は言えないはず。逆の立場だったら。 しかしそうはならない。 こりゃ不公平だ。 妊娠、出産は明らか女性に負担がかかることは理解していたが、 セックスも不公平とは。 そのくせいまは2回目のデートでセックス、、とか、、、 若い女性はどう考えているのだろう。 もっと自分を守らなければ、、と思うのだが。 女性にリスクを負わせる責任は男性にある。 その通りだ。 妊娠能力は男性は女性の500倍! これもすごい数字だ。 女性は月1日、30年。 男は毎日何人でも、そして一生。 一生。。。。わたしはどうかなあ。。。
Posted by
誰もが頭では理解していたけど、言葉にしなかったこと。全米騒然かどうかは知らんが。極めてファンダメンタルな事実を、ド直球ど真ん中に言ったことが評価されるべき。こんな言葉は流行ればいいと思う。 ・・・。 本としては、ちょっと、くどい。
Posted by
発売前から「射精責任」のタイトルと訳者が村井理子さんと知り、読むのを楽しみにしていた インパクトのある赤い表紙、目に飛び込んでくる「射精責任」の文字で装丁もカッコいい! 読むやすい文字の大きさ、28の提言に分かれている (文字が見にくいお年頃にはありがたい) ・セックスをす...
発売前から「射精責任」のタイトルと訳者が村井理子さんと知り、読むのを楽しみにしていた インパクトのある赤い表紙、目に飛び込んでくる「射精責任」の文字で装丁もカッコいい! 読むやすい文字の大きさ、28の提言に分かれている (文字が見にくいお年頃にはありがたい) ・セックスをするから望まない妊娠をするのでは ありません。 ・望まない妊娠は男性が無責任に射精をした場合に のみ起きるのです。 気持ち良いくらいバサバサと切り込んでいるが、決して男性を非難していない 他の方の感想にあったように性教育のバイブルにしてほしいくらいの本 性教育は人権教育だから 幼児期から(自分の心と体を大切にすること)学べる時間をもっともっと家庭や幼稚園、学校で取り入れてほしい あとがきより(村井理子さん) 「少子化、出産、子育てにまつわる議論の中心に 置かれるのは、今でも、私たち女性だ。 私たちはその議論の中心に、 男性も参加してほしいと願っている」 また読みたいと思う そして男性にも女性にも読んでほしい本!
Posted by
すごく当たり前の事なのだけれどこれまで誰も言ってこなかったことをちゃんと言うのが凄い本。 射精責任ではあるけど、主題は中絶かな。 ラディカル・フェミニズム入門的な感じだなぁと。 そういう意味ではアンドレア・ドウォーキンのポルノグラフィなどの方が、理論としては深い感じはする。 ライ...
すごく当たり前の事なのだけれどこれまで誰も言ってこなかったことをちゃんと言うのが凄い本。 射精責任ではあるけど、主題は中絶かな。 ラディカル・フェミニズム入門的な感じだなぁと。 そういう意味ではアンドレア・ドウォーキンのポルノグラフィなどの方が、理論としては深い感じはする。 ライトに読めるのでみんな読むべし。
Posted by
女性と男性の目線の差というのは世の中には数多くあるし、その差を埋めるのはなかなか難しい。 この本は女性目線で語っているという点からすれば男性には理解できない部分もあるだろう。 でもだからこそこの本は女性よりも男性が読むべき内容とも言える。 ハッとさせられる内容でとても興味深かった...
女性と男性の目線の差というのは世の中には数多くあるし、その差を埋めるのはなかなか難しい。 この本は女性目線で語っているという点からすれば男性には理解できない部分もあるだろう。 でもだからこそこの本は女性よりも男性が読むべき内容とも言える。 ハッとさせられる内容でとても興味深かったです。
Posted by
日本で果たしてこの本が受け入れられるかどうか? と一瞬思うほどのインパクト!赤い表紙に大きいポイントのゴシック体で書かれた見出し。 しかし、書かれている内容は極めて当たり前、コロンブスの卵のような発想の内容だった。 そうだ、そうなのだ。 プロライフ派とプロチョイス派の中絶を巡る...
日本で果たしてこの本が受け入れられるかどうか? と一瞬思うほどのインパクト!赤い表紙に大きいポイントのゴシック体で書かれた見出し。 しかし、書かれている内容は極めて当たり前、コロンブスの卵のような発想の内容だった。 そうだ、そうなのだ。 プロライフ派とプロチョイス派の中絶を巡る議論の衝突は、女性の選択の問題として語られがちだが、望まない妊娠のための中絶に女性を追い込んでいるのは、確かに男性である。あったり前田のクラッカーだった笑 なぜそれが議論されなかったのか? 読み終わって改めて不思議な気分だ。 作者ガブリエル・ブレアは6児の母でありモルモン教徒だという。そういう自身の保守的とみなされやすい属性を逆手に取って発言したのは確かに意義があると思う。 このような女性が存在するところがアメリカの強さだ。 映画「バービー」は韓国と日本ではヒットしていないそうだ。東アジアの儒教的イデオロギーの強い国で、この本がどのくらい受け入れられるか、疑問に思う部分もあるが、ジェンダー意識だけはゆっくりと確実に変化している。この本が提示した問題もゆっくりと確実に浸透していくと信じたい。
Posted by